宇部市が捕獲許可を出す鳥獣と、県の窓口になる鳥獣

宇部市の「有害鳥獣捕獲」のページ(2024年6月更新)は、野生鳥獣は鳥獣保護管理法で保護されており、許可なく捕獲できないという基本的な考え方を示しています。そのうえで、被害を防ぐ対策をしても防げない場合には、有害鳥獣として捕獲できる場合があり、その捕獲には許可が必要と説明しています。市は、被害防止計画を定め、実施隊(猟友会)による有害鳥獣の捕獲も行っています。

市が捕獲許可等を行う獣類には、アライグマ、ハクビシン、ヌートリア、タヌキ、キツネ、テン、イタチ、アナグマ、イノシシ、ニホンジカ、サル、ノウサギなどが挙がっています。鳥類にはキジバト、ドバト、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ムクドリ、スズメなどがあります。一覧にない鳥獣の申請窓口は、県(美祢農林水産事務所)と書かれているため、一覧に名前が見当たらない動物は、市に電話する前に県の案内も確認しましょう。

宇部市が捕獲許可を出す鳥獣と、県の窓口になる鳥獣:確認項目
区分申請先(宇部市の公式ページ)例
市が許可する獣類市(農林整備課)アライグマ、ハクビシン、ヌートリア、イタチ、アナグマ、タヌキ、イノシシ、ニホンジカ、サルなど
市が許可する鳥類市(農林整備課)ドバト、キジバト、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ムクドリ、スズメなど
市の一覧にない鳥獣県(美祢農林水産事務所)市のページが「上記以外」として案内している区分
鳥類の卵の採取等市の対象の卵は市、それ以外の鳥類の卵は県(自然保護課)市のページはキジバト、ドバト、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス(実施要領第8条はムクドリを除く5種)

参考:宇部市|有害鳥獣捕獲

読者の疑問

宇部市でアライグマを捕獲するには許可が必要ですか?

比較ガイド

必要です。宇部市のページは、野生鳥獣は許可なく捕獲できないと案内し、アライグマを市が捕獲許可等を行う鳥獣に挙げています。窓口は産業経済部の農林整備課で、申請書と区域図、被害の写真などが必要です。

実施要領が定める、申請できる人と条件

市の有害鳥獣捕獲実施要領(2024年3月施行)は、許可の対象者を区分ごとに定めています。カワウの餌釣りや、巣の除去に伴うヒナ・卵の別枠を除くと、主な区分は次の3つです。1つ目は、市の鳥獣被害対策実施隊の隊員で、被害防止計画に基づいて市長の許可を受けます。2つ目は、自分の事業地で農作物などの被害が出ている農林業者等で、自衛のわなによる捕獲です。3つ目が、実施隊員や農林業者等以外で被害を受けた人や、その人から依頼された人で、家屋の汚損など生活環境の被害を受けた一般の世帯は、主にこの区分になると読めます。

3つ目の区分の条件は、使う捕獲用具に応じた狩猟免許があること、狩猟事故共済またはこれに類する損害保険に入っていること、過去3年間に法違反で行政処分や刑事処分を受けていないことです。被害を受けた人から依頼された法人の場合は、従事者の中に猟法に応じた免許所持者がいること、法人が講習会で捕獲技術や安全性を確保していること、免許のない人は免許のある人の監督下で捕獲することなどが条件に挙がっています。

許可の対象区域は、被害を受けた人の所有地内で、地域の関係者や実施隊の地区隊長と十分な調整が図られている区域とされています。許可期間は、原則として獣類は60日以内、鳥類は30日以内(箱わなを使う場合は60日以内)です。申請書には、捕獲区域を示す図面、被害状況が分かる写真、狩猟免許の写しなどを付け、依頼された人は依頼書も付けます。

実施要領が定める、申請できる人と条件:確認項目
申請者の区分主な条件許可期間の目安
実施隊の隊員市の鳥獣被害対策実施隊の隊員。被害防止計画の対象鳥獣で、隊長等が申請市長が必要と認める期間(狩猟鳥獣以外は1年以内)。捕獲頭数の上限はなし
農林業者等の自衛わな自らの事業地で被害が現に生じている農林業者等。狩猟免許が基本で、一定の場合は免許なしも対象60日以内。見回りは1日1回以上が原則
上記以外の被害者・依頼された人使う用具の狩猟免許、狩猟事故共済等の保険、過去3年に法違反がないこと獣類は60日以内、鳥類は30日以内(箱わなは60日以内)

