八代市の防護柵補助は、農作物を守る柵とネットの購入費が対象
八代市の「農作物有害鳥獣防護柵設置事業補助金」は、イノシシやシカなどの獣類と、カモ、スズメ、ハト類、カラス類、ヒヨドリなどの鳥類による農作物の被害を防ぐため、防護柵や防鳥ネットなどの購入費用を補助する制度です。対象になるのは、農地への有害鳥獣の侵入を防ぐために設置する防護柵、防鳥ネット(設置に関連する資材を含む)などの購入費で、消費税は含まれません。林産物は対象外と案内されています。
2026年10月3日時点で確認した市のページは、2026年7月23日に更新されたものです。予算がなくなり次第、受付を終了するとされているため、年度の途中で受付が終わることがあります。申請を考えているなら、柵を選ぶ前に、農業振興課または各支所の産業建設課へ受付状況を確認してください。
参考:八代市|八代市農作物有害鳥獣防護柵設置事業補助金について
家庭菜園でも、防護柵の補助を受けられますか?
市の対象者は、農業所得の申告をしている人か、おおむね3アール以上の農地等に申請する人です。小さな家庭菜園が対象になるかは面積や状況によるため、購入前に農業振興課へ確認してください。
対象者と補助額の条件|面積と上限額を先に確かめる
対象者は、八代市内に住所があり市税を完納している人で、さらに、農業所得の申告を行っている人か、おおむね3アール以上の農地等に補助事業の申請をする人です。補助額は対象経費の2分の1(100円未満切捨て)で、農地1か所あたり2万円が上限、ソーラーパネル式の電気防護柵は4万円が上限とされています。補助率が2分の1で上限が2万円なので、対象経費が4万円で上限に届きます。ソーラー式なら8万円で上限の4万円に届く計算です。
設置箇所の上限は農地2か所(ソーラーパネル式の電気防護柵は農地1か所)で、電気防護柵の購入数は農地1か所あたり1台までです。市の交付要領では、これらの上限は同じ年度内に補助を受ける1人あたりの数とされています。また、補助を受けた年度から数えて、電気防護柵の本体は7年、柵線は5年、ワイヤーメッシュは14年がたつまで、同じ種類の柵には再び補助を受けられません。ほかの自治体の補助金と重ねて受け取ることもできないため、どの農地を優先するかを、見積もりを取る前に決めておきましょう。
| 項目 | 内容(市の案内) | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 対象者 | 市内に住所があり市税を完納している人。農業所得の申告をしている人か、おおむね3アール以上の農地等に申請する人 | 家庭菜園で面積が小さい場合は、窓口で条件を確認 |
| 補助額 | 対象経費(消費税を除く)の2分の1、100円未満切捨て | 自己負担は半額以上になる |
| 上限 | 農地1か所あたり2万円(ソーラーパネル式の電気防護柵は4万円) | 対象経費4万円分で上限に届く |
| 設置箇所 | 同じ年度内に1人あたり農地2か所まで(ソーラーパネル式の電気防護柵は農地1か所) | 電気防護柵は農地1か所につき1台まで |
| 再申請までの期間 | 電気防護柵の本体7年、柵線5年、ワイヤーメッシュ14年(交付要領) | 同じ種類の柵は期間内に再び補助を受けられない |
| 申請 | 購入前の事前申請。購入済みのものは対象外 | 見積書、設置前の現状写真、位置図が必要 |
申請の順番|購入や設置の前に出す
市の案内では、事前の申請が必要で、すでに購入したものは対象外とされています。添付する書類は、位置図、見積書、設置前の現状写真です。申込みは、農業振興課または各支所の産業建設課に申請書を提出します。市のページには、交付申請書、交付変更申請書、実績報告書、交付請求書の書式と、交付申請書の記入例、補助金の交付要領が用意されています。
市の交付要領では、交付申請は随時受け付け、市が交付決定を書面で通知し、事業が終わったら実績報告書を出して補助金の額が確定してから、交付請求書で請求する流れです。ただし、申請書を出してから、いつ購入や設置を始めてよいかは、市のページにも要領にも明記されていません。見積書を取る段階で窓口に確認し、交付決定の通知を待つ必要があるかを聞いてから柵を発注しましょう。
| 順番 | やること | 注意 |
|---|---|---|
