春(3〜5月)に相談が増える害虫・害獣の一覧|見つけたら最初にすること
春は気温が上がり、冬を越した虫や動物が動き出します。家の周りで相談につながりやすいものを、羽アリ、ハチの巣の作り始め、毛虫、動物の出産と鳥の巣作りの4つに分けました。時期は地域と年で前後するので、表の月は目安として、お住まいの自治体の案内も合わせて確認してください。
| 何が起きるか | 時期の目安 | 見つけたら最初にすること | してはいけないこと |
|---|---|---|---|
| シロアリの羽アリ | 4〜5月ごろ(イエシロアリは6〜7月) | 写真を撮り、数匹を容器に保管する。触角・翅・腰でアリと見分ける | 羽アリだけを片付けて、床下や木材の点検を省く |
| ハチの巣の作り始め | 4月中旬〜6月(女王が1匹で巣を作る) | 巣の場所と形を、遠くから確認して記録する | 近づく、振動を与える、巣に気づかず剪定する |
| チャドクガなどの毛虫 | 4〜6月と8〜10月ごろ(地域で差がある) | 葉裏の集団や卵のかたまりを、触らずに確認する | 素手で触る、集団がいる枝を確認せずに剪定する |
| 動物の出産・鳥の巣作り | アライグマは3〜5月ごろに出産。鳥は卵やヒナがいる間 | 巣や出入りの場所・時間帯を記録して、自治体に相談する | 卵やヒナのいる巣の撤去、許可のない捕獲、中に閉じ込める封鎖 |
羽アリが出るのは何月ごろですか?
シロアリは、ヤマトシロアリが4〜5月の昼間、イエシロアリが6〜7月の夕方から夜、アメリカカンザイシロアリが5〜9月の日中(東京都)が目安で、地域や年で前後します。アリの仲間も5〜10月に種類ごとに羽アリが飛ぶため(横浜市衛生研究所)、触角・翅・腰で見分けます。
羽アリが出たとき|シロアリとアリの見分け方と調査の目安
日本しろあり対策協会のQ&Aは、羽アリの群れ飛びがシロアリの姿を人が見る唯一の時期だとして、種類ごとの時期を示しています。東京都は、ヤマトシロアリの羽アリは雨上がりの晴れて風のある日の昼間に飛ぶことが多いと案内しています。羽アリの種類と時期は、表のとおりです。
アリとシロアリの見分け方
日本しろあり対策協会は、次の3点で見分けられるとしています。ただし虫の同定は難しく、アリでもシロアリでもないこともあるため、迷ったときは写真と虫を持って、自治体の窓口に相談する方法があります(横浜市衛生研究所)。
- 触角:アリは「く」の字に折れ、シロアリは数珠状
- 翅:アリは前翅が後翅より大きく、シロアリは4枚ともほぼ同じ大きさと形
- 腰:アリは細くくびれ、シロアリはくびれがなく寸胴
室内で見つけたときの調査の目安
東京都は、羽アリの飛翔が見られた近くでは、シロアリの被害がある可能性があると説明し、シロアリの駆除は個人での対策が難しいとして専門業者への依頼をすすめています。羽や死骸は片付ける前に写真を撮り、見つけた場所をメモして、床下の湿気や木材の傷みの確認を相談します。写真の残し方は羽アリが出たら何を残すかにまとめています。
| 種類 | 羽アリが飛ぶ時期と時間帯 | 手がかり |
|---|---|---|
| ヤマトシロアリ | 4〜5月の昼間(沖縄は2月、東北・北海道は6月ごろ) | 湿った木材に住み、台所の流し、床下、風呂場などに多い |
| イエシロアリ | 6〜7月の夕方から夜。電灯に集まる | 河川や池、側溝、給配水管の近くに巣を作りやすい |
| アメリカカンザイシロアリ | 5〜9月の日中(東京都。協会のQ&Aでは6〜9月) | 乾いた木材の中に住む。軒先や窓の近くに砂粒のような糞が落ちる |
