アライグマ駆除で自治体と業者の役割が分かれる理由

アライグマは外来生物法で特定外来生物に指定されています。環境省の説明では、飼育・保管・運搬や、野外へ放つこと、譲渡などが原則として禁止されており、捕まえた個体を、個人が生きたまま持ち帰ったり、別の場所で放したりすることはできません。捕獲そのものも、許可や防除の枠組みなど、法律で決められた手続きの中で行う仕組みです。

このため、自治体が箱わなの貸出や設置、捕獲個体の回収を受け持ち、屋根裏のフン清掃や消毒などは民間の業者に自己負担で相談するよう案内している例があります(札幌市など)。環境省の手引きは、屋根裏への侵入による糞尿の汚損や、壁の中で断熱材が巣材にされる被害を挙げています。捕獲だけでは建物は元に戻らないため、封鎖・清掃・補修を誰が担当するかを分けて確認しておきます。

アライグマ駆除で自治体と業者の役割が分かれる理由:確認項目
作業自治体の案内に見られる例業者に頼む場合の確認点
庭など屋外での箱わな柏市は自宅敷地の屋外に設置し、申込みは委託業者へ直接。札幌市は貸出・設置が最長4週間・年2回までで、毎日の見回りは依頼者捕獲の許可や従事者の扱いを誰が行うか
屋根裏・室内での捕獲柏市は屋根裏・室内・屋上への設置を断っている。札幌市は屋根裏のフン清掃・消毒などを民間の専門業者へ案内屋根裏で捕獲するのか、追い出すのかの手順の説明
捕獲個体の回収・処分横浜市は許可証・従事者証の発行後に捕獲した個体を、市が契約した専門業者が回収。札幌市は、自分で捕獲して処分が難しい場合に委託業者が無料で引き取る見積もりに回収・処分が含まれるか
侵入口の封鎖横浜市は、追い出し後に侵入口を点検し、必要に応じて専門業者へ修繕を頼むよう案内封鎖の箇所数・材料・保証の範囲
糞尿の清掃・消毒札幌市は屋根裏のフン清掃・消毒を、民間の専門業者へ自己負担で相談するよう案内清掃・消毒の範囲と、断熱材の撤去・交換の扱い

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

読者の疑問

アライグマ駆除の業者ランキングを見て選んでもよいですか?

比較ガイド

順位は、あなたの家の構造や地域の制度を反映しません。捕獲手続きの説明、侵入口の封鎖、清掃・消毒、保証の4点を、複数社の見積書で同じ条件にそろえて比べるほうが、自宅に合う業者を見つけやすくなります。

アライグマの捕獲手続きを業者がどう説明するか|許可と防除の違い

業者を比べるとき、最初に見たいのは作業の速さや金額より、捕獲の手続きを制度に沿って説明できるかどうかです。説明が曖昧な業者は、許可の名義や回収の担当が後から食い違うおそれがあります。

鳥獣保護管理法の許可捕獲と、外来生物法の防除

環境省の手引きは、アライグマの捕獲を2つの制度に分けて整理しています。鳥獣保護管理法の許可捕獲では、被害を受けた人、またはその人から依頼を受けた人が、都道府県知事(一部は市町村長に移譲)などの許可権者に申請して許可を受けます。外来生物法に基づく防除では、都道府県が内容を公示し、市町村は防除実施計画を示して環境省の確認を受け、民間事業者や個人は計画に示して環境省の認定を受ける形が示されています。

狩猟免許を持たない人の扱いも制度で違います。許可捕獲では、わなの設置や止めさしは原則としてできず、見回りやエサの設置までが可能です。ただし、建物内や農地での被害を防ぐ目的で、土地の所有者が自ら小型の箱わなで捕獲する場合は、免許がなくても許可を申請でき、捕獲した個体を適切に処分できることが条件とされています。

