久留米市は動物の種類ごとに担当課を分けている
久留米市は、野生鳥獣による生活環境の被害について、各部局の業務に沿って役割を定め、通報先を分けています。イノシシとサル、犬猫以外の野生小動物は農政部の農村森林整備課、アライグマ、カラス、カワラバト、スズメバチ、ヘビなどは環境部の環境保全課が受け付けます。通報は電話で、対応は平日の8時30分から17時15分までです。夜間や休日の通報は、翌日の対応になります。
同じ庭の被害でも、見た動物によって電話先が変わります。何の動物か分からないときは、見た場所、大きさ、尾や足跡の特徴など、分かる範囲を整理して、環境保全課か農村森林整備課のどちらかに相談し、担当を確認します。
| 動物・内容 | 担当 | 市の案内の要点 |
|---|---|---|
| イノシシ・サル | 農政部 農村森林整備課 | 平日8:30〜17:15の電話対応 |
| 犬猫以外の野生小動物(アライグマを除く) | 農政部 農村森林整備課 | 民有地の被害は市が捕獲・駆除しない |
| アライグマ | 環境部 環境保全課 | 登録後のわな貸出と、捕獲後の回収 |
| カラス・カワラバト | 環境部 環境保全課 | 民有地の被害は市が捕獲・駆除しない |
| スズメバチ・ヘビなど | 環境部 環境保全課 | 民有地の被害は市が捕獲・駆除しない |
| 死亡した動物 | 環境部 資源循環推進課 | 平日のみの対応 |
| 野生鳥獣の保護 | 北筑後保健福祉環境事務所 | 平日のみの対応 |
久留米市はアライグマ以外の動物も捕まえてくれますか。
民有地の野生小動物、カラス、カワラバト、虫や爬虫類による生活環境被害は、市が捕獲や駆除を行っていません。アライグマは、登録した人に市がわなを貸し出す形で対応します。
民有地の被害は市が駆除しない|巣やフンは管理者が対策する
市の通報対応機関表には、民有地における野生小動物、カラス、カワラバト、虫や爬虫類による生活環境被害については、市による捕獲や駆除は行っていないと注記されています。アライグマだけが、後述する登録制の貸出で例外的に扱われます。
鳥類の被害について市は、野生の鳥獣は鳥獣保護管理法の保護対象で、原則として捕獲や殺傷はできないため、土地や建物の所有者・管理者が追い払う、寄せ付けないといった対策をとることが基本と案内しています。ベランダに巣をつくられた場合の目安も示されており、卵やヒナがいるときは巣立つまで見守り、卵やヒナがいない、または巣立った後の巣は、手袋とマスクを着けて撤去し、燃やせるごみとして処分します。
電柱や電線、道路、公園、公共施設にとまる鳥のフンや巣は、設備ごとに管理者が違うため、市の案内でも管理者ごとの問い合わせ先が示されています。ごみ集積所のカラス被害は、地域ごとの担当課に相談します。自分の敷地の外で起きている被害を、自分で処理しようとしないことも大切です。
賃貸住宅や集合住宅に住んでいる場合は、被害が専有部分か共用部分かで連絡先が変わります。屋根裏、外壁、共用廊下などは貸主や管理会社の管理にあたることが多く、わなの設置や業者の立ち入りにも承諾が必要になることがあります。市の窓口へ相談する前に管理者へ状況を伝え、賃貸で害獣に気づいたときの連絡の順番も確認してください。
アライグマ捕獲わなを借りる手続き|登録、貸出申請、受け取り
久留米市では、被害が広がっているアライグマ対策として、捕獲器具(箱わな)の無料貸出を行っています。アライグマを含む鳥獣は原則として捕獲が禁止されているため、市は、申請によってアライグマに限り捕獲できる仕組みにしています。借りる前に必要なのは、捕獲従事者の登録申請と、捕獲器具の貸出申請の二つです。貸出のページの更新日は2021年8月ですが、2026年7月更新の市のアライグマのページも、被害にあっている場合はこの貸出のページを確認するよう案内しています。
登録できるのは、わな猟免許を持っているか、その年度に市や関係機関などが実施する講習会等を受講していて、かつ久留米市内に土地を所有するか、事務所や住まいを構えている人です。わな猟免許がない人は、窓口でアライグマの防除に関する講習を受けます。所要時間は15分程度とされています。本人確認書類を持参し、窓口で申請書に記入します。
貸出は原則1基、期間は原則1か月で、料金は無料です。在庫の状況によっては、2台以上の貸出や期間の延長もできます。在庫がないこともあるため、事前に電話で空きを確認するよう案内されています。貸し出すわなは、幅31センチメートル、高さ36センチメートル、奥行き75センチメートルで、写真とは違うタイプの場合もあります。わなの運搬と管理は申請者が行うため、車に積める大きさかも確認しておきましょう。
