種類別の対策ガイド

ヒアリなどの外来アリの駆除・対策ガイド

疑わしいアリを見つけたときの確認方法と通報先を知りたい。

ヒアリは南米中部が原産のアリで、船や飛行機に積まれたコンテナや貨物にまぎれて世界各地へ広がりました。日本では2017年6月に初めて確認され、環境省の一覧によると、それ以降の確認事例は21都道府県で211事例にのぼります(2026年10月2日に確認)。確認場所は、国際貨物が到着する港や空港、コンテナや貨物の中、港から倉庫へ運ばれた荷物の中などが中心で、海外製品の箱の中から見つかった例もあります。

刺されると焼けるような強い痛みが生じ、体質によっては強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすおそれがあります。環境省は、定着した場合の影響として、人やペットの健康被害のほか、電気設備に巣を作ることによる故障や停電、農作物や家畜への被害、在来のアリや小動物への影響を挙げています。いったん繁殖すると根絶はきわめて難しいため、国は主要な港湾などで定期的に調査を行い、見つかった場合は緊急の駆除と継続的な監視を行っています。

外来アリはヒアリだけではありません。ヒアリによく似たアカカミアリも同じく注意が必要な種で、環境省が全国の確認事例を公表しています。また、アルゼンチンアリは体長約2.5ミリメートルの黒褐色のアリで、国立環境研究所によると1993年頃に侵入し、神奈川、愛知、岐阜、三重、奈良、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、山口、徳島の各府県で分布が記録されています。多数の女王アリを持つ大規模な集団を作り、住宅に大量に入り込んで食品に群がったり、電気製品に入って不具合を起こしたりします。

ヒアリなどの外来アリの被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
大きさヒアリの働きアリは体長2.5〜6ミリメートルほどです。同じ集団の中に、小さいものから大きいものまで連続的にさまざまな大きさの個体がいる点が、見分けるときの手がかりになります。
色とツヤヒアリは頭部と胸部が暗い赤褐色、腹部が黒褐色で、全体に光沢があります。アカカミアリは全体が黄褐色です。体全体が黒くてツヤがない、頭が黒く胸が赤っぽい、毛に覆われているアリは該当しません。
アリ塚(巣)掘り出した土でドーム状のアリ塚を作り、大きくなると高さ50センチメートルにもなります。ただし成長に2〜3年ほどかかり、初期の小さな塚は在来のアリの巣と似ているため、巣だけでは見分けられません。
見つかる場所港湾のコンテナヤードの地面、空コンテナの中、事業者の敷地に運ばれたコンテナやその周辺で確認されています。海外製品の箱の中から見つかった例もあります。
間違えやすい生き物問い合わせが多いのは、9月ごろに巣作りのため外へ出てくるオレンジ色のキイロシリアゲアリの女王と、体長5〜7ミリメートルのアリグモ類です。アリグモは脚が8本あり、単独で葉や人工物の上にいて、跳ねるように動きます。
アルゼンチンアリ体長約2.5ミリメートルの黒褐色のアリで、赤褐色のヒアリとは色が異なります。小さな黒褐色のアリが建物の中へ大量に入り込み、食品に群がる場合は、自治体の案内で分布地域かどうかを確認します。

法律・制度上の注意

ヒアリとアカカミアリを含むヒアリ類(4種群23種とその種間交雑種)は、外来生物法に基づく要緊急対処特定外来生物に指定されています。特定外来生物は飼養、運搬、保管、輸入、譲渡、放出などが規制されており、ヒアリ類ではさらに、通関後の物品や土地・施設の検査、同定作業中の物品の移動の制限や禁止、付着していた場合の消毒・廃棄の命令がかけられることがあります。アルゼンチンアリも特定外来生物です。疑わしいアリを生きたまま持ち運んだり、飼ったりしないでください。殺虫剤は製品の表示に従って使います。

