害虫の発生時期の早見表|月・地域・出典を並べて見る
下の表は、自治体や公的団体が公表している発生時期を、地域と出典つきで集めたものです。月を書いていない資料の虫は、時期ではなく発生源を書いています。公表された時期だけを載せ、月を補って書くことはしていません。地域は出典の自治体や団体のもので、お住まいの地域では前後することがあります。
表にない虫は、月を示す公的資料を確認できなかったものです。時期の表現は資料のとおりで、「ごろ」とあるものは目安です。2026年10月時点で確認できる掲載にもとづいています。
| 害虫 | 公的資料が示す時期・特徴 | 地域・出典 | 暦だけで見るときの注意 |
|---|---|---|---|
| ゴキブリ | 暖房設備の整った建物内では、季節に関係なく発生する | 大阪府堺市 | 冬でも暖房のある建物や厨房で見つかる |
| 蚊 | 東京都は、蚊の発生シーズン前の6月1日から30日を発生防止強化月間とし、幼虫は水中で育つため水のない所から蚊は発生しないと説明する | 東京都 | 水たまりがある限り発生源になる |
| スズメバチ | 神戸市は、4月中旬に女王が巣作りの準備を始め、7月下旬から8月中旬が最盛期、9〜10月に新女王とオスが生まれ、11月から3月は新女王だけが越冬するとする。札幌市は、巣が9月ごろに最大になり、11月ごろに空になるとする | 兵庫県神戸市、札幌市 | 地域によって時期が違う。巣の大きさは年と場所で変わる |
| 羽アリ(シロアリ) | ヤマトシロアリは4〜5月の昼(沖縄は2月、東北・北海道は6月ごろ)、イエシロアリは6〜7月の夜、アメリカカンザイシロアリは6〜9月の昼に群飛する | 全国(日本しろあり対策協会) | 種類によって月も時間帯も違う |
| 毛虫(チャドクガ) | 年2回発生し、幼虫期間の始まりは4月中旬ごろと8月上旬ごろ。成虫は7〜10月ごろに発生する | 堺市 | ツバキやサザンカにつく |
| ムカデ | 冬を除くすべてのシーズンに発生が見られる。大阪府は、夏の夜に室内へ入って人を咬むことがあると紹介する | 堺市、大阪府 | 庭の湿った場所から入る |
| ダニ | タカラダニは5〜6月に大発生することがあり、保健所への相談もこの2か月に集中する。室内のヒョウヒダニなどは、相対湿度が70%以上で繁殖しやすい | 千葉市 | 室内のダニは季節より湿度と掃除で決まる |
| ノミ | 相談は6〜9月に集中し、梅雨時から夏にかけてが活動時期とされる | 千葉市 | ペットや野良猫の出入りと関係する |
| カメムシ | 10〜11月ごろ、越冬場所を探して屋内に入ることがある(堺市)。10月中旬ごろ越冬のため屋内に入り、春先に野外へ戻る(札幌市) | 堺市、札幌市 | 農作物の発生情報と、家への侵入量は同じではない |
| ヤスデ | ヤケヤスデは、梅雨のころ地面の水はけが悪くなると家の中まで入ってくる | 大阪府 | 雨と湿気が引き金になる |
| コバエ・チョウバエ | 資料は月ではなく発生源を示し、腐ったものや溜まった泥から発生すると説明する | 大阪府 | 季節より汚れと水気で決まる |
| トコジラミ | 季節を限った記載はなく、旅行先などからの持ち込みに注意するよう案内している。帰宅時に鞄や衣服の縫い目を確認する | 大阪府 | 旅行・出張・帰省のあとに確認する |
| シバンムシ | 食品の中で幼虫が育つ。タバコシバンムシとジンサンシバンムシは主として幼虫で越冬する | 横浜市 | 冬も乾物や粉類を確認する |
害虫は何月から何月まで出ますか?
