イタチのフンの特徴|形・場所・においで確認できること

イタチのフンについて、確認した公的資料に書かれている内容は多くありません。国土交通省の弥栄ダム周辺の生き物の資料は、イタチ類は倒木の上や石の上などの目立つ場所に、細くねじれたフンをよく残すと説明しています。庭の石の上に細長くねじれた粒が単独で落ちているときは、この特徴に当てはまるかを見ます。

においについては、国土交通省の太田川河川事務所の資料が、ニホンイタチには肛門の左右に1対の肛門腺があり、糞を排泄するときに臭い付けをすると説明しています。単独で行動する動物なので、個体どうしの連絡に糞や尿を使うことが多いとも書かれています。

ニホンイタチと、人家に入りやすいシベリアイタチ

大阪府は、町で見かけるイタチはユーラシア大陸から渡ってきたシベリアイタチが多く、昔から日本にいるニホンイタチは山地や山里に多いといわれていると案内しています。農林水産省のコラムも、シベリアイタチは住宅街など人の生活圏を好み、水辺などを好むニホンイタチとは違うと述べています。住宅の屋根裏のフンで、写真つきの被害例が載っていたのは、シベリアイタチの項目でした。

シベリアイタチは天井裏のためフンの被害が書かれている

農林水産省のコラムは、住宅などの屋根裏に入る「住環境害獣」の被害として、糞尿による悪臭、足音による安眠妨害、ノミ・ダニによる咬傷を挙げ、シベリアイタチ(旧称チョウセンイタチ)を西日本の代表格と説明しています。コラムには、天井裏の糞被害と、天井裏のためフン被害の写真が載っています。

フンの長さや太さの数値は資料で確認できませんでした

確認した国土交通省、農林水産省、国立環境研究所、自治体の資料には、イタチのフンの長さや太さを示した数値が見当たりませんでした。この記事でも数値は示しません。大きさで決められないぶん、定規を添えた写真と、落ちていた場所の記録が、相談するときの材料になります。数値を示している記事を見かけたときは、その根拠が公的資料にあるかを確かめてから参考にしてください。

イタチのフンの特徴|形・場所・においで確認できること:確認項目
確認したいこと公的資料に書かれていること読み取るときの注意
形細くねじれたフンをよく残す(国土交通省 弥栄ダム周辺の生き物)時期や食べ物で色や形が変わる(農林水産省)ため、1つの形で決めない
落ちている場所(屋外)倒木の上や石の上などの目立つ場所(同上)石の上は他の動物も使えるため、場所だけでは動物を決められない
落ちている場所(屋内)天井裏にためフンの被害(農林水産省 中型獣類編のコラムの写真)コラムの項目はシベリアイタチ。ニホンイタチの屋内のフンは資料で確認できず
におい糞尿による悪臭が問題(農林水産省)。肛門腺で臭い付け(国土交通省 太田川河川事務所)強さや他の動物との違いは資料で確認できない
大きさ長さ・太さの数値は確認できず定規を添えて撮影し、相談時に写真を渡す

参考:国土交通省 弥栄ダム周辺の生き物|イタチ類

読者の疑問

イタチのフンの大きさは何cmですか?

比較ガイド

確認した公的資料には、イタチのフンの長さや太さの数値が見つかりませんでした。数値があるのはネズミ(ドブネズミ1〜1.5cmなど)とコウモリ(5〜10mm)です。定規を添えて撮影し、相談するときに写真を渡してください。

ハクビシン・ネズミ・コウモリ・テンのフンとの違い|比較表

フンの比較が難しいのは、大きさの数値が確認できる動物と、場所やためる習性しか確認できない動物が混ざっているからです。次の表は、公的機関や協会の資料に書かれた内容だけを並べたもので、当サイトが測った数値ではありません。「確認できず」は、特徴がないという意味ではなく、確認した資料に記載がなかったという意味です。