| 手続き | 条件・内容 | 持ち物・注意 |
|---|---|---|
| 捕獲従事者の登録 | わな猟免許、またはその年度の講習会等の受講。久留米市内に土地、事務所または住まいがあること | 本人確認書類。免許がなければ窓口で講習(15分程度) |
| 捕獲器具の貸出申請 | 登録を受けた人が、窓口で申請書を記入 | 在庫を事前に電話で確認 |
| 貸出の内容 | 原則1基・原則1か月・無料(在庫次第で増減や延長も可) | 運搬と管理は申請者。終了後は洗浄して返却 |
| 受付窓口 | 環境保全課、田主丸・北野・城島・三潴の各総合支所 環境建設課 | 行きやすい窓口で受け付ける |
借りている間の作業|見回り、手袋、他の動物が入ったとき
設置後は、定期的な見回りと餌の入れ替えが必要です。子どもが手で触ってけがをしないように注意し、作業時は手袋を着け、素手で触らないよう市は求めています。マダニの付着、感染症、咬傷の危険があるためです。
アライグマが捕獲されたら、環境保全課に連絡します。捕獲された個体の回収には市職員が伺いますが、土日祝日は除かれます。金曜の夜や連休前に捕獲されると、しばらく箱の中で待つことになるため、連休や出張の前は、設置のタイミングを調整しましょう。
アライグマ以外の動物(タヌキ、アナグマ、イタチ、野良猫など)が入ったときは、借りた人が自分で放獣するよう市は案内しています。咬まれたりひっかかれたりしないよう、扉の開け方や距離の取り方に不安がある場合は、無理をせず環境保全課に相談してください。アライグマは特定外来生物で、生きたまま別の場所へ運んだり放したりすることは外来生物法で規制されているため、自分で運ばず、回収を待ちます。
県の講習会や県計画との関係はどう考えるか
福岡県は、アライグマ防除講習会を受けて県計画に基づく従事者登録をすれば、狩猟免許がなくても箱わなでアライグマを捕獲できるとしており、2026年度は6月から7月に県内4会場での講習会の開催が案内されていました。登録は、県計画に参加する市町村の窓口で行うとされています。
県が公開している計画参加市町村の連絡先一覧(2026年9月4日時点・45市町村)には、福岡市や北九州市は載っていますが、久留米市は載っていません。一方、久留米市の貸出ページは、市の捕獲従事者登録と貸出申請を求めています。県の受講証明書を持っている人が久留米市で使えるかどうかは、久留米市の案内だけでは判断できないため、環境保全課に確認してください。
業者に頼むときの窓口と、料金トラブルの事例
市の鳥類被害のページは、駆除業者を紹介してほしいという相談に対して、駆除業者が登録する協会として福岡県ペストコントロール協会を案内しています。久留米市の資料では、協会は県内の害虫駆除・消毒の専門業者の多くが会員の団体と説明され、会員のうち市内に事業所があり、市の業務委託有資格者名簿に建物消毒または防蟻で登載されている業者の一覧が載っています。ただし、アライグマの屋根裏対応や鳥の対応が可能かは業者ごとに違うため、種類ごとに対応できるかを確認します。
県の消費者向けニュースには、久留米市の消費生活センターの事例があります。夜遅くに天井裏のアライグマを追い出してもらい、出張費、作業費、薬剤費などで30万円を請求されたという相談で、助言は、作業の前に金額を尋ねること、納得できなければ理由を聞いて断ること、余裕があれば複数社から見積りを取ることでした。2020年11月号の個別の事例で、金額の目安を示すものではありません。見積書の項目は見積書に書かれる項目の見方、断り方は見積りを断るときの伝え方も参考にしてください。
被害の確認ポイントと、市内の捕獲数の推移
市の案内には、アライグマが住み着いている可能性を確かめるチェック項目があります。畑では、耕した土の5本指の足跡、スイカに丸い穴が開いて中身が空になっている、トウモロコシが皮をむかれて食べられている、といった例です。住居や空き家では、建物の周りの5本指の足跡、柱の爪痕、天井裏の大きな足音、鳥のような甲高い声、飼い犬や猫のえさが食べられた、外の金魚やメダカがいなくなった、などが挙げられています。
市内での捕獲実績は、2023年度が111頭、2024年度が265頭、2025年度が264頭と、近年は大きく増えています。市は、市街地にも生息が確認され、市内全域への定着が予測されるとしています。被害を減らすには、エサになるものを外に置かない、屋根裏に通じる穴やすき間をふさぐ、空地や空き家を適切に管理することが挙げられています。アライグマの足跡の見分け方と侵入口をふさぐ方法も参考になります。






