高松市のアライグマ相談は、屋根裏と農地で窓口が分かれる
高松市の「アライグマでお困りの方へ」のページは、アライグマが北アメリカ原産で、もともと日本にはいない外来種であることを説明し、市内でもスイカやぶどうなどの農作物被害や、家屋への侵入などの生活環境被害が起きていると伝えています。夜行性で、薄暮以降に目撃されることが多く、木や塀に登るのが得意とされています。
相談先は被害の場所で分かれます。自宅の屋根裏など敷地内や建物内に住み着いている場合は、民間の害獣駆除業者に相談します。農作物が被害を受けた場合は農林水産課に相談します。市はこのページの中で、環境省が公開している認定鳥獣捕獲等事業者の一覧(市のページでは「認定有害鳥獣捕獲等事業者」と表記)も紹介しています。
| 被害の状況 | 高松市の公式案内 | 相談前にそろえる情報 |
|---|---|---|
| 屋根裏・物置・建物内に住み着いている | 民間の害獣駆除業者に相談する | 物音の時間帯、フンや足跡の写真、出入りしていそうな場所 |
| スイカ・ぶどうなど農作物が食べられた | 農林水産課に相談する | 作物名、被害のあった畑の場所、見つけた日 |
| 庭や道で見かけただけで、被害はない | 刺激せず、静かにその場を離れる | 見た日時、場所、頭数、子連れかどうか |
| 餌場やすみかを作らないようにしたい | 生ごみを放置せず、屋外の水槽には金網カバー、軒下のすき間はふさぐ | 放置している生ごみや餌の場所、すき間の位置 |
高松市は屋根裏のアライグマを駆除してくれますか?
市の公式案内は、屋根裏など建物内に住み着いている場合は民間の害獣駆除業者に相談するよう案内しています。確認した範囲では、市が住宅内の駆除や侵入口の封鎖を行うという記載はありません。農作物の被害は農林水産課の窓口です。
市の案内でできること、見当たらないこと
市の案内を読むときは、書かれていることと、書かれていないことを分けて受け取ると、依頼先を決めやすくなります。自治体が担う範囲と業者に費用がかかる範囲の分け方は、アライグマ駆除の費用・相場でまとめています。
市の案内にあること
市は防除実施計画を策定し、農林水産省と環境省の確認を受けて、令和3年4月1日から令和13年3月31日までの期間に計画的な防除を進めています。内容は、エサトラップや目撃情報による生息・被害状況の調査、防除従事者の登録による体制づくり、原則としてはこなわによる捕獲です。市民向けには、アライグマに刺激を与えず離れることと、餌場やすみかを作らないことが示されています。
市の案内に見当たらないこと
2026年10月3日に確認した鳥獣害対策のページ一式には、住宅の屋根裏に入り込んだ個体の駆除、侵入口の封鎖、フンの清掃を市が行うという記載は見当たりませんでした。市民が借りられる箱わなの貸出や、民間業者へ支払う駆除費用の補助についても、確認した範囲では案内がありません。これらが必要な場合は農林水産課に問い合わせたうえで、侵入口をふさぐ時期と工事の確認点を参考に、民間業者の見積もりを比べてください。
アライグマを捕獲できる人と、無許可捕獲の罰則
高松市は、アライグマ・ヌートリアを捕獲するには、狩猟免許(わな猟免許)か防除従事者証が必要としています。市の計画は、防除従事者として、わな猟免許を持つ人と、県や市などが行う捕獲と安全の講習会を受けた人を挙げ、市に登録されると防除の期間中に捕獲活動ができるとしています。講習会は毎年実施されており、希望する場合は農林水産課の有害鳥獣対策係へ問い合わせる案内です。市の申請書ダウンロードのページ(2020年11月更新)には、防除従事者証の交付申請書のほか、アライグマ等防除奨励金の申請書も並んでいますが、奨励金の対象や金額はこの記事では扱いません。
県の公式案内も同じ流れです。県が開く「アライグマ・ヌートリア防除従事者養成講習会」を受け、環境省から防除実施計画書の確認を受けた市町に防除従事者として登録すると、狩猟免許がなくてもアライグマとヌートリアに限って捕獲できます。許可なく野生鳥獣を捕獲すると、鳥獣保護管理法違反として1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。
アライグマとヌートリアは特定外来生物なので、外来生物法で飼養、保管、運搬が原則として禁止され、野外へ放つことも原則禁止です。捕まえた個体を生きたまま運んだり、別の場所で放したりすることは認められていません。見つけたときに自分で動かさず、資格のある人や業者に任せましょう。
