出雲市で野生動物を捕獲するには、市の許可が必要です

出雲市の公式案内によると、野生の鳥獣は鳥獣保護管理法により、殺傷や鳥類の卵の採取を含めて原則として捕獲が禁止されています。例外として、生活環境や農林水産業、生態系に被害が出ているか、そのおそれがあり、被害防止対策をしても防げないと認められるときに、許可を受けて有害鳥獣捕獲を行えます。庭先に檻を置く前に、まず許可が必要な行為かどうかを確認することが出発点です。

市のページが扱うのは、被害防止を目的にした捕獲の許可です。被害防止以外の目的で捕獲許可を考えている場合は、森林政策課へ相談するよう書かれています。なお、学術研究の目的の捕獲許可は、県の鳥獣対策室へ申請すると県のページに案内があります。屋根裏に入られたといった住宅まわりの被害も、被害の内容を整理して窓口へ伝えるところから始まります。動物の種類が決まらないときの見方はアライグマを見かけたときの最初の対処も参考になります。

参考:出雲市|有害鳥獣の捕獲許可について

読者の疑問

出雲市は箱わなや檻を貸し出してくれますか。

比較ガイド

2026年10月3日に確認した市の捕獲許可の案内では、市から罠・檻の貸し出しはありません。許可を受けた人が自分で準備し、標識だけが市から貸与されます。

許可の対象になる動物と、許可が要らない動物

市が許可の対象として挙げているのは、獣類ではサル、ニホンジカ、イノシシ、ヌートリア、タヌキ、キツネ、アナグマ、アライグマ、イタチ、テン、ハクビシンです。鳥類はカラス類、カワウ、スズメ、ヒヨドリ、ウソ、ドバトで、カラス類とドバトは卵も対象に入っています。ニホンジカは出雲北山山地を除くとされているため、山間部で相談するときは場所も伝えましょう。

一方で、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは鳥獣保護管理法が適用されず、いつでも誰でも捕獲できると市は案内しています。ただし、天井裏の足音をネズミと決めつけると、ほかの動物を見落とすことがあります。種類が分からないうちは天井裏で音がするときの確認手順で痕跡を記録してから、窓口や業者に相談するのが安全です。

許可の対象になる動物と、許可が要らない動物:確認項目
区分市の案内に挙がっている動物注意点
獣類(許可が必要)サル、ニホンジカ(出雲北山山地を除く)、イノシシ、ヌートリア、タヌキ、キツネ、アナグマ、アライグマ、イタチ、テン、ハクビシンニホンジカとイノシシは、狩猟免状を持つ人だけが許可の対象です。
鳥類(許可が必要)カラス類、カラス類の卵、カワウ、スズメ、ヒヨドリ、ウソ、ドバト、ドバトの卵卵の採取も許可の対象です。卵やヒナのある巣は、自己判断で撤去せず窓口に相談します。
許可なしで捕獲できるものドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ農林業被害の防止に限り、ネズミ科全種とモグラ科全種も許可なしで捕獲できるとされています。

参考:出雲市|有害鳥獣の捕獲許可について

申請できる人と、森林政策課へ出す書類

申請できるのは、被害を受けた人や受けるおそれのある人、被害者から依頼を受けた人、国や地方公共団体、認定鳥獣捕獲等事業者、農協や森林組合など環境大臣が定める法人です。被害を受けた住民が自分で申請する形のほか、依頼を受けた人が申請する形も、市の案内に含まれています。業者に任せる場合は、誰が申請者になるのかを先に確認しましょう。

提出先は出雲市役所の森林政策課です。申請から許可証の発行まで1週間程度かかると案内されているため、被害が出てから急いで檻を買っても、すぐには設置できません。被害地の写真と図面は、日付と場所が分かる形でそろえておくと、窓口で話が進みます。様式は市のページからダウンロードできます。

申請できる人と、森林政策課へ出す書類:確認項目
提出するもの求められる場面
鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可申請書(様式第1号)すべての申請
鳥獣被害状況書(様式第2号)すべての申請
鳥獣捕獲依頼書(様式第3号)被害者から依頼を受けて申請する場合
被害地を明示した図面と、被害地の写真すべての申請
有害鳥獣捕獲許可申請及び捕獲等における誓約書すべての申請
狩猟免状の写しイノシシ・ニホンジカを捕獲する場合
銃所持許可証の写し(顔写真と使用する銃器のページ)銃器を使用する場合

参考:出雲市|有害鳥獣の捕獲許可について

許可後の条件:檻は自分で用意し、毎日見回ります

許可が出ても、檻や罠は市から借りられません。市の案内には、罠・檻は許可を受けた者が準備すること、市が捕獲した鳥獣を引き取ることはないことが明記されています。罠や檻の購入と準備まで許可を受けた人が担う点が、段取りと費用を大きく左右します。

