梅雨に増えやすい虫と理由|湿度・雨・気温から見た3つのグループ

梅雨は、前後の時期と比べて雨が多く、日照が少なくなる季節現象です(気象庁)。千葉市は、室内の相対湿度が70%以上になるとダニが繁殖しやすく、湿度が高い家ではダニの餌になるカビも生えやすいと案内しており、カビを食べるチャタテムシも湿度のやや高い環境を好みます(東京都)。排水まわりのぬめりからはチョウバエが育ち、雨の前後には、湿った庭にいたヤスデが壁を這い上がって家に入ることがあります。ゴキブリも、暖かく湿気のある狭く暗い場所に住みつきやすい虫です。

梅雨に増えやすい虫と理由|湿度・雨・気温から見た3つのグループ:確認項目
グループ増える理由最初に点検する場所
室内の湿り(ダニ・チャタテムシ)湿度が高いとダニが増え、カビを餌にするチャタテムシも増える押入れ・収納の中、畳やカーペット、寝具、本棚や食品棚
水回り(チョウバエ・コバエ)排水パイプ内のぬめり、傷んだ果物、ごみ箱の底の残渣から発生する浴室・洗面・台所の排水口、浴槽の下、ごみ箱の底、果物の置き場
屋外から入る虫(ヤスデ・ナメクジ・ムカデ)落ち葉、石、鉢の下など湿って暗い場所に隠れ、雨の前後に動く家の周りの落ち葉・石・廃材・鉢、壁や土台の際、網戸・サッシのすき間
読者の疑問

梅雨に増える害虫には、どんなものがありますか?

比較ガイド

湿気で増えるダニやチャタテムシ、排水まわりのチョウバエやコバエ、雨の前後に家に入るヤスデ、湿った暗所を好むムカデやナメクジが代表的です。ゴキブリも暖かく湿気のある暗い場所に住みつきます。

梅雨入り・梅雨明けの地域差|気象庁の平年値で点検の時期を決める

気象庁は、梅雨入りと梅雨明けを地方ごとに「○月○日頃」と発表し、梅雨が過ぎたあとに確定値として見直します。表の平年は1991〜2020年の30年平均で、実際の年は前後します。2026年の確定値は、近畿で6月2日頃入り・7月9日頃明けでしたが、北陸と東北は6月20〜21日頃に入り、8月上旬に明けています。気象庁のこの資料に、北海道の項目はありません。

点検は、お住まいの地方の梅雨入りの平年日の1〜2週間前を目安に始めると、除湿や排水まわりの掃除、落ち葉の片付けを間に合わせやすくなります。

梅雨入り・梅雨明けの地域差|気象庁の平年値で点検の時期を決める:確認項目
地方梅雨入り(平年)梅雨明け(平年)2026年(確定値)
沖縄5月10日頃6月21日頃5月4日頃〜6月29日頃
奄美5月12日頃6月29日頃5月3日頃〜6月30日頃
九州南部5月30日頃7月15日頃5月20日頃〜7月12日頃
九州北部(山口県を含む)6月4日頃7月19日頃6月2日頃〜7月7日頃
四国6月5日頃7月17日頃6月2日頃〜7月10日頃
中国6月6日頃7月19日頃6月2日頃〜7月9日頃
近畿6月6日頃7月19日頃6月2日頃〜7月9日頃
東海6月6日頃7月19日頃6月2日頃〜7月9日頃
関東甲信6月7日頃7月19日頃6月2日頃〜7月19日頃
北陸6月11日頃7月23日頃6月20日頃〜8月3日頃
東北南部6月12日頃7月24日頃6月20日頃〜8月4日頃
東北北部6月15日頃7月28日頃6月21日頃〜8月3日頃

参考:気象庁|過去の梅雨入りと梅雨明け(確定値・平年値)(2026年10月3日確認)

