アライグマが罠にかかったら、まず近づかずに連絡する

最初にすることは、貸出元の自治体や委託業者、許可の窓口に電話して、回収の手配を受けることです。連絡先は自治体で型が違い、たとえば柏市は市では受け付けず、委託事業者へ直接連絡するよう案内しています。横浜市は環境活動事業課、札幌市は環境共生担当課が窓口です。設置前に、連絡先を控えておくと慌てずに済みます。

わなには近づかず、手や棒を入れないでください。環境省の手引きは、アライグマは箱わなから前肢を出して人をひっかいたり咬んだりすることがあるとし、取り扱う場合は革の手袋などで安全を確保するよう求めています。柏市は、咬まれると病原菌に感染するおそれがあるので触らないよう案内しています。咬まれた場合は、感染症のおそれがあるため医療機関で相談します。

回収までの間は、わなに直射日光や雨が当たり続けないようにします。環境省の手引きは、捕獲された動物が直射日光や高温にさらされないよう、箱わなにカバーをかけるなどの配慮を挙げ、設置場所も直射日光が当たる場所や浸水しやすい場所を避けるとしています。横浜市も、回収までの間は日光や雨ざらしを避けて適切に管理するよう案内しています。水や餌を与える手順は、今回確認した公式案内には載っていません。近づく必要が生じるため、迷ったら電話で担当者に聞いてください。

してはいけないこと

次の行為は、わなの中の動物に咬まれるなどの安全面と、運搬や放つ行為を規制する法律面の両方から、自己判断で行わないでください。

  • わなに手や棒を入れる、扉を開けて確かめる
  • わなごと車に積んで、別の場所へ運ぶ
  • 遠くの山や河川敷へ連れて行って放す
  • 子どもやペットをわなに近づけて見せる
  • かわいそうだと感じて、飼おうとする(飼養は許可がなければ禁止)

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

読者の疑問

アライグマが罠にかかったら、まずどこへ連絡しますか?

比較ガイド

貸出元の自治体、市の委託業者、許可を出した窓口など、設置前に案内された連絡先です。柏市のように委託業者へ直接かける自治体もあります。わなには近づかず、手を入れないで、回収の指示を受けてください。

捕獲後の数時間を時系列で整理する

かかった直後から回収までの流れを、公的資料の記載にもとづいて表にしました。自治体の貸出条件や受付時間が優先されるため、実際の動きは貸出時の説明書に合わせてください。

捕獲後の数時間を時系列で整理する:確認項目
タイミングやることしてはいけないこと・注意
見つけた直後離れた位置から、扉が閉まっているか、わなが倒れていないかを確認する近づく、手や棒を入れる、子どもやペットを近づける
連絡(できるだけ早く)貸出元や委託業者へ電話する。場所、許可証や従事者証の番号、動物の様子、時刻を伝える自治体を通さずに、知人や業者へ運搬を頼む
回収までの待機日光や雨が直接当たらないよう、カバーなどで配慮する。連絡先の指示を聞く日向や雨ざらしに置いたままにする。わなを移動する
回収の日委託業者や職員の指示に従う。回収は受付の時間帯や天候で翌日以降になる例がある自分で処分施設へ運ぶ(従事者などの例外を除く)
回収後わなの再設置や返却は貸出元に確認する。報告書の提出を求める例がある指示がないまま、同じ場所へ再設置し続ける
作業後使った手袋・衣類・道具を洗浄・消毒し、屋外作業のあとは入浴して衣服を替える。咬傷やダニの付着があれば医療機関に相談する汚れたまま家の中へ持ち込む

参考:浜松市|アライグマ捕獲従事者の皆様へ(留意事項、PDF)

生きたまま運べない理由|外来生物法と、運べる場合の例外

アライグマは、外来生物法で特定外来生物に指定されています。環境省は、特定外来生物の飼育・栽培・保管・運搬を「飼養等」と呼んで原則禁止し、野外へ放つことも原則禁止としています。環境省のQ&Aは、見つけた特定外来生物を生きたまま許可なく運搬することはできないと明記しています。

一方で、環境省は、特定外来生物を野外で捕まえた場合に「その場ですぐ放す」ことは規制の対象にならないと説明しています。禁止されるのは、持ち帰る、移動させて放すといった行為で、山や河川敷へ運んで放すことは、運搬と野外へ放つ行為の両方に当たりうるため避けてください。違反した場合の罰則は、販売目的以外の飼養等では個人は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、野外へ放った場合は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金と、環境省のページに示されています。

運べる場合の例外|防除・許可捕獲・自治体職員

例外は、法律にもとづく手続きを経た防除です。環境省の防除Q&Aは、その場で殺処分できる場合を除き、生きたまま運ぶことは法律違反になるが、防除の公示や確認・認定の手続きを行えば適法にできるとしています。地方公共団体の職員が職務で緊急に引き取り、処分のために一時的に保管・運搬する場合は、外来生物法の手続きは要りません。鳥獣保護管理法の許可捕獲でも、処分のための一時的な保管や運搬はできると手引きは整理しています。アライグマ駆除の法律と許可で、2つの法律の違いを確認できます。

