東京都の害獣・害虫相談は、動物の種類と場所で窓口が変わる

東京都の保健医療局は、ねずみ・衛生害虫の相談先を、住所を管轄する保健所としています。保健所は、都の保健所、特別区の保健所、中核市・政令市の保健所の3種類に分けて案内されており、八王子市のように市が保健所を持つ例もあります。一方、野生の鳥獣は環境局の担当で、アライグマ・ハクビシンは区市町村が実施する事業につながります。まず住所の区市町村と、被害が出ている場所を整理してから連絡先を選びます。

多摩小平保健所のページは、ハクビシン・タヌキ・カラス・ハト・アライグマなどの野生動物について、各市の環境保全担当か多摩環境事務所へ相談するよう案内しています。動物の種類によって担当が保健所ではなく環境部門になるため、下の表を目安に、最初の連絡先を選んでください。

東京都の害獣・害虫相談は、動物の種類と場所で窓口が変わる:確認項目
困りごと最初に確認する窓口公式案内で確認できたこと
ネズミ・ダニ・トコジラミなどの衛生害虫住所を管轄する保健所、または区市の衛生担当課都の多摩小平保健所の案内では、ねずみは自分でできる対策を助言し、防除や駆除の作業は実施していません。
アライグマ・ハクビシンによる生活被害住んでいる区市町村の環境・野生動物の担当課都は防除実施計画に基づき区市町と連携して捕獲を実施。確認した4区市では、区市の担当課が相談を受けています。
カラス・ドバトなどの野生鳥獣、捕獲許可の申請都環境局自然環境部計画課(23区)/多摩環境事務所自然環境課(多摩)許可なく捕獲・殺傷はできません。島しょ部は各支庁の産業課が窓口です。
ハチの巣区市の担当課(保健所や環境部門)区市ごとに、無料除去、用具の貸出、民間業者の案内と扱いが違います。
業者との契約・請求のトラブル東京都消費生活総合センター都内在住・在勤・在学の方の消費生活相談を受け付けています。

参考:東京都保健医療局|ねずみ・衛生害虫

読者の疑問

東京都で害獣駆除をしてくれる公的な窓口はありますか。

比較ガイド

ネズミについては、都の多摩小平保健所が、助言と業者団体の紹介を行い、駆除作業はしないと案内しています。区市町村は、アライグマ・ハクビシンの箱わな設置やハチの巣除去などを独自に行う場合があり、条件は区市ごとに違います。

野生鳥獣の捕獲は許可制で、有害鳥獣捕獲の申請窓口は都にある

東京都環境局は、鳥獣保護管理法により、法の対象にならないネズミ類を除く野生鳥獣は、損傷や卵の採取を含めて捕獲できないと説明しています。例外は、狩猟制度に基づく狩猟鳥獣の捕獲と、学術研究などで法による許可を受けた場合です。有害鳥獣捕獲は、被害が現に生じている、またはそのおそれがあり、原則として被害防除対策でも防げないと認められるときに行うという考え方が示されています。

申請では、申請書のほか、理由書、場所と捕獲方法の図面、被害状況の写真などを添えます。受付は、23区内が環境局自然環境部計画課の鳥獣保護管理担当、多摩地区が多摩環境事務所自然環境課の鳥獣保護管理担当、島しょ部が各支庁の産業課です。個人宅の被害では、区市町村が防除実施計画の下で行う事業を案内している例があるため、自分で許可を取る前に、住んでいる区市町村の窓口へ相談するのが現実的です。

都は、有害鳥獣捕獲の対象としてニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ドバト、ムクドリなどを挙げ、アライグマとハクビシンも外来生物として対象にしています。ネズミ類が法の対象外とされている点と、屋内に入る家ネズミ3種が保健所や区市の衛生担当の相談対象になる点は、混同しないようにしましょう。

参考:東京都環境局|野生鳥獣の捕獲について

アライグマ・ハクビシンは区市町村の事業で、条件が自治体ごとに違う

東京都は、アライグマは多摩地域を中心に増加を続け、区部でも生息範囲の拡大がみられると説明しています。ハクビシンは、多摩地域だけでなく区部のほぼ全域に広く分布すると考えられています。都の防除実施計画に参加する自治体は50まで増え、農作物の獣害対策事業を含めると全53自治体のうち51が対策に取り組んでいるとされています。

ただし、箱わなの設置条件は自治体ごとに違います。下の表は、2026年10月3日に確認した4区市の公式ページの比較です。詳しくは、世田谷区のハクビシン・アライグマ駆除の記事や、各区市の公式ページで確認してください。アライグマは特定外来生物のため、環境省は、野外で捕まえた個体を持ち帰る(運搬する)ことを原則禁止としています。許可なく自分で捕獲することはできないため、まず区市町村へ相談しましょう。

アライグマ・ハクビシンは区市町村の事業で、条件が自治体ごとに違う:確認項目
区市設置の対象期間・回数注意点
世田谷区住宅(集合住宅を含む)など。都営・UR・JKKの賃貸や事業所は対象外原則1週間、希望で最大3週間延長。同一敷地は年度内1回えさ代は自己負担。毎日の見回りと立会いが必要
練馬区区内の住宅・敷地で、建物内への侵入や食害がある場合。所有者または管理者の依頼原則1週間(最長2週間)。1軒につき年度内1回業者が現地調査で設置の可否を判断。必ず設置できるとは限らない
大田区相談者が所有・管理する場所で、実際に被害がある場合2週間(設置は1基)タヌキは対象外。回収後は侵入口の封鎖などが必要
八王子市自分が所有し居住する家屋(集合住宅等を除く)の個人、町会・自治会公式ページ本文に記載なし(要領・チラシのPDFで確認)設置は敷地内の地面のみ。天井裏・屋内・ベランダは不可

