ノミの発生原因は、宿主の寝床とそこに落ちた卵・幼虫にある

ノミが家で増える仕組みは、ペットの有無にかかわらず同じです。成虫が宿主の血を吸い、卵や幼虫は宿主の休む場所に近い、床や畳、ごみやほこりの中で育ちます。千葉市は、ノミの卵は白色で0.5mmほど、幼虫は乳白色で血を吸わず、さなぎの期間は外の温度によって7日から1年近くまで差があると説明しています。

吸血するのは成虫、幼虫は床やごみの中で育つ

札幌市は、ノミはオスもメスも吸血し、人の皮膚についているのは血を吸うときだけで、ふだんは部屋のすみや畳の下、床下などに潜んでいると説明しています。メスは畳などに卵を産み、幼虫はごみの中で育ちます。刺された場所に虫の姿が見えなくても、足元の床や動物の休み場に、卵や幼虫が残っている可能性があります。

宿主がいなくなったあとも、ノミは残る

札幌市は、ノミは本来、猫やネズミ、野鳥などの体に寄生していて、宿主が死んだり巣から離れたりすると、宿主を離れたノミが人から吸血するようになると説明しています。ペットのいない家である日突然刺されるようになったときは、床下や屋根裏、物置などで宿主だった動物がいなくなったあとに、ノミが残っている場合も考えられます。さなぎの期間が長くなることもあるため、動物の姿が見えなくなってからも注意が必要です。

参考:千葉市保健所|住居衛生相談 ノミ

読者の疑問

ペットを飼っていないのに、ノミに刺されるのはなぜですか?

比較ガイド

ノミは猫に限らず、ネズミや野鳥、タヌキ・ハクビシンなどにも寄生し、宿主が巣を離れたり死んだりすると人から吸血することがあります。庭、床下、物置に動物の出入りがなかったかを確認してください。

ペットがいなくても、ノミが家に入る5つの経路

札幌市は、ヒトノミは見られなくなり、最近の被害はネコノミ、ネズミノミ、スズメトリノミによるものがあると説明しています。東京都ペストコントロール協会の資料では、ネコノミは猫のほか、ヒト、イヌ、タヌキ、ハクビシン、アライグマの体にも取り付き、ケオプスネズミノミはクマネズミやドブネズミのほか、数十種の哺乳類から吸血するとされています。ペットがいなくても、宿主になりうる動物は複数います。

ペットがいなくても、ノミが家に入る5つの経路:確認項目
経路具体的な場面公的資料で確認できること
ペット・預かった犬猫一時的に犬や猫を預かった、知人のペットと触れ合った千葉市は、相談例に「一時的にネコやイヌを預かった」場合を挙げています。
野良猫庭、縁の下、物置を休み場にする。隣の空き家や倉庫に住みつく千葉市は、家に出入りする野良猫や、野良猫が住みついている空き家・倉庫を相談例に挙げています。
ネズミ天井裏や床下に出入りするクマネズミ・ドブネズミ東京都ペストコントロール協会は、ケオプスネズミノミがクマネズミやドブネズミから吸血するとしています。
タヌキ・ハクビシン・アライグマなどの野生の哺乳類屋根裏や床下を通り道や寝場所にするネコノミがこれらの動物の体にも取り付くと、東京都ペストコントロール協会の資料に示されています。
野鳥の巣軒下、換気口まわり、ベランダの巣札幌市は、宿主に野鳥を挙げ、スズメトリノミの被害があると説明しています。

参考:東京都ペストコントロール協会|ネコノミ ノミの種類と特徴

ノミに刺される部位と家の状況から、供給源を絞るチェック表

千葉市は、ノミは体のどこでも吸血するものの、動物を抱く腕(手からひじ)と、床にいるノミが飛びつけるひざから足首付近に刺されることが多いと説明しています。かゆみが数日続き、ぶり返すのも特徴とされています。ペットがいない場合は、足元の被害が続く場所に、供給源が近いと考えて確認を始めます。

表を使う前に、刺された日、部位、そのとき過ごしていた場所をメモしておきます。当てはまる行が複数あってもかまいません。確認は、人が入れて安全な範囲から始め、床下や屋根裏のように危険や専門的な判断が必要な場所は、記録を残して相談に回します。

