ベランダに来る鳥を見分ける|ヒヨドリ・スズメ・ムクドリ・ハトの違い

ベランダにとまる鳥は遠目には似て見えますが、種類によって好む食べ物も巣を作る場所も違います。対策の前に大まかに見分けておくと、網目や片付ける物を間違えにくくなります。

ヒヨドリは全長約28cm、体重70〜100gで、ムクドリと同じくらいの大きさですが尾が長く、頭がぼさぼさに見えると農研機構は説明しています。ハトの種類は、ドバトとキジバトの模様や巣の場所を比べる記事で扱っています。

姿と鳴き声から見分ける

スズメは農林水産省のマニュアルで全長約14cm、全体に茶色く、喉元と頬の黒が目立つ小型の鳥とされ、「チュンチュン」と鳴きます。ムクドリは農研機構の資料で全長24cm、くちばしと脚が鮮やかな橙色で、飛ぶと腰の白い部分が目立つとされます。写真は安全な距離から、周りの植物や置いた物も一緒に写して残し、鳴き声やフンの形だけで種類を決めないでください。

食べ跡から見分ける(鉢植えや野菜がある場合)

農林水産省のマニュアルは、ヒヨドリが野菜をくちばしでちぎったりつついたりして食べるため、ちぎれた跡や鋭角の三角形の食痕が残り、昆虫による丸みのある食痕と区別できると説明しています。

果実では、ヒヨドリやムクドリが丸飲みするのに対し、スズメはくちばしで果肉をついばむため、食痕で区別できるとされています。いずれも農地での説明なので、ベランダでは姿を見た記録と合わせて判断します。

ベランダに来る鳥を見分ける|ヒヨドリ・スズメ・ムクドリ・ハトの違い:確認項目
鳥大きさ(資料の表記)見た目・鳴き声の特徴ベランダで関係しやすいこと
ヒヨドリ全長約28cm、体重70〜100g濃い灰色で頬と脇が赤っぽい。尾が長く、波形に飛ぶ。「ピーヨ」と鳴く果実・花の蜜・葉野菜・甘い物を食べに来る。樹上で過ごすことが多い
スズメ全長約14cm、体重25g全体に茶色で、喉元と頬の黒が目立つ。「チュンチュン」と鳴く屋根や壁のすき間に巣を作る。種子を主に食べる
ムクドリ全長24cm、体重75〜90g黒褐色で、くちばしと脚が橙色。飛ぶと腰の白が目立つ群れで動く。戸袋など建物のすき間に営巣し、繁殖後は大きな群れでねぐらを作る
ドバト・キジバト体重はキジバト240g、ドバト350gヒヨドリより体が重い。ドバトは群れで行動するドバトは手すりに止まって安全を確かめてから降り、雨のかからない棚状の場所に巣を作る

参考:農研機構|鳥類の生態と被害対策 ―カラスとヒヨドリを中心に―(PDF・2026年6月25日更新の表示)

読者の疑問

ヒヨドリがベランダに来るのはなぜですか?

比較ガイド

果実、花の蜜、野菜の葉、甘い物や人の食べ物を好むことが、公的資料から確認できます。鉢植えの実や葉野菜、置いたままの食べ物、餌台がないかを点検してください。水の影響は確認できませんでした。

ヒヨドリがベランダに来る原因|実・花・葉野菜・置き餌を点検する

農研機構の資料によると、ヒヨドリは昆虫と果実を主に食べ、甘いものを好みます。花や蜜、新芽、葉野菜も食べ、ムクドリが食べないかんきつ類も好むとされます。農林水産省のマニュアルは、サクラやツバキの花の蜜をなめることも紹介しています。ベランダにこうした物がないかを点検します。

実のなる鉢・花・葉野菜のプランター

好みと重なりやすいのは、かんきつ類などの実のなる鉢、蜜のある花、葉野菜のプランターです。農研機構の旧資料では、野菜はキャベツ、はくさい、ブロッコリー、こまつななどアブラナ科が好まれ、ほうれんそうやレタスも被害を受けるとされています。これらは農作物の資料で、ベランダの鉢を扱った記述は確認できませんでした。葉がちぎれた、実が減ったという変化は、狙われている目安になります。

置き餌・人の食べ物・餌台

農研機構の旧資料は、冬に餌台へ果物や食パン、ジュースなどを置くとヒヨドリがよく来ると記し、農林水産省のマニュアルもポップコーンやガムなど人の食べ物を好むとしています。最新の農研機構資料は、供え物や生ごみ、廃棄みかんを食べられる状態で放置しないよう求め、いつも餌が豊富な場所では群れになりやすいと説明しています。近所の置き餌が疑われる場合は、ハトが集まる庭とベランダの置き餌・こぼれ餌・水の利用を見直す記事も参考にしてください。

