電柱のカラスの巣が停電につながる理由|送配電事業者の説明
中部電力パワーグリッドは、カラスが電柱に巣を作ると、木の枝や針金などが電線に接触して停電の原因になると説明しています。四国電力送配電も、電柱の上にカラスが巣作りのために運んだ木の枝や針金類があると停電の原因になるとし、関西電力送配電は、電柱への営巣や樹木が高圧線に接触することなどが停電の原因になっていると案内しています。
北陸電力送配電は、カラスなどの野鳥が毎年春先から初夏にかけて電柱の上に巣を作り、停電事故の原因になるケースがあるため、営巣のシーズンは多くの人員で巡視を行い、地域の人にも情報提供を求めていると説明しています。東京周辺のカラスは、江戸川区の案内で、巣作りが3〜4月、卵やヒナを温める時期が4〜5月、ヒナの世話が5〜6月とされています。時期の詳しい流れはカラスの繁殖期と威嚇される時期に整理しています。
巣を見つけた人からの情報は、各社が巡視を補う手がかりとして集めています。ただし、巣のある場所が自宅の敷地、街路樹、公園などの場合は窓口が違います。まず巣が電柱や電線にかかっているかを見分けることが、連絡先を間違えない第一歩です。
参考:中部電力パワーグリッド|カラスの営巣に伴う通報(協力)のお願い
電柱にカラスの巣を見つけたら、どこに連絡しますか?
電柱の下段などにある名称プレートで所有者を確認し、その送配電事業者の公式窓口に連絡します。中部電力パワーグリッドはチャット、四国電力送配電はアプリ、関西電力送配電はチャットで受け付けています。
巣を見つけたときの連絡先一覧|事業者別(2026年10月3日確認)
下の表は、各社の公式ページと、電柱の連絡先を案内している自治体ページで、2026年10月3日に確認した内容です。電話番号や受付方法は変更されることがあるため、連絡の前に各公式ページで最新の案内を確認してください。電柱の所有者が分からない場合は、次の章の方法で電柱の札を確認します。
公式ページの案内が、電話ではなくチャットやアプリ、フォームである会社もあります。写真や電柱番号を添えて送る形が中心です。北海道、東北、中国、九州、沖縄などの電力会社の公式ページは、今回確認できていません。電柱の札の会社名を見て、その会社の公式サイトにある問い合わせ窓口を探してください。
| 電柱の所有者 | 確認できた連絡方法 | 案内されている補足 |
|---|---|---|
| 東京電力パワーグリッド | 電話 0120-995-007。江戸川区、千葉市、板橋区のページが、電柱の巣の連絡先として案内している。同社の電柱移設のページにも、同じ番号が近接協議の受付として載っている(自社の営巣専用ページは今回確認できず) | 電柱の下段の名称プレートで所有者を確認する。NTTの電柱はNTT東日本が所有者(静岡県の東部はNTT西日本) |
| 中部電力パワーグリッド | 公式ページの「カラスの営巣に伴う通報(協力)のお願い」から、チャットで通報 | 電柱のカラスの巣は停電の原因になるため、見つけたら通報してほしいという案内 |
| 関西電力送配電 | 公式ページ「電柱・電線に関するお申し出」から、チャットで申し出る | 全体の写真と電柱番号札の写真の撮影を依頼している。連絡のときはお客さま番号も伝えると助かるという案内もある |
| 北陸電力送配電 | 公式ページのバナーから情報提供 | 電柱には高さ3m付近に電柱番号の札があり、連絡のときに一緒に知らせてほしいという案内 |
| 四国電力送配電 | 公式ページの「カラスの営巣投稿アプリ」(LINEミニアプリ)から投稿 | 写真・位置情報・電柱番号・コメントを投稿できる。撤去時期に関する個別の案内は行っていない |
| NTT東日本・NTT西日本の電柱 | 公式ページでの営巣の連絡窓口は、今回確認できなかった。千葉市はNTT東日本 0120-444-113、板橋区はNTTお客様相談センター 0120-019-000と案内している | 自治体ごとに案内する窓口が異なるため、電柱の札でNTTの電柱と確認してから、最新の窓口を調べる |
電柱番号の見方と、連絡で伝える内容
電柱の所有者は、電柱の下段につけられた名称プレートの会社名で分かると、東京電力パワーグリッドは説明しています。東京電力の電柱は東京電力パワーグリッドが、NTTの電柱はNTT東日本が所有者で、静岡県の東部はNTT西日本になると案内しています。電柱番号の表示は、会社によって形式や場所が異なります。
電柱の札で確認できること
北陸電力送配電は、電柱番号を数字4桁、カタカナ1桁、数字4桁の形で、高さ3m付近の札に表示していると説明しています。四国電力送配電は、電柱番号に電力用とNTT用の2種類があり、電力用は文字の部分がカタカナで書かれていると案内しています。下の表にまとめました。