ノミに刺される部位と家の状況から、供給源を絞るチェック表:確認項目
刺される部位・状況まず疑う供給源最初に確認する場所
ひざから足首が中心。床や畳の上で過ごす時間に刺される床・畳・カーペットのまわりに残った卵や幼虫。そこへ動物が出入りした跡リビングの床、畳のふち、カーペットの下、押入れのすみ
庭、縁側、玄関まわりで足首を刺される庭や縁の下、物置を休み場にしている野良猫縁の下や物置の中のごみ、動物が寝たようなくぼみやフン、毛
天井裏や床下から物音がしていた家で刺される屋根裏や床下に出入りしたネズミ・野生の哺乳類。宿主がいなくなったあとのノミ点検口まわり、天井のシミ、においの有無(自分で潜らず記録して相談)
腕(手からひじ)を刺される犬や猫を抱く、触る機会があった場合の付着最近預かった犬猫、触れた野良猫、知人宅での接触の有無
近くに空き家や倉庫があり、夏に繰り返し刺される隣接地を休み場にする野良猫やほかの動物境界付近の状況。管理者や自治体へ情報提供(立ち入らない)

ペットなしの家で確認する場所:庭・縁の下・床下・物置

札幌市は、発生源となる野良猫、ネズミ、野鳥などの巣を取り除いて十分に清掃するよう案内し、巣を取り除くときは、ノミに刺されないよう長袖の服や手袋を着用するなど、服装を整えてから行うよう求めています。ただし、野生の鳥獣の巣には、卵やヒナ、子どもがいる可能性があります。自分で撤去する前に、次の確認と相談を優先してください。

庭・縁の下・物置

動物が寝たあとのくぼみ、敷き詰められた枯れ草や布、フンや毛の集まりがないかを、外から目で確認します。見つけても素手で触らず、写真と場所を記録します。卵やヒナがいる巣は、自分で撤去せず、巣に卵やヒナがあるときの確認にあるように、管理者や自治体へ相談します。物置の使い方は、庭の物置の害獣予防で点検の観点をまとめています。

床下・屋根裏

床下や屋根裏は、動物が出入りしているかを調べることが先で、自分で潜り込むのは避けます。音の時間帯や場所、においの有無を記録して調査に渡すと、確認の範囲を決めやすくなります。記録の作り方は、床下周辺の物音や痕跡を調査に渡す方法にまとめています。屋根を歩く動物がいる場合の見分け方は、関連記事の「屋根を歩くハクビシンらしき動物」も参考になります。

空き家・倉庫など隣接地

千葉市の相談例には、野良猫が住みついている空き家や倉庫が挙がっています。隣の建物が疑わしい場合でも、決めつけて立ち入ったり抗議したりせず、見えている範囲の状況を管理者や自治体へ伝えるにとどめましょう。

  • 庭や縁の下に、動物が寝た跡やくぼみ、ごみの集まりがないか
  • 物置や軒下に、枯れ草や布、毛が集められていないか
  • 外壁の通気口、軒下、ベランダに鳥の巣がないか
  • 天井裏や床下から物音やにおいがあった時期はいつか

参考:札幌市保健所|住まいの虫たち ノミ類

ノミが増える時期と、増える条件

千葉市は、ノミに関する相談が6〜9月に集中し、梅雨時から夏にかけてが活動の時期だと説明しています。東京都ペストコントロール協会の資料でも、ネコノミの発生時期は7月〜8月中旬頃とされています。ノミの発生原因は、季節だけでなく、宿主の寝床とごみやほこりがそろっているかどうかにも左右されます。

さなぎの期間は外の温度で7日から1年近くまで変わる、と千葉市は説明しています。暖かい時期に羽化が重なると、急に増えたように感じることがあります。逆に、さなぎの期間が長引くと、時期を外れてから刺されることもあります。

  • 動物が休む場所(縁の下、物置、屋根裏など)が屋内外にある
  • 宿主の寝床やその周りに、ごみやほこりがたまっている
  • 暖かく、梅雨から夏にかけての時期である

参考:東京都ペストコントロール協会|ネコノミ ノミの種類と特徴

宿主の対策とノミ対策を進める順番

東京都ペストコントロール協会は、寄主(ノミが寄生する動物)の管理と清掃が防除の基本で、市販の薬剤も有効だが、大量に発生した場合は専門業者への依頼が必要だと説明しています。薬剤を先に使っても、宿主が出入りし続けると、新しいノミが持ち込まれます。次の順番で考えると、やり直しを減らせます。

