春日市のアライグマ対策は2通り|無料の委託わなか、従事者証で自分で捕獲か

春日市は、アライグマが特定外来生物に指定されており、在来生物への影響、農作物の被害、住居への侵入や家庭ごみを荒らすなどの生活被害があるとして、市のアライグマ防除実施計画を定めています。市内でも目撃されるようになったと案内され、被害に遭ったり見かけたりしたときは、環境課の生活環境担当へ連絡するよう求めています。

市が行う対策事業は主に2つです。ひとつは市の委託業者による箱わなの設置、もうひとつは福岡県アライグマ防除実施計画に基づく防除で、県の講習を受けた人が市に登録して箱わなで捕獲する方法です。どちらを選ぶかは、被害の場所、毎日見回れるか、わなを借りられる時期かで決まります。

春日市のアライグマ対策は2通り|無料の委託わなか、従事者証で自分で捕獲か:確認項目
項目委託業者による防除従事者証+箱わなの貸出
費用無料わなの貸出は無料
誰が動くか業者がわなを設置・回収。依頼者は見回りなどを担う従事者証を持つ本人が捕獲する
前提アライグマによる生活環境の被害がある。事前に被害状況を確認県の講習会を受講し、市で従事者証を受け取る
期間設置は原則2週間貸出は14日以内(場合により延長)、1人1台まで
使える場所依頼者の私有地の敷地内春日市内のみ(市外では使わない)
注意在庫がないとすぐには対応できない。家屋内のアライグマは対応できない場合がある貸出状況によってはすぐ借りられない。第三者への再貸出は不可

参考:春日市|アライグマ

読者の疑問

春日市のアライグマ駆除は無料ですか?

比較ガイド

委託業者による箱わなの設置は無料で、従事者証を持つ人への箱わなの貸出も無料です。民間の業者に頼む場合の費用は別なので、市の制度が使えるかを先に環境課へ確認してください。

委託業者による防除|申請から回収までの流れ

申請は春日市役所3階の環境課で受け付けます。アライグマ防除依頼書兼指示書に必要事項を記入して提出すると、環境課が委託業者に連絡し、箱わなの設置日時を調整して設置日を決めます。このとき、申請受付済証が交付されます。その後、業者が箱わなを設置し、設置期間は原則2週間です。

設置期間が終わったら、依頼者が連絡し、業者が箱わなを回収します。アライグマが捕獲された場合や、別の動物が捕獲された場合は、業者へ直接連絡します。対象は、アライグマによる生活環境の被害がある人で、事前に被害の状況などの確認があります。何の動物による被害か分からない段階では、先に環境課へ状況を伝えて相談しましょう。

  • 依頼書兼指示書を記入し、環境課へ提出する
  • 環境課が業者と日程を調整し、設置日を決める(申請受付済証を交付)
  • 業者が箱わなを設置する(原則2週間)
  • 捕獲があったときは、業者へ直接連絡する
  • 設置期間の終了後に連絡し、業者が箱わなを回収する

参考:春日市|春日市委託業者によるアライグマの防除

委託わなで依頼者がすること|毎日の確認と、金曜午後から祝日の扉

利用者側の役割も案内されています。毎日箱わなを確認し、エサの補充が必要なときは補充します。金曜日の午後、土曜日、日曜日、祝日は業者が回収できないため、依頼者が箱わなの扉を閉じておくよう求められています。閉じ忘れると、回収できない日に動物が入ってしまうおそれがあるため、設置日を決める時点で、見回れない日がないかを確認しておきましょう。

市の案内は、アライグマの危険性や周囲の環境を考えたうえで依頼するよう求めています。アライグマは気性が荒く、触れようと近づくと危険で、人に感染する病原体を持っている可能性もあるとされています。わなの中の動物に近づいたり、のぞき込んだりせず、必要な連絡だけを業者に入れてください。

参考:春日市|春日市委託業者によるアライグマの防除

従事者証で箱わなを借りる|県の講習から市への登録、貸出条件まで

県のアライグマ防除実施計画は、防除従事者が不足している現状を踏まえ、計画期間中はまず捕獲体制の確立と生息数の低下を目指すとしています。従事者証を取って自分で捕獲する方法は、この計画に基づく仕組みで、春日市は2026年9月4日時点で計画に参加する市町村に入っています。

県の講習会を受ける

福岡県は、捕獲に従事する人を養成する講習会を開いています。県の案内では、受講したうえで計画に参加する市町村の窓口で登録手続きをすれば、狩猟免許がなくても、アライグマに限り箱わなで捕獲できます。2026年の講習は、6月2日から7月27日にかけて県内4会場で開かれ、福岡県内にお住まいの18歳以上が対象で、参加は無料でした。次の開催の有無は、県の公式ページで確認してください。