- 所有者は、電柱の下段にある名称プレートの会社名で確認する(東京電力パワーグリッドの案内)
- 電力用の電柱番号は、カタカナを含む形で書かれている(四国電力送配電の案内)
- 電柱番号の札が見当たらないときは、受付フォームに所有者「不明」、番号「*」と入力する(東京電力パワーグリッドの設備改修の受付)
連絡のときに伝える内容
公式ページの案内を整理すると、伝える情報は次のとおりです。電柱に近づいたり、電線の近くで立ち止まったりせず、離れた場所から撮影してください。
- 巣のある場所(住所、目印になる建物、電柱のどのあたりか)
- 巣の様子(電線に木の枝や針金が触れていないか、高さ、大きさ)
- 電柱の会社名と電柱番号(札が読めないときは、その旨)
- 全体の写真と電柱番号札の写真(道路の安全を確保して撮る)
- 威嚇や被害の有無(人が威嚇された、通行に支障が出ているなど)
- 連絡先と、関西電力送配電が案内するように必要に応じてお客さま番号
| 確認すること | 場所・見分け方 | 公式ページの説明 |
|---|---|---|
| 所有者(会社名) | 電柱の下段の名称プレート | 所有者によって設備改修などの要請先が変わる(東京電力パワーグリッド) |
| 電柱番号の表示 | 高さ3m付近の札 | 数字4桁、カタカナ1桁、数字4桁の形(北陸電力送配電) |
| 電力用とNTT用の見分け | 電柱番号には電力用とNTT用がある | 電力用の番号はカタカナで書かれている(四国電力送配電) |
| 写真に撮る札 | 電柱に付いた白いプレートの電柱番号札 | 全体写真1枚と、電柱番号札の写真1枚の撮影を依頼(関西電力送配電) |
| 札が見当たらないとき | 受付フォームの入力方法の案内 | 所有者は「不明」、番号は「*」と入力する(東京電力パワーグリッド) |
連絡してから撤去までの流れと待つ間の注意
連絡したからといって、すぐに巣が撤去されるとは限りません。東京電力パワーグリッドは、鉄塔などの送電設備にカラスの巣がある場合について、カラスを含む野生鳥獣は鳥獣保護法で保護され、ヒナや卵のある巣を特別な許可なく撤去することは禁じられていると説明しています。停電事故の恐れがある場合や、威嚇などの被害がある場合を除き、子ガラスが巣立つまでは原則として巣を撤去できないとしています。この説明は鉄塔などの送電設備についてですが、卵やヒナのある巣を許可なく壊せないという点は、電柱でも同じです。
同社は、カラスは繁殖期に巣を撤去されると再び巣を作る習性があるため、撤去する場合も適切な時期に行う必要があり、情報を受けてから撤去までに時間がかかる場合があるとも説明しています。四国電力送配電は、撤去時期に関する個別の案内は行っていないとしています。
回答を待つ間に巣の下を通る必要がある場合は、威嚇への対応が大事です。江戸川区は、威嚇が主に繁殖期のヒナを守る行動で、威嚇の段階で立ち去れば攻撃に至らないとし、どうしても通る場合は傘や帽子で頭を守るよう案内しています。
- 電柱の所有者と電柱番号を確認する
- 公式の窓口(電話・チャット・アプリ)へ、写真つきで連絡する
- 返事や撤去まで時間がかかることを前提にする
- 巣の近くでカラスが威嚇してきたら、その場を離れ、傘や帽子で頭を守る
- 困りごとが続く場合は、自治体の窓口にも相談する
電線に鳥が並ぶフン害の相談先|電力・通信・自治体
電線に鳥が並ぶフン害は、フンが落ちる場所と、電柱や電線の所有者で、相談先が分かれます。まず電柱の札で所有者を確認し、次に、落ちる場所が自宅の敷地か、道路や公園などの公共の場所かを分けて考えます。
電力会社・通信会社への相談
電線に鳥が止まり、家や駐車場、庭がフンで汚れる場合について、東京電力パワーグリッドのよくあるご質問は、鳥糞対策を設備改修(電柱移設等)のWEB受付サービスで承るとしています。受付ページには、電柱の所有者を先に確認すること、東京電力パワーグリッドの電柱でなければNTT東日本などの受付先が別になること、工事費を負担いただく場合があるため支払者を決めて申し込むことが書かれています。
ムクドリが集まる時期と自治体・管理者への相談
ムクドリについて、東京電力パワーグリッドは鉄塔・送電線に関するQ&Aで、ムクドリの小集団が夏から秋にかけての夕方に鉄塔や電線に多く飛来するとされ、夏ねぐらは10月頃になると解消することが多いと説明しています。千葉市は、ムクドリ対策は全国的にも抜本的な解決策が見つかっていないと述べ、市では汚れた場所の清掃が現在できる限りの策としています。ねぐらの記録のしかたはムクドリが夕方に集まるときの記録と管理者への相談方法にまとめています。
