屋根裏にアライグマがいるときの連絡先|まず市区町村の担当窓口

屋根裏から足音がする、天井にシミが出たといった被害は、まず市区町村の担当窓口に相談するのが基本です。東京都は、被害にあったときは、まず各区市町の環境部署や清掃部署に問い合わせるよう案内しています。環境省の手引きによると、地方公共団体でアライグマの防除に関わるのは主に環境部局と農政部局で、名称や担当は自治体ごとに違います。

アライグマは特定外来生物で、2023年に施行された改正外来生物法では、都道府県に必要な措置を講じる責務が、市町村にはそれに努めることが定められました(手引き)。そのため多くの自治体が防除実施計画を作り、箱わなの貸出や設置などの事業を行っています。ただし、事業の内容も対象も自治体で違い、屋根裏の被害が対象か、目撃だけでは対象外か、といった条件が決まっています。

連絡の前に用意すること

板橋区は、被害のある建物の所有者または管理者からの依頼を条件にしています。賃貸住宅の場合は、管理会社や大家に先に連絡し、窓口を確認してください。次の情報があると、窓口でのやり取りが短くなります。

  • 音や鳴き声の日時と時間帯
  • 天井のシミ、においの変化、フンの位置(触らずに写真)
  • 足跡・爪痕、屋根や軒の様子(地上から撮った写真)
  • 住所と、建物の所有者か管理者か

動物の種類が分からないとき

板橋区の事業は、アライグマかハクビシンの被害が対象で、それ以外の動物は対象外です。動物がアライグマか分からない場合は、自己負担を判断したうえで自分で専門業者へ依頼するよう案内しています。種類が分からなくても窓口には相談できますが、事業の対象かどうかは自治体ごとに確認が必要です。侵入の手がかりは アライグマは屋根裏にどこから入る? にまとめています。

参考:東京都環境局|被害を防ぐために(アライグマ・ハクビシン)

読者の疑問

屋根裏のアライグマは、誰に頼めばよいですか?

比較ガイド

最初は市区町村の担当窓口です。捕獲は自治体の事業や許可を得た人、業者が担い、封鎖・清掃・補修は所有者が業者へ依頼する例が多く見られます。自治体ごとに条件が違うので、窓口で確認します。

自治体が担う部分と、住宅所有者が手配する部分|工程表

屋根裏のアライグマへの対応は、一社が最初から最後までを行う形だけではありません。自治体の案内を読むと、捕獲の部分は自治体の事業や許可を得た人が担い、侵入口の封鎖、フン尿の清掃・消毒、補修は所有者が手配する、という分け方が見られます。次の工程表は、板橋区・横浜市・札幌市の案内をもとに、一般的な分担を整理したものです。実際の分担は自治体ごとに違うため、窓口で確認してください。

自治体が担う部分と、住宅所有者が手配する部分|工程表:確認項目
工程主に担うのは自治体の案内に見られる例
1. 相談・現地の聞き取り所有者から自治体へ連絡板橋区:所有者または管理者の依頼、事前調査への立ち会いが条件
2. 捕獲(箱わなの設置・回収・処分)自治体の委託業者、または許可を得た人板橋区:設置から処分まで区が費用を負担。横浜市:専門業者が設置・回収。札幌市:市が委託した業者が敷地内に設置
3. 毎日の見回り・餌の準備所有者(依頼者)板橋区:毎日の見回りが条件で、餌は利用者が用意。札幌市:見回りと餌の準備・交換は依頼者
4. 侵入口の封鎖所有者が業者へ依頼板橋区:進入路を塞ぐ施工は自己負担。横浜市:足音が止まったあとに点検し、修繕は専門業者へ
5. フン尿の撤去・清掃・消毒所有者が業者へ依頼板橋区:自己負担で専門業者へ。札幌市:屋根裏のフン清掃・消毒は民間業者へ(自己負担)
6. 断熱材・天井板の補修所有者(見積もりで確認)今回確認した自治体のページに、事業に含むとの記載は見当たらなかった
7. 再侵入の点検所有者と、施工した業者施工後の保証や点検の有無は、見積書と契約書で確認する

参考:板橋区|アライグマ(特定外来生物)の被害について

自治体の案内を比べる|板橋区・横浜市・札幌市・神戸市・熊本市(2026年10月3日確認)

五つの自治体の公式ページを、2026年10月3日に確認しました。型の違う例を並べたもので、お住まいの地域の制度とは限りません。事業の型も、費用を自治体が負担する形(板橋区)、期間や回数・予算に上限がある形(横浜市)、貸出で見回りは本人が行う形(札幌市)、無償の貸出と相談ダイヤルの形(神戸市)、情報提供が中心の形(熊本市)と分かれており、「自治体が全部やってくれる」とは限りません。掲載内容は更新されるため、相談前に最新のページと窓口で確認してください。