許可後は、許可証の携帯、罠・檻ごとの標識の設置、1日1回以上の見回りが求められます。許可期間の満了から30日以内に許可証と標識を返すことは、捕獲の有無に関係なく必要です。仕事や家庭の都合で毎日の見回りが難しいときは、申請前に代わりの人を決めるか、調査と対応を民間の業者へ相談する選択肢を考えます。許可を受けた人以外が檻の管理をしてよいかどうかは、窓口に確認してください。

許可後の条件:檻は自分で用意し、毎日見回ります:確認項目
項目市の案内申請前に決めておくこと
許可証交付された許可証を携帯する見回りや設置の作業に持ち出す人を決める
標識市が貸与する標識を、罠・檻ごとに見える位置へ設置する設置場所の写真を残す
見回り設置した罠・檻を1日1回以上見回る旅行や出張の日の代わりの人を決める
罠・檻の用意許可を受けた者が準備する。市からの貸し出しはない購入や自作の費用と置き場所を確かめる
捕獲した鳥獣の扱い市は引き取らない。殺処分とし、自己所有の土地に埋めるか可燃物処理場で焼却すると定めている作業の前に窓口で手順を確認する
許可されていない鳥獣が入ったとき錯誤捕獲として、速やかに放獣する別の動物がかかったときの連絡先を決める
返却捕獲の有無にかかわらず、許可期間の満了日から30日以内に、捕獲場所・種類・数を記入して許可証と標識を返す毎日の見回りの結果をメモしておく

参考:出雲市|有害鳥獣の捕獲許可について

アライグマは特定外来生物。放獣せず、県への情報提供も考えます

アライグマは外来生物法の特定外来生物で、県の外来種ページは、環境省が指定した特定外来生物について、飼養、保管、運搬、輸入などが制限されると説明しています。市の許可を受けて捕獲する場合も、生きたまま別の場所へ運んで放すといった扱いは、自己判断でしてはいけません。捕獲後の流れは、申請のときに窓口で確認してください。親子を見かけたときの注意はアライグマの親子を見かけたときで確認できます。

島根県の中山間地域研究センターは、アライグマの目撃・捕獲・被害の情報を集めています。2022年7月現在の資料では、西部の益田市、津和野町、浜田市を中心に増え、東部でも毎年数頭のオスが捕獲され、安来市、川本町、隠岐地域以外で捕獲が確認されたとされています。出雲市はその例外の3地域に含まれていません。見かけたときは、市の窓口に加えて、県への情報提供も検討しましょう。

参考:島根県中山間地域研究センター|アライグマの生息情報の収集について

市の補助金は農林業者向けで、檻の補助はイノシシとカラスです

市の被害防止施設整備事業補助金は、市内で農地等を持つか管理する農林業者や、その団体が対象です。補助の対象は、防護柵、電気牧柵、イノシシ捕獲檻、カラス捕獲檻などの資材購入費で、労務費は含まれません。このページの対象施設には、アライグマ用の檻は挙がっていません。住宅の天井裏に入った動物の駆除費用や、侵入口の補修が対象になる案内も、見当たりませんでした。

注意点は、申請より前に購入や設置をした施設は対象にならないことです。申請は同一年度につき1回限りで、受付期間は2026年4月1日から2027年2月26日まで、予算がなくなり次第終了とされています。地域や団体の条件によって補助率や上限が変わる区分もあるため、購入前に見積書と設置場所の写真をそろえて、森林政策課へ相談してください。

市の補助金は農林業者向けで、檻の補助はイノシシとカラスです:確認項目
対象施設補助率上限など
防護ネット、電気牧柵、金網防護柵、トタン板防護柵4万円以上の資材購入経費の2分の1以内上限30万円。2026年度から、15万円だった上限を引き上げた
イノシシ捕獲檻、カラス捕獲檻4万円以上の資材購入経費の3分の2以内上限額はないが、イノシシ檻は2基、カラス檻は1基まで
電気牧柵の電圧遠隔監視システム本体・資材の購入経費の2分の1以内上限30万円。スマホ・パソコン・監視カメラ類と通信費は対象外

参考:出雲市|有害鳥獣被害対策事業(被害防止施設整備事業)補助金について

民間業者に頼む範囲と、賃貸・集合住宅の連絡先

市の許可制度は捕獲のための許可で、侵入口の封鎖、清掃、消毒までを市が行うものではありません。屋根裏の調査や侵入口の補修、フンの清掃は、民間業者の対応が中心になります。業者に捕獲まで頼む場合は、申請者が誰になるのか、毎日の見回りを誰が行うのか、費用に捕獲後の対応が含まれるのかを見積書で確かめましょう。比べるときは害獣駆除業者の選び方の質問が使えます。

賃貸住宅や共有の敷地では、檻の設置や侵入口の工事を入居者だけで決められません。まず管理会社や所有者に状況を伝え、設置の承諾と費用の負担を確認します。連絡の文例は賃貸の害獣被害を管理会社へ報告する方法にあります。卵やヒナのいる鳥の巣は、市が卵の採取も許可の対象としているため、自己判断で撤去しないでください。