カラスがベランダに来る原因は、ハンガー・餌・止まる場所の3つ

大阪市は、カラスが木の枝のほかに針金ハンガーやプラスチックなどの日用品を巣の材料にすると説明し、放置しないよう呼びかけています。横浜市は、カラスが集まる原因の多くが、生ごみや屋外に置かれたペットの餌だと説明しています。ベランダに来る理由は、巣の材料、餌、止まれる場所の3つに分けて考えると、片付ける物が見えてきます。

まず、ベランダと窓まわりを見渡してみてください。洗濯に使う針金ハンガー、食べ残しの入ったペットの器、口の開いたごみ袋、背の高い鉢植えの枝などが、カラスの目に入る物です。見つけた物は、その日のうちに室内へ片付けるのが基本です。

巣材になる針金ハンガーとプラスチック類

東京都のQ&Aは、都会のカラスが針金ハンガーを巧みに使って巣を作り、一つの巣に何十本ものハンガーが使われることもあると説明しています。使い終えたハンガーは外に出したままにせず、しまうよう呼びかけています。

  • 使い終えた針金ハンガーは、その日のうちに室内へ取り込む
  • 針金やひもの切れ端、プラスチックの小物をベランダに置かない
  • 庭木がある場合は、下から見通しが悪く、二股や三股に分かれた枝から剪定を考える(入間市の資料)

餌になるペットフードとごみ

横浜市は、屋外にペットの餌を置いたままにせず、食べ終えたらすみやかに片付けるよう案内しています。ごみについては、生ごみが袋の外から見えないようにすること、ふた付きの容器やネットで覆うことが、自治体の資料に並びます。ベランダに一時的に置くごみ袋も、カラスから見える餌になりえます。

止まる場所になる手すり・物干し・植木

さいたま市のよくある質問は、ベランダのカラスやハトへの対策として、防鳥ネット、防鳥用の剣山、釣り糸などで止まれないように工夫する方法を挙げています。杉並区は、葉や枝の多い庭木を剪定し、枝が放射状にならないようにすると巣を掛けにくくなると案内しています。

参考:大阪市|カラスについて

読者の疑問

カラスがベランダに来るのはなぜですか?

比較ガイド

自治体の資料では、巣の材料になる針金ハンガー、餌になる生ごみやペットフード、止まれる手すりや物干しが主な理由です。まず室内へ片付けられる物を入れ、止まる場所には糸やネットで対策します。

ベランダのカラス対策を原因別に整理する|片付ける物・張る物・連絡先

原因が違えば、有効な手段も連絡先も変わります。下の表は、自治体と農林水産省の資料にある方法を、原因別に並べ直したものです。買い足す前に、手元の物を片付ける対策を済ませる順番にしています。

テグスを張るときの間隔と太さ

杉並区は、透明な釣り糸(テグス)を、カラスが羽を広げた長さよりも狭い間隔で縦に張ると、しばらくの間は鳥が来るのを防げると案内しています。農林水産省のマニュアルは、カラス向けの例として、透明で線径0.74mm(20号)前後のテグスを、翼を広げた長さ(約1m)と同じか、それより狭い間隔で張ることを示しています。

細いテグスは鳥の羽や足に絡まりやすいため、同じマニュアルは0.52mm(10号)以上の太さを、ある程度強く張って使うよう注意しています。糸の両端はほどけないように結び、野鳥が絡まっていないかを定期的に見てください。

糸やネットで足りないとき

農林水産省のマニュアルは、テグスは絶対的な遮断ではなく、カラスが好む餌が豊富な場所では、効果が早い時期に失われると注意しています。そうした場所では、防鳥網などで完全にふさぐ対策が必要だと書かれています。ベランダでは、先に餌とハンガーの片付けを済ませ、それでも止まるときに糸やネットを足す順番が現実的です。

ベランダのカラス対策を原因別に整理する|片付ける物・張る物・連絡先:確認項目
原因先に片付ける物張る物・付ける物相談先
巣材のハンガーや小物針金ハンガー、ひも、プラスチックの小物片付けが中心。庭木があれば二股・三股の枝を剪定する巣が見つかったときは、巣のある場所の管理者
餌になるごみ・ペットフード口の開いたごみ袋、食べ残しの器ふた付き容器、ネット(端に重しを置く)集積所は地域や管理者、自治体の清掃担当
止まる場所(手すり・物干し)手すりの上の置き物透明なテグスを羽の幅より狭い間隔で張る、防鳥ネット、剣山集合住宅は管理会社に承諾を取ってから設置
窓ガラスをつつくなしガラスの外側に目印を付ける(後述)賃貸は管理会社、窓枠や外壁の傷みは点検を依頼
敷地上の電線に止まるなし敷地上の電線への対策は電力会社や通信会社が対応さいたま市の案内では東京電力、NTT等。道路上の電線や樹木は道路管理者