生きたまま運べない理由|外来生物法と、運べる場合の例外:確認項目
場面外来生物法・手引きでの扱いとるべき行動
わなごと別の場所へ運んで放す運搬と、野外へ放つ行為に当たる。いずれも原則禁止その場に置いて、貸出元に連絡する
回収を待つ間、わなを現地に置く許可捕獲や防除に伴う一時的な保管の範囲で整理されている短い時間で連絡し、受付時間を確認する
委託業者や職員が回収して処分施設へ運ぶ防除の確認・認定や、職員の職務による一時的な保管・運搬の例外にあたる業者や職員の指示に従う
従事者が処分のために自分で運ぶ従事者証や許可にもとづく運搬。自治体ごとに搬入先や条件が決まる従事者証・許可証を携帯し、搬入のルールを守る
飼う、人に譲る飼養等の許可がなければ禁止。ペットとしての飼養は許可が受けられない例が案内されている行わない

参考:環境省|日本の外来種対策・外来生物法「何が禁止されているの?」

連絡先・受付時間・回収の担当は自治体で違う|5つの型

貸出や回収の仕組みは、自治体で大きく違います。次の表は、全国から型の違う5市の公式案内を、2026年10月3日に確認してまとめたものです。同じ自治体でも制度は年度で変わるため、実際に使うときは最新のページと貸出時の書類で確認してください。

栃木市の公式案内(2025年12月16日更新)では、捕獲した個体の止め刺しと処分は、許可を受けた人が行うのが原則です。市が指定する捕獲従事者に依頼する方法もあり、その受付は平日の午前9時から午後4時までで、土日祝日と年末年始は対応できません。引取日は、受付の時間帯や天候で翌日以降になることもあります。罠の中で死亡した場合は、横浜市の制度では回収できず、船橋市は動物の死体の回収を別の窓口で案内しています。環境省の手引きは、捕獲個体は防除を実施する主体の責任で処分し、個人的な持ち帰りや野外への放置は厳に慎むよう求めています。担い手は、獣医師などの専門技術者、都道府県の施設、自治体職員や捕獲従事者、委託業者など、地域によって異なります。

連絡先・受付時間・回収の担当は自治体で違う|5つの型:確認項目
自治体(更新日)連絡先の型受付・回収の時間帯回収・処分の担い手
札幌市(2026年3月31日)貸出・設置は市の環境共生担当課へ電話。市の委託業者が敷地に設置する回収の時間帯の記載はない。貸出は年間の受付数に上限がある処分は原則、許可を得た人。難しい場合は市の委託業者が無料で引き取る。無許可で捕獲したものは引き取れない
横浜市(2026年4月6日)許可証・従事者証をもつ人が、市に回収を依頼する(電話か電子申請)アライグマ・ハクビシンは平日8時45分〜12時。土日祝・年末年始は回収できない市の委託業者が回収し処分する。罠の中で死亡した場合は回収できない
柏市(令和8年度の案内)市では受け付けず、委託事業者へ直接電話する9〜18時(日曜・年末年始を除く)委託業者が回収する。自分で用意したわなは回収しない
名古屋市(2026年5月22日)捕獲許可の申請と、捕獲箱の貸付申請の2つが必要ページに回収の受付時間の記載はない。申請と受け渡しは窓口で行う貸出した捕獲箱で捕獲された場合は、市が回収する
浜松市(従事者向け案内・日付の表記なし)従事者登録をして市のわなを借り、お問合せフォームで連絡する平日の午後2時まで。休日・夜間は受付できない市から委託を受けた事業者が引き取る

参考:横浜市|捕獲動物の回収

休日・夜間・連休前にかかったとき

回収を営業日の日中に限る自治体が目立ちます。船橋市は、土日祝日と年末年始は委託業者が休みで回収できないため、設置は基本的に日曜の夜から金曜の朝までとし、稼働中は毎朝見回り、土曜・日曜・祝日・年末年始の前日夜にはわなを閉めるよう案内しています(2026年8月19日更新)。横浜市も、受付時間外や土日祝日、年末年始は回収できないため、この期間は罠の入口を閉じて、動物が入らないようにするとしています。

浜松市の従事者向け案内は、土日祝日前や年末年始、その他の連休には「わな」を作動させず、作動させたまま放置しないよう求めています。柏市は、委託事業者が休業する日(令和8年10月1日の例)には、箱わなの一時的な撤収や扉を閉める対応を案内しています。夜間にかかった場合も、受付時間を示している自治体では、連絡と回収は営業時間内の対応になります。夜間や休日にかかる可能性を減らす運用を、貸出時に確認しておくと安心です。

