今治市の補助は農地の鳥獣被害対策が対象|対象者と対象外

今治市の公式ページ(令和8年度の変更内容を含む)によると、この補助金は、野生鳥獣による農業生産被害を防ぐ施設の整備に、予算の範囲内で交付されます。対象者は、市内で所有または管理する農地で現に耕作し、施設を整備する個人または団体です。窓口は本庁の農林水産課か、各支所の住民サービス課とされています。

対象になるのは、必要最小限の資材購入費用です。人件費や送料は含まれません。住宅の屋根裏や壁のすき間をふさぐ工事、庭先の被害への対策は、このページに対象として書かれていません。家庭菜園が農地として扱われるかどうかも、ページからは読み取れないため、申請前に農林水産課へ確かめましょう。

参考:今治市|防護柵等の補助金【今治市農業生産被害対策費補助金】について

読者の疑問

今治市の補助は、住宅の庭や家の屋根裏の対策にも使えますか?

比較ガイド

市のページが対象とするのは、市内で所有・管理する農地に設置する施設です。住宅の侵入口の封鎖や屋根裏の対策は書かれていないため、対象と考えず、農林水産課に確かめてください。

補助率と上限額の表|電気柵・防護柵・箱わな・取付費

令和8年度の補助は、すべて資材購入費の1/2以内で、種類ごとに上限が決まっています。市が作成した「今治市の有害鳥獣対策の取組み」(令和8年3月更新)も、同じ区分と上限額を示しています。サルによる被害を防ぐ目的の複合柵は、電気柵と防護柵を組み合わせた、または一体型のものと説明されています。

令和8年度に追加された項目は、防鳥網・防護柵・複合柵を資材購入先に取り付けてもらうときの取付費です。上限は1万円で、取付けも資材の購入先に頼む場合に限られます。補助金額の1,000円未満は切り捨てとされています。

補助率と上限額の表|電気柵・防護柵・箱わな・取付費:確認項目
補助の対象補助率上限額
電気柵(電気柵関連部品)、防鳥網資材購入費の1/2以内5万円
防護柵(ワイヤーメッシュ、波トタンなど)資材購入費の1/2以内10万円
複合柵(サル被害の防止を目的としたもの)資材購入費の1/2以内15万円
箱わな・囲いわな資材購入費の1/2以内15万円
ICT機器(箱わな・囲いわなに設置)資材購入費の1/2以内5万円
防草シート資材(電気柵と併設/防護柵・複合柵と併設)資材購入費の1/2以内4万円/3万円
取付費(防鳥網・防護柵・複合柵を購入先が取り付ける場合)1/2以内1万円

参考:今治市|防護柵等の補助金【今治市農業生産被害対策費補助金】について

購入・設置の前に交付申請を|流れと注意点

市のページは、電気柵や防護柵などの資材を購入・設置する前に必ず交付申請をするよう求め、購入や設置をしたあとでは補助金を受けられないと注意しています。見積もりを取ったあと、決済する前に申請の手順を確かめておくと、補助の対象外になる失敗を避けられます。申請の様式や記載例は、市のページから入手できます。

原則として、1つの農地で補助を受けられるのは1回限りで、1年度につき申請は個人または団体のいずれか1回です。耐用年数(電気柵は8年、ワイヤーメッシュ柵は14年)を過ぎて使えなくなり、再整備する場合は、状況を確認したうえで再度対象になることがあるとされています。

  • 購入・設置をした後では補助金を受けられない
  • 申請後に内容を変えるときは、事前に変更申請をして、決定を受けてから着手する
  • 申請者と土地の所有者が違う場合は、農地管理状況報告書を提出する
  • 地目が山林でも、現状が農地として使われていれば対象になり、追加書類が必要な場合がある
  • 箱わな・囲いわなを申請するときは、申出書を提出する

参考:今治市|防護柵等の補助金【今治市農業生産被害対策費補助金】について

箱わな・囲いわなは狩猟者登録か有害鳥獣捕獲許可が前提

今治市のページは、箱わな・囲いわなを設置するには、有効な狩猟者登録または有害鳥獣捕獲許可が必要と明記しています。補助は資材購入費への支援であり、捕獲の許可の代わりにはなりません。松山市の公式案内でも、野生鳥獣(鳥類・ほ乳類)をわななどで捕まえることは法律で原則禁止され、自分の土地でも許可が必要と説明されています。

同じ松山市の案内は、許可を得てわなを使う場合も、設置者の氏名・住所などを記した標識を付けること、1日1回以上は見回ることを求め、とらばさみは法律で使用が禁止されていると説明しています。愛媛県の事業計画では、被害を防ぐための捕獲許可の事務の多くが市町長に移譲されています。今治市で許可を受ける手続きや条件は、市の資料に問い合わせ先として載っている農林水産課の鳥獣害対策担当に確認してください。

参考:松山市|無許可での野生鳥獣の捕獲や「わな」の使用は違法です!

