アライグマ駆除の費用|自治体が担う範囲と業者に費用がかかる範囲

アライグマは外来生物法に基づく特定外来生物で、環境省の手引きは、改正された外来生物法が、アライグマの防除を地方公共団体が主体的に進めることを求めていると説明しています。実際に、住民向けに箱わなを貸し出す、設置する、捕獲後の個体を回収するといった支援を案内する市があります。一方で、屋根裏に入られた住まいの被害対応は、追い出し、侵入口の封鎖、糞の清掃、断熱材や天井の補修と作業が多く、自治体のページでは住まい側の対策として案内されています。

次の表は、確認した3市(奈良市・豊中市・横浜市)のページと、業者の見積もりに出やすい項目を作業ごとに分けたものです。自治体の支援は市ごとに条件が違うため、表の内容はお住まいの市で同じとは限りません。

アライグマ駆除の費用|自治体が担う範囲と業者に費用がかかる範囲:確認項目
作業自治体の支援の例(確認した範囲)業者に費用がかかりやすい部分先に確認すること
箱わなの貸出・設置奈良市は個人に2週間(自治会は最大2か月)貸出。豊中市は被害がある場合に設置。横浜市は屋根裏等の侵入被害に限り専門業者が設置(2026年9月16日更新のページで、今年度分は予算の上限で終了と表示)支援の対象外、または在庫・期間・予算の都合で使えない場合に、業者がわなを設置窓口で、対象の条件と今年度の受付状況を聞く
捕獲した個体の回収・処分奈良市は市が処分に伺う(開庁日の月・水・金の午前が原則)。横浜市は許可を受けた捕獲分を市契約の専門業者が回収業者が捕獲する場合の回収・処分と、許可に関する費用の扱い回収の連絡先と、手続きの順番
屋根裏の調査・追い出し確認した市のページには、費用を市が負担する案内は見当たらない天井裏の調査、追い出し作業業者の現地調査
侵入口の封鎖・補修豊中市・横浜市は、すき間の点検と封鎖・修繕を住まい側の対策として案内箇所数、高所作業、足場、材料封鎖箇所を写真か図で示してもらう
糞の清掃・消毒、断熱材・天井板の補修支援の案内は見当たらない清掃の範囲、消毒・消臭、撤去・交換の面積見積書の項目ごとの数量と単価

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

読者の疑問

アライグマ駆除は、自治体に頼めば無料になりますか?

比較ガイド

地域と制度で違います。奈良市は捕獲檻の貸出と処分、豊中市は被害がある場合の捕獲檻の設置、横浜市は専門業者の箱わな設置・回収を案内しています。屋根裏の追い出し、封鎖、清掃、補修は支援として案内されておらず、費用負担は別に考えます。

自治体の捕獲支援でまかなえる範囲と条件|奈良市・豊中市・横浜市の例

条件は市ごとに大きく違うため、3市の例で何が違うかを見ます。ここで紹介する内容は、各市が公式ページに掲載している内容を2026年10月3日に確認したものです。お住まいの市に同じ制度があるとは限らず、受付の状況は変わることがあります。

奈良市|捕獲檻の貸出

奈良市は農政課で、アライグマによる農作物被害等の防除のため捕獲檻を貸し出しています(2025年11月26日更新)。貸出数は1基、個人への貸出期間は2週間、自治会へは最大2か月で、在庫によって期間が短くなることがあります。窓口で申請書を書き、設置場所の確認と留意事項の説明を受けます。捕獲後は市の開庁日に農政課へ連絡し、原則として月・水・金の午前に処分に来てもらえますが、檻の返却は自分で行います。檻を自分で購入した場合は、設置申出書の提出が必要です。

豊中市|被害がある場合の設置

豊中市は、屋根裏や床下への侵入、敷地内への住み着き、農作物の被害がある場合に相談を受け、捕獲檻の設置を行っています(2026年8月3日更新)。アライグマを見かけただけの場合は市への連絡は特に必要なく、近づいたりエサを与えたりしないよう案内しています。設置にあたっては、檻の適切な管理など、協力してほしい点があるとされています。

