カラスの駆除は市役所に頼める?できることとできないこと

市役所や区役所に電話をすれば、職員が来てカラスを捕獲したり巣を外したりしてくれる、という仕組みではない自治体が多く見られます。東京都は、都市部を中心にごみ対策の強化やトラップによる捕獲などのカラス対策を行う一方、巣の撤去は、巣のある場所の管理者に被害の状況を説明して依頼するよう案内しています。

神戸市は、カラスやハトの捕獲等は行っていないと明記し、民間の捕獲事業者の案内を相談ダイヤルで受け付けています。横浜市も、私有地でのカラスやハトなど野生鳥類の駆除は行っていないとしています。一方で、公園や街路樹の管理者としての対応、助言、ポスターの提供、許可窓口の案内は、多くの自治体が行っています。

カラスの駆除は市役所に頼める?できることとできないこと:確認項目
自治体の関わり方確認できた案内の例(2026年10月3日確認)
私有地(庭木・敷地)の巣札幌市は市として撤去を行わないと案内。千葉市と東京都は、土地所有者が民間業者などへ直接依頼する形
カラスの捕獲神戸市は捕獲等を実施していないと明記。東京都はトラップによる捕獲などの対策を行うが、巣の撤去は管理者への依頼を案内
公園・街路樹・電柱の巣管理者が対応。札幌市の土木センターは、原則として巣の撤去は行わず、看板設置などの安全対策で対応
助言・ごみ集積所の対策札幌市と横浜市が注意喚起のポスターやチラシを提供。東京都は防鳥ネットの貸出しを清掃事務所へ相談するよう案内
捕獲許可の相談卵やヒナの処分など許可が必要な場合は、東京都は担当窓口、千葉市は千葉県自然保護課など、許可を扱う窓口を案内

参考:東京都環境局|カラスに関するQ&A

読者の疑問

カラスの駆除は市役所に頼めますか?

比較ガイド

確認した自治体の多くは、市がカラスを捕獲したり私有地の巣を撤去したりしません。神戸市は捕獲等を実施していないと明記し、札幌市は民有地の巣の撤去を行わないとしています。まず巣の場所の管理者、次に市区の野生鳥獣の担当課へ相談します。

巣の場所別の連絡先(私有地・電柱・公園・道路・学校)

カラスの巣の相談は、巣がある土地や樹木、設備を管理する人が窓口になるのが基本です。板橋区の「カラス相談窓口」は、巣のある場所ごとに担当窓口を一覧にしていて、国道や都道の街路樹、電柱、学校の樹木、区立公園と都立公園、都営住宅、UR賃貸住宅、マンションや法人事業所、個人住宅などに分けています。

同じ街路樹でも、国道・都道・区道で窓口が違います。どの管理者の木か分からないときは、巣の位置が分かる写真と住所の目印を用意して、市区の野生鳥獣の担当課に問い合わせます。横浜市も、不明な点は環境活動事業課の野生鳥獣担当へ連絡するよう案内しています。電話番号や窓口名は変わることがあるため、番号は載せていません。各自治体のページで確認してください。

巣の場所別の連絡先(私有地・電柱・公園・道路・学校):確認項目
巣のある場所最初の連絡先の考え方確認した例
自宅の庭木・敷地所有者が民間事業者に依頼するのが基本。相談は市区の野生鳥獣の担当課板橋区は区の環境政策課を案内。東京都と千葉市は所有者が民間業者へ直接依頼と案内
マンション・賃貸住宅・事業所建物や敷地の管理者(管理会社、管理組合など)板橋区は各施設管理者を案内。都営住宅はJKK東京、UR賃貸住宅は住まいセンター
電柱・鉄塔電柱や鉄塔を所有する事業者(電力会社、NTTなど)東京都・板橋区・千葉市・横浜市が東京電力パワーグリッドやNTTを案内
道路の街路樹道路の管理者(国道・都道・市区道で窓口が別)板橋区は国の国道事務所、都の建設事務所、区の土木サービスセンターを案内。札幌市は各区土木センター
公園の樹木公園の管理者(市区立・都立など)板橋区は区立と都立で窓口が別。横浜市は大規模公園を公園緑地事務所、小規模公園を各区土木事務所へ
学校の樹木各学校など施設の管理者板橋区と横浜市は、施設の管理者を案内

参考:板橋区|カラス相談窓口

自治体による対応の違い(公式案内を並べた比較表)

次の表は、東京都、板橋区、札幌市、千葉市、神戸市、横浜市の公式ページを、2026年10月3日に確認してまとめたものです。ページの更新日は自治体によって古いものもあるため、実際に連絡する前に最新の案内を確認してください。

札幌市のカラス対応:公園・街路樹の巣は原則撤去せず、安全対策が中心

札幌市は、市が管理する公園や街路樹(市道・道道)の巣について、各区の土木センターへ相談するよう案内しています。ただし、原則として巣の撤去は行わず、看板の設置などの安全対策で対応するとしています。自宅の庭木など民有地の巣は、威嚇が少ないなら自衛をして子育ての期間をしのぎ、ひどいときは所有者や管理者が撤去を考える、という考え方です。

