那覇市のカラスは、北部から広がった在来のリュウキュウハシブトガラス
那覇市の公式ページは、近年、市内でカラスをよく見かけるようになったと説明しています。このカラスは、もともと沖縄本島北部の森林などを主な生息地とする在来種のリュウキュウハシブトガラスで、数年前から何らかの原因で生息域が南下していると書かれています。市は、カラスが人に慣れて生活圏で営巣するようになると、他府県のようなカラス問題が生じる可能性があると注意しています。
もう一つの前提は、カラスが鳥獣保護管理法で保護される野生鳥獣だということです。市は、うるさい、ごみを漁るという理由だけで、むやみに捕獲したり巣を撤去したりすることは禁じられていると明記しています。被害があっても、住民が自分で捕まえる、巣を壊すといった対応は選べません。市が示す4つの対策を、下の表で読者の行動に置き換えました。
| 場面 | 市の公式案内 | 読者がすること |
|---|---|---|
| 建物やベランダに入る | 怪我をさせない追い払い。追い払いグッズ、光る物、防鳥ネットなど。ハンガーやプラスチック類、食べ物を屋外に放置しない | ベランダの置き物と食べ物を片付け、管理者の承諾を得てネットを検討 |
| ごみ荒らし | 生ごみが見えないよう新聞紙や袋で包み、袋の中央に入れる。指定日の当日朝に出す | 前夜に出すのをやめ、包み方を家族で統一 |
| 威嚇・攻撃 | 4〜6月は繁殖期。巣に近づかない。威嚇されたらすぐ離れ、日傘や帽子で身を守る | 巣のある場所を避ける通り道を決め、施設管理者へ連絡 |
| 人馴れ | 公園などでのハトやネコへの餌やりは、カラスが来る原因になる | 餌やりが気になるときは、管理者や自治会へ相談 |
参考:那覇市|カラス対策
カラスがうるさいだけで、捕獲してもらえますか。
那覇市は、うるさい、ごみを漁るという理由だけで、むやみに捕獲したり巣を撤去したりすることは禁じられていると案内しています。捕獲を考えるときは県知事の許可が必要で、まずごみの出し方や侵入対策を行います。
カラスのごみ荒らし・威嚇は、出し方と近づかない工夫で減らします
カラスは目で食べ物を探すと市は説明しています。生ごみは新聞紙や袋で包んでごみ袋の中央に入れる、出すのは指定日の当日の朝、という2点が市の示す基本です。集合住宅や店舗のごみ置き場では、個人の工夫だけでは限界があるため、管理会社や自治会に出し方の統一を相談してください。カラスの被害を相談するときの分け方とごみ置き場のネズミ対策は、置き場の点検の考え方が共通しています。
4月から6月はカラスの繁殖期で、ヒナや卵のある巣に人が近づくと、親鳥が守ろうとして威嚇することがあると市は注意しています。威嚇されたらすぐにその場を離れ、日傘を広げたり帽子をかぶったりして身を守ります。巣を見つけた施設の管理者や所有者には、巣に人が近づかないようにする対策が求められています。地面にいるヒナは拾わず、地面にいるカラスのヒナへの対応を確認してください。
公園でのハトやネコへの餌やりが、人のいる場所に餌があるとカラスに学習させる原因になると市は指摘しています。近所の餌やりが気になる場合は、直接注意して関係を悪くするより、近所でも被害があるときの情報共有を参考に、自治会や管理者を通して伝える方法もあります。
参考:那覇市|カラス対策
ハトやツバメの巣は、作られる前の予防と巣立ち後の撤去で考えます
那覇市は、ハトやツバメなどが鳥獣保護管理法の保護対象で、むやみに巣や卵を撤去したり捕獲したりできないと案内しています。建物に巣を作られる前に、ベランダなど侵入しそうな場所へ防鳥ネットやワイヤーなどのグッズで予防するのが、市の最初の提案です。
万一、建物に巣を作られた場合は、巣立ちまで見守り、鳥がいなくなったことを確認してから巣を撤去します。撤去のときは、使い捨てのビニール手袋とマスクを着けて、糞や羽に直接触れないようにします。卵やヒナがいる間は撤去や捕獲をしないという点は、業者に依頼する場合も同じなので、見積もりの相談時に巣の状態を伝えてください。
