種類別の対策ガイド
毛虫(チャドクガなど)の駆除・対策ガイド
庭木の毛虫による皮膚炎の予防と、駆除の時期・方法を知りたい。
毛虫はチョウやガの幼虫で、すべてに毒があるわけではありません。日本皮膚科学会の解説によると、皮膚炎を起こすのは有毒の毛を持つ一部の種類で、毒針毛を持つドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)やカレハガ類、毒のとげを持つイラガ類がこれに当たり、ドクガ類の毒針毛は長さ0.1〜0.2ミリの微細なものです。都市部や市街地ではツバキやサザンカにつくチャドクガの被害が多く、庭木の手入れの後に発症する例のほか、毛虫に触れた覚えがないのに皮膚炎が出る例も意外に多いとされています。
チャドクガは、卵から成虫まで全期間を通じて毒針毛を持っています。茅ヶ崎市の案内では、毒針毛は長さ0.1ミリほどで風に乗って飛び、卵の表面を覆う毛、成虫の体、幼虫の脱皮殻にも残ります。幼虫は年2回、4〜6月と8〜9月ごろに発生し、気候によって時期がずれたり、年3回発生したりすることもあります。堺市は、幼虫の時期が始まるのを4月中旬ごろと8月上旬ごろと案内しています。
イラガ類では、サクラ、カエデ、バラ、クスノキなどにつくヒロヘリアオイラガの被害が、主に西日本の人家周辺で多発しています。触れた瞬間にピリピリした激しい痛みが出る点が、かゆみが中心のドクガ類とは異なります。どちらの場合も、対策の基本は、幼虫が小さく集まっているうちに見つけ、毛やとげに触れない方法で取り除くことです。
毛虫(チャドクガなど)の被害を見分ける手がかり
| 手がかり | 特徴と確認のしかた |
|---|---|
| 発生する木 | チャドクガはツバキ、サザンカ、チャなどツバキ科の木に発生します。ヒロヘリアオイラガはサクラ、カエデ、バラ、クスノキなどにつきます。庭にこれらの木があれば、重点的に確認します。 |
| 幼虫の並び方 | チャドクガの若い幼虫は、頭をそろえて葉の上に並んで食べる習性があり、成長すると分散します。堺市の案内では、幼虫の体長は20〜25ミリで、全体に黄褐色に見えます。 |
| 食害の痕 | ふ化した幼虫は葉の裏から表皮を残して食べ、成長すると葉の縁から食べます。葉が透けたり欠けたりしていたら、近づきすぎずに葉の裏に幼虫がいないかを見ます。 |
| 卵のかたまり | チャドクガは葉の裏に黄色い毛玉のような卵のかたまりを産み、この状態で冬を越します。表面を覆う毛は毒針毛なので、見つけても素手で触らないでください。 |
| 皮膚の症状 | ドクガ類では、激しいかゆみを伴う赤いブツブツが首や腕に集中して多発し、掻くと増えていきます。イラガ類では、触れた瞬間に激しい痛みと赤みが出て、1〜2時間でいったん治まります。 |
| 成虫・脱皮殻 | 堺市の案内では、チャドクガの成虫(ガ)は7〜10月ごろに発生します。成虫の体や幼虫の脱皮殻、死んだ幼虫にも毒針毛が残るため、毛虫がいなくなった後の木にも注意します。 |
法律・制度上の注意
チャドクガの駆除は、発生している場所の土地の所有者や管理者が行うものとされています(茅ヶ崎市の案内)。庭木に殺虫剤を使う場合は、農薬取締法に基づいて登録され、その植物に適用のある農薬を、ラベルに書かれた使用方法と注意事項を守って使います。農林水産省と環境省の通知は、住宅地等の植栽について、定期的な散布をやめて被害部分の剪定や捕殺で対応するよう最大限努めること、やむを得ず散布するときは風の弱い日や時間帯を選び、事前に周辺へ知らせることなどを、守るべき事項として示しています。省令でも、住宅地やその近くで農薬を使うときは飛散を防ぐ措置に努めることが定められています。
自分でできる対策
