前橋市のアライグマ・ハクビシンは市街地にも広がっている

前橋市は、市街地でもアライグマやハクビシンの目撃と、農作物・生活環境の被害相談が多数寄せられていると案内しています。アライグマの捕獲数は令和元年度の155頭から令和4年度には501頭に、ハクビシンは61頭から143頭に増えました。捕獲された場所は市内全域にわたっています。

被害は畑や果樹だけではありません。市は、屋根裏や畜舎などに侵入して施設を壊すほか、フン尿による汚れや悪臭、鳴き声といった生活環境の被害が出ると説明しています。令和8年度から10年度の鳥獣被害防止計画では、アライグマの捕獲計画数を令和8年度1,000頭、9年度1,200頭、10年度1,400頭としており、捕獲隊や実施隊による捕獲に加えて、捕獲事業者による捕獲を進める方針も示されています。

前橋市のアライグマ・ハクビシンは市街地にも広がっている:確認項目
項目アライグマハクビシン
見た目目のまわりの黒いマスク模様、尾に黒いリング状のしま鼻から額にかけて白い線
大きさ(市の案内)頭胴長41〜60cm、体重2〜10kg頭胴長60〜66cm、体重3〜6kg
行動基本は夜行性だが昼も活動。手先が器用基本は夜行性。木登りが得意で電線も渡る
出産4〜6月に3〜6頭春〜秋に2〜3頭
市内の捕獲数令和元年度155頭、令和4年度501頭令和元年度61頭、令和4年度143頭

参考:前橋市|アライグマ、ハクビシンについて 市街地にも生息域を広げています。

読者の疑問

前橋市はアライグマを駆除してくれますか?

比較ガイド

市は有害鳥獣捕獲隊の協力で捕獲を行っていますが、個人宅の駆除を市が代行するという案内は確認できませんでした。自分の敷地内で捕獲する場合は市の許可が必要で、農政課有害鳥獣対策係へ相談します。

捕獲は市の許可制。窓口は大胡支所内の農政課

市は、野生鳥獣を勝手に捕獲することは法律で禁止されていると明記しています。被害防止の目的で自分の敷地内であれば捕獲できますが、その場合も市の許可が必要です。許可の取り扱い窓口は、農政課有害鳥獣対策係(大胡支所内)です。所在地は大胡支所のある堀越町で、大手町の市役所とは別の場所にあるため、出向く前に確かめてください。

前橋市が捕獲許可を行う鳥獣には、アライグマ、ハクビシン、タヌキ、キツネ、イノシシ、ニホンジカ、ヌートリア、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ドバト、ムクドリ、スズメなどが挙げられています。鳥獣の種類によっては県の許可が必要になると注意書きがあり、手続きにかかるおおよその期間は7日とされています。

書式は市のページからPDFやWordで入手できます。箱わなの貸出しについては、今回確認した市のページに記載がありませんでした。わなの用意や設置方法、捕獲した後の扱いは、申請の相談とあわせて有害鳥獣対策係へ確認してください。群馬県は、特定外来生物を生きたまま運ぶことは、その場で処分できる場合を除いて法律違反になると説明しています。アライグマはこの特定外来生物に当たります。

捕獲は市の許可制。窓口は大胡支所内の農政課:確認項目
申請などに必要なもの補足
被害証明書交付申請書市のページに書式あり
鳥獣捕獲等許可等申請書区域図を添付する
有害鳥獣捕獲依頼書被害者と申請者が異なる場合に提出する
鳥獣捕獲許可申請者(従事者)名簿市のページに書式あり

参考:前橋市|鳥獣の捕獲許可について

市が勧めるアライグマ・ハクビシン対策:寄せ付けない・侵入を防ぐ

市は、捕獲だけで被害を減らすことには限界があるとして、住民自身の防衛を求めています。まず、廃屋や倉庫、人家の屋根裏などをすみかにさせないこと。次に、生ごみや廃果実を堆肥代わりに農地や庭先へ放置しないこと。ペットフードも餌になるため、注意するよう呼びかけています。

