種類別の対策ガイド

ヤスデ・ゲジの駆除・対策ガイド

湿った場所から室内に入る虫の見分け方と対策を知りたい。

ヤスデは、落ち葉や朽ち木、石や石垣の下など、湿気があって腐植質の多い場所にすむ土壌生物です。島根県益田保健所の案内では、落ち葉や朽ち木とともに菌類などを食べており、森林に隣接する住宅や寺社の周辺で多く見られます。ムカデのように人を咬むことはなく、問題になるのは見た目の不快感と強い不快臭です。長野県林業総合センターの資料も、ヤスデ類は動作が遅く植物の遺体を食べる虫で、キシャヤスデについては、成虫が大量に集まって住居周辺に現れると始末に困るため、一般に不快害虫といわれていると説明しています。

島根県の案内では、ヤスデは人家付近にたまった植物やごみから発生することもあります。大阪府の小冊子によると、ヤケヤスデは落ち葉や枯れ草のたまった場所から発生し、梅雨のころに地面の水はけが悪くなると家の中まで入ってきます。島根県の同じ案内によると、ヤスデ類は生殖時期や越冬前に集団を作ることがあり、温度と湿度の高い夜間や曇りの日に活発に動きます。外来種のヤンバルトサカヤスデは台湾原産で、国立環境研究所の侵入生物データベースには、沖縄島、奄美諸島、屋久島、八丈島、鹿児島県本土のほか、徳島県、静岡県、埼玉県、神奈川県への侵入が記載されています。

ゲジ(ゲジゲジ)はムカデに近い仲間で、長い触角を持ち、すばやく走り回ります。アース製薬の解説では、夜行性で昼間は石の下や草むらに潜み、春から秋にかけて家屋に侵入しますが、ムカデのように人を咬むことはありません。ハエ、蚊、コオロギ、クモ、ワラジムシなどの小さな虫を捕食するため、室内で見かけたときは、えさになる虫が多くないか、外から入れるすき間がないかを確かめるきっかけになります。

ヤスデ・ゲジの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
脚の付き方と動き長野県林業総合センターの資料は、ムカデとヤスデは体節ごとの脚が1対か2対かで見分けられるとしています。脚が2対ずつ付くのがヤスデで、動きが遅く植物質を食べます。ムカデは動きが速く、昆虫を捕らえる肉食性です。
ヤスデの体大阪府の小冊子はヤスデの体長を10〜25ミリとしています。外来種のヤンバルトサカヤスデは体長25〜30ミリで、淡い黄褐色の地に黒褐色の紋があります。種類を確かめたいときは触らずに写真を撮ります。
におい・分泌液ヤケヤスデは胴体の臭腺から、嫌な臭いのする暗褐色の液を出します。ヤンバルトサカヤスデは刺激すると青酸を含む悪臭ガスを放つとされるため、素手でつぶしたり触ったりしないでください。
ゲジの見た目灰黄色の体に灰緑色の3本の縦じまがあり、体長より長い触角を持ちます。脚は切れやすく、脱皮で再生します。壁や床をすばやく走る点が、動きの遅いヤスデとの分かりやすい違いです。
出やすい時期と天気ヤケヤスデは梅雨のころに屋内へ入りやすく、ヤスデ類は湿度の高い夜や曇りの日に活発になります。ヤンバルトサカヤスデは雨上がりの蒸し暑い日に集団で移動し、繁殖期は10〜11月とされています。
発生源建物の周りに落ち葉、枯れ草、腐った木材、積んだままの植物やごみがないか、日当たりと水はけの悪い場所がないかを見ます。多く見かけた場所を覚えておくと、発生源を絞り込みやすくなります。

法律・制度上の注意

ヤスデ・ゲジの対策で気をつけたいのは薬剤の使い方です。島根県益田保健所は、薬剤で駆除する場合はその害虫に適した薬剤を適した方法で使う必要があるとして、薬剤師など専門家への相談を勧め、事故を防ぐため使用量と使用方法に十分注意するよう案内しています。殺虫剤は、製品の表示に書かれた対象害虫、使用場所、使用量を守って使ってください。外来種のヤンバルトサカヤスデは、国立環境研究所の侵入生物データベースで、土や植物の運搬に伴って広がると考えられているため、発生している地域で土や鉢植えを動かすときは、付着がないか確かめると安心です。

