福岡市のアライグマ相談は、被害の種類で窓口が分かれる
福岡市の特定外来生物「アライグマ」のページでは、箱わなの貸出、委託業者による捕獲、防除従事者の登録に関する相談は環境局の自然共生課、農業被害に関する相談は農林水産局の農業振興・イノシシ等対策担当と案内されています。同じアライグマの被害でも、庭やごみ置き場の被害と畑の食害では窓口が違うため、最初に被害の場所と内容を分けて伝えることが大切です。
市が生活環境の被害として挙げているのは、ごみを荒らされた、家庭菜園の野菜や果物を食べられた、庭のメダカや金魚を食べられた、糞尿で家屋や庭が汚されたといった例です。市に寄せられたアライグマの相談・情報提供は、2023年度が99件、2024年度が146件、2025年度が231件と増えています。アライグマ以外の可能性がある情報も含む件数ですが、早めに相談しておくと手続きに入りやすくなります。
| 被害や希望 | 福岡市の窓口 | 市の案内の要点 |
|---|---|---|
| 庭・ごみ置き場・家庭菜園・金魚やメダカの被害、糞尿の汚れ | 環境局 自然共生課 | 箱わなの貸出と委託業者の捕獲を相談できる |
| 畑・農作物の被害 | 農林水産局 農業振興・イノシシ等対策担当 | 箱わなの貸出と委託捕獲は農業被害が対象外 |
| 家屋に住み着いていて駆除したい | 民間の害獣駆除業者 | 電話帳の「消毒業」欄や、環境省の認定事業者の掲載を案内 |
| 自分で捕獲許可を取りたい | 農林水産局 森づくり推進課 | 鳥獣保護管理法に基づく有害鳥獣捕獲許可 |
福岡市で畑の被害にも箱わなを借りられますか。
市の案内では、箱わなの貸出も委託業者による捕獲も、農業被害は対象外です。農業被害は、農林水産局の農業振興・イノシシ等対策担当に相談します。
箱わなの貸出は、登録した人が対象|原則2週間・1基・無料
貸出の対象は、防除従事者の登録を受けていて、アライグマによる生活環境の被害を受けている人です。貸出期間は原則2週間、貸出数は1基、費用は無料ですが、軍手や餌は借りる人の負担です。箱わなは区役所の総務担当課で引き取り、返却もその区で行います。在庫には限りがあり、なければ順番を待つことになります。
登録の対象は、県のアライグマ防除講習会を受講した人か、わな猟免許を持つ人です。市独自の計画に基づく登録の受付は行っておらず、県計画に基づく従事者登録を申請します。登録を受けると、狩猟免許がなくても、福岡市内でアライグマに限って箱わなで捕獲できます。申請には従事者届出書のほか、活動に関する同意書、受講証明書または狩猟免状の写し、本人確認書類の写し、設置場所の図面が必要です。
登録申請から従事者証の交付まで時間がかかると、市は案内しています。借りたい日から逆算せず、被害が続くなら早めに自然共生課へ相談し、登録の手続きと在庫の状況をあわせて確認しましょう。
| 項目 | 市の案内の内容 |
|---|---|
| 対象 | 防除従事者の登録を受け、生活環境の被害がある人(農業被害は対象外) |
| 貸出の目安 | 原則2週間・1基・無料(軍手や餌は借りる人の負担) |
| 設置場所 | 福岡市内の自己所有地または管理地で、安全を確保できる場所 |
| 引き取りと返却 | 設置する場所のある区の区役所 総務担当課。洗浄してから返却 |
| 防除に使う箱わなの大きさ | 幅35センチ、奥行90センチ、高さ50センチより小さいもの |
登録なしで頼める、委託業者による無料の捕獲
防除従事者の登録がなくても使える方法として、市の委託業者が箱わなを使ってアライグマを捕獲する対応が、無料で用意されています。依頼先は自然共生課で、事前に被害の状況や箱わなを置ける場所かどうかを詳しく聞き取られます。設置は依頼者の立会いのもとで行われ、場所は屋外に限られます。