神戸市・横浜市:捕獲は行わず、民間事業者や許可窓口を案内

神戸市は、カラスの捕獲等を実施していない代わりに、神戸市鳥獣相談ダイヤルで民間の捕獲事業者を案内できるとしています。横浜市は、私有地での野生鳥類の駆除は行っておらず、カラスを駆除してもえさがあるかぎり別のカラスが集まるため、十分な効果が期待できないと説明しています。

自治体による対応の違い(公式案内を並べた比較表):確認項目
自治体(ページの日付)私有地の巣・捕獲公共の場所・電柱特記事項
東京都(Q&Aページ、2025年5月26日更新)巣の撤去は管理者に依頼する。民有地は土地所有者が民間事業者へ依頼電柱は電力会社、街路樹は道路管理者などへ卵・ヒナの処分は事前許可が必要。区市の撤去費用補助は各区市の環境担当へ
板橋区(2023年2月21日更新)個人住宅などは区の環境政策課が窓口国道・都道・区道・都立公園などで担当が分かれるページの更新が古いため、窓口名は要確認
札幌市(2026年5月15日更新)市は民有地の巣の撤去を行わない。卵・ヒナのいる巣は市の許可が必要市の公園・街路樹は各区土木センター。原則撤去せず安全対策ごみステーション管理器材の購入費助成制度あり
千葉市(2025年6月24日更新)卵・ヒナがなければ撤去できる。所有者が民間業者へ依頼電柱・鉄塔は東京電力パワーグリッドかNTT東日本卵・ヒナの処分は千葉県自然保護課の許可か専門業者
神戸市(2026年4月7日更新)捕獲等は実施せず、民間の捕獲事業者を案内。卵・ヒナがない巣は許可なしで取り除けるページでは触れていない鳥獣相談ダイヤルは8時から21時まで年中無休(年末年始は9時から17時)
横浜市(2026年4月20日更新)私有地の駆除は行わない。場所の所有者・管理者に相談大規模公園は公園緑地事務所、小規模公園・街路樹は各区土木事務所、電柱は電力会社威嚇のサインと身の守り方、ポスターデータを提供

参考:札幌市|カラスによる被害を防ぐために

威嚇・攻撃を受けたときの相談と、その場での身の守り方

カラスに威嚇されたときの相談は、まず「どこに巣があるか」を確かめることから始まります。東京都は、巣を見つけても被害がないときは撤去の必要はなく、威嚇などの被害が出たときに、巣のある場所の管理者へ被害の状況を説明して撤去を依頼するよう案内しています。

威嚇や攻撃は、巣の卵やヒナを守る行動です。神戸市は、攻撃は後頭部を足で蹴ろうとするものがほとんどで、くちばしで突くことは体の構造上ほぼないと説明しています。時期や威嚇の段階は、カラスの繁殖期と威嚇の見分け方で詳しく確認できます。相談するときは、起きた日時と場所、通学路や出入口のように避けにくい場所かどうかを伝えると、管理者が判断しやすくなります。

  • 巣の下で立ち止まったり、見上げたりしない(札幌市の案内)
  • 「カッカッカッ」と小刻みに鳴く声が聞こえたら、巣が近い可能性があるため遠ざかるか迂回する(札幌市の案内)
  • 傘を差す、帽子をかぶる、傘などを肩にかつぐように頭の上へ上げる(東京都・札幌市・神戸市の案内)
  • 巣立ったばかりのヒナが地面にいても近づかない。通行の支障になるときは道路の管理者や市区の担当へ(東京都・千葉市の案内)。詳しくは地面にいるカラスのヒナの扱い

参考:神戸市|鳥類(カラス、ハト)の被害対策

私有地の巣を業者に頼む前に確認する許可の考え方

害獣駆除として業者に頼む場合も、自宅の庭木などに巣ができたときは、撤去を依頼する前に、巣の中に卵やヒナがいるかどうかで必要な手続きが変わる点を確認します。千葉市は卵やヒナがいなければ巣を撤去できるとし、神戸市も、卵やヒナがいない巣は有害鳥獣捕獲の許可の手続きがなくても取り除けるとしています。

卵やヒナがいる場合は別です。札幌市は、卵やヒナがいる状態での巣の撤去には法律に基づく事前の市の許可が必要で、自宅や会社の敷地内でも無許可で行うと違法になると明記しています。東京都も、許可なく卵やヒナを捕獲したり、傷つけたり、処分したりすることは禁止されていると案内しています。線引きの詳しい確認は、卵やヒナのある巣の確認事項にまとめています。

許可の窓口と申請者は自治体で異なります。千葉市は、千葉県自然保護課に相談して許可を得るか、専門の駆除業者に依頼するよう案内し、業者に心当たりがない人には千葉県害虫防除協同組合を紹介しています。江戸川区は、卵やヒナのある巣の撤去を、鳥獣保護管理法に基づく許可を受けた業者に委託する必要があるとしています。