参考:宇部市|宇部市有害鳥獣捕獲実施要領(PDF)

住宅の被害には、小型の箱わな等の特例があります

実施要領には、アライグマ、ハクビシン、ヌートリアなどを小型の箱わな、つき網、または手捕りで捕獲する場合の特例があります。住宅などの建物内の被害を防ぐ目的で、その敷地内で捕獲するときは、狩猟免許を持たない人も許可対象者とすることができる、という書き方です。屋根裏や床下、物置など建物に入り込む被害はこの特例に近い状況ですが、当てはまるかどうかは、申請前に農林整備課へ確認してください。

この特例は、許可が不要になるという意味ではありません。許可を受けずに捕獲することはできず、申請書や被害状況の写真、捕獲区域の図面が必要です。「できる」という規定のため、免許がなくても必ず許可されるとは限りません。実施要領は、地域の関係者との調整を求めているため、近所や自治会、賃貸なら貸主や管理者への説明も、早めに用意しておくと進めやすくなります。

アライグマとハクビシンの違いを確認したいときは、ハクビシンとアライグマの見分け方やアライグマとタヌキの違いが参考になります。ただし、種類の判断は写真と現地の痕跡で変わるため、窓口には見た特徴をそのまま伝えましょう。

参考:宇部市|宇部市有害鳥獣捕獲実施要領(PDF)

特定外来生物の捕獲後は、運搬や放獣に注意します

アライグマとヌートリアは、環境省の一覧で外来生物法の特定外来生物とされています。山口県のページ(2023年更新)は、飼育、栽培、保管、運搬、販売、譲渡、輸入などを原則禁止とし、違反した場合の罰則を、個人で最高3年以下の懲役または300万円以下の罰金(2025年6月施行の改正刑法により、現在の条文では「拘禁刑」)、法人で1億円以下の罰金と示しています。環境省は、特定外来生物を持ち帰ることは運搬に当たり、野外へ放つことも原則禁止と説明しています。捕まえた動物を生きたまま別の場所へ運んで放す対応は、法令の面から取れません。

実施要領は、捕獲した動物を現場に放置せず、適正に処理することを求めています。許可を受ける際に、捕獲後の運搬や処分の具体的な方法を担当課へ確認し、自分で判断しないことが大切です。錯誤捕獲(目的外の動物が入ること)については、原則として放すこと、ツキノワグマがかかったときは直ちに市長へ通報し農林水産事務所長の指示に従うことが定められています。ヌートリアは、追いつめられると噛み付いたり引っかいたりすることがあると市が注意しているため、近づいたり触ったりしないでください。

参考:山口県|特定外来生物・外来生物について

業者に捕獲や調査を頼む場合の確認事項

民間の業者へ頼む場合も、野生鳥獣の捕獲には許可が必要という点は同じです。誰の名前で許可を受けるのか、従事者に猟法に応じた狩猟免許の所持者が含まれるか、見回りと捕獲後の処分を誰がどの頻度で行うかを、契約前に確認しましょう。実施要領は、依頼を受けた法人にも、免許所持者の参加や講習会の実施などの条件を定めています。

屋根裏への侵入口の封鎖や清掃は、捕獲の許可とは別の工事です。見積書で、捕獲、調査、封鎖、清掃、再訪問が分かれているかを確認すると、費用を比べやすくなります。内訳の読み方は見積書が「駆除一式」だけのときに、他の自治体の檻の例は生駒市のアライグマ檻にあります。生駒市の制度は宇部市とは異なるため、条件は宇部市の窓口で確認してください。

相談前に準備する被害の情報

窓口へ相談する前に、被害の場所と状況を整理しておくと、許可の区分や調整先を確認しやすくなります。賃貸や集合住宅では、被害の場所が共用部か専有部か、敷地の所有者が誰かで、申請や調整の相手が変わります。賃貸で害獣被害が起きたときの連絡の順番も確かめておきましょう。

  • 被害の場所(屋根裏、床下、庭、物置、畑)と、見た日時・頻度
  • 動物を見た場合の特徴(顔、尾、大きさ)と、遠くから撮れた写真
  • フンや足跡、傷などの被害の写真
  • 敷地と建物の所有者・管理者、近隣や自治会へ説明する見込み
  • すでに行った対策(エサの片付け、すき間の確認)