栃木市のハクビシン・アライグマ対策は、まず環境整備と侵入防止から

栃木市は、ハクビシン・アライグマによる農業被害や生活環境被害の相談が年々増えているとしています。対策の基本として、農業被害には隠れ家になるヤブの刈り払い、収穫残さの片づけ、放任果樹の除去、電気柵の設置を、家屋への侵入被害には追い払いと侵入口をふさぐことを挙げています。

捕獲は、こうした方法でも被害を防げる見込みがない場合の手段です。対象になる場所は住居(事業所を含む)と、農林業者の事業地(農地・山林など)に限られ、市の許可を受けたうえで個人が行います。担当は農林整備課の獣害対策係です。

参考:栃木市|ハクビシン、アライグマ対策

読者の疑問

栃木市はハクビシンやアライグマを駆除してくれますか?

比較ガイド

市が個人宅へ出向いて捕獲する案内はなく、市の許可を受けた個人が捕獲する仕組みです。市は小型箱わなの貸出と、捕獲後の止め刺し・処分の依頼受付で支援しています。まず農林整備課の獣害対策係へ相談してください。

小型箱わなの貸出は最長2か月。自分で購入する方法もあります

市は小型箱わなを貸し出しています。数に限りがあり、貸出期間は最長2か月、貸出数は原則として申請者1人につき1個までです。希望する場合は、捕獲許可の申請とあわせて手続きするため、農林整備課の獣害対策係へ相談します。

年間を通じて被害を受けている場合について、市は小型箱わなを自分で購入することを勧めています。この場合は最長1年間の許可になります。購入費には獣害対策設備設置費補助金を活用できると案内されていますが、後述のとおり2026年10月時点では補助金の受付が停止されています。

小型箱わなの貸出は最長2か月。自分で購入する方法もあります:確認項目
比べる点市の箱わなを借りる自分の箱わなを使う
期間貸出は最長2か月許可は最長1年間
数量・在庫原則1人1個。数に限りがある自分で用意する
市が示す使い分け希望者が許可申請とあわせて申し込む年間を通じて被害がある場合に購入を勧めている
費用貸出料の記載なし(窓口で確認)購入費は自己負担。補助金は受付停止中(2026年10月時点)

参考:栃木市|ハクビシン、アライグマ対策

ハクビシン・アライグマの捕獲許可は、開始10日前までに申請

捕獲には市の許可が必要です。ハクビシン・アライグマ用の捕獲許可申請書を、捕獲を開始する10日前までに農林整備課の獣害対策係へ提出します。被害を受けている人と申請者が異なる場合は、被害を受けている人が書いた有害鳥獣捕獲依頼書も必要です。申請書に書いた地番で場所を特定できない場合は、捕獲場所を示した地図を添えます。

捕獲を始められるのは、市から捕獲許可証が届いてからです。市は、許可なく捕獲すると鳥獣保護法違反で罰則を受ける可能性があると注意しており、無許可や許可期間外の捕獲は報償金の対象にもなりません。わなを先に買って仕掛けておく、といった進め方は避けてください。許可なしでできる対策と業者に頼む作業の線引きは、ハクビシン駆除を自分でする範囲にまとめています。

参考:栃木市|ハクビシン、アライグマ対策

箱わなには標識を付け、1日1回以上見回ります

わなで捕獲するときは、使用するわなごとに標識を付けなければなりません。標識には住所、氏名、許可権者名、許可の有効期間、許可証の番号、捕獲しようとする鳥獣の種類を、縦横1cm以上の文字で、金属またはプラスチック製の板に記載します。市は見本を公開しており、印刷したものをパウチするか、屋外用ラベルに印刷して板に貼って使えます。

ネコやタヌキなど、目的と違う動物がかかる可能性があるため、1日1回以上の見回りが必要です。ハクビシン・アライグマ以外が捕まっていた場合は、ただちに放すよう求められています。一般の人が立ち入る場所にわなを置く場合は、事故防止のための注意看板も設置します。毎日の見回りが難しい時期は、捕獲を始める時期をずらすことも考えてください。

