コウモリ駆除を自分でする前に|できること・できないこと(法律上の範囲)

鳥獣保護管理法は、野生の鳥類と哺乳類を「鳥獣」とし、許可を受けずに捕獲や殺傷をすることを原則として禁じています。ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種は省令で適用除外とされていますが、コウモリはその一覧に含まれていません。つまり「駆除」という言葉から連想する、捕まえる・殺す行為は、個人が自分で行えない作業です。

浜松市は、コウモリは捕獲が難しいうえに許可が必要なので、侵入口を封鎖して対処するよう案内しています。自治体が個人向けに示す対策は、追い出しと侵入口の封鎖が中心です。法令の詳しい整理はコウモリ駆除の法律の記事に分けてあり、ここでは作業の線引きだけを確認します。

コウモリ駆除を自分でする前に|できること・できないこと(法律上の範囲):確認項目
作業個人で行えるか根拠・注意
出入りの観察、フンや音の記録行えます地上や室内から見える範囲で行い、高所へは上がりません
忌避剤による追い出し製品の表示の範囲で行えますコウモリ用と表示された製品を選び、使用場所と注意を読みます
出入口の封鎖全部出たと確かめられれば行えます取り残すとにおいや虫の発生源になるため、時期と手順に注意します
フンの清掃行えます粉じんを吸い込まない方法で行い、量が多いときは相談します
捕まえる(手・網・罠・粘着シート)許可なしでは行えません捕獲は許可の対象です。ネズミ用の罠などを転用しません
殺す(殺虫剤・毒餌・叩く)許可なしでは行えません殺傷も許可の対象です

参考:e-Gov法令検索|鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律

読者の疑問

コウモリ駆除は自分でできますか?

比較ガイド

捕獲や殺傷はできませんが、観察、追い出し、取り残しのない封鎖、フンの清掃は個人でも行えます。ただし高所や屋根裏、子育て期・冬眠前後は無理をせず、現地調査を相談してください。

コウモリの追い出しを避ける時期|子育て期と冬眠期

浜松市は、侵入口の封鎖を、まだ飛べない幼獣がいる時期(6〜8月)と、冬眠前後の時期を避けて行うよう案内しています。東京都ペストコントロール協会は、アブラコウモリは7月頃から繁殖期になり、1度に3匹ほどを産み、生まれた子は約30日で巣立ち、11月頃には冬眠すると説明しています。

これらは時期の目安で、地域や種類によって違いが出る可能性があります。春なら安全、秋なら安全、とは言えません。また、イカリ消毒は、夏はコウモリの繁殖期のため忌避剤への感受性が弱まると言われるとして、春や秋の使用を検討するよう案内しています。これは忌避剤の効き方の説明で、封鎖してよい時期を示したものではない点に注意してください。時期の考え方はコウモリ対策の時期の相談にもあります。

コウモリの追い出しを避ける時期|子育て期と冬眠期:確認項目
時期の目安公式資料などの記載自分の家で確かめること
6〜8月ごろ浜松市:飛べない幼獣がいる時期。東京都ペストコントロール協会:7月頃から繁殖期、約30日で巣立ち夕方に出入りする数や鳴き声。子育て中かもしれないときは封鎖を急がず相談します
冬眠の前後(秋の終わりと冬眠明け)浜松市:冬眠前後の封鎖を避ける。同協会:11月頃には冬眠秋の遅い時期も冬眠明けの時期も慎重にし、封鎖の日を暦だけで決めません
春・秋イカリ消毒:夏は忌避剤への感受性が弱まるため、春や秋の使用を検討(忌避剤の効き方の説明)封鎖してよい時期という意味ではないため、観察の結果で判断します
全期間浜松市:封鎖するときは、家の中に取り残さないよう注意する出入りの観察結果と、内部に残る個体の可能性を、相談時に伝えます