今治市の被害の状況|イノシシが約7割、果樹の被害が中心

市の資料「今治市の有害鳥獣対策の取組み」(令和8年3月更新)によると、令和6年度の野生鳥獣による農作物被害額は約6,215万円です。鳥獣別ではイノシシが約70%、ヒヨドリが約11%、サルが約8%を占めます。農作物別では、果樹が約72%、稲が約11%、野菜が約8%です。同年度の有害鳥獣の捕獲は獣類3,798頭・鳥類895羽で、獣類の約8割がイノシシと説明されています。

資料は、被害額として表れる数字以上に、営農意欲の低下や耕作放棄地の増加など深刻な影響があると述べています。被害が多い作物は地域によって違うため、自分の農地でどの鳥獣が何を食べているのかを記録しておくと、柵の種類を選ぶときの手がかりになります。

今治市の被害の状況|イノシシが約7割、果樹の被害が中心:確認項目
区分内訳割合(令和6年度)
鳥獣別の被害額イノシシ約70%
鳥獣別の被害額ヒヨドリ約11%
鳥獣別の被害額サル約8%
農作物別の被害額果樹約72%
農作物別の被害額稲約11%
農作物別の被害額野菜約8%

参考:今治市|今治市の有害鳥獣対策の取組み(令和8年3月更新・PDF)

柵や檻だけに頼らない|エサ場と隠れ場所を減らす

市の資料は、鳥獣被害が増えた背景に、集落が野生鳥獣のエサ場になり人慣れが進んだことがあると説明しています。ごみは夜に出さない、家庭菜園はしっかり柵で囲む、収穫の取り残しやくず野菜、生ごみを集落周辺に放置しない、収穫していない柿や栗は伐採する、お墓のお供え物は持ち帰る、といった対策が挙げられています。

草むらや耕作放棄地のやぶは、隠れ家や通り道になるため、草刈りで見通しをよくすることも勧められています。防護柵は生息地側だけを囲うと回り込まれるため、すき間なく全周を囲み、設置後も定期的に見回って機能を確かめます。庭にイノシシが来た場合の考え方は、庭にイノシシが来たときの対応も参考にしてください。

  • ごみは夜に出さず、集積場所や家庭菜園をエサ場にしない
  • 収穫の取り残し、くず野菜、柿・栗などの未収穫の果樹をそのままにしない
  • 草刈りで見通しをよくし、柵はすき間なく全周を囲んで定期的に見回る

参考:今治市|今治市の有害鳥獣対策の取組み(令和8年3月更新・PDF)

サルやイノシシに出会ったとき・農地以外の相談先

市の資料は、野生のサルに近づかない、目線を合わせない、大声や投げ物で刺激しない、エサを与えない、2階の窓も含めて戸締まりをすることを求めています。愛媛県のイノシシの案内も、静かにその場を離れ、威嚇したり追い払ったりしないよう呼びかけています。子ども(うり坊)を見かけても近づかないことが重ねて書かれています。

農地の柵や箱わな以外の困りごとは、市の別の担当が窓口です。ハチの巣は、市は駆除しておらず、敷地内の巣は所有者に対応を求める案内で、シルバー人材センターで対応できる場合があるとされています。野良猫の不妊去勢手術補助や、路上の動物の死体の回収も、環境政策課の案内です。

サルやイノシシに出会ったとき・農地以外の相談先:確認項目
困りごと今治市の窓口公式案内の要点
農地の柵・箱わな、鳥獣害対策農林水産課(鳥獣害対策担当)購入前に交付申請。箱わなは狩猟者登録か捕獲許可が前提
ハチの巣環境政策課市は駆除せず、所有者に対応を求める。シルバー人材センターで対応できる場合がある。協会が業者を紹介
飼い主のいない猫環境政策課不妊去勢手術費の補助(メス10,000円、オス5,000円、先着順)。申請は2026年9月1日から2027年3月1日まで
路上の飼い主不明の動物の死体環境政策課・各支所住民サービス課公共用地の死体は処理手数料が無料。私有地の敷地内の回収はしていない

参考:今治市|ハチの駆除について(環境政策課)