水や止まり場は、資料で確認できる範囲で考える

ベランダの水が鳥を呼ぶかどうかについて、今回読んだ資料に記述はありませんでした。水をなくせば来なくなると決めず、鳥が食べているのか、飲んでいるのか、止まっているだけなのかを観察して判断してください。農林水産省は、農地では林に近い場所ほどヒヨドリの被害が出やすいと述べています。近くの庭木は自分では切れないため、様子を記録して管理者に伝えます。

ヒヨドリがベランダに来る原因|実・花・葉野菜・置き餌を点検する:確認項目
ベランダにあるもの資料に書かれたヒヨドリの好み見直しの方向
かんきつ類など実のなる鉢植え果実を食べ、ムクドリが食べないかんきつ類も好む熟す前に網で覆う。落ちた実や食べ残しは早めに片付ける
蜜のある花の鉢サクラやツバキの花の蜜をなめる開花期に鳥が来ていないか記録し、増えるようなら覆う方法を考える
葉野菜のプランターキャベツ・こまつな・ブロッコリーなどの葉を食べ、ちぎれた跡が残る網か不織布で覆い、葉が覆いに触れないようにする
置いた果物・パン・菓子・ごみ、鳥用の餌台甘い物や人の食べ物(ポップコーン・ガム)も好む。冬の餌台の果物や食パンによく来るふた付き容器にしまう。餌台は撤去し、近所の置き餌は記録して管理者へ伝える

参考:農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編(令和6年3月版)ヒヨドリ(PDF)

ヒヨドリの飛来は季節で変わる|秋冬は群れ、5月以降は巣に注意

ヒヨドリは日本全国で1年中見られますが、北日本や山間地の個体は秋に平地や温暖な地方へ移動して越冬すると農林水産省は説明しています。農研機構の旧資料は、関東以西では個体数が10月〜4月に多く、夏には少なくなるとしています。

ヒヨドリの飛来は季節で変わる|秋冬は群れ、5月以降は巣に注意:確認項目
時期資料に書かれた様子ベランダでの確認
秋〜春(関東以西は10月〜4月に個体数が多い)北日本や山間地の個体が冬に南下する。夏には少なくなる来る時間帯・羽数・食べている物を記録する
春と秋の渡りの時期数十〜数百羽の群れで移動する移動の途中の群れと、居着く鳥を分けて見る
年末〜早春木の実が秋から減り、真冬〜早春に餌が少なくなるため、被害は冬、特に年末以降に集中すると考えられている鉢の実や葉野菜を覆う。置き餌やごみを再点検する
5月中旬〜8月ごろ(農林水産省は5〜9月)繁殖期。庭木の内側など外から見えにくい枝に巣を作り、年に2〜3回繁殖することもある低木の鉢やフェンス際に巣材がないか、安全な距離から見る
年によって農研機構の最新資料は、被害量の年変動を木の実の豊凶による移動数の変化と考えている昨年来なかったから今年も来ないと決めず、周囲で早く多く見られる年は点検を前倒しする

参考:農研機構|鳥種別生態と防除の概要:ヒヨドリ(PDF・2001年版)

小鳥に合う防鳥ネットの網目と張り方|ヒヨドリ30mm以下・スズメ20mm以下

農研機構は防鳥網で覆うことを最も確実な被害防止策とし、農林水産省は対象の鳥が通り抜けられない目合いの網を使うことを必須と説明しています。両者が示す目安は、カラス75mm以下、ヒヨドリとムクドリ30mm以下、スズメ20mm以下です。

網目の数字は農作物用の目安として読む

これらの数字は農作物を守る網の目安で、ベランダ用に作られた製品の規格ではありません。製品に書かれたmm単位の目合いを確認し、守りたい鳥が通れないかを比べます。ムクドリについて農研機構は、スズメなども兼ねる多目的利用では9〜10mm目がすすめられると記しています。

網目が小さいほど防鳥効果は高い一方、風や雪の影響を受けやすくなると農林水産省は述べています。高い階では網が煽られやすいため、固定と点検が大切になります。

張り方で外せない点

農林水産省のマニュアルは、網と地面の間の隙間から入り込まれること、網ごしに食べられることがあるため網と作物の間に十分な間隔をあけることを挙げています。ベランダに当てはめると、鉢に網を直接かぶせず枠で浮かせ、床との境目に隙間を残さない考え方になります。

