種類別の対策ガイド

食品・衣類の害虫の駆除・対策ガイド

シバンムシやメイガなど、食品棚や衣類に出る虫の発生源を知りたい。

台所の棚や居間で見かける小さな褐色の甲虫や、ひらひら飛ぶ小さな蛾は、乾燥食品から発生した虫かもしれません。代表的なのはシバンムシ類とノシメマダラメイガです。横浜市衛生研究所によると、家庭で見かけるシバンムシ類はタバコシバンムシとジンサンシバンムシが代表的で、米や麦、小麦粉、菓子、香辛料、ソバ、乾燥果実など幅広い乾燥食品を加害します。ノシメマダラメイガも、穀類、粉類、乾燥果実、チョコレートやクッキーなどの菓子、木の実を加害します。

どちらも食品を食べるのは幼虫の時期だけです。シバンムシ類の幼虫は食べ物の中で育ってさなぎになり、成虫が穴を開けて出てきます。ノシメマダラメイガは成虫が容器の周りに卵を産み、かえった小さな幼虫がわずかなすき間から中へ入り込みます。強いあごで包装を食い破ることもあるため、未開封の食品でも包装だけでは防ぎきれません。見かけた成虫を退治するだけでなく、発生源になっている食品を探すことが対策の中心になります。

衣類では、カツオブシムシ類とイガが代表的です。さいたま市健康科学研究センターによると、家屋内で被害を出すカツオブシムシ類は日本で20種以上知られ、毛織物やじゅうたんなど動物性の繊維、かつお節や煮干しなど動物性の乾燥食品、貯蔵穀物を好む種類がいます。幼虫や成虫が家の中で越冬するため、タンスの中や長く保存した乾燥食品から幼虫や脱皮殻が見つかります。イガは成虫が4〜7ミリメートルほどの蛾で、東京文化財研究所は、毛を使ったもの、服、羽毛、絹などを食害すると説明しています。

食品・衣類の害虫の被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
シバンムシの成虫体長2.5ミリメートルほどの褐色の甲虫で、ゴマ粒くらいの大きさです。台所の棚の上や窓際を歩き、明かりに向かって飛ぶこともあります。成虫を見かけたら、近くに発生源の食品がないかを調べます。
食品の穴とくずソバやそうめんの束、チョコレートなどに小さな穴がいくつも開いている場合は、シバンムシの成虫が出てきた跡です。幼虫は食品の中にいて見えにくいため、周りに落ちた細かなくずを目印にします。
ノシメマダラメイガ成虫は、静止すると羽の前半が灰褐色、後半が赤褐色の2色に分かれて見えます。幼虫は乳白色のイモムシ状で、食品や容器の内側にオレンジがかった小さな粒や、くもの巣のような白い糸が残ります。
カツオブシムシの幼虫と脱皮殻成熟した幼虫は、ヒメマルカツオブシムシで約4ミリメートル、ヒメカツオブシムシで約9ミリメートルです。タンスや押入れの中、長く保存した乾燥食品から、幼虫や脱皮殻が見つかります。
衣類の虫食い毛織のセーターやじゅうたんなど、動物性の繊維でできた物に穴が開きます。食べ物や汗が付いたままの衣類は食べられやすいため、長くしまっていたウールや絹の衣類から確認します。
イガの蓑イガの幼虫は、食べた材料で細長い紡錘形の蓑を作り、その中で生活します。食害された物の近くで空の蓑がよく見つかり、明るい窓辺で小さな蛾が死んでいることが多いとされています。

法律・制度上の注意

食品・衣類の害虫への対策で守るべきことは、薬剤の表示です。殺虫剤や衣類用の防虫剤を使うときは、製品に表示された対象の虫、使える場所、使い方に従い、食品を置く棚の周りでは表示の注意をよく確認します。虫の種類を正確に見分けるのは難しいため、横浜市は、疑わしいときは虫を持って区の福祉保健センターへ相談するよう市民に案内しています。お住まいの地域の相談先は、保健所や自治体の衛生担当の窓口で確認してください。