宿主の対策とノミ対策を進める順番:確認項目
順番すること理由・補足
1宿主を特定し、出入りを止める準備をする協会は、野良猫など小動物をむやみに屋内に入れないよう求めています。侵入口の確認は、見えない場所もあるため調査を頼む選択肢があります。
2動物の巣や寝床にたまったごみ・ほこりを清掃する協会は、ノミの幼虫がごみやほこりの中にいるため、部屋の隅々まで清掃することが重要としています。巣の撤去は、法律上の注意(後述)を確認します。
3清掃のあとで、製品の表示に従って薬剤を使う協会は、ペットの寝床、カーペットの裏、家具の隅、床板のすき間などを清掃してからエアゾールを使う流れを挙げています。使用量や回数は製品の表示に従います。
4侵入防止の対策をとる協会は、小動物の巣を撤去したあとに侵入防止対策をとると説明しています。
5刺される部位と日付を記録して経過を見る協会は、生息数が多い場合は卵に効きにくく、1〜2週間後にもう一度の処理を挙げています。再処理が必要かどうかは製品の表示と相談先で確認します。

参考:東京都ペストコントロール協会|ネコノミ 防除方法の選びかた

野良猫・野生動物は自分で捕まえない:法律と相談先

ノミの供給源が動物だと分かっても、野良猫や野生動物を自分で捕まえたり、傷つけたりする方法は避けます。猫はみだりに殺したり傷つけたりすることが動物愛護管理法で禁じられ、野生の鳥獣は鳥獣保護管理法で許可のない捕獲が規制されているためです。動物の種類によって、適用される法律と相談先が違います。

野良猫

環境省の動物愛護管理法の概要は、猫を含む愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりした場合は、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に処されると説明しています。千葉市は、野良猫を家に寄せつけない方法として、市販の忌避剤を家の周囲にまくことを挙げています。製品の表示に従い、お住まいの自治体の動物愛護や衛生の担当窓口にも状況を伝えてください。

タヌキ・ハクビシン・野鳥など野生の鳥獣

環境省は、鳥獣保護管理法では鳥獣を「鳥類又は哺乳類に属する野生動物」と定義し、捕獲等を規制していると説明しています。捕獲等の許可は環境大臣または都道府県知事が出すもので、多くの都道府県では、その権限の一部を市町村長に移譲しています。野生の鳥獣は、無許可で捕獲したり、卵やヒナのいる巣を撤去したりせず、お住まいの市町村や都道府県の窓口に先に相談してください。

アライグマなどの特定外来生物は、環境省の外来生物法の案内で、飼育や保管、運搬が原則として禁止され、野外に放つことも原則禁止とされています。生きたまま運んだり、別の場所で放したりせず、自治体の案内に従ってください。

ネズミ

環境省は、いえねずみ類3種を鳥獣保護管理法の対象外としています。同法の施行規則では、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種が定められています。ただし、天井裏の動物がネズミなのかほかの動物なのかが分からないうちは、判断を誤りやすいため、調査から始めるのが安全です。種類の見分けはドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの違い、薬剤や捕獲器の選び方は殺鼠剤と捕獲器の比べ方にまとめています。

参考:環境省|捕獲許可制度の概要

業者に依頼する場合の調査範囲と、相談先

東京都ペストコントロール協会は、被害が大きい場合や大量に発生した場合は、専門業者に防除を依頼するよう挙げています。ノミだけの薬剤処理に終わらず、宿主の出入りまで調べてもらえるかが、見積もりの分かれ目になります。刺された部位の記録、動物を見かけた日時、物音やにおいの履歴を渡すと、調査範囲を決めやすくなります。虫の見分けに迷うときは、ダニ・トコジラミ・ノミの違いと環境の手がかりも役立ちます。

日本ペストコントロール協会によると、全国47都道府県に地区協会があり、各協会の「害虫相談所」で、電話などによる相談を無料で受け付けています。現場調査や防除施工が必要な場合は原則有料で、相談内容に応じた事業者の紹介も可能と説明されています。受付時間や連絡先は協会ごとに違うため、お住まいの都道府県の協会で確認してください。

  • 室内:寝床まわり、畳のふち、カーペットの裏、家具の隅、床板のすき間
  • 床下・縁の下・屋根裏:動物の出入り跡、巣、ごみ、においの有無
  • 庭・物置・外壁:宿主が休む場所と通り道、通気口やすき間
  • 宿主側の対策(侵入口の確認、巣やごみの撤去、清掃)が、見積もりに含まれるか別になるか

参考:日本ペストコントロール協会|都道府県協会(害虫相談所)