大きさで比べられるのは、数値が出ているネズミとコウモリです。東京都のねずみ防除指針のチェック表は、フンの大きさをドブネズミ1〜1.5cm、クマネズミ1cm前後、ハツカネズミ0.5cmとし、新しいフンは生息の可能性、古いフンは迷入の可能性があると書いています。東京都ペストコントロール協会は、コウモリのフンを5〜10mmで、昆虫しか食べないためネズミのフンよりもろいと説明しています。

イタチとハクビシンの違い|フン単独では決めにくい

農林水産省のマニュアルは、ハクビシンはねぐらの中で排泄するため糞尿が堆積し、6cm×12cmの隙間があれば侵入できるとしています。一方、イタチは直径3cm程度の穴でも通ると、堺市や大阪府などが案内しています。フンの形で決めにくくても、侵入口の大きさや痕跡の位置が違えば、候補を絞れます。顔や体つき、家の痕跡の比べ方は イタチとハクビシンの違い にあります。

イタチとテンの違い|フンで区別できる資料は見つからない

テンは農林水産省のフローチャートの対象に含まれますが、イタチは含まれていません。イタチとテンのフンの違いを述べた資料は、今回は見つかりませんでした。農林水産省は、飼育されている小型のオスのテン(体重約1kg)が5cm角のワイヤーメッシュを通り抜けた例を挙げています。イタチの3cm程度とは通れる隙間の目安が違うため、3cm程度の隙間しか見当たらないときは、侵入口の寸法も考える材料になります。ただし、大きな穴はどちらも通れるため、寸法だけでは決められません。

ネズミ・コウモリとの違い|大きさと落ちる場所で先に外す

ネズミとコウモリは大きさの数値があるため、定規を添えた写真で比べやすい動物です。ただし、両者のフンは大きさが重なり、落ちている場所やかじり跡、出入りの時間帯も合わせて考える必要があります。粒の写真と落ちる場所の分け方は コウモリとネズミのフンの比べ方 にあります。

ハクビシン・ネズミ・コウモリ・テンのフンとの違い|比較表:確認項目
動物大きさの記載落ちている場所・まとまり方資料から言える範囲
イタチ類(ニホンイタチ・チョウセンイタチ)確認できず倒木や石の上など目立つ場所に、細くねじれたフンをよく残す(国土交通省)形と場所の記述のみ。数値はない
シベリアイタチ確認できず天井裏にためフンをして悪臭の被害が出る写真つきの被害例。フンの形の記述は確認できず
ハクビシン確認できずねぐらの中で排泄し、同じ場所に糞尿が堆積する。天井板が落ちた事例もある農林水産省のマニュアルの記述
ネズミ(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)ドブネズミ1〜1.5cm、クマネズミ1cm前後、ハツカネズミ0.5cm餌場の近くの決まった場所にたくさんする(日本ペストコントロール協会)新しいフンは生息の可能性、古いフンは迷入の可能性(東京都)
コウモリ5〜10mm夏は軒先や屋根の下に落ちる。天井裏では糞尿が堆積するネズミのフンよりもろい(東京都ペストコントロール協会)
タヌキ確認できず生活エリアの境界にためフンを作り、掃除してもすぐ作られる屋外のためフンの記述(農林水産省)
テン確認できず農林水産省のフローチャートの対象に含まれる図の分岐を文章で読み取れないため、出典の図で確認

参考:東京都保健医療局|東京都ねずみ防除指針「窓口対応の実践例」ねずみ被害チェック表(PDF)

ためフンの記述がある動物と、記述がない動物|場所の意味で読む

ためフンは、同じ場所に繰り返し排泄して、フンが積み重なる状態です。農林水産省のマニュアルは、タヌキのためフンを生活エリアの境界を主張するものと説明し、掃除してもすぐに作られると述べています。ハクビシンは、ねぐらの中で排泄するため糞尿が堆積するとあります。シベリアイタチは、コラムの写真に天井裏のためフン被害が載っています。

日本ペストコントロール協会は、ネズミが餌場の近くの決まった場所にたくさんフンをするとしています。コウモリは、東京都ペストコントロール協会が、天井裏に糞尿が堆積し、出入りに使う隙間からも糞を落とすと書いています。ためフンの有無は、動物を決める手がかりというより、そのフンがどんな場所で何のために使われているかを読む手がかりです。