自治体の案内を比べる|板橋区・横浜市・札幌市・神戸市・熊本市(2026年10月3日確認):確認項目
自治体(ページの更新日)屋根裏の被害への対応所有者側の条件・自己負担
板橋区(2026年6月30日)屋根裏への侵入被害が対象。区が委託した専門業者が箱わなを設置し、設置から処分まで区が費用を負担所有者または管理者の依頼、立ち会い、毎日の見回り。設置期間はページでは原則1週間(最長4週間)で年度内1回(リーフレットには最長2週間との記載もあるため窓口で確認)。封鎖・清掃・消毒は自己負担
横浜市(2026年9月16日)屋根裏等に侵入されている場合に限り、専門業者による箱わなの設置・回収を行う場合がある設置期間は年度内で1人2週間まで、利用は年1回。ページには、今年度は予算の上限に達して終了したとの記載。追い出し後の修繕は専門業者へ
札幌市(2026年3月31日)箱わな貸出制度。市が委託した専門業者が敷地内に設置し、最長4週間、年2回まで。年間の受付数に上限がある毎日の見回りと餌の準備は依頼者。自分で捕獲する場合は許可が必要。屋根裏のフン清掃・消毒は民間業者へ(自己負担)
神戸市(2026年5月28日)鳥獣相談ダイヤル(8時〜21時、年中無休)。自分の敷地で捕獲を希望する場合は、無償で捕獲檻を貸出侵入口の点検・修理や、ねぐらをなくす対策は所有者。屋根裏への侵入を放置しないよう注意喚起
熊本市(2026年6月9日)アライグマと思われる動物を見たら環境政策課へ連絡。目撃と捕獲の件数を公表近づかず、写真や動画を撮るよう案内。屋根裏の被害向けの捕獲事業の記載は確認できなかった

参考:横浜市|野生動物による生活被害について

捕獲までの流れと、誰が行うか

アライグマの捕獲は、鳥獣保護管理法の許可、または外来生物法に基づく防除の枠組みの中で行います。許可や従事者の位置づけがないまま、自分で箱わなを仕掛けたり、捕まえた個体を預かったりすることはできません。法律の違いは アライグマ駆除の法律と許可 にまとめています。

自治体の事業を使う

板橋区や横浜市のように、自治体が委託した専門業者が箱わなを設置・回収する場合、捕獲した個体を所有者が運ぶ必要はなく、捕獲されたら速やかに区や業者へ連絡する流れです。わなにペットなどの対象外の動物がかかったときの扱いは、自治体の指示に従います。札幌市は、ペットなどが誤ってかかった場合は速やかに放すよう案内しています。

自分で許可を受けて捕獲する

札幌市は、自分でわなを設置する場合は有害鳥獣捕獲許可の申請が必要で、垣根や柵で囲まれた住宅敷地内なら、市の許可があれば、わな猟免許は不要と案内しています。柵のない開けた場所では、免許も必要です。横浜市は、許可証・従事者証の交付を受けた個人が捕獲したときは、市が契約した専門業者が回収に伺うと案内しています。

業者に依頼する

町田市の資料(2021年時点)は、住宅などに被害を及ぼすアライグマやハクビシンの駆除を行う専門業者は、あらかじめ許可等の手続きを取っているため、法律に違反せず捕獲できると説明し、金額の判断のために複数の業者から見積もりを取ることを勧めています。依頼するときは、どの許可・認定の位置づけで捕獲するのかを、説明してもらいましょう。

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

追い出し・侵入口の封鎖・清掃の順番|捕獲のあとに気配が止まったか確認する

公的な案内から読み取れる順番は、捕獲や追い出しで屋根裏の個体がいなくなったことを確かめてから、侵入口を点検して塞ぐ、という流れです。横浜市は、追い出したあと、足音などが聞こえなくなってから、建物基礎の通風孔、屋根の重なり、戸袋の底、増築部のすき間を点検し、必要に応じて専門業者に修繕を依頼するよう案内しています。兵庫の資料(2011年)は、出入り口は、餌を探しに外へ出たことを確認してから塞ぐとしています。

清掃や補修を封鎖の前に行うか後に行うかは、建物の状態や業者の工程で変わります。次の表は一般的な例で、前後することがあります。順番とその理由を、見積もりの時点で工程表にしてもらうと、作業の抜けが分かります。全体の考え方は 害獣の追い出し・封鎖・清掃はどの順番? にあります。追い出しだけでは、逃げた個体が別の家で被害を起こすことがあると、東京都は説明しています。

