カラスの繁殖期はいつ?巣作りから巣立ちまでの月別の流れ
カラスの繁殖期は、確認した自治体の資料で少しずつ違います。東京都と大阪市はおよそ3月下旬から7月上旬、札幌市は4月上旬から7月下旬としています。神戸市は、巣づくりが3月中頃から始まると案内しています。「発情期」「産卵期」と検索する人もいますが、自治体の資料では、巣作り、産卵、子育て、巣立ちまでをまとめて繁殖期と呼んでいます。
江戸川区の資料によると、東京周辺では巣作りが3月〜4月、卵やヒナを温める時期が4月〜5月、ヒナの世話をする時期が5月〜6月で、巣立ったヒナが多く見られるのは6月〜7月、群れが目立つのは8月ごろです。月ごとの流れと、人の側で起きやすいことを次の表にまとめました。
卵とヒナの日数・数の目安
江戸川区は、卵は18〜20日でかえり、巣立つまでは30〜35日かかり、巣作りから巣立ちまでは約2か月と説明しています。繁殖は普通は年1回で、早い時期に失敗するともう一度やり直すこともあります。大阪市は、3〜4羽のヒナを育てるとしています。卵の大きさは、東京都環境局の比較表に平均の重さで載っており、ハシブトガラスが23.6グラム(ニワトリのMサイズの卵の半分程度)、ハシボソガラスが19.4グラムです。
| 時期 | カラスの様子(東京周辺・江戸川区の資料) | 他の自治体の資料に見る時期 | 人の側で起きやすいこと |
|---|---|---|---|
| 3月 | 巣作りが始まる(巣作りは3〜4月) | 神戸市は3月中頃から巣づくり。東京都・大阪市は3月下旬から繁殖期 | 針金ハンガーなどが巣材に使われる。巣作り直後の撤去は再営巣につながる(東京都) |
| 4〜5月 | 卵やヒナを温める時期。卵は18〜20日でかえる | 札幌市は4月上旬から繁殖期 | 巣の中でじっとしているカラスは、卵を温めている可能性がある(東京都) |
| 5〜6月 | ヒナの世話をする時期 | 大阪市は、威嚇の報告や相談が多いのは5〜6月 | 巣の近くを通る人への威嚇が増える |
| 6〜7月 | 巣立ったヒナが多く見られる。巣立ち後1〜2週間は巣の周りで過ごす | 東京都・大阪市の繁殖期は7月上旬まで。札幌市は7月下旬まで | 地面にいる巣立ち直後のヒナの近くで、親が人を威嚇する |
| 8月ごろ〜 | 群れが見られる。巣立った後は、ほとんど巣には戻らない | 横浜市は、巣立った後(8〜2月)は緑地などで集団で生活すると案内 | 巣が空になれば、卵やヒナのいない巣として撤去を相談できる |
参考:江戸川区|カラスについて
カラスの繁殖期はいつですか?
東京都と大阪市の資料ではおよそ3月下旬から7月上旬、札幌市では4月上旬から7月下旬です。神戸市は巣づくりが3月中頃から始まるとしています。地域や年で前後するため、お住まいの自治体の案内も確認してください。
威嚇・攻撃が起きる理由と、攻撃までの段階
威嚇や攻撃は、巣の卵やヒナを守る行動です。札幌市は、繁殖期のカラスが卵やヒナを守ろうとする野生の習性から巣の近くに人を寄せ付けないよう威嚇し、それでも人が遠ざからないときは、後方から低空で飛んで頭をかすめたり、脚で後頭部を蹴ったりすることがあると説明しています。縄張りは半径約20〜100メートルとされ、神戸市は半径50メートルほどと案内しています。縄張りから離れれば、威嚇は収まります。
札幌市は、「カッカッカッ」と小刻みに鳴いているときは近くに巣がある可能性が高いとしています。横浜市は、枝をつつく、くちばしをカチカチ鳴らす、木に止まって大声で人に向かって鳴く、鳴きながら頭上を飛び回る、を威嚇のサインとして挙げています。江戸川区がハシブトガラスについて説明している、攻撃に至るまでの段階を表にしました。
くちばしで突かれる?目が合うと襲われる?
