屋根裏の音だけでは種類が決まらない|業者に最初に伝えること

町田市の資料は、天井裏のフンについて、ネズミのフンは細長い米粒状でおよそ1センチ、ハクビシンのフンは種の混じった5〜15センチくらいの棒状という例を示す一方、ネズミ以外のフンは、種が混じっていないとどの動物のものか判別が難しくなると説明しています。プログラントの料金ページも、現地調査で、フンの形状、物音、侵入跡などから対象害獣を判別すると説明しています。手がかりは一つではなく、複数を合わせて見る必要があるということです。

最初の問い合わせでは、動物の名前の推測より、確認できた事実を伝えます。音がする時間帯、聞こえ方、フンやにおい、シミの有無などです。記録の取り方は天井裏で音がするとき、動物の名前が分からなくても最初にできることにまとめています。屋根裏の音の聞こえ方だけで動物を決めつけず、調査で確認してもらう前提で相談します。

問い合わせの前にメモしておくこと

メモは長い文章にする必要はありません。次の項目を箇条書きにして、電話やメールで同じ内容を複数の会社に伝えると、返ってくる説明を比べやすくなります。

  • 音がする日時、場所、続く時間(夜間か昼間か)
  • 音の聞こえ方(走る、引きずる、こすれる、鳴き声など)
  • フンやシミ、においの場所と、見つけた日
  • 外から見た、屋根や軒、換気口まわりの破損
  • 賃貸か持ち家か、点検口があるか

参考:町田市|アライグマ・ハクビシンに気をつけましょう(P8 天井裏の糞はネズミ?ハクビシン?)

読者の疑問

屋根裏から音がするだけでも、業者に調査を頼めますか?

比較ガイド

音だけでも、現地調査を相談できます。動物の種類がはっきりしなくても相談できると案内する会社があります。調査が有料になる条件と、種類が分かった後の見積もりの変わり方を、先に聞いておきます。

調査方法を比べる|点検口からの目視・外周確認・写真報告

公式ページから読める調査の例を挙げます。プログラントは、現地調査でフン、足跡、侵入口、天井裏、屋根まわり、床下などを確認し、被害の範囲(フン尿、断熱材、天井のシミ、悪臭)まで見ると説明しています。駆除ザウルスは、天井裏や床下などを確認して動物の種類や生息状況、侵入口を把握すると説明し、屋内の作業は在宅での立会いを求めています。アサンテのハクビシンのページは、外周(雨どい、換気口、基礎の欠損部、戸袋)と屋根まわりを確認したうえで、天井裏の生息を目視で確認する手順を示しています。

どの調査にも調べる範囲があります。「現地調査」と書かれていても、屋内に入る調査か、外から見る調査かで、分かることが違います。契約の前に、天井裏に入るかどうか、入らない場合の理由、報告に写真がつくかを聞いてください。写真だけで見積もりを出す場合の使い方は写真だけの見積もりでどこまで分かるかにあります。

調査が有料になる条件を先に聞く

調査の費用は、会社によって扱いが違います。駆除ザウルスの料金ページは、調査見積もりは無料で、生息確認のみは別途有料と説明しています。プログラントの料金ページは、遠方地域、高所の特殊作業、屋根上の詳細調査、特殊機材が必要な調査は、事前説明のうえ調査費用が発生する場合があると説明しています。無料と書かれていても、どの調査までが無料かを、依頼前に確認します。

調査方法を比べる|点検口からの目視・外周確認・写真報告:確認項目
調査の方法分かりやすいこと分かりにくいこと見積もりで聞くこと
点検口からの目視点検口の近くのフン、巣材、断熱材の乱れ、足跡点検口から見えない奥や、仕切りの先屋根裏のどこまで入るか、立会いは必要か
外周・屋根まわりの確認換気口、軒天、戸袋、基礎まわりなどの破損や汚れ屋根裏の内部の状態高所の確認は有料か、足場や梯子が必要か
カメラでの確認狭い場所や死角の映像映像の範囲に入らない場所、動物がいない時間の状態撮影した映像や写真をもらえるか
写真での報告・見積もり依頼者が撮った写真から読み取れる、おおまかな方針写真に写らない場所、種類の確定現地調査に切り替える条件と費用

参考:駆除ザウルス|害獣・害虫駆除の料金・費用

種類が分かった後に変わる作業と手続き

種類が分かると、必要な手続きと作業が変わります。環境省は、鳥獣の捕獲や殺傷、鳥類の卵の採取は、狩猟として行う場合を除いて原則禁止で、被害が生じている場合などに環境大臣または都道府県知事の許可を受けて行えると説明しています。環境省中部環境局は、ハツカネズミ、ドブネズミ、クマネズミと一部の海棲哺乳類を除く、鳥類と哺乳類のすべてが野生鳥獣として捕獲が禁止されると説明しています。町田市の資料は、アライグマが特定外来生物に指定されていると説明しています。

種類は途中で変わることもあります。ネズミだと思って頼んだ屋根裏が、調査でイタチやハクビシンと分かった場合、同じ見積もりのまま進められるとは限りません。業者には、判定後に再見積もりを出すか、無料か、同意が必要かを、調査の前に聞いておきます。

種類が分かった後に変わる作業と手続き:確認項目
動物手続きの考え方作業で変わりやすいところ
ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)鳥獣保護管理法の対象外で、捕獲に都道府県知事の許可は不要と、町田市と中部環境局が説明侵入口の小さなすき間の封鎖、天井裏の清掃、製品を使う場合は表示に従う
イタチ・ハクビシン・タヌキなどの野生哺乳類捕獲や殺傷には許可が必要。許可の窓口は都道府県で、市町村へ権限が移されている場合がある追い出し中心か許可を得た捕獲か、封鎖箇所の数、清掃の範囲
アライグマ鳥獣保護管理法に加えて、特定外来生物として扱われる自治体の窓口や制度の有無、捕獲後の扱い、封鎖と清掃
コウモリ野生の哺乳類で、鳥獣保護管理法の対象出入りするすき間の確認と、封鎖の範囲
鳥類(巣がある場合)卵やヒナを含め、捕獲や採取には許可が必要巣の撤去の時期と手続き、管理者や自治体への確認