自分でできる対策

  • 見つけたアリの数が少ない場合は、市販のスプレー式殺虫剤で殺虫します。死んだアリでも針が刺さることがあるため、素手で触らないようにします。
  • アリの集団や巣を見つけたら、つつく、踏む、殺虫剤や熱湯をかけるといった刺激を与えず、すぐに環境省のヒアリ相談ダイヤルか市区町村へ連絡します。
  • 写真は明るい状態で、アリの体にピントを合わせて撮ります。死んだアリは横に定規を置くか方眼紙に載せて撮り、生きた群れは刺激しないようにして、1匹だけでなく集団の様子も撮影します。
  • 判別用に取っておくアリの死骸は、セロハンテープに貼り付けず、綿などに包んで保管します。郵送や持参は、相談窓口と相談したうえで行います。
  • ヒアリと同定されるまでは、毒餌(ベイト剤)をむやみに置きません。在来のアリを減らすと、かえってヒアリが定着しやすい環境になるためです。

相談を考える目安

  • 赤褐色でツヤがあり、大きさがふぞろいなアリの集団や、土を盛った巣を見つけたときは、環境省のヒアリ相談ダイヤルか、市区町村・都道府県の環境部局へ連絡する。
  • 海外から届いた荷物やコンテナ、輸入品の梱包の中から見慣れないアリが出てきたときは、写真を撮って相談窓口へ連絡する。
  • アリに刺された後、じんましんや体調不良が出たときはすぐに医療機関を受診する。息苦しさ、激しい動悸、めまいなどが出たときは救急車を呼ぶ。
  • 小さな黒褐色のアリが家の中へ大量に入り込み、アルゼンチンアリが疑われるときは、市区町村の環境担当の窓口や専門業者に相談する。

ヒアリなどの外来アリのよくある質問

ヒアリと普通のアリの見分け方は?
肉眼だけで確定はできませんが、可能性を絞り込むことはできます。環境省の同定マニュアルは、体長が2.5〜6ミリメートル程度、頭と胸が暗い赤褐色で腹部が黒褐色、全体にツヤがある、集団の中で大きさが連続的にばらつく、という点を挙げています。いずれかに当てはまるときは、写真を撮って相談窓口に確認してください。
ヒアリらしいアリを発見したら、どこに連絡しますか?
環境省のヒアリ相談ダイヤル(0570-046-110)か、最寄りの市区町村・都道府県の環境部局へ連絡します。環境省は、数が少なければスプレー式殺虫剤で殺虫し、集団や巣の場合は刺激せずにすぐ連絡するよう案内しています。正確な判別が必要なときは、メールで写真を送り、相談のうえで実物を郵送または持参します。
ヒアリに刺されたらどうなりますか?
刺された瞬間に焼けるような激しい痛みがあり、翌日には赤みの中央に膿がたまったようになります。環境省は、体調に変化がなくても20〜30分程度は刺された部位を冷やしながら安静にし、一人にならないよう勧めています。じんましんや体調不良が出たらすぐに受診し、息苦しさや動悸、めまいなどが出たら救急車を呼びます。ハチ毒アレルギーのある人は特に注意が必要です。
ヒアリは現在も日本で見つかっていますか?
港湾を中心に確認が続いています。環境省の一覧によると、2017年6月以降の確認事例は21都道府県で211事例あり、2026年度も東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港、博多港などのコンテナヤードで確認されています。国は主要な港湾で定期的に調査を行い、見つかった場合は緊急の駆除と継続的な監視を行って、定着を防ぐ対応を続けています。
ヒアリとアカカミアリの違いは?
どちらも要緊急対処特定外来生物に指定された近い仲間で、色に違いがあります。ヒアリは頭と胸が暗い赤褐色で腹部が黒褐色、アカカミアリは全体が黄褐色です。ただし色は見分けにくい場合が多く、最終的な区別は専門家が顕微鏡で確認して行います。環境省は、アカカミアリの毒はヒアリほど強くないものの、注意が必要なアリだと説明しています。

参考(確認日:2026年10月2日):環境省|ヒアリの基礎情報(要緊急対処特定外来生物ヒアリに関する情報)、環境省|ヒアリかな?と思ったら、お問合せ先、環境省|ヒアリ同定マニュアル Ver.3.1(PDF)、環境省|2026年度のヒアリ確認事例一覧(PDF)、国立環境研究所|侵入生物データベース・アルゼンチンアリ

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