ハチの巣の作り始め|4月下旬から点検したい場所と、近づかない判断
神戸市の案内では、スズメバチもアシナガバチも、4月中旬ごろに越冬した新しい女王バチが動き出し、6月ごろに女王が1匹で巣を作って産卵と幼虫の世話をします。働きバチが生まれるのは7月上旬からで、巣が最大になるのは7月下旬〜8月中旬です。横浜市旭区は、女王が巣を作り始める4月下旬から6月は巣のハチが少ないとして、4月下旬から家の周りを点検するよう案内しています。
春に点検したい場所
神戸市の案内によると、アシナガバチは軒下、庭木、室外機の中、換気扇フードの中、草むらなどに巣を作ります。スズメバチは生垣や庭木、軒先のほか、天井裏、床下、物置の中に作る種類もいます。巣に気づかず生垣を剪定して刺されることがあるため、手入れの前に遠くから目で見て確認します。
- 軒下、換気扇フード、室外機の周り
- 生垣、庭木、低木の枝(剪定の前に)
- 物置や床下の入口、天井裏への出入口の近く(ハチの出入りがないか)
近づかない判断
巣を見つけたら、近づかない、振動を与えない、騒がないのが基本です(横浜市旭区)。巣の形でも見分けられ、アシナガバチはお椀型で六角形の穴が見え、スズメバチはボール型で出入口が一つです。東京都は、スズメバチの駆除は初期の小さな巣以外は自分で行うと危険だとしています。種類が分からないときや巣に近づく必要があるときは、自治体か専門業者に相談します。見分け方は蜂の巣の作り始めの見分け方でも確認できます。
毛虫(チャドクガ)の発生と庭木の手入れ|剪定の前に確認すること
ツバキやサザンカにつくチャドクガの幼虫は毒針毛を持ち、触れると皮膚炎を起こします。堺市は、幼虫が年2回、4月中旬ごろと8月上旬ごろから現れると案内し、横浜市衛生研究所は5〜6月と9〜10月にみられるとしています。地域で時期が違うので、春は庭木の葉裏を早めに見ておきます。
毒針毛は幼虫だけでなく、脱ぎ捨てた皮や卵のかたまり、成虫にも付きます。横浜市衛生研究所は、庭木の手入れのあとに洗濯物を着てかゆみや痛みが出る例を挙げ、毒針は風で飛ぶこともあると説明しています。集団で葉を食べている毛虫を見つけたら素手で触らず、薬剤を使う場合は製品の表示に従います。皮膚の痛みや赤み、湿疹が続くときは、医師に相談してください。
- ツバキ・サザンカなどの葉裏に、集団で葉を食べる毛虫がいないか
- 枝に、綿のような淡黄色の卵のかたまりがないか
- 洗濯物を干す場所の近くに、これらの木がないか
- 剪定は幼虫や卵のかたまりの有無を確かめてから、長袖・手袋などで肌を覆って行う
動物の出産期・鳥の巣作り|巣の撤去と封鎖に関する法律
春は、鳥が巣を作り、動物が子を産む時期に重なります。鳥獣保護管理法第8条は、鳥獣と鳥類の卵を、許可などがない限り捕獲したり採取(損傷を含む)したりしてはならないと定め、狩猟鳥獣以外を捕獲した場合などには1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の規定があります。大阪府は、巣の中に卵やヒナがいる場合は撤去できないとして、巣立ちまで見守り、巣立ち後に撤去するよう案内しています。
巣を撤去できるのは、卵もヒナもいないことを確かめたときだけです。大阪府はツバメのヒナが約2週間で巣立つと説明しています。巣を作られたくない場所は、巣立ちのあとで鳥が入れないようにする対策を先に行います。詳しくは巣に卵やヒナがあるときの確認にまとめています。
| 動物・鳥 | 春の状況 | してはいけないこと | まず相談する先 |
|---|---|---|---|