| 1 | 設置する農地、被害を出す動物、柵やネットの種類を決める | この段階では購入しない |
| 2 | 業者や販売店から見積書を取り、設置前の現状写真を撮る | 写真は設置前の状態で撮る |
| 3 | 位置図、見積書、写真を添えて交付申請書を出す | 窓口は農業振興課または各支所の産業建設課 |
| 4 | 交付決定の通知を受け、いつ購入してよいかを窓口に確認する | 購入済みは対象外 |
| 5 | 設置後に実績報告書を出し、額の確定後に交付請求書を出す | 書式は市のページに掲載 |
家庭菜園や住宅の被害は、同じ補助の対象になるとは限らない
八代市の鳥獣被害防止計画(令和6〜8年度)は、イノシシの被害が収穫期の果樹や野菜を中心に農作物全般に及び、被害区域も中山間地域から平野部へ広がっていると述べています。これまで防護対策がとられていない家庭菜園などへの生活被害も出始めているとしています。家庭菜園で被害が出ても、補助の対象になるかは、農地の面積や所得申告の有無などの条件で決まります。目安は「おおむね3アール以上の農地等」ですが、境目の判断は窓口が行うため、購入前に問い合わせましょう。
また、この補助は農地に入る獣や鳥を防ぐ柵とネットの購入費で、住宅の屋根裏にすみついた動物の対策や、侵入口の封鎖、清掃・消毒の費用は含まれていません。市の案内にも、それらが対象になるという記載はありませんでした。住宅の被害を民間業者に頼むときは、見積書の項目の見方 を参考に、作業内容ごとの金額を確認してください。
八代市の被害の現状と、市が重点を置く対策
被害防止計画によると、令和4年度の対象鳥獣による被害金額は110,227千円、被害面積は129.24ヘクタールで、カモ類による野菜の被害とカワウによる魚類の被害が目立つとされています。イノシシは果樹・野菜の食害や枝折れ、ニホンジカはスギ・ヒノキの剥皮が増加傾向です。計画は、令和4年度より約30%減の77,159千円、90.47ヘクタールを軽減目標とし、有害鳥獣被害対策協議会や鳥獣被害対策実施隊を中心に、捕獲と被害の防除の両面から進める方針です。
カラス類については、果樹の被害が収穫まで長く続くことに加え、ハウスのビニール破損や、ごみ集積場を荒らす生活被害も常習化していると記されています。計画の対象鳥獣には、イノシシ、ニホンジカ、カラス類、カモ類、タヌキ、アライグマ、アナグマなどが挙がっています。補助を使って柵やネットを張る対策は、こうした動物を寄せつけない側の対策にあたります。
電気柵を選ぶときの安全と、ソーラー式の補助
ソーラーパネル式の電気防護柵は、補助の上限が4万円と高く設定されています。電気柵は、電気事業法と電気用品安全法で規制されています。熊本市が2016年に掲載した案内は、電源を家庭用電源からとる場合は電気用品安全法で承認された電気柵本体や漏電遮断器が必要で、家庭用電源と電気柵を直接つなぐ行為は違法だとしています。人が見やすい位置に注意看板を設けること、本体が古くなったときはメーカーに相談することも求めています。
同じ熊本市の案内によると、2016年3月の電気工事士法施行規則の改正で、市販の電気柵用電源装置を使わない電気柵は、電気工事士が技術基準に合うように設置しなければならなくなりました。電源装置を使う市販の電気柵は、従来どおり資格がなくても設置できます。市は、電気柵に近づいたり電線に触れたりしないよう、特に幼児を設置場所の近くで遊ばせないよう呼びかけています。通学路沿いや人が通る場所では設置位置を慎重に決め、補助の対象になる製品の条件も、購入前に窓口で確認しましょう。
申請前に窓口へ聞く5つの質問
申請の前に、次の点を窓口で確認すると、買い直しや対象外のリスクを減らせます。市のページに書かれていない点は、書かれていないまま、直接確認するのが確実です。借りている農地や、共同で使う畑に設置する場合は、柵の位置や申請者の考え方も、あわせて聞いておきましょう。
- 自分の農地の面積で対象になるか(おおむね3アール以上、または農業所得の申告)
- 今年度の予算の残りと、受付が終わる見込み(申請は随時受付)
- 申請後、いつから購入や発注をしてよいか
- 検討している柵、ネット、電気柵が対象経費に含まれるか
- 借りている農地や共同の畑で、申請者を誰にするか