参考:環境省|捕獲許可制度の概要

比べる項目の表|調査範囲・封鎖・清掃・断熱材・保証

屋根裏では見えない場所の作業が多いため、写真つきの報告と、項目ごとの見積もりが比べるときの手がかりになります。プログラントは、封鎖、糞尿清掃、殺菌消毒、消臭、断熱材撤去・交換、高所作業、捕獲申請、建物補修を、別見積もりになる場合がある作業として挙げています。他社の見積もりも、同じ項目に分けて並べます。

下の表は、種類が分からない段階でも、同じ質問で比べられるように作った確認表です。公式ページの内容は各社の説明であり、実際の作業は、現地調査後の見積書と契約書面で確かめます。保証は、年数だけでなく、対象と除外、再発時の連絡先まで見ます。

封鎖と追い出しの順番を見積もりで確かめる

アサンテのハクビシンのページは、侵入経路を遮断する際に、天井裏に個体を閉じ込めないよう注意が必要と説明し、施工後の点検を初回作業から10〜14日後、さらに2週間後に行う流れを示しています。種類を問わず、追い出しの確認と封鎖の順番が見積もりの工程に書かれているかを確かめます。順番の考え方は追い出し・封鎖・清掃はどの順番かにあります。

比べる項目の表|調査範囲・封鎖・清掃・断熱材・保証:確認項目
比べる項目書面で確認すること種類が不明な段階での聞き方
調査範囲屋根裏に入るか、外周・屋根まわり・床下まで見るか、報告に写真がつくか種類の判定は調査に含まれるか
封鎖場所の名前ごとの箇所数、材料、高所作業の有無種類が決まる前に封鎖を始めないか、動物がいる状態で閉じないか
清掃・消毒対象の区画と面積、回収物の処分フンの量で変わる場合、調査後にどう見積もるか
断熱材撤去と新設が別の行か、面積と材料汚れの確認方法と、交換が必要と判断する根拠
保証対象の動物、期間、除外、再発時の連絡先種類が変わった場合に、保証の対象はどうなるか
種類判定後の再見積もり追加か変更か、同意の方法判定後に金額が変わる条件を、調査の前に書面でもらえるか
捕獲の許可必要になった場合の手続きと担当者、日数許可が必要と分かったとき、工程と料金はどう変わるか

参考:株式会社プログラント|熊本・佐賀・福岡の害獣駆除料金表

点検口がない・賃貸などの場合の進め方

天井に点検口がないと、屋根裏に入る調査ができない場合があります。業者には、点検口がない家でどこから確認するのか、開口が必要か、開口した場合の復旧は誰がどう行うかを聞きます。新設する位置や復旧の決め方は天井裏を調べる点検口がないときの新設の考え方にまとめています。

賃貸住宅では、まず管理会社や貸主に連絡します。国土交通省の相談対応事例集は、賃貸物の修繕は原則として貸主が義務を負い、借主には貸主への通知義務があると説明しています。町田市は、アライグマ・ハクビシンの駆除を専門業者に委託して行う事業で、賃貸住宅を借りている方は、まずその物件の所有者に相談するよう案内しています(2021年3月時点)。屋根裏は建物の構造や共用部分に関わるため、天井を開ける調査や封鎖工事を、入居者が管理会社に伝えずに業者へ頼むことは避けます。連絡文の作り方は賃貸の害獣被害を管理会社へ報告するときの連絡文にあります。

点検口がない戸建てで確認すること

開口の位置は、屋根裏の状態や天井の構造で決まるため、業者の提案をそのまま受け取らず、理由を聞きます。

  • 点検口がない場合に、外周や床下側から先に確認する方法があるか
  • 天井に開口が必要な場合の位置、大きさ、復旧の内容と費用
  • 調査のあとに点検口を残すか、塞ぐか

賃貸住宅・集合住宅で確認すること

賃貸や集合住宅では、天井裏や配管まわりが共用の場合もあります。業者を呼ぶ前に、次の点を管理会社へ確認します。

  • 管理会社が指定する業者の有無と、費用の負担者
  • 入室や天井裏の調査を行う日時、立会いの方法
  • 調査報告を、管理会社と入居者のどちらが受け取るか

参考:国土交通省|民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(PDF・入居中の修繕)

種類が分かったら|種類別の業者選びへの分岐

調査で種類が分かったら、種類別の業者選びの記事に進みます。種類が分からないままでも、上の確認表で比べた見積もりが手元にあれば、そこから分岐した記事の観点で、見積書を読み直せます。流れは次のとおりです。

種類が確定する前に、契約してよい範囲

国民生活センターは、ネットの価格と実際の請求額がかけ離れる害虫・害獣駆除の相談が増えているとして、複数の見積もりを取って比べる時間を与えない事業者とは契約しないよう助言しています。報告書では、契約書にサービス内容が「一式」とだけ書かれていた相談事例も紹介されています。

種類が確定していない段階では、工事全体の契約を急がず、調査と見積もりまでにとどめ、種類と侵入口が分かってから施工の契約を結ぶ形を選べるかを聞きます。調査の費用、判定後の再見積もり、契約を保留できるかを書面かメールで残し、持ち帰って比べる時間を確保してください。

参考:国民生活センター|害虫・害獣駆除のトラブルにご注意