秋(9〜11月)に気をつけたい害虫・害獣の一覧

秋は、虫と動物の動きが入れ替わる時期です。下の表は、公的資料が示す秋の様子を、地域と出典つきで整理したものです。月は資料のとおりで、地域や年によって前後します。時期を示す資料を確認できなかったものは、載せていません。

表のうち、ハクビシンとアライグマの欄は、秋そのものではなく、気温が下がる時期から冬にかけての様子です。冬に入ってから慌てないよう、秋のうちに音の記録と外周の確認を始める対象として載せています。ヤスデの欄は、秋の発生月ではなく、梅雨のころと雨の前後という条件を資料のとおりに記載しています。

秋(9〜11月)に気をつけたい害虫・害獣の一覧:確認項目
対象秋の様子(公的資料)地域・出典秋にしておくこと
スズメバチ巣は9月ごろに最も大きくなる。9〜10月ごろに新女王とオスが生まれ、11月ごろから巣は空になる。特に秋期に凶暴になると説明する資料もある札幌市、神戸市、日本ペストコントロール協会巣に近づかず、位置を記録して相談する
カメムシ10〜11月ごろ、越冬場所を探して屋内へ入る(堺市)。10月中旬ごろ越冬のため屋内へ入り、春先に外へ戻る(札幌市)堺市、札幌市外干しを見直し、窓まわりのすき間を補修する
ヤスデヤケヤスデは梅雨のころ水はけが悪くなると家に入る(大阪府)。雨の日の前後に、壁や塀へ集団で上り室内に入ることがある(札幌市)大阪府、札幌市落ち葉や湿った場所を整理する
ネズミ札幌市は、春と秋の繁殖期の前の駆除が効果的と案内している札幌市食品、ごみ、侵入口を見直す
ハクビシン・アライグマハクビシンは、気温が下がってくると暖かい天井裏を日中の休憩場所に使う。アライグマは冬に活動が低下する一方、2月ごろの厳冬期に家屋へ入り繁殖場所を確保することが多くなる農林水産省、環境省天井裏の音を記録し、外周の侵入口を確認する
読者の疑問

秋のスズメバチは、夏より危険ですか?

比較ガイド

日本ペストコントロール協会は、特にスズメバチは秋期に凶暴になると説明し、巣を見つけたら近づかないことが一番の予防対策としています。札幌市は巣が9月ごろに最も大きくなるとし、神戸市は7月下旬から8月中旬を最盛期、9〜10月に新女王とオスが生まれるとしています。刺されて体調に変化があれば、医療機関へ連絡してください。

スズメバチの巣が大きい時期の注意と、自分で駆除しない判断

札幌市は、スズメバチ類の巣が9月ごろに最も大きくなり、11月ごろに働きバチが死んで巣が空になると説明しています。神戸市も、9〜10月ごろに新女王とオスが生まれ、種類によっては巣から離れて家の壁や庭木に群がると説明しています。日本ペストコントロール協会は、特にスズメバチは秋期に凶暴になるとして、巣を見つけたら近づかないことが一番の予防対策としています。

神戸市は、巣ができてしまったら、まずはできるだけ近づかず、騒がず、巣を刺激しないこと、冬になってハチが出入りしなくなるまで十分に注意することを案内しています。ボール型に大きくなった巣の駆除は大変危険で、専門の駆除業者に依頼するよう求めています。生垣などを剪定して、気づかずにハチを刺激し刺されることがあるため、秋の庭の手入れの前には、庭木にハチの出入りがないかを目で確かめます。

ご自宅以外に巣ができた場合は、所有者や管理者に相談するよう神戸市は案内しています。神戸市は個人宅のハチの巣について行政による駆除や費用負担を行っていませんが、対応は自治体で異なるため、まずお住まいの自治体の窓口に確認します。広告では安価な駆除費用を示しながら実際は高額を請求された、という相談が消費生活センターに寄せられているとして、見積もりを取り、納得してから契約するよう注意しています。費用の見方はハチの巣駆除の費用を比べるも参考になります。

スズメバチの巣が大きい時期の注意と、自分で駆除しない判断:確認項目
状況秋の判断連絡・相談の入口
ボール型の大きな巣が見える近づかない。離れた位置から写真を撮る程度にとどめ、専門業者に依頼する(神戸市)自治体の衛生・環境の窓口、防除団体の相談窓口、専門業者
巣の場所が自宅以外(隣地、共用部、賃貸)所有者や管理者に連絡する(神戸市)管理会社、自治会、所有者
庭木の剪定や落ち葉掃除の前ハチの出入りがないか、離れた位置から確認する出入りがあれば作業を止めて相談する
刺された、または体調に変化がある症状や体調に不安があるときは、医療機関へ連絡する医療機関