神戸市と横浜市は、くちばしで突くことは体の構造上ほぼなく、攻撃は後ろから足で蹴る形だと説明しています。大阪市も、威嚇は後ろから近くまで飛んできてすぐ身をひるがえす「おどし飛行」で、突っつくようなことはまずないとしています。大阪市は、目が合うと襲われるわけではなく、カラスの動きを見ていれば威嚇に気づいて安全に離れられるとしています。繁殖期以外でも、巣やヒナを奪われたことを覚えて威嚇する個体や、えさをもらえると思って近づく個体がいるとも案内しています。
| 段階 | カラスの行動(江戸川区の資料) | 人がとる行動の目安 |
|---|---|---|
| 1 見張る | 巣に目を向けた人を見張り、人が陰に入れば見える所まで飛んで監視を続ける | 巣のほうを見上げて立ち止まらず、その場を離れる |
| 2 頭上で鳴く | 「カウ、カウ、カウ」と比較的ピッチの早い声で鳴きながら、頭上を飛び回る | この段階で立ち去れば威嚇ですむ。別の道を選ぶ |
| 3 近くでつつく | 近くにとまり、「ガーッ、ガーッ、ガーッ」と少し濁った声で、電線や枝をつつく | 立ち去る。傘や帽子で頭を守る |
| 4 枝を折る | それでも人が去らないと、木の枝を折ったり、葉をむしって落としたりする | 慌てて走らず、カラスの動きを見ながら距離を取る |
| 5 攻撃 | 人が立ち去らないと、後ろから頭の上をかすめるように飛び、脚で頭を蹴ることがある | 頭を守り、背中を向けずにその場を離れる(神戸市・横浜市) |
巣の近くを通るときの身の守り方(自治体資料の比較)
巣の近くを通るときの対策は、頭を守ることと、巣に近づかないことが中心です。自治体の案内を並べると、細かい書き方に違いがあります。札幌市は腕をまっすぐ上げて動かさずにゆっくり通過するよう案内し、大阪市は迂回できない場合に素知らぬふうに素早く通り過ぎるよう案内しています。東京都、札幌市、大阪市はいずれも、近づかないこと、迂回することを先に挙げているため、通れる別の道があればそちらを選ぶのが確実です。
縄張りは半径20〜100メートルほどとされるため、犬の散歩や通学の道順も、巣のある木から離れる向きに変えられないか確認してください。大阪市は、巣に近づく人やペットを威嚇する場合があるとしています。地面にいるヒナへの対応は、地面にいるカラスのヒナの扱いで確認できます。
| 自治体 | 頭を守る方法 | 通るときの注意 |
|---|---|---|
| 東京都 | 傘などの棒状の物を肩にかつぐように頭の上に上げる(カラスは羽が触れるのを恐れて近寄らない)。帽子も有効 | 巣やヒナに近づかないことが一番 |
| 札幌市 | 頭・肩を覆うように傘を差す。帽子をかぶる。腕をまっすぐ上げて動かさない | 巣の下で立ち止まらず、見上げない。「カッカッカッ」と鳴いたら迂回する。ゆっくり通過 |
| 大阪市 | 帽子をかぶる、傘をさす | 巣のある木には近づかない。迂回できなければ、素早く通り過ぎる |
| 神戸市 | 帽子をかぶる、傘を差す、棒を頭の上にかざす | カラスに後ろを見せない。カラスから目を離さない |
| 横浜市 | 日傘をさす、つばの広い帽子をかぶる | 巣やヒナに近づかない。背中を向けずにその場を離れる |
巣を見つけたときにしてはいけないこと
巣を見つけたとき、まず大切なのは、近づかず、刺激しないことです。卵やヒナがいるか分からない巣に手を出すと、威嚇が激しくなるだけでなく、法律上の問題にもなります。巣の扱いで確認したい点は、卵やヒナのある巣の確認事項にまとめています。
- 巣をのぞいたり、石を投げたりして刺激する(大阪市が刺激しないよう案内)
- 巣の下で立ち止まる、見上げ続ける(札幌市が案内)
- 地面のヒナを拾う、別の場所へ移す。親鳥から見れば連れ去りになり、激しい威嚇につながる(大阪市が案内)
- 卵やヒナのいる巣を、自分で取り除く。許可が必要で、自分の敷地内でも無許可で行うと違法になる(札幌市・東京都が案内)
- 巣作りが始まった直後に、慌てて壊す。数日で作り直されたり、刺激で攻撃的になったりすることがある(東京都・札幌市が案内)
参考:大阪市|カラスについて
巣の撤去を相談できる場合と連絡先
威嚇などの被害が出ているときは、巣のある場所の管理者に、被害の状況を説明して撤去を依頼します。東京都は、巣を見つけても被害がないときは撤去の必要はないとしています。札幌市も、威嚇が少ないなら自衛をして子育ての期間をしのぐ方がよいと考えられるとしています。
巣の場所別の連絡先、自治体ごとの対応の違い、業者に頼むときの費用の考え方は、巣の場所別の連絡先と市役所の対応範囲にまとめています。江戸川区のように、区内の個人の住居でヒナや卵のある巣を撤去する場合の助成制度を案内する自治体もあるため、お住まいの区市に確認してください。
| 状況 | 相談先の考え方 | 確認できた案内 |
|---|---|---|
| 威嚇などの被害が出ている | 巣のある場所の管理者に、被害の状況を説明して撤去を依頼する | 東京都。被害がなければ撤去の必要はない |
| 巣に卵やヒナがいない | 管理者や所有者が撤去できる。有害鳥獣捕獲の許可の手続きは不要 | 神戸市 |
| 巣に卵やヒナがいる | 事前の許可が必要。市区の担当、都道府県の窓口、許可を受けた業者に相談する | 札幌市・東京都・江戸川区 |
| ヒナが巣立ったあと | 巣はその年の繁殖期だけ使われ、巣立った後は使われない。空の巣として撤去を相談できる | 札幌市・神戸市 |
| 電柱・街路樹・公園の巣 | 電柱は所有事業者、街路樹や公園は管理部署に連絡する | 東京都・横浜市 |
繁殖期の前にできる予防(針金ハンガー・庭木の管理)
巣作りは3月ごろから始まるため、予防はその前に済ませておくのが現実的です。東京都は、都会のカラスが針金ハンガーを巧みに使って巣を作り、一つの巣に何十本ものハンガーが使われることもあるため、屋外に出したままにせず、しまうよう案内しています。
営巣する木は、ハシブトガラスが高い常緑広葉樹の樹冠部の茂み、ハシボソガラスが落葉広葉樹やマツなどの開放的でやや低い位置と、東京都環境局の比較表にあります。種類の見分け方は、ハシブトガラスとハシボソガラスの違いで確認できます。
- 針金ハンガーを屋外に出したままにしない。物干しざおに結びつけるなど、取られない工夫をする(江戸川区)
- 過去に巣を作られた木は早めに剪定し、枝などをこまめに清掃する(江戸川区)
- 枝葉が茂って外から見えにくい大きな樹木は、毎年巣を作られることがあると意識して管理する(東京都)
- 針金ハンガーやプラスチックなど、巣の材料になる日用品を屋外に放置しない(大阪市)
- カラスにえさを与えない。えさをもらえると思うと人を恐れなくなる(大阪市)