| フンが落ちる場所 | まず確認すること | 相談先の例(公式案内で確認できたもの) |
|---|---|---|
| 電柱・電線の真下(駐車場・庭など) | 電柱の所有者(名称プレート) | 東京電力パワーグリッドの電柱は、設備改修のWEB受付(鳥糞対策も受付)。NTTの電柱はNTT東日本など。他の電力会社は各社の公式窓口 |
| 街路樹・公園の木 | 道路や公園の管理者 | 千葉市は、公共施設や街路樹に巣があって被害が予測される場合は、各施設の管理者が対応するとしている |
| 鉄塔・高圧の送電線 | 送電設備の所有者 | 東京電力パワーグリッドのQ&Aに、鉄塔・送電線へのムクドリの飛来についての説明がある |
| 自宅の木・建物・ベランダ | 所有者・管理者(自分や管理会社) | 清掃や剪定は所有者側の対応。巣やヒナの有無は自治体で確認する |
自宅の引込線・アンテナ・通信線の場合
電柱から自宅へ伸びる線には、電気の引込線のほかに、インターネット、電話、テレビの通信線があります。関西電力送配電は、がいし(陶器の部品)が付いている線は電気の線で、垂れ下がっていても触らずに連絡するよう案内し、がいしが付いていない線は通信線の可能性が高く、契約している通信会社に連絡するとしています。
電気の引込線について、東京電力パワーグリッドは、電柱から軒先などの引込線取付点までを引込線とし、その取付点が自宅の設備と東京電力の設備の境目(保安責任・財産の分界点)になると説明しています。関西電力送配電の案内では、壁などに固定された線の黒テープの部分が設備分界点です。目印は事業者によって違うため、事業者の説明で確認してください。
自宅の敷地や建物にある巣で、卵やヒナがいない場合は、所有者が撤去できると千葉市は案内しています。ただし、高い場所は事故に十分注意が必要で、卵やヒナがいる巣は許可なく撤去できません。場所ごとの連絡先や、業者に頼む前の許可の考え方は、カラスの駆除は市役所に頼める?巣の場所別の連絡先と対応範囲にまとめています。
| 見えるもの | 所有者の目安 | 連絡先の考え方 |
|---|---|---|
| 電柱から家に伸びる電気の引込線 | 取付点(設備分界点)まで送配電事業者、その先は自宅の設備 | 垂れ下がり、黒テープの外れ、がいしの割れは送配電事業者に連絡する(関西電力送配電の例) |
| 電柱から家に伸びる通信線 | 契約している通信会社の設備の場合が多い | 契約している通信会社へ連絡する |
| 屋根やベランダのアンテナ・自宅の庭木 | 自宅の所有者・管理者 | 江戸川区や千葉市は、私有地の巣の撤去は所有者側の対応と案内している |
| 街路樹・公園の木 | 道路・公園の管理者 | 江戸川区の連絡先表のように、国道・都道・区道・公園ごとに窓口が分かれる |
棒などで自分で触れてはいけない理由
電柱や電線の近くでの自己流の作業は、感電や停電につながります。東京電力パワーグリッドは、セミや電線にかかった凧を取ろうとして電柱にのぼると大変危険なので、電柱にはのぼらないよう呼びかけ、切れて垂れ下がった電線にも触らず連絡するよう案内しています。
屋根の塗装、アンテナの設置、立木の枝切りなど、電線の近くで作業をするときも、電線に触れないよう注意を求めています。足場などを電線の近くに設置する場合は、感電のおそれがあるため、電線に絶縁用の防護具を付ける必要があり、事前に連絡するようにとの案内です。
もう一つの理由は法律です。ヒナや卵のある巣を許可なく撤去することは禁じられていると、東京電力パワーグリッドや千葉市が説明しています。電柱の巣の撤去は所有者である事業者が適切な時期に行うため、個人が先に落とすと、許可のない捕獲・殺傷にあたるおそれと、感電や転落の危険の両方を負うことになります。
- 電柱にのぼる、はしごや脚立を電柱にかける
- 長い棒や竿で、巣や巣材を落とそうとする
- 垂れ下がった電線や、がいし付きの線に触れる
- 卵やヒナの有無を確かめずに、巣を撤去しようとする
電柱以外の巣は窓口が変わる|自宅の木・公園・街路樹
江戸川区の案内では、巣のある場所によって連絡先が分かれます。電柱は東京電力パワーグリッド、都道や国道の街路樹は道路の管理事務所、区立公園は区の担当課、都営住宅やUR賃貸住宅は住宅の管理者、その他の私有地は施設の管理者です。同区は私有地内の巣の撤去を行っておらず、個人の住居で卵やヒナのある巣を撤去する場合の助成制度を別に案内しています。
ほかの地域の窓口は自治体で異なります。巣立ったばかりのカラスのヒナを見つけたときは地面にいるカラスのヒナ。拾う前に距離を取り、親鳥の威嚇を避ける、巣に卵やヒナがあるときの考え方は卵やヒナがある巣の撤去前に確認したいことを参照してください。
参考:江戸川区|カラスについて