資料に記述がない動物を、ためフンをしないと決めつけることはできません。ニホンイタチの屋内のフンは、今回の資料では確認できませんでした。場所の意味から読むときは、次の見方が参考になります。

  • 屋根裏や天井裏の同じ場所に積み重なっている:ねぐらの中で排泄する動物(ハクビシンやシベリアイタチなど)が、その場所を使い続けている可能性があります。
  • 敷地の端や通り道の同じ位置に繰り返し現れる:タヌキのように、生活エリアの境界にためフンを作る動物の可能性があります。
  • 餌場や食品の近くに小さな粒が多数ある:ネズミが餌場の近くの決まった場所にフンをする例が資料にあります。
  • 石や倒木の上に、単独で細くねじれたフンがある:イタチ類のように、目立つ場所に残す動物の可能性があります。

参考:農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 中型獣類編(アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ等、令和6年3月版)

イタチのフンが見つかりやすい場所|屋根裏の隅・断熱材の上・庭石の上

堺市は、イタチは石垣の隙間や床下をすみかとしますが、最近は天井裏にすみつくことが多くなり、断熱材をほぐして巣を作り、子育てするケースが増えていると案内しています。大阪府も、天井裏で子育てをして、糞や尿の臭いがひどいという苦情を例に挙げています。屋根裏のフンは、巣材にされた断熱材の周りや、梁の上、隅に集まっていないかを見ます。堺市のページは2021年2月の更新で、2026年10月3日に確認しました。

鈴鹿市は、屋根裏や軒下の侵入口を塞ぐ場合、糞尿などが堆積していて清掃や消毒が必要になることもあるとして、専門業者への相談を案内しています。フンの量が多そうなときは、片付けを前提に点検を始めないことが大切です。

屋根裏に入って確かめる必要はありません。農林水産省のコラムは、一般の人が点検や封鎖をするには建築知識が必要で、見落としや事故のリスクがあると述べています。点検口から見える範囲を撮るか、天井のシミやにおいの位置を室内から記録するにとどめてください。

イタチのフンが見つかりやすい場所|屋根裏の隅・断熱材の上・庭石の上:確認項目
場所見つかるフン・痕跡の例資料の記述安全な確認のしかた
屋根裏の隅・梁の上同じ場所に積み重なったフン、天井のシミ天井裏にためフンの被害(農林水産省)。天井裏で子育てをして、フンや尿の臭いがひどい苦情(大阪府・堺市)天井のシミやにおいの位置を室内から記録する。屋根裏に入らず、点検口から見える範囲を撮る
断熱材の上ほぐされた断熱材と、その上のフン・尿断熱材をほぐして巣を作り、子育てをする例(大阪府・堺市)断熱材に触らず写真に残し、交換や清掃の範囲は見積もりで決める
軒下・戸袋・外壁の侵入口付近侵入口の周りの黒い汚れ、フン侵入口が獣の汚れで黒くなる、引っかき傷がつく(甲賀市)。侵入口と糞被害の写真(農林水産省)地上から見える範囲を撮る。屋根や足場には上がらない
庭石・倒木の上細くねじれたフンが単独で残る倒木の上や石の上などの目立つ場所に残す(国土交通省)距離を保って写真を撮り、動物を探して近づかない
床下資料では確認できずイタチは石垣の隙間や床下をすみかにすることがある(大阪府・堺市)床下の点検は業者に任せる

参考:堺市|イタチでお困りの方へ

触る前に写真を残す|撮影の手順とメモ

厚生労働省の動物由来感染症ハンドブックは、野生動物がどのような病原体を持っているかは分からないため、安易に触らないよう求めています。フンを見つけた直後は片付けたくなりますが、先に撮影すると、あとで動物を絞る材料が残ります。撮影は短時間で済ませ、顔を近づけたり棒でつついたりしません。

撮る写真と、添えるもの

1か所につき、離れた位置、真上、横の3方向から撮ります。フンの横に定規を置くと、長さと太さが後から読み取れます。定規はフンに触れない、近くの床や石の上に置いてください。近づく必要があるときだけ、使い捨て手袋とマスクを着けます。

