種類別の対策ガイド

サルの駆除・対策ガイド

住宅地に出たサルへの対応と、家や畑を守る方法を知りたい。

サル(ニホンザル)は霊長目オナガザル科の動物で、青森県の下北半島を北限に分布し、屋久島には亜種のヤクシマザルが生息します。メスとその子を中心にした母系の群れで暮らし、農林水産省のマニュアルによると自然状態の群れはおおむね40頭程度ですが、餌が豊富な条件では100頭を超えることもあります。成熟したオスは群れを離れ、単独で動く離れザルになることがあります。

活動するのは通常、日の出から日没までの明るい時間帯です。木登りとジャンプが得意で、カキ、クリ、モモ、トウモロコシ、スイカ、カボチャなど甘く栄養価の高い物を好み、学習によって食べる作物の種類を広げていきます。住宅地では家庭菜園や庭の果樹、屋外に置いた農作物や生ごみが狙われ、人に慣れたサルは家の中に入ることもあるとされています。

サルが集落に来るのは、群れが安全に十分食べられる場所を求めて移動しているためです。収穫しないまま残された柿などの果樹や野菜くずは、人が被害と感じなくてもサルにとっては餌になり、同マニュアルはこれを無意識の餌付けと呼んでいます。耕作放棄地ややぶなどの隠れ場所があることも、被害を増やす原因の一つに挙げられています。

サルの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
姿(群れか1頭か)昼間に複数頭で現れる場合は群れ、1頭だけなら群れを離れたオス(離れザル)の可能性があります。頭数、子ザルの有無、移動した方向を、近づかずに離れた場所から記録します。
食害カキ、クリ、トウモロコシ、カボチャなど甘く栄養価の高い作物や果実が狙われます。サルは夜間に行動しないとされるため、夜のうちに起きた被害はほかの動物の可能性も考えます。
庭木や高い場所の移動よじ登る力が高く、木登りとジャンプが得意です。周囲の樹木や建物から柵の内側へ飛び込むこともあるため、庭木や塀など高い位置にある通り道を確認します。
出没の繰り返し群れの行動範囲は決まっていて、特定の場所で起きる被害は加害する群れを特定できるとされています(離れザルによる被害は除く)。見かけた日時と場所を記録すると、来る方向や頻度の傾向がつかめます。
人慣れの様子人を見ても逃げない、食べ物を持つ人に寄ってくるといった様子は、人慣れが進んでいる目安です。人に慣れたサルは家に入ることがあるため、早めに自治体へ知らせます。

法律・制度上の注意

サルは鳥獣保護管理法で保護されており、原則として捕獲や殺傷はできません。環境省が示す狩猟鳥獣46種にも含まれていないため、狩猟の対象にもなりません。被害対策としての捕獲は、都道府県の保護管理計画に沿って、群れ単位の管理方針にもとづき許可を受けた者が行うものです。住民が自分で取り組めるのは主に、餌になる物の管理や戸締まり、地域で協力した追い払いで、追い払う際も動物を傷つけない配慮が求められます。

自分でできる対策

  • 農作物や生ごみを屋外に置いたままにせず、ペットの餌やお墓のお供え物はその都度片付けます。
  • 家庭菜園にはネットを掛けて早めに収穫し、実を収穫しない柿やビワなどの果樹は、できるだけ切ることを検討します。
  • 人に慣れたサルは家に入ることがあるため、出没情報がある間は窓や戸の戸締まりを徹底します。
  • 餌を与えないことを家族や近所で共有します。子ザルであっても、餌付けは人を怖がらないサルを増やします。
  • 追い払いは個人でばらばらに行うより、見かけたら複数人で集落の外へ出るまで続ける形が効果的とされます。自治会などで方法を話し合います。

相談を考える目安

  • サルが集団で頻繁に出没している、または被害が続いているとき(自治体の鳥獣担当窓口)
  • サルが家の中に入った、または窓や戸から入ろうとしたとき
  • 人を威嚇する、食べ物を持つ人に近づくなど、けがにつながるおそれがあるとき
  • 通学路や公園の近くに居ついていて、子どもの安全に不安があるとき

サルのよくある質問

住宅地でサルに出会ったらどうすればよいですか。
目を合わせず、騒がず、後ずさりして距離を取り、身の安全を確保します。京都市は、興味本位で近づいたり撮影したりすると、攻撃されると勘違いしたサルが反撃に出る場合があると案内しています。食べ物を持っているときは、サルから見えないように隠してください。
サルをエアガンや花火で追い払ってもよいですか。
農林水産省のマニュアルは、ロケット花火やエアガン(モデルガン)で追い払う方法もあるとしたうえで、事故やけが、火事に注意し、動物に傷害を与えない配慮が必要だとしています。なお、専用の動物駆逐用煙火は、保安講習を受講して手帳を持つ人しか購入・使用できません。また個人がばらばらに行う追い払いは効果が少ないとされるため、近所に知らせて地域ぐるみで取り組み、方法は自治体に確認してください。
サルを自分で捕まえたり駆除したりできますか。
無許可ではできません。サルは鳥獣保護管理法で保護され、原則として捕獲や殺傷が禁止されています。狩猟鳥獣にも含まれていません。捕獲は、被害や群れの状況を踏まえて計画的に判断されるものなので、被害が続く場合は自治体の窓口に相談してください。
サルが家や畑に来る原因は何ですか。
安全に十分食べられる場所だと学習しているためです。収穫しない果樹、屋外に置いた農作物や生ごみ、野菜くず、対策が不十分な畑が餌場になり、やぶや耕作放棄地が隠れ場所になります。餌になる物を減らし、人里は怖い場所だと学習させることが対策の基本です。
1頭だけで現れるサル(離れザル)にはどう対応しますか。
農林水産省のマニュアルでは、離れザルは通常、誘引物がなければ時間がたてば立ち去るとされています。餌になる物を片付け、餌を与えず、近づかないでください。1頭だからと見逃して餌を得させると、人を怖がらないサルになります。人家への侵入や人身被害があった場合は、自治体へ連絡します。

参考(確認日:2026年10月3日):農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】令和5年3月版 第2章 鳥獣被害対策の基本的な考え方(PDF)、農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】令和5年3月版 第3章 鳥獣被害対策の3つの柱(PDF)、農林水産省|【改訂版】野生鳥獣被害防止マニュアル イノシシ、シカ、サル(実践編)平成26年3月版(PDF)、京都市|野生鳥獣・虫等に関する相談Q&A集 PDF(2026年4月)、環境省|狩猟制度の概要

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