卵やヒナの有無を自分で確かめにくいときは、近づかずに巣の状態を記録して、市や県へ確認する方法もあります。巣作りの初期の見分け方はハトが小枝を運んでいるときの確認、ベランダの対策は防鳥ネットの承諾と隙間の確認、卵やヒナがあるときは巣に卵やヒナがあるときの相談先が参考になります。
- 巣作りの初期は、小枝を運ぶ様子や同じ場所への出入りを記録する
- 卵やヒナが確認できたら、撤去の予定を立てず見守る
- 鳥がいなくなったことを確認してから、手袋とマスクを使って撤去する
- 賃貸や共用部では、ネットの設置や撤去を管理者に伝える
参考:那覇市|ハト等の鳥の巣
傷ついた鳥やヒナを見つけたら、拾わずに県の窓口へ
那覇市の案内は、傷ついた野鳥を見かけたら手を出さず見守ることを基本としています。野生鳥獣を許可なく捕まえたり飼育したりすることは法律で禁止されており、ヒナも、近くに親の姿が見えなくても人が離れると戻ってくることがほとんどなので、拾わないよう呼びかけています。市の案内に、市が鳥を引き取るという記載はありません。カラス対策、ハト等の巣、傷ついた鳥獣のページの問い合わせ先は、ゴキブリやハチを受け持つ環境衛生課ではなく、環境部の環境保全課と書かれています。
那覇市の案内によると、県は在来の鳥獣や渡り鳥を対象に救護事業を実施しており、救護を行う前に県環境部自然保護課へ連絡するよう案内しています。救護者が野生動物ドクターへ受診できるか問い合わせたうえで、自分で搬送する流れで、ドクターの都合で受け入れできない場合もあります。搬送後の治療結果は伝えられないとも書かれています。
| 見つけた鳥獣 | 県の救護事業での扱い |
|---|---|
| 在来の野生鳥獣、渡り鳥 | 救護事業の対象。救護前に県自然保護課へ連絡 |
| ドバト、インコ類、マングースなどの外来鳥獣 | 救護の対象外 |
| ネズミ、のら犬、のら猫、所有者のある鳥獣、海棲哺乳類 | 救護の対象外 |
それでも捕獲を考えるときは、県知事の許可と申請先を確認します
県の案内では、野生の鳥や哺乳類の捕獲は鳥獣保護管理法で禁止されており、有害鳥獣駆除、学術研究、環境調査などの目的に限って、県知事の許可を受けた場合に捕獲できます。ハシブトガラスが農作物に被害を及ぼしている、ハトが住み着いて衛生上の被害があるといった有害鳥獣駆除は、捕獲場所が読谷村またはうるま市以南なら、県の南部林業事務所または各市町村へ申請すると案内されています。那覇市内の捕獲場所は、この区分に当たります。
申請書の提出から許可まで、県は2週間程度かかるとしています。提出書類には、捕獲場所が分かる書面、捕獲方法が分かる書面、捕獲の事由を示す書面などがあります。捕獲場所が漫湖など国指定鳥獣保護区の場合や、捕獲対象が環境大臣の定める希少鳥獣の場合は、環境省の沖縄奄美自然環境事務所へ問い合わせます。うるさい、ごみで迷惑という理由だけではむやみに捕獲できないと市が明記しているため、先にごみ対策と巣の管理を行ってください。
| 捕獲場所 | 県の案内にある申請先 |
|---|---|
| 恩納村・金武町以北 | 北部農林水産振興センター 森林整備保全課、または各市町村 |
| 読谷村・うるま市以南(那覇市はこの区分) | 南部林業事務所、または各市町村 |
| 宮古地域 | 宮古農林水産振興センター 農林水産整備課、または各市町村 |
| 八重山地域 | 八重山農林水産振興センター 農林水産整備課、または各市町村 |
| 国指定鳥獣保護区(屋我地島・漫湖・大東諸島など)、希少鳥獣 | 環境省 沖縄奄美自然環境事務所 |
業者に頼む範囲と、賃貸・集合住宅での連絡先
民間の業者に頼む場合は、市の案内と食い違わない作業、たとえば防鳥ネットやワイヤーの設置、ベランダの清掃、巣立ち後の巣の撤去と糞の清掃などで考えます。捕獲そのものや、卵やヒナのいる巣の撤去を請け負うと説明する業者がいた場合は、市や県の案内と合わないため、根拠を書面で確認してください。業者を選ぶときの7つの質問の内容は、鳥の相談でもそのまま使えます。
賃貸住宅や集合住宅のベランダ、共用廊下、ごみ置き場で起きている場合は、入居者だけでネットを付けたり巣を撤去したりせず、貸主や管理会社に連絡してください。賃貸で被害が起きたときの伝え方のように、場所、写真、鳥の様子をまとめて伝えると、管理者が県や市へ相談しやすくなります。