鳥が絡まる事故にも注意が必要です。同マニュアルは、45mm程度以上の粗い網目や細い糸の網は鳥が絡みやすく、糸が太く形が変わりにくい網のほうが絡まりにくいと説明しています。糸が細すぎる製品やたるんだ張り方は避け、鳥が入っても閉じ込めない構造かを確認してください。

ベランダ全体を覆うネットや手すりへの固定は、管理者の承諾や避難設備の確認が先です。ハト向けですが、防鳥ネットの管理者の承諾、端の隙間、点検口を確認する記事の項目は小鳥向けのネットにも使えます。

葉野菜のプランターは不織布も選べる

農林水産省のマニュアルは、不織布や寒冷紗のべたがけを、主に葉物野菜の小規模栽培でヒヨドリなどの食害を防ぐ有効な方法と紹介しています。土が湿りやすい、高温になる、カビが生えやすい、強風で破れると張り替えが必要、といった留意点も挙げています。

小鳥に合う防鳥ネットの網目と張り方|ヒヨドリ30mm以下・スズメ20mm以下:確認項目
守りたい対象の鳥農研機構・農林水産省が示す網目の目安補足
ヒヨドリ30mm以下(旧資料は2〜3cm)網と鉢の間隔をあけ、網ごしに食べられないようにする
ムクドリ30mm以下スズメなども兼ねる多目的利用では9〜10mm目がすすめられるとの記述がある
スズメ20mm以下(可能なら19mm以下)最も小さい鳥のため、網目の表示確認が特に大切
カラス75mm以下ヒヨドリやスズメが通れる大きさで、小鳥には不向き
ハト類今回読んだ資料に数値の記載なし設置範囲や固定は管理者や別の資料で確認する

参考:農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 鳥類編(令和6年3月版)侵入防止対策(PDF)

ハト向けの対策が小鳥に合わないところ|手すり・テグス・設置範囲の違い

ハト対策の方法が、そのまま小鳥に当てはまるとは限りません。大阪府は、ドバトが降りる前に手すりへ止まって安全を確かめる性質を利用し、手すりの上面から5〜6cmにテグスや細いワイヤを張る方法を紹介しています。一方、農研機構はヒヨドリについて、体が小さくホバリングなど飛行も巧みなため、テグスで侵入を妨げるのは難しいと説明しています。

ただし用途が異なり、前者は手すりに止まらせない方法、後者は作物への侵入を防ぐ方法です。ヒヨドリを手すりに止まらせない目的でテグスが効くかは、今回読んだ資料では確認できませんでした。テグスの高さは鳥の大きさに合わせる必要があるため、5〜6cmを小鳥にそのまま当てはめません。

設置範囲の考え方も違います。ドバトは棚状の場所への営巣を防ぐことが中心ですが、ヒヨドリが食べ物目当てなら、ベランダ全体を囲うより、鉢など守りたい食べ物を覆うほうが目的に合う場合があります。食べに来るのか、止まるのか、巣を作るのかを分けて見ます。

追い払い用の道具は、農研機構が慣れの問題を指摘しています。警戒声を流した実験では、ヒヨドリは7日目まで餌台のミカンをほとんど食べませんでしたが、その後は警戒声の有無にかかわらず食べました。鳥には超音波も聞こえず、防鳥テープやかかしも効果が続かないとされます。使うなら必要なときだけにします。

ムクドリが戸袋など建物のすき間に巣を作ると、鳴き声や悪臭、繁殖後のダニが問題になることがあると農研機構は説明しています。夕方の集団ねぐらとは別の話なので、ムクドリが夕方に集まるときの記録と相談方法と分けて考えてください。

ハト向けの対策が小鳥に合わないところ|手すり・テグス・設置範囲の違い:確認項目
比べる点ドバトで公的資料が示す内容ヒヨドリ・スズメなど小鳥で確認できる内容
手すりへの対策手すりの上面から5〜6cmにテグスやワイヤを張る(大阪府)ヒヨドリはテグスで侵入を妨げにくい。手すりに止まる鳥全般には胸の高さに針金やひもを張る考え方がある
巣を作られやすい場所雨のかからない棚状の場所。室外機の下や裏、ベランダの隅ヒヨドリは庭木の内側、スズメは屋根や壁のすき間、ムクドリは戸袋など建物のすき間
食べ物と汚れ餌付けをやめる。フンのあるところを安全と判断するため、放置せず清掃する果実・蜜・葉野菜・甘い物を片付ける、覆う