室内の湿り|ダニ・チャタテムシが増えやすい場所と除湿・清掃

千葉市の案内では、家の中から多く見つかるヒョウヒダニは、床、カーペット、畳、ふとんなどどこからも検出され、食べこぼしやフケ、ホコリ、カビを餌にします。皮膚は刺さず、生体や死骸、糞を吸い込むことがアレルギーの原因になることがあります。室内の相対湿度は50〜60%が理想で、70%以上になるとダニが繁殖しやすくなります。

ダニの種類による違い

人を刺すことがあるのはツメダニで、他のダニやチャタテムシを餌にするため、それらが増えると一緒に増えることがあります(千葉市)。初夏にコンクリート住宅のベランダや壁で見る赤いダニはタカラダニで、5〜6月に大発生して相談が集中しますが、人を刺さず、数週間で自然にいなくなるとされています。室内のダニは室内のダニが気になるときで整理しています。

チャタテムシの確認

東京都の案内では、チャタテムシは体長1ミリほどでダニと間違えられやすく、カビや動植物質の細片を食べ、やや湿度の高い環境を好みます。大きな害はなく、通風と乾燥、掃除などの環境対策で増やさないようにします。本棚や食品棚で見たときは本棚や食品棚の小さな虫も参考にしてください。

  • 湿度計で相対湿度を確認し、70%を超える部屋は除湿や換気で下げる
  • ふとんは日光に干して掃除機で表面を吸引し、使っていないふとんもこまめに干す
  • 畳・カーペット・床は掃除機で吸引する(千葉市の理想は、畳1畳に約1分、カーペット1平方メートルに20秒以上)
  • 畳やカーペットは定期的に日光で乾燥させ、裏面に風を通す

参考:千葉市|身近にいるダニ

水回り|チョウバエ・コバエの発生源の点検

豊島区の案内では、チョウバエは浴室や台所の排水パイプ、下水溝、浄化槽などにたまった腐敗した汚泥(スカム)や、浴槽の下のように常に濡れて汚れた場所から発生します。刺すことはなく、汚れを落とすのが一番の駆除予防で、殺虫剤の散布は効果が一時的とされています。

東京都ペストコントロール協会の整理では、ショウジョウバエ類は傷んだ果物や野菜、漬け物などの発酵した食品とごみ箱の底の残渣から、チョウバエ類は下水口のスカムや水回りの目地の汚れから発生します。ゴキブリも暖かく湿気のある狭く暗い場所に住みつきやすく(堺市)、食べ残しや生ごみはふた付きの容器に入れ、食材は密封容器で保管する対策が案内されています(千葉市)。

長く使わない排水口は、排水トラップの水(封水)が蒸発して減ると、臭気や虫の侵入を防げなくなります。TOTOの取扱説明書は、封水が下水管からの臭気や虫の侵入を防いでいること、長期間使わないと蒸発して減ることを説明しています。確認の順番は長く使わない排水口のにおいと虫、浴室の壁の小さなハエは浴室のチョウバエにまとめています。

水回り|チョウバエ・コバエの発生源の点検:確認項目
場所発生しやすい虫点検すること
浴室・洗面・台所の排水口と排水パイプチョウバエぬめり(スカム)がたまっていないか。封水が保たれているか
浴槽の下、洗濯機まわりチョウバエ常に濡れて汚れが残っていないか
ごみ箱の底、生ごみの置き場ショウジョウバエなど底に残渣がたまっていないか。ふた付きか
果物・野菜・漬け物の置き場ショウジョウバエなど傷んだものを置きっぱなしにしていないか

参考:豊島区|チョウバエ

屋外から入る虫|ヤスデ・ナメクジ・ムカデの侵入口と家の周りの対策

札幌市の案内によると、ヤスデは石の下や堆肥の中など日当たりが悪く湿気の多い場所にいて、雨の日の前後に壁や塀を集団で這い上がり、室内に入ることがあります。咬んだり刺したりはしません。ムカデは、湿気のある狭い暗所を好み、草むら、落葉の下、石垣のすき間、庭石やブロックの下、プランターの下などにいて、冬を除く季節に見られると堺市は案内しています。