- ツバキやサザンカは、4月と8月ごろを目安に葉の裏を確認し、幼虫が1枚の葉に群がっている小さいうちに見つけます。
- 取り除くときは、長袖、長ズボン、ゴム手袋、マスク、メガネなどで肌を出さないようにし、幼虫のいる葉に袋をかぶせて枝ごと切り取ります。
- 殺虫剤は園芸用で、その木に使えると表示された製品を選び、風上から使います。落ちてくる幼虫や、木に残った毛にも触れないようにします。
- 成虫のガは追い回したり殺虫剤をかけたりせず、止まったところを濡れた雑巾や重ねたティッシュペーパーで押さえ、毒針毛を散らさずに捕まえます。
- 切り取った枝葉は袋の口を閉じ、自治体の分別に従って出します。茅ヶ崎市は、収集する人への注意として袋に「毛虫注意」と表示するよう呼びかけています。
相談を考える目安
- 幼虫が木全体に広がっている、高い木や大きな生垣で安全に作業できないときは、専門の駆除業者へ依頼する。
- 皮膚の症状が水ぶくれになった、範囲が広いときは皮膚科を受診し、目に入ったときは水で十分に洗い流してから眼科を受診する。
- 隣の敷地、公園、街路樹、集合住宅の共用部など、自分の管理でない木に発生しているときは、所有者や管理者に知らせる。
- 毎年同じ木に発生するときは、発生前の予防や、剪定・植え替えを含めた管理の方法を業者に相談する。
毛虫(チャドクガなど)のよくある質問
- 毛虫の発生時期はいつですか?
- 庭木で被害の多いチャドクガの幼虫は、年2回発生します。茅ヶ崎市は4〜6月と8〜9月ごろ、堺市は幼虫の時期の始まりを4月中旬ごろと8月上旬ごろと案内しています。気候によって時期がずれたり、年3回発生したりすることもあるため、春と夏の終わりに葉の裏を確認してください。
- 毛虫に刺されたら(触れたら)どうすればよいですか?
- チャドクガなどドクガ類の毒針毛に触れたときは、掻いたりこすったりせず、セロハンテープなどの粘着テープで皮膚に付いた毒針毛をそっと取り除き、石けんと流水で洗い流します。日本皮膚科学会は、この方法で被害を最小限にとどめられるとしています。水ぶくれになった、範囲が広い、症状が強いときは、皮膚科を受診してください。
- 毛虫に触っていないのにかぶれるのはなぜですか?
- チャドクガの毒針毛は長さ0.1ミリほどと微細で、風に乗って飛ぶためです。茅ヶ崎市の案内では、毒針毛は幼虫だけでなく、卵のかたまり、成虫、脱皮殻にも残ります。庭木の手入れ中に気づかず触れたり、飛んできた毛が皮膚に付いたりして発症するため、発生中の木には近づかないようにします。
- 毛虫の駆除はいつ、どの方法でするのがよいですか?
- 幼虫が小さく、1枚の葉に群がっている時期に、葉に袋をかぶせて枝ごと切り取る方法が向いています。茅ヶ崎市は4月と8月ごろを目安に挙げています。数が多いときは園芸用の殺虫剤を使いますが、木全体に広がると個人での駆除は難しくなるため、無理をせず専門の業者に依頼してください。
- 毛虫はすべて毒を持っていますか?
- いいえ、毒を持つのは一部です。日本皮膚科学会によると、皮膚炎を起こすのは、毒針毛を持つドクガ類やカレハガ類、毒のとげを持つイラガ類など、有毒の毛を持つ毛虫に触れた場合だけです。ただし種類の見分けは難しいため、庭木の毛虫は素手で触らず、肌を出さない服装で作業してください。
参考(確認日:2026年10月3日):茅ヶ崎市|チャドクガにご注意ください!、堺市|相談の多いくらしの虫たち チャドクガ、日本皮膚科学会|皮膚科Q&A 虫刺され Q11 ケムシに触れるとどうなりますか?、日本皮膚科学会|皮膚科Q&A 虫刺され Q14 ケムシの対策はどうすればよいですか?、農林水産省|住宅地等における農薬使用について(平成25年4月26日付け通知)
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