  • 離れた位置から:天井、軒下、庭石など、どこにあるかが分かる写真
  • 真上から:定規を添えて、長さと太さが読み取れる写真
  • 横から:積み重なりや高さが分かる写真
  • 周辺:侵入口らしい穴、黒い汚れ、天井のシミ

数日後にもう一度撮る

同じ場所を数日おいてもう一度撮ると、フンが増えたかが分かります。東京都のねずみ防除指針は、ネズミのフンについて、新しいフンは生息の可能性、古いフンは迷入の可能性があると示しています。ネズミを対象にした指針ですが、今も出入りが続いているかを考える手がかりとして参考になります。イタチのフンの新旧の見分け方は、今回の資料では確認できませんでした。

参考:厚生労働省|動物由来感染症ハンドブック2026(PDF)

フンを片付けるときの衛生上の注意|舞い上げず、触れず、手を洗う

厚生労働省のハンドブックは、糞の中で病原体が増えたり、糞尿が乾燥して中の病原体が空気中を漂ったりすることがあるため、糞尿に直接触れたり病原体を吸い込んだりしないよう気を付け、早くこまめに処理するよう案内しています。乾いたフンを、ほうきで勢いよく掃く、掃除機で吸う、エアダスターで吹くといった、舞い上げやすい方法は避けたほうが安心です。この点は、ハンドブックの注意を踏まえた当サイトの整理です。

農林水産省のコラムは、捕獲に従事する人向けに、野生動物は人獣共通感染症の病原体を保有している可能性があるため、手袋を着けて肌が露出しない服装をし、糞尿、血液、唾液などに直接触れないこと、糞尿を処理した衣類や機材は洗浄・消毒することを述べています。大阪市都島区は、やむを得ず触る場合は使い捨ての手袋やマスクを着け、触れた後は石けんで手を洗うこと、噛まれたり引っかかれたりしたら必要に応じて医療機関を受診することを案内しています。

体の調子が気になるときは、診断や治療を自分で判断せず、医療機関に相談してください。ハンドブックも、体に不調を感じたら早めに受診するよう勧めています。受診のときは、動物のフンを片付けた日や、触れた状況を伝えると話が進みます。

屋根裏や床下にフンや尿が広がっている、断熱材まで汚れているといった範囲は、自分で片付ける前提にしないでください。少量のフンの扱いは 害獣のフン処理と消毒の目安 にまとめています。避けたい片付け方は、次のとおりです。

  • 素手で拾う、棒でつつく、割って中身を確かめる
  • ほうきで勢いよく掃く、掃除機で吸う、エアダスターで吹く
  • フンに触れた手で、顔や口、傷口を触る
  • 使った手袋や雑巾を洗わずに、室内へ持ち込む

参考:大阪市都島区|野生動物による被害を受けないために

フンが続くときに確認する侵入口と相談の目安

片付けても新しいフンが出るときは、今も出入りが続いている可能性があります。農林水産省のコラムは、屋根裏に入る動物への防除は捕獲や薬剤だけでは不十分で、入れるすべての穴や隙間を塞ぐ方法しかないと述べ、シベリアイタチは3cm程度の穴や隙間からでも侵入すると書いています。主な侵入ポイントとして、屋根の重なり、入母屋屋根の両隅、床下換気口、給湯器などの配管の引き込み部が挙げられています。

侵入口の場所や寸法は イタチは屋根裏にどこから入る? に、追い出しと封鎖の順番は イタチを屋根裏から追い出す方法 に、捕獲に許可が必要な理由は イタチの駆除は違法か にまとめています。調査を頼むときは、フンの写真と音の記録を持っていくと、話が進みます。

市の窓口は、確認した自治体の案内では、捕獲許可の相談と、一部の捕獲器の貸出が中心で、封鎖や清掃は所有者が手配する形です。清掃、調査、封鎖を頼むときは、作業の範囲と数量を分けて説明してもらうと、見積もりを比べやすくなります。

参考:農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 中型獣類編(アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ等、令和6年3月版)