すでに屋内へ入られている場合は、どこかに侵入口になるすき間や穴があるため、それをふさぐよう案内されています。ただし、中に動物がいるままふさぐと閉じ込めてしまうおそれがあります。出入りの様子を確かめてから作業する必要があり、屋根や高所の作業には転落の危険もあります。屋根を歩くハクビシンらしき動物の確認方法や侵入口を塞ぐ時期の考え方を参考に、難しい場合は業者へ相談しましょう。

  • 屋根裏・倉庫・空き家をすみかにさせない
  • 生ごみや廃果実を庭先・農地に放置しない
  • ペットフードを餌にさせない
  • 侵入口になるすき間や穴をふさぐ
  • 畑・果樹園・養魚池は電気柵などで囲う

参考:前橋市|アライグマ、ハクビシンについて 市街地にも生息域を広げています。

コウモリは許可の一覧にない。追い出しと封鎖で対応

前橋市は、市街地でもアブラコウモリの姿が見られ、環境被害の相談が寄せられていると案内しています。市の説明では、屋根裏、戸袋、換気口、軒下、瓦の下などにすみつき、活動は春から秋の夕暮れ、冬は11月頃から4月頃まで冬眠します。被害は、羽音や鳴き声、フン害です。

コウモリについても、勝手に捕獲することは法律で禁止されていると明記されています。前橋市が捕獲許可を行う鳥獣の一覧に、コウモリは含まれていません。市が紹介している対策は、部屋に入った場合は窓やドアを開けて出ていくのを待つこと、換気口などの場合は忌避スプレーで追い出すこと、そのうえで侵入口をパテやシーリング材、金網などでふさぐことです。

出産の時期(市の案内では初夏、7月頃)や冬眠の時期は、中にコウモリが残ったままふさいでしまうおそれがあります。封鎖の時期の判断はコウモリ対策の時期の考え方も確認し、出入りを観察してから進めてください。

参考:前橋市|コウモリについて 市街地にも姿を現します

クマ・イノシシ、けがをした野鳥、死んだ動物の連絡先

同じ有害鳥獣対策係は、クマやイノシシの出没についても案内を出しています。市は、クマを目撃した場合は身の安全を確保して、すぐに市役所農政課や警察署へ通報するよう求めています。市内では例年4月末頃から10月にかけて、赤城南麓の住宅地域などで出没・目撃情報が多く寄せられ、令和3年7月には人身被害が2件続けて発生しました。

けがをした野鳥については、市は触らずにそっとしておくことを基本とし、窓ガラスに衝突するなどして飛べなくなった野鳥の保護は県の自然環境課へ相談するよう案内しています。道路で動物が死んでいて回収を頼みたい場合はごみ収集課、犬や猫などペットを保護したといった相談は前橋市保健所内の衛生検査課が窓口です。ヘビやカメなどの爬虫類、両生類は、有害鳥獣対策係では対応していないとされています。

参考:前橋市|クマの出没にご注意ください!

屋根裏の清掃・消毒・封鎖は誰が行う?業者へ頼む範囲

市の許可は捕獲についてのもので、フンの片付けや消毒、断熱材の交換、侵入口の封鎖工事を市が行うという案内はありません。屋根裏にフンがたまっている、天井にシミやにおいがある、といった状態では、捕獲と並行して清掃と封鎖の手配が必要になります。

業者へ依頼する場合は、捕獲の許可申請を誰が行うのか(依頼者本人か、業者か)を最初に確認してください。被害者と申請者が異なる場合は、有害鳥獣捕獲依頼書が必要になります。見積もりでは、捕獲、清掃・消毒、侵入口の封鎖、再発時の対応を項目ごとに分けてもらい、害獣駆除後の清掃の範囲を参考に、どこまで含まれるかを確かめましょう。

賃貸住宅や集合住宅では、屋根裏や外壁は建物の所有者が管理する部分です。入居者だけで申請や工事を進めず、管理会社や貸主へ被害の場所と時期を伝え、誰が手続きと費用を負担するかを決めてから動きましょう。