追い出し・侵入口の封鎖・清掃の順番|捕獲のあとに気配が止まったか確認する:確認項目
順番作業進める前に確認すること
1捕獲(または追い出し)屋根裏に子がいないか、自治体や業者に伝えたか。薬剤を使う場合は製品の表示に従う
2気配が止まったかの確認足音・鳴き声・においが止まったか。業者の調査で、出入りがないことを確認したか
3侵入口の点検と封鎖弱い部材の補修を含むか。ほかのすき間も点検したか(侵入口は1か所とは限らない)
4フン尿の撤去・清掃・消毒範囲、断熱材や天井板の扱い、消毒を含むか
5補修・復旧断熱材・天井板の交換や復旧の範囲、完了報告の有無
6再点検施工後の音・フン・においの経過。保証や点検の内容

参考:横浜市|野生動物による生活被害について

幼獣がいるかもしれないときの進め方

手引きによると、アライグマの出産は主に3〜5月で、冬の2月頃に家屋へ入って繁殖場所を確保することも多いとされます。屋根裏に入られた時期が春から初夏なら、子育て中の可能性を考えます。手引きは、捕獲した個体が成獣のメスや幼獣だった場合、その場所の周辺で繁殖している証拠になるとも述べています(体重が3kg以下なら、おおむね幼獣)。

子の鳴き声が聞こえるとき、親が捕獲されたあとも気配が続くときは、自治体や業者にそのことを伝えます。自分で屋根裏に入って確かめたり、子を持ち出したりしないでください。生きた個体を運ぶこと自体が法律で制限されているためです。親子を見かけたときの確認は アライグマの親子を見かけたら にあります。

  • 春から初夏は、子育て中の可能性を前提にする
  • 幼獣や授乳中らしい個体が捕獲されたら、そのことを窓口と業者に伝える
  • 子の声や気配が続くうちは、塞がない、触らない

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

自治体が対応しない作業を業者に頼むときの確認|見積もりと契約

封鎖・清掃・消毒・補修は、自治体の事業の対象外とする例が見られ、所有者が業者に依頼することになります。国民生活センターは、害虫・害獣駆除サービスの相談が増えており、ネットに安い料金を表示した業者に来てもらうと、実際には表示とかけ離れた高額な見積もりを示される事例が多いと注意を呼びかけています。

同センターが同じページで公表した報告書は、料金が「基本料金」「〜円から」と表示されていても、現場の状況次第でその料金で頼めるとは限らないこと、複数の業者から見積もりを取ること、契約書面に「一式」とだけ書かれた事例が問題であること、訪問販売に当たる場合は契約書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフができる場合があることを示しています。おかしいと思ったら、消費者ホットライン188に相談できます。見積書の比べ方は 害獣清掃の見積書を比べる確認票 にあります。

  • 封鎖の場所の数、位置、使う材料、固定方法が書かれているか
  • 清掃の範囲と、消毒を含むか
  • 断熱材・天井板の交換や復旧の扱い
  • 追加料金が出る条件と、作業を途中で止めた場合の扱い
  • 保証の範囲(同じ場所か、別の侵入口は対象外か)と期間

参考:国民生活センター|害虫・害獣駆除のトラブルにご注意

工程ごとに残す記録と、再侵入を防ぐ点検

工程ごとに記録を残すと、封鎖のあとに新しい被害が出たとき、どの工程の範囲かを確認できます。神戸市は、侵入口は1か所とは限らず、床下や土台の換気口、屋根の換気口、壁面の穴、戸袋の底などを定期的に点検・修理するよう案内しています。施工後も、季節の変わり目などに、地上から同じ場所を見直す習慣をつけると、再侵入に早く気づけます。

工事が終わったときの確認は 工事が終わったら何を確認する? で、見積書と照らし合わせる方法を紹介しています。

工程ごとに残す記録と、再侵入を防ぐ点検:確認項目
工程残す記録書面・見積もりで確認すること
相談連絡日、窓口名、担当者、説明された条件事業の対象か、自己負担になる作業は何か
捕獲設置日、回収日、見回りの記録、ほかの動物がかかったときの連絡個体の回収と処分は誰が行うか
封鎖施工前後の写真、封鎖箇所の位置、使った材料場所ごとの数量、保証の対象範囲
清掃・消毒・補修範囲、前後の写真、交換した断熱材や天井板対象外の作業(奥まで届かない部分など)の扱い
完了後音・フン・においの経過メモ完了報告書、保証書、点検の有無

参考:神戸市|アライグマ被害対策