種類別の対策ガイド

シカの駆除・対策ガイド

庭木や菜園の食害、道路や住宅地で見かけたときの対応を知りたい。

シカ(ニホンジカ)は偶蹄目シカ科の草食動物で、北海道のエゾシカ、本州のホンシュウジカ、四国・九州のキュウシュウジカ、屋久島のヤクシカなど、亜種によって体格が異なります。農林水産省のマニュアルによると、森林の中では母子を中心とした2〜3頭の小さな群れで暮らしますが、牧草地や耕作放棄地のように餌が集中する場所では数十頭の群れになることがあります。

反芻動物でさまざまな植物を食べられるため、京都市の案内によると、水稲や野菜のほか、スギ・ヒノキなどの林産物や植木、庭木にも被害が出ます。森林と農地・集落の境目にあたる平坦で開けた林縁を好み、日当たりがよく草の多い場所が餌場になります。昼間は森林にいて夜間に農地へ出ることが多いものの、人に慣れると昼間にも出没するとされています。

繁殖力の高さも特徴です。交尾期は10月頃、出産は翌年6月頃で通常1頭を産み、栄養状態のよいメスは毎年出産するため、同マニュアルは4年で個体数が2倍になる繁殖率だと説明しています。京都市の案内では、田植え時期の春から夏と、稲刈り時期で発情期にあたる秋に人里への出没が多いとされています。出没の時期は地域で異なるため、お住まいの自治体の情報も確認してください。

シカの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
足跡土の上に蹄の跡が残ります。農林水産省のマニュアルでは、イノシシは地面が柔らかいと後ろの副蹄の跡が付くのに対し、シカは柔らかい地面でも副蹄の跡が付かないと説明されています。足跡だけでは特定できないことが多いため、ほかの痕跡と合わせて判断します。
フン小さな粒状で、俵のような形をしています。イノシシのフンも古くなって乾くとシカのフンのようにばらばらに崩れることがあるため、形だけでなく新しさも見て判断します。
食害野菜や水稲、植木、庭木の葉や芽が食べられます。アセビなど一部を除いてほとんどの植物を食べるとされ、冬は草刈りをした道路脇やあぜに芽吹く草にも集まります。
角こすり角を持つのはオスだけで、立木の幹に角をこすり付けた跡が被害として残ることがあります。庭木や植林木の幹に新しい傷がないかを確認します。
出没時間と鳴き声夜間に農地や庭へ出て、昼は森林にいることが多いとされます。危険を感じると「ピィッ」という警戒音を出して仲間に知らせます。
侵入経路柵がある場合は、上を跳び越えるよりも、すき間や下をくぐり抜けることが多いとされます。柵の裾と地面の間に通り道ができていないか、破れやたるみがないかを見ます。

法律・制度上の注意

シカは鳥獣保護管理法の対象となる野生鳥獣で、狩猟による場合を除き、捕獲や殺傷は原則として禁止されています。農林水産業などへの被害防止を目的に捕獲する場合は、都道府県知事(多くの都道府県では権限の一部を移譲された市町村長)の許可が必要です。箱わなや囲いわなで捕獲するには一般にわな猟免許も必要になるため、庭や畑に来るシカを無許可で捕まえたり傷つけたりすることはできません。

自分でできる対策

  • 庭や畑の周りの雑草を減らし、収穫後に残った野菜の葉や稲のひこばえを片付けて、敷地を餌場にしないようにします。
  • 林や草地に接する敷地の境目は定期的に草刈りをして、シカの餌になる草が茂った状態を続けないようにします。
  • 家庭菜園を柵で囲う場合は、跳び越えを防ぐ高さ(京都市は2メートル以上を案内)を確保し、裾を地面にしっかり固定します。
  • 柵は設置した後も見回り、裾のすき間、たるみ、破れを見つけたら早めに補修して効果を保ちます。
  • 足跡、フン、食べられた植物、見かけた日時と場所を写真とメモで残し、自治体へ相談するときの資料にします。

相談を考える目安

  • シカが集団で頻繁に出没している、または被害が続いているとき(自治体の鳥獣担当窓口)
  • 住宅地にシカがとどまっていて、通行や通学の安全に不安があるとき
  • 農地や家庭菜園の被害が大きく、柵の種類や設置方法を確認したいとき
  • 捕獲が必要と思われる被害があるとき。捕獲は許可を受けた人が行うため、自分で試みず自治体に相談します

シカのよくある質問

シカは何を嫌いますか。忌避剤や光・音は効きますか。
置くだけでシカが来なくなる忌避資材は、現在のところ見つかっていないとされています。農林水産省のマニュアルは、光や音、匂いを使う対策は効果がないか、あっても一時的で、慣れが生じると説明しています。柵で囲うことと、草刈りなどで餌場を減らすことを基本に考えます。
シカよけの柵はどのくらいの高さが必要ですか。
京都市の案内では、シカは飛び越えて侵入することがあるため2メートル以上の高さが必要とされています。一方で、侵入の多くは柵の下や地面とのすき間からです。高さだけでなく、裾を地面に固定してすき間を作らないことが重要です。電気柵を使う場合は製品の説明に従って設置します。
庭や畑に来るシカを自分で捕まえてもよいですか。
無許可ではできません。野生鳥獣は鳥獣保護管理法で原則として捕獲が禁止されており、被害防止のための捕獲には都道府県知事や市町村長の許可が必要です。わなを使う場合は一般にわな猟免許も必要になります。被害が続くときは、自治体の鳥獣担当窓口に相談してください。
住宅地でシカに出会ったらどうすればよいですか。
まずその場から離れて、身の安全を確保します。京都市は、追いかけたり携帯電話などで撮影したりする行為はシカを刺激して危険だと案内しています。近づかずに距離を取り、頻繁に出没する場合は自治体へ連絡してください。
シカの被害が出やすい時期はいつですか。
京都市の案内では、田植え時期の春から夏と、稲刈り時期で発情期にあたる秋に多く出没するとされています。冬は草刈り後の道路脇やあぜに芽吹く草を好むという説明もあり、季節を問わず注意が必要です。地域差があるため、地元の自治体の情報も確認してください。

参考(確認日:2026年10月3日):農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】令和5年3月版 第2章 鳥獣被害対策の基本的な考え方(PDF)、農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル【総合対策編】令和5年3月版 第3章 鳥獣被害対策の3つの柱(PDF)、農林水産省|【改訂版】野生鳥獣被害防止マニュアル イノシシ、シカ、サル(実践編)平成26年3月版(PDF)、京都市|野生鳥獣・虫等に関する相談Q&A集 PDF(2026年4月)、環境省|捕獲許可制度の概要

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