「許可は要らない」「捕まえて遠くへ放す」と言われたとき

特定外来生物は、生きたままの運搬や飼養、野外へ放つことが外来生物法で規制されています。環境省の手引きも、捕獲した個体は防除を行う主体の責任で適切に処分し、個人的な持ち帰りや野外への放置を慎むよう求めています。一方で、捕獲個体の一時的な保管と、処分のための運搬は可能とされています。「捕まえて山へ放す」といった説明は、この規制と合いません。見積もりの場では、次の4点を聞いてみてください。

  • 誰の名義で許可や従事者証を取るのか(依頼者か、業者か)
  • 申請の手続きは誰が行い、費用は見積書のどこに入っているか
  • 捕獲した個体を、誰が、どこへ運び、どう処分するか
  • 捕獲するのか、追い出して封鎖するのか。追い出す場合は幼獣の有無をどう確認するか

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

自治体の捕獲器貸出がある場合の進め方

庭や畑など屋外での捕獲は、自治体の貸出制度で足りることがあります。ただし、制度の中身は自治体ごとに違います。札幌市は市が委託した専門業者が敷地内に箱わなを設置する方式で、貸出・設置は最長1か月(4週間)、年2回までとされています。柏市は申込みも捕獲後の連絡も、市ではなく市の委託業者へ直接行う方式です。次の表は、2026年10月3日に開いた各市のページの表示です。

進め方は3段階です。まず、住んでいる自治体の窓口(環境、農政、鳥獣対策の担当)で、貸出や設置の有無と、対象になる場所を確認します。次に、屋根裏や室内が対象外と案内された場合は、その部分だけを業者に調査してもらいます。最後に、自治体の制度で捕獲する部分と、業者に頼む封鎖・清掃を、同じ時期に進めるか順番にするかを決めます。各市の条件は、柏市のアライグマ駆除、札幌市の箱わな貸出、横浜市の屋根裏のはこわな事業の記事で個別に紹介しています。

見回れない時期の対応も、申込み前に聞いておくと安心です。柏市は、委託業者が終日休業する日に合わせて、設置中の箱わなを一時的に撤収する、または扉を閉めるといった協力を利用者に呼びかけていました(2026年10月3日に確認した表示)。札幌市のように、毎日の見回りとエサの準備そのものが利用の条件になっている自治体もあります。

自治体の捕獲器貸出がある場合の進め方:確認項目
自治体(確認した表示)設置・貸出の条件依頼者側の負担・注意
札幌市(2026年3月31日更新と表示)市が委託した専門業者が敷地内に箱わなを設置。貸出・設置は最長1か月(4週間)、年2回まで。年間の受付数に上限があり、上限に達すると受付終了毎日の見回りと、誘引用のエサの準備・交換は依頼者。ペットなどが誤ってかかった場合は速やかに放す
柏市(2026年9月21日更新と表示)自宅敷地の屋外(庭・玄関先)に設置。屋根裏・室内・屋上、道路、第三者が所有する場所は設置不可。申込みと捕獲後の連絡は委託業者へ直接自分で用意したわなにかかった場合は回収されず、自分で探した業者へ自費で依頼。かかったアライグマは咬まれるおそれがあるため触らない
横浜市個人が捕獲する場合は許可が必要(アライグマは被害がなくても申請可)。許可証・従事者証の発行後、捕獲した個体は市が契約した専門業者が回収住居内に侵入された場合の専門業者によるはこわな設置事業は、今年度は予算上限に達して終了と表示

参考:札幌市|アライグマについて

屋根裏に定着している場合に業者へ頼む範囲

屋根裏に住みついた場合、捕獲だけでは終わりません。環境省の手引きによると、アライグマは通常、年に1回春に3〜6頭を出産し、2月ごろの厳冬期に家屋へ入り込んで繁殖の場所を確保することが多いとされています。屋根裏の足音や天井のシミがあれば、幼獣がいる可能性も含めて業者に伝えます。親子を引き離したり天井裏に閉じ込めたりしないための確認は、アライグマの親子を見かけたときの確認にまとめています。

侵入口の封鎖

横浜市は、追い出しに成功しても侵入口を残すと再び入られるおそれがあるとして、建物基礎の通風孔、屋根と屋根が重なる空間、雨戸の戸袋の底、増築部分の接続部などを点検し、必要に応じて専門業者へ修繕を頼むよう案内しています。業者の見積書では、封鎖する場所の数、材料、固定方法が分けて書かれているかを見ます。考え方は侵入口はいつ塞ぐかで補えます。