  • 貸出時に、受付時間・休業日・連休の扱いを書面で受け取る
  • 金曜夜から日曜、祝日前、年末年始は、わなを閉じるか撤収する運用かを確認する
  • 夜間にかかった場合は、暗い中でわなに近づかず、翌朝に離れた位置から様子を見て連絡する
  • 回収を依頼したあとに動物が逃げたときも、速やかに再度連絡する(横浜市の案内)

参考:船橋市|アライグマ・ハクビシンの捕獲用ワナの貸し出しについて(外来種対策)

タヌキ・猫・ハクビシンなど別の動物だった場合

アライグマ用の箱わなには、ほかの動物がかかることがあります。環境省の手引きは、アライグマを目的に設置したわなに、ハクビシンやタヌキなどの対象外の動物がよくかかるとしています。直ちに放逐すれば捕獲許可は不要ですが、殺処分などを行う場合は、捕獲された種に対する鳥獣保護管理法の許可が必要だと整理しています。

確認した自治体の案内は、対象外の動物を放す点で一致しています。札幌市はペット等が誤って捕獲された場合は速やかに放すよう、船橋市はその場で放すよう、柏市はアライグマとハクビシン以外の生きものは自分で逃がすよう案内しています。浜松市は、アライグマ以外は直ちに放獣し、ヌートリアとクリハラリスは連絡するとしています。横浜市と栃木市も、許可のない動物や対象外の動物はすぐに逃がすとしています。

ただし、対象にする動物は制度で違います。柏市と船橋市はアライグマとハクビシンが対象で、名古屋市の捕獲箱の貸出はアライグマ・ハクビシン・ヌートリアです。埼玉県のアライグマ捕獲従事者制度は、アライグマ以外の動物は捕獲できないと明記しています。タヌキは在来の野生鳥獣で、許可なく処分できません。飼い猫などの愛護動物は、動物愛護管理法でみだりに殺したり傷つけたりすることが禁止されています。アライグマ・タヌキ・ハクビシン・アナグマの見分け方を知っておくと、かかった動物の判断がしやすくなります。

タヌキ・猫・ハクビシンなど別の動物だった場合:確認項目
かかった動物公式案内で確認できる対応注意
タヌキ対象外のため放す(船橋市、浜松市、栃木市、環境省の手引き)在来の野生鳥獣。許可なく処分できず、放すのが基本
猫(飼い猫・地域の猫)ペット等が誤って捕獲されたら速やかに放す(札幌市)。アライグマとハクビシン以外の生きものは自分で逃がす(柏市)動物性の餌を避ける工夫を手引きが挙げる。傷つけない
ハクビシン制度で扱いが分かれる。柏市・船橋市・栃木市は対象に含み、浜松市は放獣する貸出条件や許可証の種類で確認する
ヌートリア・クリハラリス浜松市は連絡を求める。名古屋市はヌートリアを捕獲箱の対象に含む貸出元の案内で扱いを確認する
その他の野生鳥獣確認した案内では、対象外の動物は放す内容弱っている・けがをしている場合は、貸出元に連絡する

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

許可や貸出のない罠にかかっていた場合の相談

自分で購入した罠や、自作した罠に、許可を受けないままアライグマがかかった場合は、まず自治体の鳥獣担当に電話し、経緯を伝えて指示を受けてください。野生鳥獣の捕獲は原則として許可が必要で、鳥獣保護管理法の条文では、違反に対し1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(自治体や省庁のページには旧表記の「懲役」が残る場合がありますが、現在の条文は拘禁刑です)。札幌市は、無許可で捕獲されたアライグマは引き取れないと案内し、柏市は自分で用意したわなにかかったものは回収しないとしています。

運んで放す、持ち帰る、自分で処分する、のいずれも自己判断で行わないでください。どの手続きが可能かは、自治体と、捕獲の経緯で変わります。柏市は、自分で探した業者に連絡して、自費で駆除するよう案内しています。民間の専門業者への依頼を考えるときは、アライグマ駆除業者の選び方で、捕獲の手続きや封鎖、清掃の範囲を比べられます。

他人が設置した罠に動物がかかっているのを見つけた場合は、近づかず、触らないでください。環境省の手引きは、わなの設置が法令にもとづく正当なものであることを示すため、わなごとに、許可を受けた人や従事者の住所・氏名・許可の有効期間・許可証の番号などを見やすい場所に明記する必要があるとしています。標識に連絡先があればその人へ、なければ市区町村の鳥獣担当へ連絡します。

  • わなの場所(住所や目印)と、かかった時刻
  • 標識の有無と、書かれている連絡先・許可の番号
  • 動物の様子(動いているか、弱っているか)と、離れた位置から撮った写真
  • 近くに子ども・ペット・通行人がいるか

参考:札幌市|アライグマについて