参考:大阪府|ドバトでお困りの方へ

餌付けをやめ、洗濯物の干し方を工夫する|今日からできる暮らしの見直し

食べ物を片付けた後は、来る回数や食べ方の変化を見ます。数日たっても来る間は、別の食べ物がある可能性があり、点検表を見直します。

洗濯物の干し方は、公的資料に決まった方法がありません。生活上の工夫の例として、鳥がよく止まる手すりや物干し竿の真上のひさしを避けて干す、鳥が来やすい時間帯は室内干しにする、取り込む前に洗濯物と竿のフンの付着を確認する、などが考えられます。フンが付いたら素手で触らず、洗濯表示に従って洗い直し、手洗いします。

ベランダに落ちたフンの位置の記録や、管理者へ送る相談文の作り方は、ベランダにフンらしきものがあるときの記録と相談文にまとめています。咳や息苦しさなど体調に不安があるときは、医療機関に相談してください。

  • 鳥用の餌台や、みかん・パンの置き餌を撤去する
  • 食べ残しのペットの餌、生ごみ袋、果物の皮はふた付き容器にしまう
  • 鉢の落ちた実やしおれた葉野菜を片付ける
  • 近所の餌やりが疑われるときは、本人に直接言わず、管理者や自治体の窓口に記録を伝える

ヒヨドリの巣と捕獲の線引き|卵・ヒナがいれば撤去せず、個人で捕まえない

鳥の巣と捕獲には、野鳥を守る法律が関わります。何ができて何ができないかを先に整理します。

巣を見つけたときは、卵・ヒナの有無で扱いが変わる

ヒヨドリは5月中旬ごろから8月ごろに、庭などの樹上に枯れ草やビニール紐で巣を作ります。農林水産省は、地上1〜5mの庭木の内側など、外から見えにくい茂った枝に作るとしています。ベランダの鉢植えの低木やフェンス際の植物も、条件の一例と考えられます。

大阪府は、野鳥の巣に卵やヒナがいない場合は撤去が可能で、いる場合は撤去できず、巣立ちまで見守り、巣立ち後に撤去するよう案内しています。卵やヒナを損傷・殺傷することが明らかな場合は、許可がなければ法に抵触するおそれがあるためです。

農研機構によると、ヒヨドリは卵を温めて約14日でふ化し、約10日で巣立ちますが、同じつがいが年に2〜3回繁殖することもあります。卵やヒナの有無が見えない巣は動かさず、巣に卵やヒナがあるときの管理者・自治体への確認を参考に、状況を伝えてください。

狩猟鳥獣でも、個人が自宅で捕まえてよいわけではない

農研機構は、鳥は鳥獣保護管理法で基本的に保護され、害鳥でも捕獲に許可が必要で、致死性の薬剤も使えないと説明しています。大阪府も、野鳥の捕獲や卵の採取には市町村長の許可が必要と案内しています。

環境省の狩猟制度の説明では、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、キジバトなどが狩猟鳥獣に挙げられています。ただし狩猟には狩猟免許の取得と都道府県への登録が必要で、区域、期間、猟法も法令で定められています。ベランダに捕獲の道具や毒餌を仕掛けることは勧められません。被害が大きい場合は市町村の担当課に確認します。

参考:大阪府|野鳥が巣を作ったときの対応

マンション・賃貸のベランダで対策する前に|規約・固定方法・清掃の担当を確認

国土交通省の令和7年改正の標準管理規約(単棟型)は、区分所有者にバルコニーなどの専用使用権を認め、通常の使用に伴う保存行為は専用使用権を持つ人が責任と負担で行うとしています。コメントは、その例としてバルコニーの清掃を挙げています。これは国が示すひな型なので、実際の基準は各マンションの管理規約です。

固定についても手がかりがあります。同規約の別添は、バルコニーに物品を固定する工事のうち、あらかじめ定められた場所への設置でないものについて、避難上の支障、防水層や排水への悪影響、躯体へのボルトの打ち込みを確認する点として挙げています。網の枠や金具を付けるときも、同じ観点で管理者に確認すると話が進みます。

賃貸住宅では、貸主や管理会社の承諾と契約書の内容を先に確認します。管理者へは、次の内容を写真と一緒に伝えると、規約の確認と業者への相談が同時に進みます。

  • 鳥の種類(分かる範囲)と、来る時間帯、食べているのか止まっているのか
  • 困っていること(フン、鳴き声、鉢の食害)と、場所の写真
  • 付けたい物(網、枠、固定金具)と、穴あけや接着の有無
  • 巣や卵・ヒナが見えるか。見えないときは「未確認」と書く

参考:国土交通省|マンション標準管理規約(令和7年改正・単棟型)(PDF)