設置後の毎日の見回りと餌の補充は、依頼者の役目です。業者に任せればすべて終わるわけではなく、毎日の確認が必要な点は、貸出と同じです。流れは次のとおりです。
- 自然共生課に電話やメールで連絡し、被害の状況を伝える
- 設置日時について、委託業者から連絡を受ける
- 依頼者が立ち会い、業者が箱わなを設置する
- 設置後は、依頼者が毎日見回りと餌の補充を行う
- アライグマが捕獲されたら、依頼者が委託業者に連絡する
- 業者が回収日時を調整し、箱わなごと回収する
回収は平日のみ|土日祝日の前は扉を閉める
市の案内では、捕獲されたアライグマの回収は平日のみです。そのため、土曜・日曜・祝日とその前日、年末年始(12月27日から1月5日)は、貸出の箱わなは扉を閉めておくよう求められています。委託業者による捕獲の場合は、同じ期間は箱わなの前に障害物を置く、と案内されています。
旅行や出張で数日家を空ける予定があるなら、その期間は設置を避けるなど、予定との兼ね合いを先に考えておくと安心です。連休の直前に借りると、扉を閉めて使えない日が増えます。
市は、アライグマにむやみに近づくと咬まれたり引っかかれたりするおそれがあり、感染症を媒介する可能性もあるとして、絶対に近づかないよう案内しています。咬まれた場合は、病院を受診するよう求めています。特定外来生物のアライグマを生きたまま運んだり放したりすることは、外来生物法で規制されています。自分で別の場所へ運ばず、回収を待ちます。
屋根裏に住み着いている場合は、市の制度の外にある
委託捕獲は箱わなを屋外に設置する方法で、貸出と委託捕獲のどちらも、設置場所は福岡市内の自己所有地または管理地です。屋根裏に住み着いた個体の追い出し、侵入口の封鎖、糞尿の清掃や消毒を市が行うとは、案内ページに書かれていません。市は、家屋に侵入して住み着いているなど、駆除したい場合は民間の害獣駆除業者に相談するよう別に案内しています。屋根裏に定着したアライグマについて業者へ頼む範囲と、業者を比べる項目は、アライグマ駆除業者を比べる基準で整理しています。
業者に相談する前に、天井裏から音がするときの最初の確認で状況を整理し、侵入口の考え方はすき間をふさぐ順番と材料で確認しておくと、説明しやすくなります。清掃や消毒を頼む場合は、駆除後の清掃の範囲も見積りの前に確かめてください。屋根裏に入られた場合の追い出し・封鎖・清掃の費用の内訳は、アライグマ駆除の費用・相場にまとめています。
登録・許可・狩猟の別ルートと、講習会の時期
自分で捕獲する別の道として、鳥獣保護管理法に基づく有害鳥獣捕獲許可があり、窓口は農林水産局の森づくり推進課と案内されています。アライグマは狩猟鳥獣でもあるため、狩猟期間中は狩猟も可能で、市内での狩猟は福岡農林事務所の農山村振興課が相談先です。
県のアライグマ防除講習会は、2026年度は6月2日から7月27日にかけて、県内4会場での開催が案内されていました。市の防除講習会も、2026年9月8日の実施として案内されていました。いずれも2026年10月3日時点では終了しているため、次の開催日は市と県の公式案内で確認してください。
相談前に準備する情報と、賃貸・集合住宅で確認すること
自然共生課には、被害が出ている場所(庭、ごみ置き場、家庭菜園、屋根裏)、気づいた時期、見た日時、足跡やフンの位置、箱わなを置ける自己所有地や管理地があるかを伝えます。市の案内は、タヌキやアナグマと見分ける最大の特徴を尻尾のしま模様としています。動物を見た場合は、尾の模様を思い出しておくと役立ちます。アライグマとタヌキの見分け方も参考になります。
賃貸住宅や集合住宅では、箱わなの設置場所が自分の管理する場所かどうかが問題になります。ベランダや共用部、敷地の植え込みは管理会社や貸主の承諾が必要になることがあるため、借りる前に連絡してください。賃貸で害獣に気づいたときの連絡の順番を先に確認しておくと、話がスムーズです。






