種類別の対策ガイド

クマの駆除・対策ガイド

出没情報の確認、遭遇を避ける行動、通報先を知りたい。

日本には、北海道にヒグマ、本州と四国の一部にツキノワグマが生息しています。どちらも植物食中心の雑食性で、草や果実、昆虫、ブナ・ミズナラ・コナラ・クリなどの堅果類を季節に応じて食べ、11月下旬から12月頃に冬眠に入り、3月から5月頃まで冬眠します。環境省のマニュアルによると、2018年度にまとめられた分布調査では、2003年度の調査と比べて四国を除くすべての地域で分布が広がり、多くの地域で平野部を含む低い標高への拡大が確認されています。

住宅地に出る主な理由は食べ物です。柿や栗などの果樹、生ごみ、コンポスト、ペットフード、ぬか漬けなどの発酵食品、養蜂箱、農作物の残り、有機肥料、ガソリンなどの燃料、ペンキなどの塗料までが誘引物になり得ます。人の生活圏で効率よく食べ物を得られると学習した個体は、その場所に執着して出没を繰り返します。山林に接するやぶや耕作放棄地、河川敷の林は、移動経路や隠れ場所になります。

ツキノワグマの出没件数は、2009〜2020年度の月別合計で6〜8月が最も多く、9〜11月の秋は年による変動が大きいと整理されています。ブナ科の堅果類が凶作の年には行動範囲が低い標高へ広がり、秋の出没が増える傾向が示されています。人の生活圏に近づくときは薄明薄暮の時間帯に動くことが多く、秋は夜間の活動も増えます。

クマの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
出没情報最も確かな手がかりは、都道府県や市町村が出す出没情報です。外出前に、移動経路と目的地周辺の情報を確認します。これまで出没がなかった地域でも遭遇する可能性があるとされています。
足跡・フン新しい足跡やフンは、近くにクマがいる可能性を示します。見つけても近づいて調べず、安全を優先して引き返し、場所と日時を自治体へ伝えます。
食害柿や栗の実が食べられる、生ごみやコンポストが荒らされる、養蜂箱が壊される、屋外のペットフードが食べられるといった被害があります。秋は庭先の柿に一晩中とどまることもあるとされています。
姿ツキノワグマは体毛が黒く、胸の月の輪模様が特徴ですが、模様のない個体もいます。ヒグマは褐色から黒色までさまざまで、肩の筋肉が盛り上がっているのが特徴です。
時間帯と季節人の生活圏に近づくときは早朝や夕方の薄暗い時間帯が多く、秋は夜間の活動も増えます。春から夏は、親元を離れた若いオスが人の生活圏でよく出没するとされています。
通り道山林に接するやぶ、耕作放棄地、河川敷や河畔林、市街地に突き出た緑地は移動経路になります。山林から離れた都市部でも、こうした場所を通って入り込むことがあります。

法律・制度上の注意

クマ類(ヒグマ・ツキノワグマ)は鳥獣保護管理法の対象で、2024年4月16日施行の省令改正で、集中的かつ広域的に管理を図る指定管理鳥獣へ追加されました(絶滅のおそれがある四国の個体群は除外)。2025年9月からは、人の日常生活圏にクマが出没した場合に、安全確保などの条件のもと市町村の判断で銃器による捕獲ができる緊急銃猟制度が運用されています。出没時の追い払いや捕獲は、自治体、警察、猟友会などが連絡体制と許可手続きにもとづいて対応するもので、住民が自分で捕獲や駆除を試みるものではありません。目撃したら安全な場所へ避難し、自治体か警察へ連絡します。

自分でできる対策

  • 生ごみは屋内で保管して収集日当日の朝に出し、ペットフードや発酵食品も屋外に置かないようにします。
  • 収穫しない柿や栗は早めに実を取り除き、落ちた実も放置しません。管理できない木は伐採を検討します。
  • 家の周りや道路脇のやぶを刈って見通しをよくし、クマが身を隠しにくい環境を保ちます。
  • 出没情報がある間は早朝・夕方・夜間の外出をできるだけ控え、庭仕事ではラジオなどで音を出し、自宅や倉庫を施錠します。
  • コンポストは肉や魚、果物など強いにおいの出る物の投入を控え、土や腐葉土などを入れてにおいを抑えます。

相談を考える目安

  • クマを目撃した、または遭遇したとき(安全な場所へ避難してから自治体または警察へ)
  • 敷地や周辺で新しい足跡、フン、食べ跡を見つけたとき
  • 柿の木、生ごみ、コンポストなどが荒らされ、繰り返し来ている様子があるとき
  • 管理できない果樹の伐採や電気柵の設置について、自治体の支援の有無を確認したいとき

クマのよくある質問

クマが出没しやすい時期と時間帯はいつですか。
環境省のマニュアルでは、ツキノワグマの出没件数は月別の合計で6〜8月が最も多く、秋(9〜11月)は年による差が大きいとされています。ブナ科の堅果類が凶作の年は秋の出没が増える傾向があります。時間帯は、人の生活圏では薄明薄暮(早朝と夕方)が多く、秋は夜間にも注意が必要です。
クマはなぜ住宅地に出没するのですか。
果樹や生ごみなどの誘引物があり、餌場として利用しやすくなっていることが主な要因です。一度食べ物を得るとその場所を覚えて、繰り返し来るようになります。分布が人の生活圏の近くまで広がっていることや、やぶや河川敷の林が移動経路になることも関係します。
クマを見かけたらどこに連絡すればよいですか。
まず車内や屋内など安全な場所へ避難してください。そのうえで、出没した場所や時間、移動した方向を分かる範囲で整理し、その地域の自治体または管轄の警察署に連絡します。近づいて確認したり、自分で追い払おうとしたりしないでください。
クマに出会ってしまったらどうすればよいですか。
クマを見ながら静かにゆっくり離れるのが基本です。大声を出す、物を投げる、背中を見せて走るといった行動はクマを刺激するため避けます。電柱や木、車などを間に挟む位置へ移動し、近くに建物や車があれば中へ避難します。襲われそうな場合は、うつ伏せになって両手で首の後ろを守る防御姿勢が最終手段とされています。
クマの出没情報はどこで確認できますか。
都道府県や市町村が出没情報を公開しており、政府広報は環境省の「国民向けのクマに関する情報」から確認できると案内しています。散歩道や通勤・通学路などいつもの道でも出没が報告されることがあるため、外出前に確認する習慣が役立ちます。

参考(確認日:2026年10月3日):環境省|クマ類の出没対応マニュアル 改定版 第1章 出没に備える(PDF)、環境省|クマ類の出没対応マニュアル 改定版 第4章 クマ類の生態と現状(PDF)、政府広報オンライン|クマに出会わないために。知っておきたい対策、環境省|緊急銃猟への協力のお願いについて(R7.11)(PDF)、環境省|クマ類の指定管理鳥獣への指定について(令和6年4月16日公布・施行)省令改正の概要(PDF)

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