種類で違います。公的資料では、スズメバチの女王は4月中旬に動き始め、巣は夏から秋に大きくなり11月ごろに空になります(神戸市、札幌市)。ムカデは冬を除く時期に発生し(堺市)、タカラダニは5〜6月に大発生することがあります(千葉市)。地域と建物で前後するため、月は目安として使います。
時期は地域・気温・暖房でずれる。暦だけで判断しない見方
同じ虫でも、公的資料が示す月は地域で違います。スズメバチは、神戸市が7月下旬から8月中旬を最盛期としているのに対し、札幌市は巣が9月ごろに最大になるとしています。羽アリも、ヤマトシロアリは4〜5月が基本で、沖縄は2月、東北と北海道は6月ごろとされています。カメムシの屋内への侵入は、堺市が10〜11月ごろ、札幌市が10月中旬ごろです。
暖房のある建物では、季節の区切りが弱くなります。堺市は、暖房設備の整った建物内はゴキブリが住みつきやすい環境で、季節に関係なく発生すると説明しています。同じ月でも、建物の使い方と天候で状況が違うため、月はあくまで目安として使います。
年ごとの違いは、公的な発生予察情報などで確かめる
農林水産省は、農作物のカメムシ類について、都道府県の発生予察情報(注意報・警報)の発表状況や全国の発生動向を掲載しています。斑点米カメムシ類の防除では、都道府県が発表する発生予察情報を参考に水田を観察し、適期に防除するよう案内しています。これは農作物向けの情報で、家に入る虫の量をそのまま示すものではありませんが、その年の発生が多いか少ないかを知る手がかりになります。
暦のかわりに見るもの
月だけに頼らず、次のような家の条件と記録を合わせて見ると、点検を始める時期を決めやすくなります。
- 気温が上がり始めた週と、雨が続く期間
- 暖房や加湿を使い始めた時期と、部屋の湿度
- 前年に虫を見つけた日と場所の記録
- 家の周りの水たまり、落ち葉、食品の保管状況
春(4〜5月):羽アリ・ハチの巣作り・毛虫に先に備える
春は、羽アリとハチと毛虫の動き出しが重なります。日本しろあり対策協会は、羽アリの群飛期はシロアリが人前に姿を現す唯一の時期で、時期や時刻に注意すれば種類の判別にも役立つと説明しています。ヤマトシロアリは4〜5月の昼間に群飛します。アリとの見分けは、触角が数珠状か、4枚の翅がほぼ同じ大きさか、腰にくびれがないかで行います。見つけた羽アリの扱いは、羽アリが出たら何を残す?で整理しています。
スズメバチは、神戸市の資料では4月中旬ごろに新女王が越冬から覚めて巣作りの準備を始め、6月ごろまでは女王が1匹で小さな巣を作ります。このころの巣は見落としやすいため、玄関まわり、軒下、庭木、物置の中を、近づかずに目で確認します。神戸市は、小さな巣でも処置を誤ると危険な場合があるとして、危険を感じたら専門の駆除業者へ依頼するよう案内しています。巣を見つけたときは、スズメバチらしいハチが出入りするときとアシナガバチの巣を見つけたときも参考になります。
堺市は、チャドクガの幼虫期間の始まりが4月中旬ごろと8月上旬ごろの年2回で、ツバキやサザンカにつくと説明しています。庭にこれらの木がある場合は、春に葉の裏の様子を確認します。毒針毛が皮膚についてかゆみが出たときは、かいたりふきとったりせず水で洗い流すよう堺市は案内しています。症状が強いときは医療機関へ相談してください。
梅雨〜夏(6〜8月):ゴキブリ・蚊・ムカデ・ダニ・チョウバエの点検場所
東京都は、蚊の発生シーズン前の6月を発生防止強化月間とし、蚊の幼虫(ボウフラ)は水中で育つため、水のないところから蚊は発生しないと説明しています。蚊を減らすには、成虫を駆除するより水中のボウフラを退治するほうが効果的で、ためておく必要のある水は週1回程度、清掃や水の交換をするよう案内しています。
