獣害の相談は森づくり課。内容で出す人と窓口が変わる
丹波篠山市の鳥獣害対策のページを担当するのは、森づくり課です。ページには、アライグマ・ヌートリアの防除実施計画、シカ・イノシシの有害捕獲、獣害対策事業補助金、ツキノワグマの注意喚起などが並んでいます。
農作物の被害が中心の制度が多く、個人の住宅の屋根裏被害だけを扱う案内は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。自分の被害がどの制度に当たるか分からないときは、被害の場所と内容を森づくり課へ伝えて確認します。
| 相談したい内容 | 市の公式ページの案内 | 出す人・条件 |
|---|---|---|
| シカ・イノシシの農作物被害 | 有害捕獲を実施。捕獲依頼書に被害場所の位置図を付けて提出 | 自治会長・農会長 |
| 獣害柵の新設・修繕 | 獣害対策事業補助金。事前に森づくり課へ相談 | 施設管理組織(自治会・農会など)。個人は対象外 |
| アライグマ・ヌートリア | 防除実施計画(第3期)に基づく防除。捕獲従事者の制度がある | わな猟免許を持つ人、または計画の要件を満たす人 |
丹波篠山市で、個人でも獣害柵の補助を受けられますか?
獣害対策事業補助金は、自治会や農会などの施設管理組織が対象で、個人は申請の対象になりません。受益戸数2戸以上、工事費・材料費5万円以上などの条件があり、事前に森づくり課へ相談します。
市の計画が示すアライグマの現状:市内全域、空き家の屋根裏にも
丹波篠山市アライグマ・ヌートリア防除実施計画(第3期)は、令和3年4月1日から令和13年3月31日までを期間とし、市全域を対象にしています。対象はアライグマ、カニクイアライグマ、ヌートリアです。
計画によると、アライグマは平成の初め頃から市内で確認され、現在は市内全域に広がっています。当初は田畑や山林の付近で見られましたが、市街地での目撃も多くなっています。農村部でも市街地でも、空き家などの屋根裏に棲みつき、生活環境に悪影響を及ぼすようになったと書かれています。
ヌートリアは篠山川の流域から生息域を広げ、土中の巣穴が水田やため池の漏水の原因になるとされています。計画の目標は、アライグマは被害の低減化、ヌートリアは地域からの排除です。
アライグマの捕獲従事者になる条件と届出
計画では、捕獲は原則として箱わな等で行い、市が猟友会や事業者、市民と連携して進めるとされています。捕獲に従事できる人は、わな猟免許を持つ人と、免許はないが一定の条件を満たす人の2種類に分かれます。
わなには、市が発行した防除であることを示す標識を付け、従事者の連絡先と捕獲期間を記載します。設置期間中は、朝を中心に1日1回以上の見回りを行うことが原則です。計画は、単なる見回りは捕獲行為ではなく、わなを仕掛けることが捕獲行為にあたると説明しています。
免許のない人が自分の判断で箱わなを仕掛ける仕組みではなく、講習、届出、従事者証、地域の了承という手順を踏む制度です。計画は令和3年策定の内容なので、現在も同じ運用かは森づくり課で確認してください。
| 区分 | 計画に書かれた条件 |
|---|---|
| わな猟免許を持つ人 | 鳥獣保護管理法によるわな猟免許を持っていること |
| 免許を持たない人 | 市町・兵庫県猟友会・県が認める機関の、捕獲と安全の講習を受けていること。自治会内の住民の求めに応じて迅速に従事できること。自分が住む自治会内、または自分で耕作・管理する農地で、土地の所有者などの了承を得て、自己の責任で設置すること。捕獲した個体を市が指定する殺処分場まで安全に搬送できること |
| 共通の手続き | 丹波篠山市へ捕獲従事者の届出をして、捕獲従事者証の交付を受ける |
シカ・イノシシの有害捕獲は、自治会長・農会長が依頼する
市は、狩猟期に続けて農作物被害の軽減を目的とした有害鳥獣捕獲を実施するとしています。2026年2月5日更新のページでは、期間は令和8年3月16日から11月10日まで、銃猟は4月1日からです。
