種類別の対策ガイド

カラスの駆除・対策ガイド

ごみの被害と、近くに巣がある場合の相談を分けたい。

身近で問題になるカラスは、主にハシブトガラスとハシボソガラスの2種です。ハシブトガラスは額が盛り上がってくちばしが太く、「カーカー」と澄んだ声で鳴き、市街地や樹林を好みます。ハシボソガラスはやや小柄でくちばしが細く、「ガーガー」と濁った声で鳴き、田畑など開けた環境を好みます。農林水産省のマニュアルによると、ハシブトガラスは日本全国、ハシボソガラスは九州以北で1年中見られます。

雑食性で、穀類、昆虫、果実のほか生ごみも食べるため、住宅地ではごみ集積所の散乱がまず問題になります。生ごみや屋外に置いたままのペットのエサなど、餌になるものがあることが集まる原因の多くを占めます。餌が残るかぎり別のカラスが集まってくるため、駆除だけでは十分な効果が期待できないと自治体は説明しています。鳴き声やフン、果樹や野菜の食害も被害として挙げられます。

繁殖期は3〜7月で、つがいがなわばりを持ち、高い樹木や鉄塔などに枯れ枝や針金で巣を作ります。この時期は、巣や巣立ったばかりのヒナの近くを通る人を、親鳥が威嚇したり後ろから足で蹴ったりすることがあります。5〜7月にヒナが巣立ち、やがて若鳥は群れに加わります。秋から冬には、林などのねぐらに数百〜数千羽が集まって目に付きやすくなります。

カラスの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
種類の見分け額が出っ張りくちばしが太く、澄んだ声ならハシブトガラス、額がなだらかでくちばしが細く、濁った声ならハシボソガラスです。東京都の資料では全長の平均はそれぞれ57cmと50cmです。
ごみの散乱ごみ袋が破られ、生ごみが引き出されて散らかります。カラスは視覚に頼って餌を探すため、袋の外から生ごみが見える出し方になっていないかを確認します。
巣枝葉の茂った大きな樹木、電柱、鉄塔などの高い場所に、枯れ枝や針金ハンガーを組んだ巣を作ります。親鳥が巣の中でじっとしていれば、卵を温めていると考えられます。
威嚇のサイン枝をつつく、くちばしをカチカチ鳴らす、人に向かって大声で鳴く、鳴きながら頭上を飛び回るといった行動は攻撃の前の威嚇です。近くに巣やヒナがあると考えて離れます。
巣立ちビナ巣立ったばかりのヒナはうまく飛べず、地面の近くにいることがあります。親鳥が近くにいて近づく人を威嚇するため、拾ったり近づいたりせずにその場を離れます。
食害果実やすいかにくちばしの大きさに合うV字型の切り裂きがあれば、カラスによる食害とわかるとされます。ただしムクドリやヒヨドリと区別しにくい場合も多く、とうもろこしの皮を穂先から引き裂くようにむく食べ方はハクビシンの食害と似ています。

法律・制度上の注意

カラスを含む野生鳥獣は、狩猟による場合を除き、鳥獣保護管理法により許可なく捕獲・殺傷することが原則として禁じられており、うるさい、迷惑という理由だけでは捕まえられません。卵やヒナは狩猟の対象外で、捕獲・処分するには許可が必要です。巣の撤去にあわせて卵やヒナを処分する場合や、追い払いなどの対策をしても被害が減らない場合は、有害鳥獣捕獲の許可を事前に受ける必要があります。許可は都道府県知事(多くは権限を移された市町村長)が行うため、自治体の鳥獣担当窓口に確認します。

自分でできる対策

  • ごみはふた付きの容器に入れるか、全体をネットで覆って端に重しを置き、隙間から引き出されないようにします。
  • 生ごみは水気を切って紙で包むなど外から見えないようにし、収集日と排出時間を守って出します。
  • カラスに餌を与えず、屋外で与えたペットのエサは食べ終わったらすぐに片づけます。
  • 巣材に使われる針金ハンガーをベランダや庭に出したままにせず、枝葉の茂った大きな庭木は繁殖期の前から様子を見ておきます。
  • 繁殖期に威嚇されたら巣やヒナから離れ、通る必要があるときは帽子や傘で後頭部を守ります。

相談を考える目安

  • 巣の近くで威嚇や攻撃が続くとき(樹木や電柱など、巣がある場所の管理者に被害の状況を伝えて相談します)。
  • 自宅の敷地の木に卵やヒナのいる巣があり、撤去が必要なとき(自治体に許可を確認し、造園業者や駆除業者に依頼します)。
  • 地域のごみ集積所が繰り返し荒らされるとき(自治体の清掃担当や自治会に防鳥ネットなどを相談します)。
  • 道路や歩道に落ちたヒナがいて通行に支障があるとき(道路の管理者や自治体の環境担当へ連絡します)。

カラスのよくある質問

カラスの巣は自分で撤去してよい?
卵やヒナがいる巣を許可なく撤去し、卵やヒナを処分することはできません。東京都は、被害がなければ撤去の必要はなく、威嚇などの被害がある場合は巣のある場所の管理者に依頼するよう案内しています。自宅の木に巣がある場合は、自治体に許可の要否を確認してから業者に依頼します。
カラスは何を嫌う?CDや音のグッズは効く?
東京都は、CDなどきらきら光るものを吊るすと効果がある場合もあると案内していますが、確実な方法としては示していません。音による対策は、確認した資料に記載がありませんでした。カラスは餌を求めて集まるため、ごみを見せない・取らせない工夫と、餌になるものを片づけることが基本です。
カラスの繁殖期はいつ?威嚇されたらどうする?
繁殖期はおおむね3月から7月です。威嚇や攻撃は巣やヒナを守るための行動なので、その場所から離れれば収まります。カラスは後ろから頭をねらうため、背中を向けずに離れ、通る必要があるときは帽子をかぶるか傘をさして頭を守ってください。
カラスの駆除は市役所に頼める?
自治体によって対応が異なります。横浜市は私有地でのカラスの駆除は行っていないと明示しており、東京都は個人宅の巣について土地所有者が民間事業者へ依頼するよう案内しています。一方で、巣の撤去や費用の補助を行う区や市もあるため、まず住んでいる自治体の環境担当に確認してください。
カラスをわなや毒で駆除してよい?
どちらも自己判断で行うことはできません。鳥獣保護管理法では、狩猟による場合を除き、許可なく野生鳥獣を捕獲・殺傷することが原則として禁じられており、許可を受けた捕獲でも毒を使うような危険な猟法には制限があります。わなや毒餌を自分で仕掛けず、ごみと餌の管理で寄せ付けない対策を行い、それでも被害が続く場合は自治体の鳥獣担当窓口に相談してください。

参考(確認日:2026年10月3日):農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編(令和6年3月版)カラス類、東京都環境局|カラスに関するQ&A、東京都環境局|ハシブトガラスとハシボソガラスの違い、横浜市|カラス・ハトによる被害について、環境省|捕獲許可制度の概要

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カラスの被害を相談する。ごみ荒らし・威嚇・集まる場所の分け方

カラスによるごみの散乱、巣の近くの威嚇、鳴き声を分けて記録。地上のヒナに触れず、土地・設備の管理者と捕獲手続きの確認先を整理します。

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