| 捕獲の方法 | 条件 | 確認する窓口 |
|---|---|---|
| わな猟免許を持つ人が捕獲する | 免許が必要。市の登録や、捕獲の場所・手続きの扱いは窓口で確認する | 農林水産課(有害鳥獣対策係) |
| 防除従事者証を持つ人が捕獲する | 講習会を受講し、市に防除従事者として登録される。講習会は毎年実施 | 農林水産課(有害鳥獣対策係) |
| 資格のない住民が自分で捕獲する | 認められていない。無許可の捕獲は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象 | 捕獲せず、市や業者に相談する |
| 民間業者に依頼する | 業者がどの免許・許可・登録で作業するかを、契約前に説明してもらう | 業者。環境省の認定事業者一覧も参考になる |
ヌートリアは2026年5月に高松市内で初めて確認された
高松市はこれまで市内でヌートリアの生息を確認していませんでしたが、令和8年5月に確認されたと公表しました(2026年5月13日更新)。ヌートリアは南米原産の齧歯目で、農作物や生態系への被害が大きいとして特定外来生物に指定されています。市の案内では、キャベツ、ニンジン、サツマイモなどの野菜や、稲の若い苗や茎を好み、生息地が広がると農作物への被害が心配されるとされています。
目撃した場合や農作物の被害があった場合は、農林水産課への連絡が案内されています。自宅の屋根裏など敷地内や建物内に住み着いている場合は、アライグマと同じく民間の害獣駆除業者に相談します。県の案内(2020年12月掲載)は、小豆島や丸亀市の島嶼部で、岡山県から泳いできたヌートリアによる野菜や水稲の被害が出ていると伝え、内陸側へ広がるおそれにも触れています。
- 体長は40〜70cm、体重は4〜10kgで、全身が茶色
- 口の周りが白っぽい毛でおおわれ、前歯はオレンジ色
- 尻尾は細長く、毛が生えていない
- 河川やため池などの水辺にすみ、夜行性で、明け方や夕方に目撃されることが多い
市の捕獲数から見る、アライグマの出没の傾向
市の防除実施計画のページには、アライグマとヌートリアの捕獲数が年度ごとに載っています。ヌートリアは令和4年度までの記載がすべて0頭で、令和8年5月の確認はこの表より後の出来事です。表の数字は捕獲できた頭数であり、市内にいる頭数そのものではありませんが、毎年数十頭が捕獲されている規模は読み取れます。
同じページには、平成18年頃から農作物被害が東部地域(牟礼町・庵治町)を中心に報告され、最近は中心市街地でも様々な被害が出て、広範囲で目撃情報があると書かれています。県の案内(2020年12月掲載)も、住宅地で空き家に営巣して糞害を起こす事例が高松市近郊で多いと伝えています。空き家や物置が近所にある場合は、庭に出るアライグマの確認と対策も参考になります。
| 年度 | アライグマ捕獲数(頭) | ヌートリア捕獲数(頭) |
|---|---|---|
| 平成28年度 | 42 | 0 |
| 平成29年度 | 42 | 0 |
| 平成30年度 | 50 | 0 |
| 令和元年度 | 22 | 0 |
| 令和2年度 | 30 | 0 |
| 令和3年度 | 53 | 0 |
| 令和4年度 | 34 | 0 |
民間業者に頼む前に確認する四つのこと
市は屋根裏などの問題を民間業者に相談するよう案内しているため、見積もりの読み方が大切になります。環境省の認定鳥獣捕獲等事業者の一覧は、都道府県、捕獲方法、対象の鳥獣で検索でき、令和8年8月31日現在で全国185事業者が載っています。香川県知事認定の令和8年度の台帳には2事業者が載り、対象とする動物は事業者ごとに異なります。アライグマが対象に入っているかどうかも、確認が必要です。一覧に載っているかどうかだけで、依頼先の良し悪しは決められません。捕獲手続きの説明や封鎖・清掃の範囲で業者をどう比べるかは、アライグマ駆除業者を比べる基準でまとめています。
見積書の分け方は「一式」の見積書を項目に分けて頼む方法が参考になります。賃貸住宅では、入居者だけで工事を決めず、先に管理会社へ被害を伝える手順を確認してください。
- 捕獲、侵入口の封鎖、フンや断熱材の清掃・消毒が、見積書で別の項目になっているか
- 捕獲をどの免許・許可・登録に基づいて行うか、説明があるか
- 捕獲した個体の扱い(生きたままの運搬や放獣をしないこと)を説明してもらえるか
- 作業後の確認方法と、再び痕跡が出たときの連絡先が決まっているか