参考:栃木市|鳥獣捕獲許可

捕獲後の処分は市の指定する従事者に依頼でき、報償金の制度もあります

捕獲後の処理は捕獲した人が責任を持って行うのが原則ですが、市の指定する捕獲従事者等に止め刺しと処分を依頼することもできます。依頼するときは農林整備課の獣害対策係へ電話で連絡し、あわせて依頼書を市に提出します。受付は平日の9時から16時で、土日祝日と年末年始は対応していません。引き取りは、受付の時間帯や天候によって翌日以降になることがあります。

アライグマは特定外来生物で、生きたままよそへ運んで放すことは外来生物法で規制されています。捕獲した個体を逃がしたり、自宅で飼ったりすることはできません。週末に捕まると引き取りまで日数が空くことがあるため、わなを仕掛ける曜日は、受付日を考えて決めると無理がありません。

捕獲した人が自分で止め刺しと処分まで行った場合は、市から1頭3,000円の報償金が支払われます。写真を付けた捕獲報告書を期限までに提出すると、四半期ごとにまとめて振り込まれます。市に処分を依頼した場合の報償金(1頭1,000円)は令和7年3月31日で終了しました。報償金は予算の範囲内で受付順に支出され、年度途中で金額の変更や中止の可能性があるとされています。

捕獲後の処分は市の指定する従事者に依頼でき、報償金の制度もあります:確認項目
捕獲の時期捕獲報告書の提出期限支払い
6月末までに捕獲7月10日まで8月末まで
9月末までに捕獲10月10日まで11月末まで
12月末までに捕獲翌年1月10日まで2月末まで
3月末までに捕獲4月10日まで5月末まで

参考:栃木市|ハクビシン、アライグマ対策

小型箱わな購入などの補助金は、受付停止中です

栃木市獣害対策設備設置費補助金は、侵入防止柵や箱わななどの設置費を補助する制度で、ハクビシン・アライグマ用の小型箱わなも対象設備に含まれます。個人の場合、小型わなは補助対象経費の3分の2以内、上限1万円以内です。申請は設備を設置する前に行う必要があります。

ただし、公式ページには令和8年9月9日現在、申請の受付を停止しており、令和8年度中の再開は未定と掲載されています。補助を前提にわなを購入する予定の人は、購入の前に農林整備課へ受付状況を確認してください。補助を受けずに購入した場合でも、捕獲には許可が必要な点は変わりません。

参考:栃木市|栃木市獣害対策設備設置費補助金

クマの目撃が続く地区も。動物の種類が分からないときは近づかない

栃木市は市内のクマ目撃情報を公開しており、2026年9月には大久保町や尻内町などで目撃が記録されています。寺尾地区では目撃が増えているとして、令和8年9月29日から10月5日まで防災行政無線で注意を呼びかけると掲載されています(2026年9月29日更新のページ)。クマを見かけたら近づかず、農林整備課の獣害対策係へ連絡します。

夜間に庭で見た動物がハクビシンなのかアライグマなのか、あるいは別の動物なのか分からないこともあります。栃木県の防除マニュアルは、アライグマは尾のしま模様と目のまわりの黒い模様、ハクビシンは白い鼻すじと細長い尾が特徴だと説明しています。無理に確かめようとせず、足跡やフンの写真を残して相談してください。アライグマとタヌキの見分け方も参考になります。

参考:栃木市|『クマ』にご注意ください

賃貸・集合住宅の場合と、業者に頼む範囲

借家や集合住宅では、わなを置く場所や、侵入口をふさぐ工事を入居者だけで決められないことがあります。市の申請書類には、被害を受けている人と申請者が異なる場合の依頼書が用意されています。まず貸主や管理会社に被害を伝え、誰が申請し、誰が費用を負担するかを決めてから窓口へ相談します。

市の制度が扱うのは、捕獲の許可、箱わなの貸出、捕獲後の処分の依頼です。屋根裏のフンの清掃、断熱材の交換、高所の侵入口の補修は、所有者が自分で行うか業者へ依頼します。業者に頼む場合は、捕獲の許可を誰が取るのか、封鎖と清掃が見積もりに含まれるのかを確認してください。ハクビシンが屋根に出入りしているときの確認点もあわせて読むと、調査で見てもらう場所が分かります。清掃や断熱材の交換を含む費用の内訳は、ハクビシン駆除の費用相場で整理しています。