種類別の対策ガイド

アナグマの駆除・対策ガイド

庭の穴や床下の気配を、別の動物と区別して相談したい。

アナグマ(ニホンアナグマ)は日本固有の在来種で、農林水産省のマニュアルによると北海道と沖縄を除く広い範囲に生息し、近年は首都圏周辺での生息情報も多く寄せられています。体は鼻先から尾の先まで60〜90cm程度、短い足と扁平な体つきで、四肢に長く鋭い5本のかぎ爪があります。地域差はありますが11月から4月ごろに冬眠し、冬に向けて脂肪を蓄えるため体重は4〜15kgと大きく変わります。

雑食性で、ミミズを主な餌とし、昆虫や甘みのある果実、農作物も食べます。住宅まわりでは、餌を探して庭の地面や苔を掘り返す、果実などの農作物を食べる、床下に住み着くといった被害が自治体の資料に挙げられています。野菜くずや収穫しない果実が残っている場所、通風口が壊れた床下、草が茂った場所は、餌場や潜み場として使われやすくなります。

明け方と夕方に活発になりますが、日中に見かけることも多い動物です。穴掘りが得意な一方、木登りや狭い通路の移動はアライグマやハクビシンより苦手とされます。ただし金網柵を上り下りし、高さ60cmのトタン柵を乗り越えた例も報告されているため、登れない動物と決めつけず、掘る行動と登る行動の両方を前提に家や畑のまわりを確認することが大切です。

アナグマの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
顔・体つき顔は全体が白っぽく、目のあたりに縦の黒い模様があります。耳は小さく、尾は短めです。タヌキは目の横に模様が広がり、ハクビシンは鼻筋が白い点は似ていますが尾が長いことが見分けの手がかりになります。
掘り跡庭や畑に直径5cm程度の小さな穴が点々と開いている場合、土の中のミミズや幼虫を鼻先で探した跡の可能性があります。庭の苔がはがされることもあります。
巣穴・床下林の斜面、竹林、草地などに巣穴を複数掘り、ねぐらや繁殖に使います。住宅では床下に住み着く例があり、床下への侵入は通風口からが多いとされるため、通風口の破損を外から確認します。
足跡・爪痕足には長いかぎ爪があり、よじ登ったトタンに爪痕が残ることがあります。通り道にベニヤ板や石灰を置くと足跡を記録でき、センサーカメラを使えば種類を確かめられます。
食害作物の根元を掘って倒す食べ方が特徴として示されています。落花生など土の中の作物が掘られた場合は、土を掘らないハクビシンではなく、アナグマやタヌキが疑われます。
時間帯・季節明け方と夕方に活発で、日中に姿を見ることもあります。冬眠する動物で、地域差はありますが11月から4月ごろは巣穴で冬を越すとされています。

法律・制度上の注意

アナグマは日本固有の在来種で、外来生物法の特定外来生物には当たりませんが、鳥獣保護管理法により許可なく捕獲・殺傷することは原則として禁止されています。狩猟鳥獣に含まれるため、狩猟免許と狩猟者登録のうえ猟期と区域を守って捕獲する方法と、被害防止などの目的で都道府県知事(多くは権限を移された市町村長)の許可を受けて捕獲する方法があります。被害があっても自由に捕獲できるわけではないため、箱わなを置く前に市区町村の鳥獣担当窓口へ確認してください。

自分でできる対策

  • 野菜くずや傷んだ果実を庭や畑に捨てたままにせず、収穫しない果樹の実も片づけて、餌場を作らないようにします。
  • 床下の通風口の破損を点検し、中に動物がいないことを確かめたうえで、金属や板など丈夫な資材で修理します。樹脂ネットや薄い合板は破られるおそれがあります。
  • 家や畑のまわりの草刈りを行い、アナグマが身を隠せる潜み場を減らします。
  • 家庭菜園を柵で囲う場合は、目合い5cm以下、高さ1m以上を目安にし、裾を埋めるかパイプなどを巻き込んで、掘り返しや持ち上げを防ぎます。
  • 掘り跡、足跡、姿を見た時間帯を写真と日付で記録し、相談のときに種類を判断してもらう材料にします。

相談を考える目安

  • 床下から物音やにおいが続き、中に動物がいるかどうか、子育て中かどうかを自分で確かめられないとき。
  • 対策をしても掘り返しや食害が続き、捕獲を検討したいとき(許可の要否を市区町村の鳥獣担当窓口に確認します)。
  • 通風口や床下まわりの破損が大きく、床下にもぐる作業や修理を自分で安全に行えないとき。
  • アライグマやハクビシンなど別の動物の可能性があり、足跡や写真だけでは種類を判断できないとき。

アナグマのよくある質問

アナグマとタヌキ、ハクビシンの違いは?
顔の模様、耳、尾で見分けます。アナグマは目の上下に黒い模様が縦に走り、耳が小さいのが特徴です。タヌキは目の横に黒い模様が広がります。尾はタヌキもアナグマも短めなので、タヌキとは顔の模様と耳で見分けます。ハクビシンは鼻筋が白い点がアナグマと似ていますが、尾が長いため区別できます。
アナグマは自分で捕まえてよい?罠に免許は必要?
原則として、狩猟免許と狩猟者登録による狩猟か、自治体の捕獲許可がなければ捕まえることはできません。狩猟として行うには狩猟免許(箱わなはわな猟免許)と狩猟者登録が必要で、猟期と区域も決まっています。被害防止のための捕獲は自治体の許可が前提になるため、わなを用意する前に市区町村の窓口へ相談してください。
アナグマは屋根裏にも入る?
公的資料で住宅の被害として挙げられているのは、主に床下への住み着きです。木登りや狭い通路の移動はアライグマやハクビシンより苦手とされますが、柵をよじ登った例もあるため断定はできません。天井裏で音がする場合は、足跡やフンなどの痕跡から動物の種類を確かめることが先です。
アナグマ対策に光やミントは効く?
確認した農林水産省や自治体の資料には、光やにおいによる効果は示されていませんでした。挙げられている対策は、餌になるものを片づける、床下の通風口を修理する、草を刈る、柵の裾を固定するといった環境の整備と侵入防止です。
アナグマを見かけたら触ってもよい?
触らないでください。野生動物は人にうつる病原体を持っている可能性があり、アナグマからも重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの抗体が見つかっています。マダニが付いていることもあるため、弱った個体や死体を素手で扱わず自治体へ相談し、体調に変化があれば医療機関を受診してください。

参考(確認日:2026年10月3日):農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 中型獣類編(令和6年3月版)、福井市|福井市で目撃される小動物について、仙台市八木山動物公園|タヌキシリーズ(2)見分け方講座、環境省|捕獲許可制度の概要

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