| 野鳥(ツバメなど) | 巣に卵やヒナがいる間は撤去できない | 卵やヒナのいる巣の撤去、許可のない捕獲 | 自治体の野生動物の窓口。管理者のいる建物は管理者 |
| コウモリ | 冬眠は11月ごろ〜4月ごろ。出産期は初夏(前橋市) | 許可のない捕獲、幼獣のいる6〜8月や冬眠前後の封鎖(浜松市) | 自治体の野生動物の窓口、専門業者 |
| アライグマ | 3〜5月ごろに出産(地域により夏〜秋も)。特定外来生物 | 生きたまま運ぶ、飼う、野外に放す(外来生物法で原則禁止) | 自治体の外来生物の窓口 |
| ネズミ | 春と秋が繁殖期(札幌市) | 侵入口をふさがずに、捕獲だけで終える | 侵入口の補修と、食品・ごみの管理。専門業者 |
網戸・換気口・すき間|春のうちにできる点検と季節用品の片付け
札幌市の案内は、ネズミを入れない対策として、建物の破損した場所やすき間を補修し、通路になる穴は塞ぐか網を付けるよう勧めています。ドブネズミは排水管の継ぎ目や穴から入ることも多く、コウモリは1センチほどのすき間があれば出入りできると浜松市は説明しています。動物が動き出す前に、外周を一巡して確認するのに春は向いています。
前橋市の案内は、コウモリの侵入ポイントに、窓やドアのすき間、換気口や通気口、エアコンの配管のすき間、屋根と壁のすき間を挙げています。ただし封鎖は、中に動物がいないこと、子育て期や冬眠期でないことを確かめてから行うのが前提で、春の点検は場所と状態を写真に残すところまでにとどめるのが安全です。換気を保つ考え方は換気口の破損を見つけたとき、屋根や軒は軒や屋根のすき間にまとめています。
- 網戸の破れと、サッシとの境目のすき間
- 換気口・通気口の外蓋の破損やずれ
- エアコン配管が壁を通る部分のすき間
- 屋根と壁の境目、軒の下のすき間
- 排水管の継ぎ目や、外壁を通る配管の周りの穴
業者・自治体に相談する目安|春に連絡を考える5つの場面
春の相談は、種類が分からない段階でも始められます。自治体には、駆除そのものは行わなくても、相談を受けている窓口があります。たとえば横浜市旭区はハチの駆除方法や業者の案内と、写真による種類の判断を行い、横浜市衛生研究所はシロアリの疑いがあるときは区の福祉保健センターに相談したうえで専門業者に依頼するよう案内しています。表は、場面ごとの相談先の例と、先に用意しておくとよい情報です。
迷ったときの目安は、人が刺される・咬まれるおそれがあるか、建物に被害が出ているか、鳥・コウモリ・外来種のように法律が関わる動物か、の3点です。いずれかに当たるなら、自分で作業を始める前に連絡します。時期別の害獣の見分けは害獣駆除の時期の早見表で確認できます。
| 場面 | 相談先の例 | 伝えること |
|---|---|---|
| 室内に羽アリが出た、シロアリの疑い | シロアリ防除の専門業者、自治体の衛生・環境の窓口 | 見つけた日と場所、写真、保管した虫、床下や水回りの湿気の状況 |
| ハチの巣を見つけた(種類不明、スズメバチの疑い) | 自治体の窓口、ハチ駆除の専門業者 | 巣の場所と高さ、形(お椀型かボール型)、遠くから撮った写真 |
| 毛虫が集団でいる、触れて症状が出た | 自治体の衛生害虫の窓口。症状は医療機関 | 木の種類、見つけた日、症状の経過 |
| 鳥の巣に卵やヒナがある、動物が巣にしている | 自治体の野生動物の窓口、建物の管理者 | 巣の場所、卵やヒナの有無、出入りの時間帯 |
| 天井裏から動物の音、フン、すき間の拡大 | 害獣駆除の専門業者、自治体 | 音の時間帯、フンの位置、すき間の写真 |
参考:横浜市旭区|ハチの相談