参考:浜松市|家にコウモリが住み着いて困っている

コウモリの出入口を見つける方法|夕方の観察とフンの位置

出入口は、夕方から日没後にかけて、建物を離れた位置から観察すると見つけやすくなります。東京都ペストコントロール協会は、コウモリが日没後に活動して昆虫を食べに出ること、出入りしている穴にはフンが堆積し、夜間の出入りが確認できることを説明しています。浜松市も、フンが落ちている場所などが侵入口と考えられるとしています。

夕方の観察で見ること

日没の少し前から暗くなるまで、軒、ひさし、戸袋、換気口、外壁の割れを、離れた位置から見ます。小さな動物が同じすき間から出入りするかを、時刻と位置とあわせて記録します。複数の日に分けて見ると、出入りする場所が絞れます。進め方の詳細は出入りを記録する観察の段取りにあります。

  • 脚立や屋根に上がらず、地面や室内の窓から見る
  • 同じ場所を数日続けて観察し、時刻を記録する
  • すき間に光を近づけたり、中をのぞいたりしない

フンと汚れから出入口を推定する

フンの落ちている位置から真上を探し、壁の黒ずみや軒下の汚れ、小さな出入口のすき間を確かめます。すき間の目安は、同協会が6mmほど、浜松市が1cm程度としています。小さく見えても出入りできる可能性があるため、「小さいから違う」と決めつけません。場所別の確認箇所はコウモリのフンの特徴と掃除方法の表にまとめています。

参考:公益社団法人東京都ペストコントロール協会|コウモリ・防除方法の選びかた

コウモリの追い出し手順と道具|忌避剤・金網・パテ

追い出しに使う道具は、忌避剤と、出入口を塞ぐ資材の2種類に分けて考えます。忌避剤は、ハッカ油などの臭いや刺激で追い出すもので、殺すものではありません。イカリ消毒は、臭いの効果には持続の限界があるため、物理的に侵入経路を遮断する資材の設置が重要だと説明しています。塞ぐ資材は、金網、パテ、ガムテープや網などで、自治体や協会が例を挙げています。

表の内容は、2026年10月3日に公式ページで確認した記載の要約です。購入をすすめる意図はなく、製品ページにどんな情報が書かれているかを読む手がかりとしてください。今回確認した公的資料に、これ一つで解決できる方法は示されていません。観察、追い出し、出たことの確認、封鎖、清掃を順に行うことが共通点です。

出入口が換気口や通風口の場合は、通気が必要な設備なので、金網で塞ぐときも換気機能を保つ必要があります。素材や固定方法は、換気口の周りの調査と補修や侵入口を塞ぐ材料の選び方で確認できます。「ネット」で対策したい場合も、メーカーや協会が案内しているのは金網やパテで、4メッシュ(5.25mm目)のように目の大きさが示されている点に注目してください。

コウモリの追い出し手順と道具|忌避剤・金網・パテ:確認項目
道具・資材使いどころ公式ページなどに書かれていること
忌避スプレー屋根裏やすき間にいるコウモリの追い出しイカリ消毒:スプレーで追い出した後に金網を使う順番を案内。臭いの効果には持続の限界がある
設置型の忌避剤追い出し後に近づきにくくする補助イカリ消毒:スプレーで追い出した後、設置型の忌避剤と金網を併用すると侵入防止効果が高まると説明
金網(防鼠金網など)出入口やすき間の物理的な遮断イカリ消毒:コウモリ・ネズミなどの侵入防止用。追い出す前に使うと閉じ込めるため注意。設置時は革手袋をすすめる
パテ・ガムテープ・網小さなすき間の封鎖浜松市:ガムテープや網などで塞ぐ。東京都ペストコントロール協会:4メッシュ金網(5.25mm目)やパテなどで埋める
脚立・ハシゴ低い位置での作業東京都ペストコントロール協会:作業が高所になる場合は転倒に気を付ける。高所は危険を伴うため専門業者へ

参考:イカリ消毒|防鼠金網ソフト 製品情報(コウモリ・ネズミの侵入防止)

コウモリが全部出たことを確かめてから封鎖する

封鎖は、追い出しの最後の工程です。浜松市は、封鎖のときに家の中へコウモリが取り残されないよう注意することを求めています。残っていると閉じ込めて死なせてしまい、死体がにおいや害虫の発生源になるためです。イカリ消毒も、追い出す前に金網を使うと、コウモリやネズミを閉じ込めてしまうと案内しています。