巣作り直後に撤去すると、再営巣につながることがある

東京都は、巣を作った直後に撤去すると、数日のうちにまた巣を作ることがよくあると説明しています。札幌市も、ヒナがふ化する前など繁殖の早い時期の撤去は、繁殖のやり直しや、より攻撃的になる可能性があるとして、時期を見計らうよう案内しています。巣はその年の繁殖期だけに使われ、ヒナが巣立った後は使われません。

業者に確認したいこと

見積もりの前に、許可が必要な巣かどうかを誰がどう確認するのかを聞いておくと安心です。見積もりを比べる視点は、相見積もりの比べ方にあります。

  • 卵やヒナが入っているかを、どの方法で確認するのか
  • 許可が必要な作業になる場合、誰が申請し、許可を受けた業者が作業するのか
  • 高所や電線の近くなど、場所に応じた安全対策と作業の範囲
  • 作業費、処分費、再訪問が必要になった場合の扱いの内訳

参考:千葉市|カラス被害に関するQ&A

巣の撤去費用の考え方(公式ページの掲載と助成制度)

撤去費用は、巣の場所と高さ、作業の方法で変わります。東京都環境局のQ&Aは、巣の撤去は造園業者や害虫駆除業者などが行っており、費用は条件によって変わるが、1件あたりおよそ2万円から3万円程度と案内しています。これは東京都のページに掲載された目安で、2026年10月3日に確認した内容です。実際の見積もりとは別に、複数の業者から作業内容を確認してください。

区市によっては、撤去費用の一部を助成しています。東京都のQ&Aも、区や市で巣の撤去や費用の補助を実施しているところがあるとして、各区市の環境担当部署への相談を案内しています。江戸川区は一つの自治体の例で、全国共通ではありません。見積書に内訳を書いてもらう方法は、見積書の内訳の頼み方で確認できます。

巣の撤去費用の考え方(公式ページの掲載と助成制度):確認項目
確認先公式ページに書かれていた内容読み方のポイント
東京都環境局のQ&A撤去は造園業者や害虫駆除業者などが実施。1件あたりおよそ2万〜3万円程度で、場所や高さにより変わる掲載ページの目安であり見積もりではない。場所や高さの条件を伝えて確認する
江戸川区の助成(2026年9月1日更新のページ)個人の住居で、ヒナや卵が入ったカラスの巣の除去などを許可を受けた業者に頼んだ費用の3分の1(税抜、千円未満切り上げ)、上限7千円。高所作業用車を使った場合は上限1万4千円対象は個人の住居。事業所、マンションの共有スペース、賃貸住宅は除かれ、ヒナや卵のない巣は対象外。作業報告書や巣の写真などを提出する
千葉市の案内民有地の巣は、土地所有者が民間業者などに直接依頼する確認したページには費用や助成の記載がないため、市の環境担当に別途確認する

参考:江戸川区|カラス及びスズメバチの巣を除去した経費の一部を助成します

市役所に連絡するときに伝える情報(場所・高さ・ヒナの有無・被害)

管理者や市区の担当課に連絡するときは、巣の場所が特定でき、被害の内容が分かる情報を先にそろえておくと、担当の判断が早くなります。卵やヒナがいるかどうかは許可が必要かを左右しますが、近づいて確かめる必要はありません。見えない場合は「不明」と伝え、確認の方法を窓口や業者に相談してください。カラス全般の相談の分け方は、カラスの被害を相談する前に整理したいことも参考になります。

  • 巣の場所:住所または目印、庭木・電柱・街路樹・公園・学校のどれか、敷地や道路の境界との位置関係
  • 巣の高さと樹木・設備の種類:地面からの高さの見当、電線や建物に近いか
  • 卵やヒナの有無:見えるか、親が巣の中でじっとしているか、地面にヒナがいるか。見えないときは「不明」
  • 被害の内容:威嚇された日時、頭上や背後を飛ばれた回数、通学路や出入口など避けにくい場所か
  • 写真:巣やカラスに近づきすぎず、離れた位置から撮った、巣のある木や設備の全体と被害のあった場所

市役所だけでは解決しにくいとき:ごみと餌の対策、相談の順番

カラスが集まる原因の多くは、生ごみや屋外に置かれたペットのえさだと横浜市は説明しています。カラスを駆除しても、えさがあるかぎり別のカラスが集まるため、十分な効果が期待できないとも述べています。東京都は、ごみの散乱が多い地域では巣も多く作られていることが分かっているとして、地域全体でのごみ出しルールの徹底が重要だと案内しています。種類別の一覧は、カラスの対策一覧にあります。

  • 1番目:巣のある場所の管理者(所有者、電柱の事業者、公園・道路の管理部署、施設の管理者)に、撤去の可否と時期を相談する
  • 2番目:市区の野生鳥獣の担当課(環境や農政など、自治体で課名が異なる)に、管理者が分からないときや許可が関わるとき、助成の有無を確認する
  • 3番目:私有地で卵やヒナのある巣の撤去が必要なら、許可を受けた業者や、千葉市・江戸川区が案内する団体に相談する

参考:横浜市|カラス・ハトによる被害について