横浜市|許可捕獲と専門業者の箱わな

横浜市は、アライグマとクリハラリスは特定外来生物なので、被害がなくても捕獲の申請ができ、捕獲の前に届出が必要としています。許可証等の発行を受けて個人が捕獲した場合は、市が契約した専門業者が回収します。住居内(屋根裏等)への侵入被害がある場合に限り、専門業者による箱わなの設置と回収を実施できる場合がありますが、設置期間は1人あたり年間2週間まで、利用は年1回限りです。2026年9月16日更新のページには、予算の上限に達したため今年度の事業を終了したと書かれています。

参考:奈良市|アライグマ捕獲檻の貸出について

捕獲後の回収・処分は誰が行うか|個人で持ち帰らない理由

捕獲後の扱いは、費用と手間の両方に関わります。環境省の手引きは、捕獲された個体は防除の実施主体の責任のもとで適切に処分するもので、個人的な持ち帰りや野外への放置は厳に慎むよう求めています。処分のための一時的な保管や運搬は認められていますが、箱わなから前肢を出して人を引っかいたり咬んだりすることがあるため、取り扱いには安全面の配慮が必要です。

手引きは、わなの見回りを原則として1日1回行うことも求めています。自分で許可を取って捕獲する場合は、毎日の見回り、捕獲後の連絡、わなの返却まで続くため、費用が少なく見えても手間と責任が増えます。奈良市は、檻に近づいたり触ったり手を入れたりしないよう注意しています。

業者に捕獲を頼むときは、許可の名義、回収と処分を誰がどこで行うか、その費用が見積書のどの行に含まれるかを確認します。自治体の回収を使える地域では、業者の作業とどう組み合わせるかを先に窓口へ聞いておくと、費用が重なることを避けやすくなります。

  • 捕獲後に自治体へ連絡する窓口と、受付の曜日
  • 個体の回収・処分を誰が行うか(自治体・業者・自分)
  • わなの返却や、日々の見回りを誰が行うか
  • 許可や届出が必要な手続きと、その名義

参考:環境省|アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除、2025年改訂版)

アライグマ駆除の業者料金|公式ページの表示は性質が違う

業者の公式ページに載るアライグマの料金は、何を含む金額なのかが事業者ごとに違います。2026年10月3日に開いて確認した表示を表にまとめました。独自の相場は作らず、表示された金額と、含まれる作業、別途とされる作業だけを写しています。プログラントと駆除ザウルスは税込の表示で、アサンテのページには税込・税抜の記載がありません。

プログラントはアライグマ・ハクビシン・イタチを13,200円〜の初期対応料金とし、駆除ザウルスは害獣共通の基本料金25,000円〜を示し、アサンテは作業込みの200,000円〜を示しています。金額の桁の違いは、含む作業の違いです。自治体の捕獲支援を使う場合は、業者の表示のうち捕獲にあたる部分を見積もりから外せるかを相談してみます。

プログラントは、遠方地域、高所の特殊作業、屋根上での詳細調査、特殊機材が必要な調査では、事前の説明のうえで調査費用が発生する場合があるとも表示しています。無料調査の範囲は事業者ごとに違うため、無料の現地調査はどこまでかで、予約前の質問を確認できます。

アライグマ駆除の業者料金|公式ページの表示は性質が違う:確認項目
事業者アライグマの表示(2026年10月3日確認)含む作業の書き方費用が変わる要因として挙げられたもの
プログラント(熊本・佐賀・福岡の料金表)13,200円〜(税込。初期対応料金の目安)被害状況確認、侵入口確認、捕獲・追い出し方針の確認。封鎖・清掃・消毒・断熱材・足場・捕獲申請は別途見積り捕獲対応、被害範囲、断熱材被害、封鎖箇所数
駆除ザウルス(全国対応と表示)25,000円〜(税込。基本料金)。ワナ捕獲25,000円と出入り口のブロック処理5,000円はオプション表示総額は被害状況・建物の広さ・侵入口を塞ぐ箇所数で変わると説明被害状況、建物の広さ、侵入口のシャットアウト箇所
アサンテアライグマ対策 200,000円〜(税込・税抜の記載なし)侵入経路の特定と遮断、薬剤での追い出し、状況により一方通行扉の設置、糞清掃・天井裏殺虫剤散布付帯工事が必要な場合は見積り段階で金額を提示すると表示