東京都ペストコントロール協会は、日没後に餌を取りに行き、屋内から出たところで、4メッシュ金網(5.25mm目)やパテなどですき間を埋める方法を挙げています。ただし、数匹が出るところを見ただけで、全部出たとは言い切れません。内部から物音が続かないか、新しいフンが増えないかを見て、迷うときは封鎖を急がず相談します。

コウモリが全部出たことを確かめてから封鎖する:確認項目
順番確認すること次へ進む条件進めないとき
1時期(子育て期や冬眠前後ではないか)自治体が案内する時期を避けられる封鎖を延期し、観察と相談を続けます
2出入口の位置と数夕方の観察で、出入りするすき間を地上から特定できた位置が分からない、複数ある場合は現地調査を相談します
3高所作業の有無地面や低い脚立で、安全に手が届く2階以上や屋根は自分で行わず相談します
4追い出し製品の表示どおりに使い、出ていく様子が見える出入りが続く、音が残る場合は封鎖せず相談します
5封鎖する日の確認日没後、出ていった後で、内部に残る気配(鳴き声や物音)がない気配が続くときは封鎖せず、内部の確認を相談します
6封鎖金網やパテで塞ぐ。通気が必要な場所は換気機能を保つ形状が複雑、通気の判断ができない場合は補修を相談します
7封鎖後の確認数日間、新しいフンや内部の物音がない音が続くなら取り残しの可能性があるため、早めに相談します

参考:浜松市|家にコウモリが住み着いて困っている

コウモリのフンの清掃と消毒|封鎖の前後に行うこと

封鎖が終わっても、すでに落ちたフンは残ります。乾いたフンは粉になりやすいため、掃く、家庭用掃除機で吸うことを避け、手袋を着けて弱い水流で湿らせてから拭き取る方法が、カナダ・ケベック州政府の案内にあります。量が多いときは、高性能の防じんマスクや保護メガネも挙げられています。天井裏に堆積している場合は、東京都ペストコントロール協会が、個人で対処するのが難しく専門業者へ依頼するよう案内しています。手順の詳細はフンの掃除手順と消毒の注意にまとめています。

清掃と封鎖の前後関係を決めた公的資料は、今回確認できませんでした。屋根裏に入る作業は転倒や粉じんの危険があるため、自分で行う清掃は、ベランダや外壁など地上や低い場所の見える範囲にとどめ、屋根裏は調査・清掃を相談する、という分け方が無理のない整理です。消毒剤を使うときは製品の表示に従います。

参考:ケベック州政府(カナダ)|コウモリのフンで汚染された環境の清掃(英語)

高所・屋根裏など自分でしない方がよい条件と相談目安

東京都ペストコントロール協会は、出入りしているすき間が高所の場合は作業に危険が伴うことがあるとして、脚立やハシゴからの転倒に気を付けるよう案内しています。長期間屋根裏などに定着している場合も、糞の除去や消毒が必要になり、個人で対処するのが困難なため専門業者に依頼するとしています。アブラコウモリは、多いときに100頭ほどのコロニーになることがあるとも説明されています。

浜松市と横浜市の公式ページは、市ではコウモリの捕獲や駆除を行っておらず、自分で対処できない場合は専門業者へ相談するよう案内しています(費用は個人負担)。相談先に伝える内容は害獣の現地調査を頼む前に伝えること、業者の選び方は害獣駆除業者の選び方が参考になります。

  • 出入口が2階以上の高さ、または屋根・軒の上にある
  • 屋根裏・天井裏に入らないと確認できない
  • 子育て期や冬眠前後で、封鎖の時期を決められない
  • 出入口が複数あり、観察だけでは全部を特定できない
  • 封鎖後も内部から音が続く、フンが増える
  • 換気設備や配線のまわりで、通気や安全の判断ができない

参考:横浜市|家にコウモリが住み着いている。