糞尿の清掃・消毒と衛生面の注意

環境省の手引きは、血液や糞便などに触れない、長袖・長ズボンと手袋を使う、作業後に手を洗うといった感染症予防の留意点を示しています。咬まれたり引っかかれたりした場合や、作業後に体調が変わった場合は、感染症の可能性を伝えて医療機関に相談するとも書かれています。屋根裏の糞尿を自分で集める必要はなく、素手で触らないでください。清掃と消毒の範囲は害獣清掃の見積書の読み方で確認しながら業者に頼みます。

天井板・断熱材の復旧

屋根裏の断熱材が巣材にされたり、尿でぬれたりした場合は、清掃だけでなく撤去や交換が必要になることがあります。見積書で、断熱材と天井板の補修が別の行になっているか、別の業者に分けて頼む場合の施工順をどうするかを確認します。戻す断熱材の厚さやつなぎ目、換気の確保も、作業内容として書面に示してもらいます。

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

アライグマ駆除業者を比べる基準の表(捕獲手続き・封鎖・清掃消毒・保証)

ここまでの役割分担を、業者を比べる基準に置き直します。順位を作らないのは、同じ金額でも含まれる作業が違い、建物の構造や地域の制度で必要な作業が変わるためです。下の表の5項目を、2〜3社の説明と見積書で同じ物差しにそろえてください。

この表は評価点ではなく、質問の道具です。保証は年数が長いほど安心とは限らず、何が対象で、どの条件で外れるかが書かれているかが大切です。詳しくは保証の年数より先に見る5項目を、見積書の内訳は「駆除一式」の見積書の分け方を参照してください。

アライグマ駆除業者を比べる基準の表(捕獲手続き・封鎖・清掃消毒・保証):確認項目
基準見積もり時に説明してもらうこと聞き返したい説明
捕獲手続きの説明捕獲するのか追い出すのかを分け、許可や従事者の名義、申請の担当、捕獲個体の回収・処分までを、言葉と書面で説明する「許可は要らない」「捕まえて遠くへ放す」など制度と合わない説明。申請費用の扱いが不明
侵入口の封鎖屋根・軒・換気口・基礎などの候補を写真で示し、箇所数、材料、固定方法を書く封鎖の記載がない、または「一式」だけ。追い出しだけで終わる契約
清掃・消毒清掃する区画と範囲、消毒の有無、断熱材の撤去・交換の有無を分けて書く清掃が含まれるか不明。別料金の条件が示されない
保証・再訪保証の対象(再侵入か、再捕獲か)、期間、再訪の回数と時期、適用条件を書面で示す年数だけを強調し、条件や限度が書かれていない
調査・見積もり屋根裏や外周を実際に確認し、写真つきの報告と内訳つきの見積書を出す現地を見ずに電話で金額を決める。その場での契約を急がせる

各社公式ページの料金・保証表示の読み方(2026年10月3日確認)

公式ページに載るアライグマの料金は、金額の桁が大きく違います。これは安い・高いの差ではなく、含まれる作業が違うためです。2026年10月3日に開いたページの表示を、独自の相場にせず、金額、含む作業、保証の書き方に分けて並べます。地域や建物で金額は変わるため、数字はあなたの家の見積もりではありません。

同じ「アライグマ駆除」でも、追い出しを前提とする会社、捕獲の申請を前提とする会社、初期対応と封鎖・清掃を分ける会社があり、説明の型が違います。自分の家で捕獲が必要か、追い出しで足りるか、自治体の制度を使うかは、見積もりの前には決まっていないことが多いため、各社に同じ質問をして答えをそろえます。費用の内訳はアライグマ駆除の費用と、自治体の支援の分け方で別の表にまとめています。