参考:株式会社プログラント|害獣駆除の料金表(熊本・佐賀・福岡)

屋根裏に入られた場合の作業内訳|追い出し・封鎖・清掃

屋根裏にアライグマが入った場合の費用は、追い出し、侵入口の封鎖、糞の清掃に分けて読むと整理しやすくなります。アサンテの手順では、侵入経路の確認、天井裏の生息確認、侵入経路の遮断(状況により一方通行の片扉を1か所設置)、糞の清掃、施工後の点検(初回作業の10〜14日後、さらに2週間後)という流れが示されています。

アサンテは、3〜5月は出産時期のため幼獣の有無にも注意し、遮断の際は天井裏に個体を閉じ込めないよう注意が必要としています。幼獣がいそうな時期は、作業の進め方や日程が変わる可能性があるため、見積もり時に確認します。親子を見かけたときの考え方はアライグマの親子を見かけたときの確認にあります。

プログラントは、アライグマ駆除で費用が変わる要因として、捕獲対応、被害範囲、断熱材被害、封鎖箇所数を挙げています。封鎖の箇所数が増えるほど、封鎖の数量と高所作業の有無が金額に響くため、見積書には箇所ごとの位置と作業内容が並んでいるかを見ます。

参考:株式会社アサンテ|アライグマ防除

天井板・断熱材の補修費用の確認

追い出しと封鎖が終わっても、天井板や断熱材の補修は別の判断になります。プログラントは、断熱材の撤去・交換を別途見積りになりやすい作業に挙げ、糞尿の汚染や巣材化がある場合に必要になることがあると説明しています。復旧の仕様は、断熱材を戻すときの厚さ・つなぎ目・換気の確認で確認できます。

天井の補修について、駆除ザウルスは、天井にできたシミや破れた天井の補修も可能で、リフォーム工事も行っていると表示しています。補修を駆除の事業者に頼むか、別の工事会社に頼むかで、見積もりの項目が変わります。駆除の見積もりと補修の見積もりを分けて取り、範囲が重なっていないかを確認してください。張り替えの前に見る下地や水分は、天井板の張り替え前に確認する下地と水分にあります。

  • 断熱材の撤去・交換の範囲(面積、材料、処分費)
  • 天井板・下地の補修か張り替えか、その範囲
  • 駆除の見積もりと補修の見積もりで、作業が重なっていないか
  • 補修後に再び汚れた場合の、保証や点検の扱い

参考:駆除ザウルス|害獣・害虫駆除の料金・費用

相談の順番|自治体の窓口、業者の調査、見積もり比較

自治体の捕獲支援を使えるかどうかで、業者に頼む範囲が変わるため、順番としては自治体の窓口への確認を先にするのが整理しやすくなります。豊中市のように、見かけただけなら連絡は不要で、被害がある場合に相談する自治体もあります。屋根裏への侵入や敷地内への住み着きがあるなら、被害の記録を持って窓口に連絡します。窓口と手順を具体的に示す例は、奈良市のアライグマ捕獲檻の貸出と返却で見比べられます。

見積もりは、項目ごとの数量と単価、保証の対象、追加料金の条件を同じ表にそろえて比べます。国民生活センターは、サイトや広告に「料金〇〇円から」と表示されていても、現場の状況次第では表示された最低料金で依頼できるとは限らないと注意しています。比べ方は2社の金額が違うときの比較手順にあります。

  • 手順1:屋根裏の音、フン、足跡などの記録をそろえる
  • 手順2:自治体の鳥獣担当窓口へ、箱わなの貸出・設置の対象条件、今年度の受付状況、回収の手順を聞く
  • 手順3:業者に現地調査を頼み、侵入口の位置と被害範囲を写真や図で示してもらう
  • 手順4:捕獲を自治体が担う場合と業者が担う場合の見積もりを分け、封鎖・清掃・補修の項目を比べる
  • 手順5:保証と点検の対象、追加料金の条件を書面で確認し、その場で契約しない

参考:国民生活センター|ネットの価格と全然違う!?害虫駆除サービスのトラブルに注意(2026年7月23日)