参考:東京都環境局|東京都のアライグマ・ハクビシンの被害及び対策の状況について

ネズミ・ハチ・室内の害虫は、保健所と区市で扱いが分かれる

都の多摩小平保健所は、ねずみの住宅内への侵入や、食品・家具の被害、臭いやフンの被害について、相談者自身ができる対策を助言しています。自分で対応できない場合はねずみ駆除業者団体の連絡先を紹介し、保健所では防除や駆除の作業を行わないと明記しています。地域の対策は市役所へ相談するよう案内されています。ここでは、2026年10月3日に確認した4区市で、独自の事業がどのように違うかを表にまとめます。

区市の事業は年度や季節で変わります。たとえば世田谷区のハチの巣除去のページは、更新日が2023年7月と表示されています。表の内容は目安にとどめ、連絡する前に各区市の最新の公式ページで対象条件と受付期間を確かめてください。個別の制度は、大田区のネズミ相談と八王子市のハチの巣対応、鳥の相談は練馬区のカラス対策の記事で詳しく整理しています。

ネズミ・ハチ・室内の害虫は、保健所と区市で扱いが分かれる:確認項目
区市相談を受ける部署(公式ページで確認)確認できた個別の制度
世田谷区世田谷保健所 生活保健課 生活環境衛生ネズミは要予約・無料の簡易な侵入口チェックと助言で、駆除は行いません。ハチは、条件を満たす露出した巣を区の委託事業者が無料で除去します。
練馬区生活衛生課 環境衛生監視担当ネズミは、区が駆除費用の助成をせず、区内業者4社の組合を紹介します。ハチは害虫相談ダイヤルを2026年11月30日まで開設しています。
大田区生活衛生課 環境衛生担当ネズミは、無料の専門業者派遣が助言のみです。スズメバチの巣は、所有者・管理者の申し出で区が撤去します。ハチの相談専用電話は10月26日までです。
八王子市市保健所の生活衛生課、環境部の環境保全課ハチは、私有地の巣を市が駆除せず、防護服・殺虫剤・伸縮竿の一式を無料で貸し出します。

参考:東京都多摩小平保健所|ねずみに関すること

民間業者を探すときの入口と、見積もりの考え方

公益社団法人の東京都ペストコントロール協会は、ねずみ・害虫などの防除や防疫に関する調査研究、知識の普及広報、害虫相談所の設置と相談業務を事業内容に掲げています。公式ページの業務時間は平日午前9時から午後5時です。大田区のネズミの案内と練馬区の野生鳥獣の案内は、駆除や専門業者の相談先として、この協会を挙げています。世田谷区は専門業者の組合、練馬区はネズミについて区内業者の組合、八王子市はハチについて協定事業者を案内しており、紹介先は区市で違います。

八王子市は、協定事業者による駆除は有料と案内しています。大田区は、見積もりを複数社から取ることを勧めています。紹介先に連絡しても、駆除や封鎖の範囲、日程、総額は個々の見積もりで決まります。見積もりを比べる手順を参考に、現地調査の内容と作業範囲を書面で確認しましょう。

参考:公益社団法人東京都ペストコントロール協会|活動内容

賃貸・集合住宅では、区市の制度の対象外になる場合がある

賃貸住宅や集合住宅に住んでいる場合は、制度の対象かどうかを先に確かめます。下の表のとおり、区市によっては公的な賃貸住宅や集合住宅が対象から外れています。入居者が自分で業者を手配する前に、管理会社や所有者へ状況を伝えるのが基本で、賃貸で害獣被害が起きたときの連絡先の記事も参考になります。

表の内容は、各ページの対象条件を要約したものです。賃貸の入居者が依頼者になれるか、管理者の名前での申込が必要かは区市によって異なるため、制度の窓口に確認してください。管理会社へ伝える文面は、賃貸の害獣被害を報告する連絡文の記事の例が役に立ちます。

賃貸・集合住宅では、区市の制度の対象外になる場合がある:確認項目
区市・制度賃貸・集合住宅の扱い(公式案内の記載)
世田谷区 箱わな設置集合住宅を含むが、都営住宅、JKK、UR都市機構の賃貸住宅は対象外。依頼は所有者または管理者
世田谷区 ハチの巣除去居住する住居と敷地内が対象で、マンション・アパートなど集合住宅の共用部は除く
練馬区 箱わな設置区内の住宅・敷地で、建物所有者または管理者の依頼が必要
大田区 ネズミの専門業者派遣賃貸の用に供する住居等は対象外
八王子市 箱わな設置自分が所有して居住する家屋が対象で、集合住宅等は除く

参考:世田谷区|ハクビシン・アライグマ対策

相談前にそろえる情報と、窓口へ伝える順番

窓口では最初に、住所の区市町村、建物の種類(持ち家、賃貸、集合住宅)、被害のある場所(天井裏、庭、ベランダ、共用部)を聞かれます。続いて、見た動物や虫の特徴、音や痕跡が出る時間帯、いつから続いているかを伝えます。動物の種類が分からなくても構いません。分からない部分をそのまま伝えたほうが、担当課を案内してもらいやすくなります。

写真は、安全に撮れる範囲で十分です。足跡、フン、かじられた跡、外壁のすき間などを遠目と近めで撮り、撮影日を残しておきます。すでに市販の薬剤や捕獲器を使った場合は、製品名、場所、使った日を伝えてください。業者に現地調査を頼むときは、現地調査の前に伝えること・用意するものの一覧も使えます。