ナメクジは、アース製薬の解説によると、乾燥が苦手で、昼は鉢の下や落ち葉の下に隠れ、夜に活動し、網戸などのわずかなすき間から家に入ることもあります。対策の基本は、家の周りの落ち葉や石、廃材、鉢の直置きを片付けて隠れ場所を減らすことです。ヤスデを屋内で見つけたときは、衛生上の害はないので捕まえて外に出す方法が案内されています(札幌市)。見分けはヤスデとムカデの違いにまとめています。

ムカデに咬まれて、全身の脱力感、発熱、めまい、動悸、吐き気などが出たときは、医師の診断を受けてください(堺市)。ナメクジやカタツムリに触れたあとは、石鹸などで手を洗います。

屋外から入る虫|ヤスデ・ナメクジ・ムカデの侵入口と家の周りの対策:確認項目
虫いる場所出てくる場面家の周りの対策
ヤスデ石の下、堆肥、落ち葉など日当たりが悪く湿った場所雨の日の前後に壁や塀を集団で這い上がる落ち葉や石を片付け、壁際・土台のすき間を確認する
ムカデ草むら、落葉、石垣、庭石やブロック、プランターの下夜間に室内へ。寝具などで触れて咬まれることが多い廃材やがれきを片付け、整理整頓する
ナメクジ鉢の下、落ち葉の下夜に活動し、網戸などのすき間から入ることがある鉢を台に載せ、落ち葉や雑草を片付けて風通しをよくする

参考:札幌市保健所|住まいの虫たち ゲジ類・ヤスデ類

床下・押入れ・収納の湿気の確認|梅雨の前に見ておく場所

湿気の影響は虫だけでなく木材にも及びます。横浜市衛生研究所は、ヤマトシロアリの被害は木材の湿気が高くなる梅雨時に激しくなり、台所の流し、床下、風呂場、植木棚などに住みつくと説明しています。東京都は、湿気を好むシロアリの予防として、床下の換気をよくし、雨漏りや水漏れを放置しないなど湿気を減らすことが大切だとしています。

床下は無理に潜らず、点検口や外周から見える範囲の確認にとどめ、中の調査は専門業者に相談する方法があります。床下の換気・漏水・地面の状態の見分け方は床下の湿気と害虫対策にまとめています。押入れや収納は、天気のよい日に扉を開けて空気を入れ替え、湿度の高い部屋では除湿を併用します。

  • 外周から見える基礎まわりのひびや水たまり、雨どいの水の落ち方
  • 浴室・台所・洗面の下の水漏れの跡や、床のやわらかさ
  • 床下点検口から見える範囲の、湿った土、木材のカビ、蟻道(入らずに確認する)
  • 押入れ・収納の中の湿気やカビのにおい

参考:東京都保健医療局|シロアリ(アメリカカンザイシロアリ、ヤマトシロアリ、イエシロアリ)(2026年9月10日更新の表示を確認)

殺虫剤を使うときの表示確認と、業者・保健所に相談する目安

豊島区は蚊の発生源の案内で、殺虫剤は一時的な効果しかないため発生源の除去や改善を第一にして、使うときは用法・用量を守り、やみくもに散布しないよう勧めています。薬剤は、対象の虫、使える場所、使い方、人やペットへの注意が製品の表示に書かれているので、表示を確認してから使います。当サイトでは、希釈や用量の目安は示しません。

次のような場合は、自分での対処を続けるより、相談に切り替えます。保健所や自治体には、害虫の相談を受け付けている窓口があり(千葉市、堺市)、床下や壁の中が疑われるときは専門業者の調査が必要です。

  • 湿度を下げて掃除をしても、同じ虫が数週間以上続く
  • 排水口を掃除しても、チョウバエやコバエの発生源が分からない
  • 床下や壁の中、天井裏など、自分で確認できない場所が疑わしい
  • ムカデに咬まれる、ヤスデが大量に入る、といった状況が繰り返される
  • 乳幼児やペット、アレルギーのある人がいて、薬剤の使い方に不安がある

参考:豊島区|こんなところが蚊の発生源