各社公式ページの料金・保証表示の読み方(2026年10月3日確認):確認項目
事業者(確認したページ)料金の表示捕獲・追い出しの説明保証・アフターの表示
アサンテ(害虫・害獣・鳥類対策、アライグマ防除)アライグマ対策200,000円〜(税込・税抜の記載なし)。調査・見積もりは無料、施工は有料。付帯工事は見積もり段階で金額を提示鳥獣保護管理法で管理され、捕獲や駆除(殺処分)には申請や資格が必要と説明し、捕獲や駆除はせず追い出しを行うとする。侵入経路の特定・遮断、薬剤での追い出し、状況により一方通行扉、糞清掃を含むと表示保証制度は設けず、1〜6か月の契約期間内は無償で対応。点検は初回作業の10〜14日後と、さらに2週間後と掲載
プログラント(熊本・佐賀・福岡の料金表)アライグマ13,200円〜(税込、初期対応料金の目安)。ページの最終更新日は2026年9月29日と表示被害状況・侵入口の確認と、捕獲・追い出しの方針の確認を含む。侵入口封鎖、糞尿清掃、殺菌消毒、消臭、断熱材の撤去・交換、高所作業、足場、捕獲申請は、現地調査後の正式見積もり通常5年、条件により最大10年と表示。アライグマは捕獲・追い出し・封鎖施工の内容に応じて保証内容を案内
駆除ザウルス(害獣・害虫駆除の料金ページ)基本料金は税込25,000円〜。総額は被害状況、建物の広さ、侵入口を塞ぐ箇所数で変わると説明ネズミ以外の害獣は許可なしでは捕獲できないとし、自治体への捕獲申請のうえで捕獲し、法律に基づき処分すると説明最長10年の再発保証と表示。保証期間は建物の構造等で前後するとの注記あり

参考:株式会社アサンテ|害虫・害獣・鳥類対策(料金目安・よくある質問)

アライグマ駆除が高いと感じたときの見積もりの見方

国民生活センターは2026年7月23日の見守り情報で、ネットで「500円〜」と表示していた業者に蜂の巣の駆除を頼み、約15万円を請求された相談事例を挙げ、現場の状況次第では表示された最低料金で依頼できるとは限らないと注意しています。複数社から見積もりを取り、不安をあおるなどして比較する機会を奪う事業者とは契約しないよう助言しています。

アライグマの見積書は、作業ごとに行を分けると、高い理由と安い理由が見えます。次の5行に分けてもらい、自治体の制度で代わりに受けられる行があれば、その行だけ外せないかを相談します。補助や支援の制度の探し方は害獣駆除の補助金・助成金の調べ方にまとめています。

  • 調査・見積もり(無料か、出張や高所の調査費が別かどうか)
  • 捕獲または追い出し(手続きと、回収・処分の扱いを含む)
  • 侵入口の封鎖(箇所数・材料・固定方法)
  • 糞尿の清掃・消毒・消臭(区画と範囲)
  • 断熱材・天井板の補修と、保証・再訪

参考:国民生活センター|ネットの価格と全然違う!?害虫駆除サービスのトラブルに注意(2026年7月23日)

見積もりで聞く質問例(アライグマ駆除業者)

電話や現地調査の場で、次の質問を同じ順番で各社に聞くと、答えを並べて比べられます。答えは口頭で終わらせず、見積書や作業内容の書面に、その場で書いてもらいます。

  • アライグマを捕獲しますか。追い出して封鎖しますか。それぞれの場合の手続きは何ですか
  • 許可や従事者証は誰の名義で、申請は誰が行い、費用はどこに入っていますか
  • 捕獲した個体は誰が回収し、どう処分しますか
  • 屋根裏に幼獣がいる可能性があるとき、どう確認して、閉じ込めを避けますか
  • 封鎖する場所は何か所で、どの材料でどう固定しますか
  • 糞尿の清掃・消毒、断熱材の撤去・交換は含まれますか。別料金の条件は何ですか
  • 保証の対象と期間、再訪の回数、保証が外れる条件を書面でもらえますか
  • 自治体の箱わな貸出と併用する場合、見積もりから外せる作業はありますか
  • 他社の見積もりと比べる時間をもらえますか