自分でできる対策

  • 建物の周りの落ち葉、枯れ草、腐った木材を取り除き、ヤスデのえさと隠れ場所を減らします。
  • 庭木を剪定し、排水を整えて、日当たりと風通しをよくし、地面を乾きやすくします。草刈りや側溝の掃除も発生の予防になります。
  • 多く見かけた場所と日時、天気を記録し、可能であれば虫を保管して種類を確かめます。種類と発生源が分かると対策を選びやすくなります。
  • 侵入を防ぐ方法として、大阪府の小冊子は粘着テープを裏返して巻き付けておく方法を紹介しています。出入口まわりのすき間もあわせて確認します。
  • 殺虫剤を使う場合は、対象にヤスデなどが書かれた製品を選び、表示どおりに使います。島根県は薬剤を建物の周囲に帯状にまく方法を、大阪府は粉剤や粒剤を帯状にまく方法を紹介しています。

相談を考える目安

  • 発生場所が広く、多数のヤスデが続けて壁を登ったり屋内に入ったりして、掃除や片づけでは追いつかない。
  • 発生源が隣地、空き地、側溝など自分で管理していない場所にあるときは、所有者や管理者、市区町村の窓口に相談する。
  • 集合住宅の共用部や植え込みで発生しているときは、自分で薬剤をまく前に管理会社や管理組合へ連絡する。
  • 薬剤の選び方や使い方に迷う、乳幼児やペットがいて散布に不安があるときは、薬剤師や専門の駆除業者に相談する。

ヤスデ・ゲジのよくある質問

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジの違いは何ですか?
人を咬むのはムカデです。ヤスデは体節ごとの脚が2対で動きが遅く、落ち葉などの植物質を食べ、島根県の案内でも人を咬むことはないとされています。ムカデは脚が1対で動きが速い肉食性です。ゲジは体長より長い触角を持ち、すばやく走って小さな虫を捕らえます。アース製薬は、ゲジもムカデのように人を咬むことはないと説明しています。
ヤスデが大量発生するのはなぜですか?
落ち葉や枯れ草など腐った植物がたまり、湿った場所が近くにあるためです。島根県の案内では、日当たりが悪く湿った腐植物の多い土が発生場所で、生殖時期や越冬前に集団を作ることがあります。大阪府は、梅雨のころに地面の水はけが悪くなると家の中まで入ってくると説明しています。
ヤスデに毒はありますか?刺したり咬んだりしますか?
ヤスデは人を咬みません。島根県の案内でも、ヤスデ類による問題は見た目の不快感と強い不快臭とされています。ただし、臭腺から嫌な臭いの液を出す種類があり、外来種のヤンバルトサカヤスデは刺激すると青酸を含む悪臭ガスを放つとされます。素手で触らず、ほうきとちりとりで集めてください。
ゲジゲジが家に出るのはなぜですか?駆除したほうがよいですか?
ゲジは夜行性で、春から秋にかけて家屋に入ることがあります。ハエ、蚊、クモなどの小さな虫を食べ、人を咬むことはないとされています。不快な場合は、表示に対象として書かれた殺虫剤を使うか外へ出し、あわせて、えさになる虫と侵入できるすき間を減らしてください。
ヤスデの駆除に粉の殺虫剤は使えますか?
使えます。島根県の案内は粉剤などを建物の周囲に帯状にまく方法を、大阪府の小冊子は粉剤や粒剤を帯状にまく方法を紹介しています。ただし大阪府は、発生場所が広く大発生すると駆除は困難としています。薬剤だけに頼らず、落ち葉の除去と乾燥を先に行い、製品の表示にある使用場所と使用量を守ってください。

参考(確認日:2026年10月3日):島根県|衛生害虫の相談について(ヤスデ)、長野県林業総合センター|キシャヤスデの発生について(ムカデとの比較、PDF)、大阪府|身のまわり ちょっと気になる いやな虫(小冊子・ヤスデ)、アース製薬|お家の虫を判定する・ゲジ(ゲジゲジ)、国立環境研究所|侵入生物データベース・ヤンバルトサカヤスデ

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