参考:杉並区|カラス対策について

カラスが屋根の上でトントンと音を立てるとき|音の出どころの確かめ方

屋根の上から「トントン」「カツカツ」と音がしたとき、その原因を直接説明している公的資料は、このページの作成時には確認できませんでした。そのため、ここでは資料に書かれたカラスの行動から、可能性を絞る手順を示します。

大阪市は、カラスの巣のそばには、巣より一段高い樹木や建築物に見張り場を決めるのが普通だと説明しています。横浜市は、カラスが威嚇のときに枝をつついたり、くちばしをカチカチ鳴らしたりすると挙げています。屋根や雨どいの近くに巣や見張り場があれば、そこへ降りる足音や物に当たる音は考えられます。ただし、屋根材をつつく行動があるのかは、資料では確かめられませんでした。

時間帯と姿で分ける

音がした日時、カラスの姿を目で見たか、音が続いた長さ、場所(屋根の端、棟、雨どい、アンテナの近く)をメモします。昼間にカラスの姿が見え、同じ場所へ何度も降りるなら、近くの高い木や電柱に巣や見張り場がないかを、離れた場所から目で探します。近づいて確かめる必要はありません。

夜間や天井の内側から聞こえる音は別に考える

名古屋市は、アライグマやハクビシンが夜行性で、屋根の上を歩き回って騒ぎになることがあると説明しています。夜や明け方に続く足音、天井の内側から聞こえる音は、鳥以外の動物の可能性があります。その場合は、天井裏で音がするときの確かめ方を先に読んでください。

屋根の上での鳴き声がうるさいときも、同じ時期に巣や見張り場が近くにないかを見ます。東京都のQ&Aは、早朝や夜間のけたたましい鳴き声による安眠の妨害を、カラスの被害の一つに挙げています。巣のある場所によって相談先が変わるため、カラスの巣の場所別の連絡先で窓口を確認できます。

カラスが屋根の上でトントンと音を立てるとき|音の出どころの確かめ方:確認項目
音の特徴姿・場所考えられること次にすること
昼間に短く「トントン」と鳴る屋根や雨どいにカラスが降りるのが見える見張り場や休憩場所として使っている可能性日時と場所を記録し、近くの巣や高い木を離れて探す
春から初夏に同じ場所へ何度も降りる枝や針金をくわえて運ぶ姿が見える巣作りの途中の可能性巣の位置を確認し、管理者や自治体の窓口へ連絡する
夜や明け方に足音が続く姿が見えない。天井の内側から聞こえる鳥以外の動物の可能性音の記録を取り、屋根裏の調査を相談する
姿が見えないまま音だけが続く屋根材や雨どいの近く鳥以外の原因や、部材の緩みの可能性(資料に記載はない)屋根や雨どいの点検を、自分で選んだ業者に依頼する

参考:大阪市|カラスについて

カラスが窓ガラスをつつくときの対策|反射と縄張りを疑う

窓ガラスを繰り返しつつく、ぶつかるといった行動について、米国地質調査所(USGS)は、ガラスに映った自分の姿を見て、縄張りに別の鳥が入ってきたと思い、ガラスにぶつかる場合があると説明しています。日本のカラスについて同じ行動を説明した自治体の資料は確認できませんでしたが、反射への対策は、原因を確かめながら試しやすい方法です。

USGSが勧めるのは、ガラスの外側の面に目印を付け、窓が障害物だと分かるようにする方法です。模様は2インチ(約5cm)四方の間隔で付けるとしています。手軽な方法として、ひもを垂らす、水性の塗料で模様を描く方法が、長く使う方法として、点などのステッカーを密に貼る方法が挙がっています。外側から見て反射が減ったかを確かめましょう。賃貸では、貼る物や塗る物の種類を管理会社に確認してください。

つつく場所が窓枠や外壁にまで及んでいる、ガラスにひびや部材の傷みが出ているといった場合は、鳥の対策とは別に建物の点検が必要です。ガラスにぶつかる鳥の扱いは、窓へ鳥がぶつかるときの衝突予防にまとめています。

参考:米国地質調査所(USGS)|How can I stop birds from repeatedly hitting my windows?