依頼するときは、自治会長・農会長が捕獲依頼書を提出し、被害場所を示した位置図を付けます。市の書き方は「自治会長及び農会長」なので、誰の名義で出すかは地域の取り決めを確認してください。対象は野生動物による農作物被害がある自治会・農会で、実施場所は生息密度を低減するための市内全域の山林、対象鳥獣はシカとイノシシです。サルは別に実施されています。捕獲は銃器や箱わなで、市鳥獣被害対策実施隊が行います。
被害を受けた個人が直接申し込むのではなく、まず自治会長や農会長に相談して、被害場所を地域でそろえる流れになります。被害が隣の畑にも広がっているなら、近所でも被害があるときの情報共有の考え方が役立ちます。
獣害柵の補助は団体向け。個人は対象外
獣害対策事業補助金は、農作物への獣害を防ぐため、新たに獣害柵を設置する場合や、既設の柵を修繕する場合に補助する制度です(2024年8月21日更新)。獣害防護柵や電気柵の新規設置、修繕補強にかかる工事費と材料費が対象で、のり網による補強や、のり網で農地を囲む被害防除の経費も対象とされています。
対象になる条件は次のとおりです。個人は対象外のため、自分の庭先だけを守りたい場合は、この補助は使えません。集落で柵を直す話が出ているなら、戸数と費用が条件に合うかを地域で先に確認しておくと、相談が進みます。
- 受益戸数が2戸以上であること
- 工事費・材料費が5万円以上であること
- 対象団体は施設管理組織(自治会、農会など)で、個人は申請の対象外
- 補助額は対象経費の50%以内(千円未満は切り捨て)
- 申請前に森づくり課へ相談し、申請書に見積書、位置図、現況写真を添えて提出
住宅の屋根裏に入られたら:侵入口の対策と県の許可条件
市の計画は、アライグマが人家の屋根裏、納屋、廃屋などに棲みついて繁殖する場合があるため、換気口や隙間を金網などでふさいで侵入を防ぐよう、住民に普及啓発するとしています。屋根裏の被害は、捕獲だけでなく侵入口の封鎖もあわせて考える必要があります。
兵庫県の捕獲許可のページ(2025年12月16日更新)では、アライグマは市町長が許可する獣種に挙がっており、申請の窓口は市町です。小型の箱わなや手捕りで、住宅等の建物内の被害を防ぐために敷地内で捕獲する場合は、狩猟免許がなくても許可を申請できるとされています。免許が不要でも、許可は必要です。
ただし、丹波篠山市の公式ページで、住宅の敷地内の小型箱わなについて、個人の許可申請をどう扱うかは確認できませんでした。市の捕獲従事者の制度を使うのか、許可申請になるのかは、森づくり課で確認してください。天井裏の音から始める場合は、屋根裏の音の原因が分からないときの記録の取り方が参考になります。
捕獲後の扱いと、業者に頼む前の確認
アライグマとヌートリアは外来生物法の特定外来生物です。環境省の案内では、特定外来生物の飼育、保管、運搬は原則として禁止され、野外へ放つことも原則禁止です。捕まえた個体を別の場所へ運んで放したり、家で飼ったりすることは原則できません。丹波篠山市の計画では、従事者が個体を市の指定する処分場所へ運ぶ手順が定められているので、自己判断で動かず市の手順に従います。
市の計画は、捕獲したアライグマの取り扱いに革手袋を使い、接触や糞の始末の後は十分に手洗いするよう求めています。万一、噛まれたり引っかかれたりしたときは、傷口の処置とあわせて、必要に応じて医療機関の診察を受けるとされています。
ハチの巣駆除とネズミの対応について、確認した丹波篠山市の公式ページには、市の駆除や補助、相談窓口を示す案内が見つかりませんでした。載っていないことは、制度がないことを意味しないため、担当課に確認してください。民間業者に頼む場合は、兵庫県の消費者トラブル情報にあるとおり、表示料金をうのみにせず複数社から見積りを取り、急がされても契約しないよう助言されています。








