種類別の対策ガイド

ハクビシンの駆除・対策ガイド

顔や尾の特徴、屋根まわりの出入りを確認したい。

ハクビシンはジャコウネコ科の中型哺乳類で、黒っぽい顔の中央を額から鼻先まで白い線が通るのが目印です。農林水産省のマニュアルによると、鼻先から尾の先まで1mほど、体重は3〜4kg程度で、胴と同じくらい長い尾を持ちます。東南アジアや中国南東部、台湾などに自然分布し、日本には外来種として持ち込まれたとされています。国立環境研究所の侵入生物データベースには、江戸時代に持ち込まれた記録や、戦時中に毛皮用として持ち込まれた経緯が記されています。

国内では東北地方から中国地方の一部、四国にかけて分布が確認され、関東から近畿では市街地でも目撃されています。立体的な移動が得意で、雨どいのようなつるつるした柱を登り、電線の上も渡れます。夜行性で、昼は屋根裏や床下、樹洞などで休み、ねぐらを複数持って使い分けます。家屋では足音や子の鳴き声による騒音と、ねぐらの中に排せつすることによる糞尿の汚れが主な被害で、糞尿がたまって天井板が落ちた例も報告されています。

果実を好む雑食性で、ブドウ、カキ、ミカン、トマト、トウモロコシなど甘くて水分の多い作物のほか、昆虫や小動物、生ごみも食べます。繁殖はほぼ一年を通じて行われ、1回に1〜4頭を産むとされています。6cm×12cmほどのすき間があれば入り込めるとされ、夏は涼しい床下、気温が下がると暖かい天井裏を休み場所にします。餌になる物と入り込めるすき間の両方を減らすことが対策の基本です。

ハクビシンの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
足跡前足・後ろ足とも5本指で、指の跡が丸く独立し、中心の肉球の跡は円形です。爪が小さいため爪の跡は目立ちません。柱や雨どいに、登ったときの足跡が点々と残ることがあります。アライグマは指が長く、手形のような跡になります。
フン農林水産省の見分け方の図では、細めで片側の先が細くなる形とされ、天井裏や水のある場所に、同じ所へためるように残す例が示されています。食べ物や時期で形や色は変わるため、足跡などと合わせて判断します。
天井のシミねぐらの中で排せつするため、天井に糞尿のシミが出ることがあります。農林水産省のマニュアルは、ハクビシンのシミはぽつんと一か所に、アライグマのシミは壁に沿って現れる例を写真で示しています。
音天井裏を歩く足音や、子育て中の子の鳴き声が聞こえることがあります。昼は1階と2階の間や屋根の下で休み、夜に活動する動物なので、出入りの時間帯も手がかりになります。
食害ブドウやトマトは皮だけを吐き出し、ミカンやナシは枝先で実の下側から食べて上部を残します。トウモロコシは斜めに倒して皮をむき、粒の薄皮が軸に残る食べ方をします。土を掘って食べる行動はしないとされています。
姿(顔と尾)額から鼻にかけての白い線、短い足、胴と同じくらい長い尾が目印で、電線の上を移動する姿が見られることもあります。アライグマは尾にしま模様があり、タヌキは尾が太くふさふさしている点が違います。

法律・制度上の注意

ハクビシンは外来生物法の特定外来生物には指定されていませんが、鳥獣保護管理法の対象となる野生鳥獣です。捕獲や殺傷は狩猟による場合を除いて原則として禁止され、被害があっても、都道府県知事または権限を移された市町村長の許可を受けなければ捕まえられません。狩猟鳥獣でもありますが、狩猟には狩猟免許と狩猟者登録が必要で、猟期や猟法が決められています。許可の基準や申請先、捕獲箱の貸出の有無は自治体によって異なるため、市区町村の担当課に確認してください。

自分でできる対策

  • 収穫しない柿などの果実、畑に残した作物の残り、生ごみを片付け、餌になる物を敷地に置かないようにします。
  • 床下の通風口、軒の傷んだ部分、瓦のすき間、増築部分の継ぎ目を点検します。6cm×12cmほどのすき間でも入れるとされるため、小さな開口も記録します。
  • すき間をふさぐ前に中に動物がいないことを確かめ、金属の網や板など丈夫な材料でふさぎます。樹脂ネットや薄い合板は破られるおそれがあります。
  • 雨どいや柱に足跡がないか、天井にシミがないかを確認し、気づいた日時と場所を写真と一緒に残します。
  • フンの片付けは手袋を着け、肌を出さない服装で行います。ノミやダニが付いていることがあるため、ペットを近づけないようにします。

相談を考える目安

  • 天井裏の足音や鳴き声が続き、天井のシミが広がっているとき。
  • 子育て中と思われ、追い出しや侵入口をふさぐ時期の判断がつかないとき。
  • 侵入口が屋根や軒など高い所にあり、自分では安全に点検・補修できないとき。
  • 捕獲を希望するとき。捕獲には許可が必要なため、市区町村の担当課か、許可申請に対応できる専門業者に相談します。

ハクビシンのよくある質問

ハクビシンは自分で駆除(捕獲)してよいですか?
許可なく捕獲することはできません。ハクビシンは鳥獣保護管理法の対象で、捕獲や殺傷には都道府県知事または市町村長の許可が必要です。自治体によっては許可申請を受けて捕獲箱を貸し出しており、栃木県真岡市は申請に基づく貸出と、捕獲後の処理は申請者自身で行うことを案内しています。手続きは地域で異なるため、先に市区町村へ確認してください。
ハクビシンの駆除に毒餌や殺鼠剤は使えますか?
自己判断で毒餌や殺鼠剤を使ってハクビシンを殺すことはできません。野生鳥獣であるハクビシンの捕獲や殺傷は鳥獣保護管理法で原則禁止され、許可を受けた捕獲でも毒物を使う猟法などの危険猟法には制限があります。対策は、餌になる物を片付けること、侵入口をふさぐこと、必要な場合は許可を得た捕獲を自治体や専門業者に相談することが基本になります。
ハクビシンは外来種ですか?特定外来生物ですか?
外来種とされていますが、特定外来生物には指定されていません。国立環境研究所の侵入生物データベースには、江戸時代に持ち込まれた記録や戦時中に毛皮用として持ち込まれた経緯が記されています。アライグマと違って外来生物法の規制対象ではありませんが、鳥獣保護管理法により無許可の捕獲が禁止されている点は同じです。
ハクビシンは屋根裏にどこから入りますか?
農林水産省のマニュアルでは、6cm×12cmほどのすき間があれば侵入できるとされています。雨どいや柱を登り、電線も伝って移動できるため、軒の傷んだ部分、瓦のすき間、増築部分の継ぎ目が入口になりやすく、地面の近くでは床下の通風口が狙われます。
ハクビシンとアライグマ、タヌキ、アナグマの違いは何ですか?
尾と足跡が手がかりです。東京都の資料では、ハクビシンは尾が長く、足跡は5本指で爪の跡がはっきりしません。アライグマは尾に黒いしま模様があり、5本指で爪の跡が明瞭です。タヌキは尾が太くふさふさして足跡は4本指、アナグマは尾が短く、5本指で爪が長いとされています。

参考(確認日:2026年10月2日):国立環境研究所|侵入生物データベース・ハクビシン、農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 中型獣類編(アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ等、令和6年3月版)、東京都環境局|アライグマ・ハクビシン等の見分け方(PDF)、真岡市|屋根裏の害獣ハクビシンの被害・対策・駆除、環境省|日本の外来種対策・特定外来生物等一覧

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