自分でできる対策

  • 成虫を見かけた場所の近くから、小麦粉、乾麺、菓子、香辛料、乾燥果実などを順に確認し、穴、くず、糸、幼虫が見つかった食品を処分します。
  • 乾燥食品は、未開封でも袋のままにせず、パッキン付きの容器など、しっかり密閉できるプラスチック製や金属製の容器に入れて保管します。
  • 食品の収納場所にたまった食品かすを定期的に掃除し、高温・多湿を避けて保管します。長くしまったままの乾燥食品がないかも見直します。
  • 衣類は、長期間しまう前に洗濯して食べこぼしや汗の汚れを落とします。ときどき虫干しをし、タンスや押入れにたまった毛くずを掃除します。
  • 毛や絹の衣類は、防虫剤を製品の表示どおりに使い、密閉できる容器で保管します。窓辺の小さな蛾や空の蓑を見つけたら、近くの収納を確認します。

相談を考える目安

  • 発生源と思われる食品を処分して掃除をしても成虫が繰り返し出る場合は、畳や書籍など食品以外の発生源も含めて、専門業者に調査を相談する。
  • 虫の種類が分からず、どこを探せばよいか判断できないときは、虫を容器に入れて保健所など自治体の窓口に相談する。
  • シバンムシが出ている部屋で小さな虫に刺される被害があるときは、皮膚の症状を医療機関に相談し、発生源の調査を検討する。
  • 飲食店、食品の倉庫、集合住宅の共用部など、自分だけで発生源を処分できない場所で発生しているときは、管理者や専門業者に連絡する。

食品・衣類の害虫のよくある質問

シバンムシはどこから発生しますか?
多くは家の中にある乾燥食品です。横浜市衛生研究所によると、シバンムシ類は米や麦、小麦粉、菓子、香辛料、ソバ、シイタケ、乾燥果実など乾燥した植物質を加害し、幼虫は食べ物の中で育ちます。成虫が出てきた食品には多数の穴が残るため、棚の奥の食品を一つずつ確認してください。畳や書籍、植物の標本などが発生源になる種類もいます。
シバンムシは人を刺したり噛んだりしますか?
出典にした公的機関の資料には、シバンムシ自体が人を刺すという説明はありません。ただし東京文化財研究所は、タバコシバンムシの幼虫に寄生するハチであるシバンムシアリガタバチが、人を刺すことがあると注意しています。シバンムシが出ている部屋で刺される被害があるときは、まず発生源になっている食品などを探して取り除いてください。
シバンムシとカツオブシムシの違いは?
食べる物と見つかる場所が違います。シバンムシ類は乾麺、粉類、菓子、香辛料など乾燥した植物質の食品を中心に加害し、成虫は2.5ミリメートルほどの褐色の甲虫です。カツオブシムシ類には、毛織物やじゅうたんなど動物性の繊維や、かつお節・煮干しなど動物性の乾燥食品を好む種類がいて、タンスの中からも幼虫や脱皮殻が見つかります。
米や小麦粉に出る白いイモムシと小さな蛾は何ですか?
まず疑われるのはノシメマダラメイガです。横浜市衛生研究所は、食品や容器の内側にオレンジがかった小さな粒がたくさん付いている、くもの巣のような白い糸がある、という特徴があればこの虫を疑ってよいとしています。食品を食べるのは幼虫だけで、成虫は容器の周りに卵を産みます。残りの食品は、しっかり密閉できる容器に移して保管してください。
衣類の虫食いを防ぐにはどうすればよいですか?
しまう前の洗濯、虫干し、収納場所の掃除が基本です。さいたま市健康科学研究センターは、食べ物や汗が付いた衣類は食べられやすいため長期間保管する前に洗濯すること、幼虫は風通しの悪い場所にいることが多いため定期的に虫干しをすること、タンスや押入れの毛くずを掃除することを挙げています。防虫剤は製品の表示に従って使います。

参考(確認日:2026年10月2日):横浜市衛生研究所|食品の管理は大丈夫ですか?その1 ノシメマダラメイガ、横浜市衛生研究所|食品の管理は大丈夫ですか?その2 シバンムシ類、さいたま市健康科学研究センター|衣類や食品を食べる害虫「カツオブシムシ類」、東京文化財研究所|文化財害虫検索・イガ、東京文化財研究所|文化財害虫検索・タバコシバンムシ

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