春日市で従事者として登録する

講習の受講証明書を持って環境課へ行き、従事者の届出書を提出します。わなの設置場所の確認や捕獲の留意点の説明を受け、後日、環境課から従事者証発行の連絡が来たら再び来所し、説明を受けて従事者証と必要書類を受け取ります。届出書の提出から交付までは時間がかかるため、被害が大きくなってから慌てず、早めに動いておきたい手続きです。狩猟免許がある人は、免許も持参します。自分で持っている箱わなを使いたい場合は、別途相談するよう案内されています。

従事者証を使って箱わなを借りる

貸出の対象は、外来生物法に基づくアライグマ防除の従事者証の交付を受けた人です。借りられる期間は受け取った日から14日以内(場合により延長可)、1人1台まで、費用は無料です。従事者証を提示して捕獲器申請書を出し、使い方の説明を受けて受け取り、返却予定日までに環境課へ持参して返します。

  • 使うのは春日市内だけ。市外では使わない
  • 第三者への再貸出や、アライグマ捕獲以外の用途には使わない
  • 捕獲器の盗難や破損は、責任を持って弁償する
  • 使用に伴う問題は、自分の責任で解決する
  • 貸出の状況によっては、すぐには借りられない。事前に問い合わせる

参考:春日市|福岡県アライグマ防除実施計画による防除

捕獲報償金は1頭3,000円|条件と、申請前に相談したい点

市は、アライグマの捕獲に対して1頭3,000円の報償金を設けています。対象になるのは、従事者証の交付を受けていて、春日市内でアライグマを捕獲し、そのアライグマを市が指定した場所へ自分で搬入できる人です。暴力団排除条例に関する要件もあります。要件はすべて満たす必要があるため、従事者証を持たずに委託業者の無料わなを利用しただけの場合は、報償金の対象になりません。

申請は環境課の窓口か、公式サイトから申請書をダウンロードして行います。必要なものは、振込先口座が分かるもの、捕獲したアライグマの写真、報償金の交付申請書兼請求書、防除従事者の活動報告書です。予算に限りがあり、要件に合わない場合や予算額に達したときは受け付けられないため、申請を考えている人は、事前に電話かメールで相談するよう案内されています。

参考:春日市|アライグマ捕獲報償金

市が対応しないこと|アライグマ以外の動物と、屋根裏に入った場合

委託業者の防除はアライグマ専用で、アライグマ以外の動物には対応できません。家屋内にいるアライグマにも、対応できない場合があるとされています。また春日市は、タヌキやイタチが自宅へ入ってくるなどの生活被害について、捕獲や駆除の対応は行っておらず、専門業者へ相談するよう案内しています。専門業者が分からないときは、環境課に相談できます。

野生鳥獣は、鳥獣保護管理法により、捕獲や鳥類の卵の採取が原則禁止されています。自宅の屋根裏に動物が入って糞尿の被害があるといった生活被害では、例外として有害鳥獣捕獲許可を受けて捕獲できますが、狩猟免許が必要になる場合もあり、許可にはさまざまな条件があります。許可なく自分で捕まえようとせず、屋根裏の音への最初の対応を整理したうえで、窓口や業者に状況を伝えましょう。

参考:春日市|野生鳥獣の捕獲

アライグマを生きたまま運ぶ・放すのは規制の対象

アライグマは特定外来生物で、外来生物法により、飼育、栽培、保管、運搬が原則として禁止され、野外へ放つことも原則として禁止されています。環境省の案内では、研究目的などで逃げ出さないように適正に管理できる施設を持っているといった特別な場合に限り、許可されるとされています。捕まえたからといって、遠くへ運んで放すことはできません。市の防除の枠で運ぶ場合は、市が決めた搬入先や手順に従います。

ふだんの住まいでは、エサを与えない、屋外にペットの餌や家庭ごみを置きっぱなしにしない、床下や屋根裏のすき間をふさぐといった予防が、市と県の案内に共通して挙がっています。庭の被害の見分け方はアライグマが庭に来たときの確認、侵入口の工事は侵入口を塞ぐ時期の考え方の記事が参考になります。

参考:環境省|日本の外来種対策・外来生物法「何が禁止されているの?」

相談前に準備すること|被害の記録と、賃貸・集合住宅の連絡先

環境課に連絡する前に、いつ、どこで、何を見たか、どんな被害(庭の果実、ごみの散乱、天井裏の音、フン)かをメモしておきます。委託業者の防除は依頼者の私有地の敷地内にわなを置くため、置きたい場所が自分の敷地内かも確認します。写真があれば、足跡やフンの位置を伝えやすくなります。足跡の見分け方はアライグマの足跡の見分け方も参考になります。

賃貸住宅や集合住宅では、敷地や建物の管理者の承諾が必要になる場合があります。わなを置く場所が自分の借りている区画の外なら、先に管理会社や家主へ連絡してください。民間の業者に頼むときは、先に金額を聞き、納得できなければ断るという県の消費者向けの助言を守り、複数の見積もりを比べると安心です。