参考:神戸市|スズメバチと上手につき合おう

カメムシなど越冬のために家に入る虫の侵入口

堺市は、カメムシ類が10〜11月ごろに越冬場所を探して屋内に侵入することがあり、2〜3mm程度のすき間があれば入ると説明しています。札幌市は、10月中旬ごろに越冬のため屋内へ入り、春先に越冬を終えて野外へ戻ること、窓枠、溝、換気口など、ごく狭い場所からでも入れること、森林を背にした白壁の家が被害を受けやすいことを説明しています。

網戸・窓まわり・換気口のすき間を見る

侵入口の点検は、窓枠、網戸の端、サッシの溝、換気口の周りを中心に、日中に外側と内側から見ます。堺市は、網戸や窓のすき間をすき間テープでふさぐこと、夜間の照明を最低限にして、虫の好む紫外線をカットした防虫ランプに替えることを紹介しています。換気口は通気を保つ必要があるため、全面を塞がず、換気口の破損を見つけたときの考え方で補修を相談します。

洗濯物と、見つけたときの扱い

堺市は、10〜11月は外干しをやめて室内干しにすると、カメムシの付着を防ぐ効果があると説明しています。札幌市は、カメムシが分泌する臭気が手につくと取れにくく、屋外に干した洗濯物を汚すことがあると説明しています。見つけたときは、潰さないようにガムテープや紙でそっと捕まえるのが堺市の案内です。薬剤を使う場合は、製品の表示に従ってください。

参考:堺市|相談の多いくらしの虫たち カメムシ

秋雨とヤスデの大量発生|雨の前後の侵入と、落ち葉・湿った場所を減らす方法

大阪府の小冊子は、ヤケヤスデが落ち葉や枯れ草がたまっている所から発生し、梅雨のころに地面の水はけが悪くなると家の中まで入ってくると説明しています。胴体からいやなにおいの液を出すこと、発生場所が広く大発生すると駆除は難しいこと、進入防止に粘着テープを裏返して巻き付ける方法があることも紹介しています。

札幌市は、ヤスデ類が石の下や堆肥の中など、日当たりが悪く湿気の多い場所にいて、雨の日の前後に壁や塀に集団で這い上がり、室内に入ることがあると説明しています。咬んだり刺したりはせず、衛生的な害はないため、室内で見つけたら捕まえて外に出すとしています。

公的資料が示すのは梅雨のころと雨の日の前後で、秋の発生月を示した資料は確認できませんでした。秋雨の時期も、雨の前後は外壁や塀の足元を確かめます。家の周りの石や落ち葉、堆肥、置きっぱなしの材木を片付け、地面と外壁の境を乾かして、集団の通り道を作らないようにします。ヤスデとムカデの見分けや室内への入り方は、ヤスデとムカデはどう違う?で整理しています。

参考:大阪府|身のまわり ちょっと気になる いやな虫(小冊子・ヤスデ)

寒くなる前に屋内へ移る動物と、天井裏の音の記録

農林水産省の資料は、ハクビシンについて、夏場は涼しい床下を、気温が下がってくると暖かい天井裏を日中の休憩場所に使うこと、6cm×12cmのすき間があれば侵入できることを説明しています。環境省の手引きは、アライグマについて、冬は活動が著しく低下する一方、2月ごろの厳冬期には家屋に侵入して繁殖場所を確保することが多くなると説明しています。

ネズミについて札幌市は、春と秋の繁殖期の前に駆除すると効果的と案内し、侵入させない、エサを与えない、巣を作らせない、を対策の柱にしています。秋の間に建物の中での過ごし方が変わる動物もいるため、気温が下がる前に音と痕跡の記録を始めておくと、調査の依頼が早く進みます。

天井裏の音の記録のしかた

音は、聞こえた日付と時刻、場所、音の種類、続いた時間をメモします。夜間に聞こえる場合は、同じ時刻帯に繰り返すかも残します。詳しい書き方は、夜間の天井の音を記録する方法にまとめています。

  • 日付と時刻
  • 音が聞こえた部屋と、天井や壁のどのあたりか
  • 音の種類(歩く、走る、こする、鳴く)と大きさ
  • 続いた時間と、その夜の回数
  • その日の天気と気温

この記録で分かること・分からないこと

記録は、調査の範囲を決める材料になりますが、動物の種類や頭数を決めるものではありません。種類の特定、幼獣の有無、侵入口の位置は、現地調査で確認します。時期の考え方は、害獣駆除の時期はいつ?繁殖期と子育て期を避ける動物別の月早見表を参照してください。

参考:農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 中型獣類編(アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ等、令和6年3月版)