千葉市は、赤いタカラダニが5〜6月に大発生することがあり、相談もこの2か月に集中するものの、数週間後には自然にいなくなるため特に対策は必要ないと思われる、としています。ノミの相談は6〜9月に集中し、室内のヒョウヒダニなどは相対湿度が70%以上になると繁殖しやすいと説明しています。
堺市は、ムカデが冬を除くすべてのシーズンに発生し、草むらや落ち葉の下、石垣のすき間、庭石やブロック、プランターの下などの湿気のある狭い暗所を好むと説明しています。屋内に入るルートの見方は、ムカデが室内に入るときが参考になります。排水まわりの小さな虫は、浴室の壁に小さなチョウバエが出るときで発生源の探し方を扱っています。
| 害虫 | 点検する場所 | 見るもの・記録すること |
|---|---|---|
| ゴキブリ | 台所、冷蔵庫の下と裏、流し台の下、ごみ置き場 | 食品くず、黒い粒状のふん、幼虫、窓や玄関まわりのすき間 |
| 蚊 | 植木鉢の受け皿、雨水ます、空き缶、たるんだシートの水たまり | ボウフラの有無、水を入れ替えた日 |
| ムカデ | 庭石、ブロック、プランターの下、落ち葉、玄関まわり | 庭で見た場所と、室内で見た場所を分けて記録する |
| ダニ・ノミ | 寝具、カーペット、畳、ペットの寝床 | 室内の湿度(70%以上を避ける)、ペットや野良猫の出入り |
| チョウバエ・コバエ | 排水口、排水パイプ、浴槽の下、使っていない排水口、ごみ箱 | ぬめりと汚泥、水が乾いた排水口、生ごみのふた |
| ヤスデ | 家の周りの落ち葉、堆肥、水はけの悪い地面 | 雨の日の前後に壁や足元を集団で上る様子、玄関付近の落ち葉 |
秋(9〜11月):スズメバチ・カメムシ・ヤスデに気をつける
神戸市は、9〜10月ごろに新女王とオスがそれぞれ数十匹生まれ、種類によっては巣から離れて家の壁や庭木に群がると説明しています。札幌市は、巣が9月ごろに最も大きくなり、11月ごろに働きバチが死んで巣が空になると説明しています。日本ペストコントロール協会は、特にスズメバチは秋期に凶暴になるとして、巣を見つけたら近づかないことが一番の予防対策としています。
カメムシは、堺市が10〜11月ごろに越冬場所を探して屋内へ入ることがあるとし、2〜3mmのすき間があれば入ると説明しています。ヤスデは、大阪府が梅雨のころ地面の水はけが悪くなると家の中まで入ると説明し、札幌市は雨の日の前後に壁や塀を集団で上って室内に入ることがあると説明しています。秋の発生月を示した公的資料は確認できなかったため、秋雨の時期も雨の前後に外壁と足元を確かめる、という使い方にとどめます。
秋の点検の手順は、秋の害虫・害獣対策|スズメバチ・カメムシと冬前の侵入口点検にまとめました。
冬(12〜3月)も出る害虫:チャバネゴキブリ・室内のダニ・シバンムシ
冬は害虫がいない月、と決めるのは早計です。堺市は、暖房設備の整った建物内はゴキブリが住みつきやすい環境で、季節に関係なく発生すると説明しています。日本ペストコントロール協会は、小型のチャバネゴキブリを暖かい場所を好む種とし、屋内の冷蔵庫の裏や食器棚の中で活発に繁殖すると説明しています。食品を扱う厨房や、暖房の効いたビルや集合住宅では、冬も冷蔵庫の裏や食器棚の周りを点検の対象に残します。
室内のダニについて千葉市は、相対湿度が70%以上になると繁殖しやすく、湿度が高い家ではダニの餌になるカビも生えやすいと説明しています。冬でも加湿や換気不足で湿度が上がる部屋では同じ条件になるため、湿度計で確認します。