繁殖期に巣材を集めるカラスの動き|時期ごとの注意

東京都のQ&Aは、カラスの繁殖期をおよそ3月下旬から7月上旬と案内しています。この時期に巣を作り、卵を産んでヒナを育てるため、巣や巣から落ちたヒナの近くを人が通ると、威嚇されたり攻撃されたりすることがあります。大阪市は、威嚇の相談が多いのは5月から6月だと説明しています。

巣材になるハンガーを片付けても、すでに巣作りが進んでいる場合があります。次の表は、時期ごとにベランダや屋根で確認することを、資料の記載から整理したものです。繁殖期の詳しい身の守り方は、カラスの繁殖期と威嚇の時期で扱っています。

ベランダや屋根から巣が見えるとき

大阪市は、巣をのぞいたり石を投げたりして刺激しないよう呼びかけ、巣のある木には近づかないよう案内しています。巣の位置を確認したら、近づかずに写真を撮り、巣のある場所の管理者や自治体の窓口へ連絡します。東京都のQ&Aは、道路の街路樹、電柱、民間の共同住宅、個人宅の敷地、公園などに分けて、管理者を示しています。

撤去を業者に頼む場合

東京都のQ&Aは、巣の撤去を造園業者や害虫駆除業者が実施し、費用は巣の場所や高さなどの条件で変わると説明しています。卵やヒナがいる巣は許可が必要になります。頼む前の確認は、カラス駆除業者に頼む前の確認にまとめました。

繁殖期に巣材を集めるカラスの動き|時期ごとの注意:確認項目
時期の目安カラスの動きベランダ・屋根で確認すること
3月下旬から4月ごろ繁殖期が始まり、巣作りを始める(東京都、横浜市)ハンガーを外に出さない。枝や針金を運ぶ姿を見たら、巣の位置を確認して近づかない
4月から6月巣を作り、卵を産んでヒナを育てる。杉並区は4月から7月ごろを繁殖期と案内巣を見つけたら、卵の有無を自分で確かめず、管理者や自治体へ連絡する
5月から6月ヒナの巣立ちや落下が起きる時期。威嚇の相談が多い(大阪市)巣のそばを避けて通る。日傘や帽子で頭を守り、ベランダから巣をのぞかない
7月ごろまで繁殖期の終わり(東京都は7月上旬ごろまでと案内)巣が空になった後の扱いを管理者に確認し、巣材になる物を再び置かない
8月から2月ヒナが巣立った後は、緑地などで集団で生活する(横浜市)針金ハンガーの片付けと、庭木の枝の見直しを済ませておく

参考:東京都環境局|カラスに関するQ&A

してはいけないこと|石を投げる・巣に近づく・餌付け・卵やヒナの撤去

カラスに困っているときほど、強い手段を取りたくなります。資料が注意している行動を、理由とあわせて並べます。どれも、被害をかえって増やしたり、法律に触れたりするおそれがあります。

大阪市は、許可なく野鳥を捕獲することは鳥獣保護管理法で禁止されており、迷惑だからといって捕まえたり、卵やヒナを捕ったりしてはいけないと案内しています。大阪市の例では、被害を減らせないときに、動物管理センター分室へ捕獲許可を相談する流れです。住まいの地域の窓口は、自治体のページで確認してください。

  • 石を投げる、巣をのぞく、追い払う:大阪市は刺激しないよう呼びかけ、大田区は追い払うなどの行動が威嚇を激しくさせると注意しています。
  • 巣のある木や場所に近づく:大阪市は、威嚇は子育て中の一時的な行動だとして、巣のある木に近づかないよう案内しています。
  • 地面にいるヒナを拾う:落ちているヒナは拾わないよう案内されています。親鳥が近くで見守っています。
  • 餌を与える:大阪市は、餌を与えるとカラスが人を恐れなくなると注意しています。ペットの餌の置きっぱなしも同じ理由で避けます。
  • 卵やヒナのいる巣を、自分で撤去する:許可なく卵やヒナを捕ったり処分したりすることは、法律で禁じられています。

参考:大阪市|カラスについて

屋根の破損や雨どいの異常があるときの点検の頼み方

屋根の上の音の原因が鳥とは限らず、瓦のずれや雨どいの外れが見つかることもあります。これは鳥の対策とは別の問題なので、屋根や雨どいの点検は、自分で選んだ業者に依頼するのが安全です。

国民生活センターは、突然訪問して「屋根瓦がずれている」などと言い、点検の後に不安をあおって工事の契約に進める「点検商法」の相談が増えていると注意しています。2023年10月の公表では、2022年度の相談は2,885件で、2018年度の約3倍でした。突然訪問してきた業者には安易に点検させず、すぐに契約せず、保険金が使えるという話にも気をつけるよう勧めています。

自分から点検を頼むときは、音がした日時、カラスの姿を見た場所、見える範囲の破損の写真を用意すると話が早くなります。依頼前の準備は害獣の現地調査を頼む前の準備に一覧があります。

  • 音がした日時と時間帯のメモ(昼か夜か、続いた長さ)
  • カラスを見た場所の写真(離れた場所から撮る)
  • 屋根、雨どい、板金の見える範囲の傷みの写真
  • 雨漏りやしみの有無と、気づいた時期

参考:国民生活センター|屋根工事の点検商法のトラブルが増えています