冬前の侵入口の点検|地上と室内から見える範囲と、補修の相談

冬前の点検は、屋根に上らず、地上と室内から見える範囲に限ります。高所の作業は転落の危険があり、屋根の上や天井裏には動物や巣がある場合もあります。見つけた場所は触らずに写真で記録し、補修は、動物が中に残っていないかを調査で確かめてから相談します。

横浜市は、侵入口になるすき間の例として縁の下、換気口、軒下、戸袋を挙げています。建物の点検箇所として、基礎のコンクリートに開けられた通風孔、屋根と屋根が重なっている空間、雨戸の戸袋の底、増築した接続部分にできた空間も示し、追い出しに成功しても侵入口をそのままにすると再び侵入される可能性があるため、必要に応じて専門業者に修繕を依頼するよう案内しています。

一方、浜松市は、コウモリの封鎖で家の中に動物が残ると、閉じ込めて死なせてしまうことに注意しています。補修を急いで塞ぐ前に、中に動物がいないかの確認が必要です。軒や屋根のまわりの確認は、軒や屋根のすき間を地上から確認する方法、配管まわりはエアコン配管周りのすき間、封鎖の順番は害獣の追い出し・封鎖・清掃の順番で扱っています。

冬前の侵入口の点検|地上と室内から見える範囲と、補修の相談:確認項目
点検する場所地上・室内からの見方見つけたときの扱い
建物基礎の通風孔・縁の下外周を歩いて、金網の破れやずれを見る位置を写真で記録し、通気を塞がない補修を相談する
軒下・屋根が重なる部分地上から遠目に、変色、すき間、巣材を見る。写真の拡大も使える屋根には上らず、写真を調査の依頼に添える
雨戸の戸袋・シャッターボックス底や上部の穴、破れ、フンの有無を見る動物が出入りしている場合は近づかず、観察して記録する
増築部分の接続部・外壁のすき間壁と壁の境目、配管が壁を通る部分のすき間を見るすき間の大きさを記録し、補修の範囲を相談する
換気口・換気フード網の破れ、外れ、ずれを見る通気を保つ補修を相談する
エアコン配管の貫通部室内側と屋外側の両方で、すき間と詰め物の劣化を見る写真を室内外でそろえて補修を相談する

参考:横浜市|野生動物による生活被害について

落ち葉・果実・収穫残さなど、庭の片付けで減らせるもの

秋の庭には、虫と動物の隠れ場所と餌が増えます。横浜市は、野生動物を寄せ付けない工夫として、侵入口になるすき間をふさぐこと、屋根に届く枝を切り庭に置いたものを整理すること、ペットフードの残りや収穫しきれなかった果実(カキなど)を放置しないことを挙げています。

大阪府はヤケヤスデが落ち葉や枯れ草のたまっている所から発生すると説明し、堺市はムカデが湿気のある狭い暗所を好み、草むらや落ち葉の下、庭石、ブロック、プランターの下などにいると説明しています。落ち葉と置きっぱなしの物をまとめて片付けると、これらの隠れ場所を減らせます。

片付けの前には、ハチの出入りがないかを見ます。神戸市は、巣に気づかず生垣などを剪定してハチを刺激し、刺されることがあると注意しています。重い石や材木は、下に虫や動物が潜んでいることがあるため、素手で持ち上げず、動かせる物から整理します。

  • 落ち葉と枯れ草は、外壁から離れた場所へまとめる
  • 熟したまま残った果実や収穫残さは、早めに片付ける
  • ペットフード、生ごみ、堆肥は、ふた付きの容器に入れる
  • 屋根や外壁に届く枝は、ハチの巣がないことを確かめてから切る
  • 置きっぱなしの木材、鉢、プランターは、地面から離して整理する

参考:横浜市|野生動物による生活被害について

調査を頼む時期の目安と、頼む前に整理しておくこと

秋のうちに調査を考えるのは、被害や痕跡が続いている場合や、補修の範囲が広い場合です。時期は月で決めず、記録がたまった時点で、調査を依頼するかを判断します。調査を頼む前の準備は、害獣の現地調査を頼む前ににまとめています。

月ごとの全体像は、害虫の発生時期カレンダーで確認できます。秋に相談する先は、ハチの大きな巣は自治体の窓口や専門業者、天井裏の動物の音や補修は調査を行う業者、というように、被害の種類で分けて考えます。

  • 天井裏の音や痕跡の記録が、数日以上続いている
  • 侵入口の候補が高所や屋根の上にあり、近づけない
  • 毎年カメムシが多数入り、補修する範囲が広い
  • 賃貸や集合住宅で、管理会社への連絡が必要
  • 見積もりを複数の業者で比べたい