横浜市衛生研究所は、シバンムシ類が食品を加害するのは幼虫の時期だけで、幼虫は食べ物の中で育つためなかなか見られないと説明し、代表的なタバコシバンムシとジンサンシバンムシは主として幼虫で越冬するとしています。乾物、粉類、菓子類、香辛料などは、密閉できる容器に入れて保管し、周りにくずが出ていないかを冬にも確認します。スズメバチは、神戸市の資料で11月から3月は新女王だけが越冬し、巣は空になって翌年は使われないとされています。
参考:堺市|ゴキブリ
月別の「予防・点検・相談」カレンダー
次の表は、前のセクションの公的資料の時期に合わせて、月ごとに「予防」「点検」「相談を考える目安」を整理したものです。時期は地域で前後するため、お住まいの地域の気温と過去の記録に合わせて前後させてください。
| 月 | 予防 | 点検 | 相談を考える目安 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 乾物や粉類を密閉容器へ移す。湿度計で室内の湿度を確認する | 暖房のある部屋の冷蔵庫の裏、食器棚の周り、乾物の袋の穴や粉 | 厨房やビルで、季節に関係なく成虫が見つかり続ける |
| 2月 | 換気で湿度を下げ、寝具やカーペットを掃除機で掃除する | 押し入れ、窓まわり、洗面所の隅のカビ | 天井裏や壁の中の物音が続く(動物の時期は別記事で確認) |
| 3月 | 庭の落ち葉と枯れ草を片付ける | ツバキやサザンカの葉、玄関まわり、物置の中 | 春先の庭と外周で、気になる痕跡が続く |
| 4月 | 木材や切り株など庭の湿った木材を整理し、網戸の破れを直す | 羽アリ(ヤマトシロアリは4〜5月の昼)、軒下や庭木の小さなハチの巣 | 羽アリを見つけた、ハチの巣を見つけた |
| 5月 | 植木鉢の受け皿の水を捨て、雨水ますを確認する | 浴室や洗面所の羽アリ、壁際の赤いダニ(5〜6月) | 羽アリが室内で繰り返し出る |
| 6月 | 水たまりをなくし、ためておく水は週1回程度入れ替える | ゴキブリやチョウバエの発生源、湿気のこもる収納、ムカデの隠れ場所 | 梅雨に入って虫が急に増えた |
| 7月 | 庭石やプランターの下を整理し、ペットの寝床を洗う | 軒下、生垣、庭木のハチの巣、ノミ(6〜9月) | ハチの巣が大きい、ペットや床のノミが気になる |
| 8月 | 洗濯物を取り込む前に、ハチや虫がついていないか確認する | ハチの巣(最盛期)、夜間の室内へのムカデの侵入 | 大きなスズメバチの巣を見つけた |
| 9月 | 落ち葉、収穫残さ、果実の放置をやめる。庭木を切る前にハチの出入りを見る | 巣が大きくなる時期の軒下、生垣、物置 | ボール型の大きな巣、庭や玄関近くのハチの出入り |
| 10月 | 外干しを見直し、窓枠、網戸、換気口のすき間を補修する準備をする | カメムシが入りやすい窓まわり、換気口 | 毎年多数入る、補修する範囲が広い |
| 11月 | 侵入口を補修する。排水口の水が切れていないか確認する | スズメバチの出入りが止まったか、巣が空か | 高所の空き巣や、建物内の動物の気配が続く |
| 12月 | 年末の買い置き食品を密閉容器に入れる | 暖かい厨房機器や冷蔵庫の周り、食品棚の乾物 | 年末年始の休業前に、点検の依頼先を決める |
種類別の時期記事への案内と、業者に相談する目安
月別の目安で点検して、見つかった内容に応じて個別の記事へ進めます。害獣は害獣駆除の時期はいつ?繁殖期と子育て期を避ける動物別の月早見表、建物全体の点検の組み方は建物の害獣・害虫点検を年間計画にする、季節用品の出し入れは季節用品をしまう前と出すときの害虫点検が参考になります。
相談の目安は、被害が自分で近づけない場所にあるか、同じ場所で繰り返すか、日付つきの記録が数週間分たまったか、の3つです。記録があると、業者は調査の範囲を決めやすくなります。






