コウモリ駆除で業者ができること・できないこと
コウモリを含む野生の鳥獣は、鳥獣保護管理法により、狩猟を除いて原則として捕獲や殺傷が禁止されています。被害が生じている場合や学術研究上の必要がある場合などに、環境大臣または都道府県知事の許可を受けて捕獲できる仕組みで、多くの都道府県では許可の権限の一部が市町村に移されています。つまり、業者に頼んでも、許可のない「捕まえて処分する」作業は選べません。
確認した公式ページでも、この前提は共通していました。アサンテのコウモリ防除ページは、捕獲や駆除をせず追い出しを行うと説明し、日東防疫のページも、許可なく捕獲・殺傷できないため追い出しと侵入口の封鎖で対応するとしています。浜松市は原則として、横浜市は市として、捕獲や駆除を行っておらず、自分での対処が難しいときは有料の専門業者へ、という案内です。
業者に頼める作業は、調査・追い出し・封鎖・清掃
業者に頼める中心の作業は、侵入口の調査、建物からの追い出し、侵入口の封鎖、フンの清掃や消毒です。追い出しても封鎖しなければ同じ場所に戻れてしまうため、追い出しと封鎖を別々の行として見積もりに出してもらうと、どこまで含まれるかが分かります。出入りしている場所の見方はコウモリが軒や換気口に出入りしているときの対策にまとめています。
頼めない作業は、許可のない捕獲と殺処分
許可を受けずに捕獲することや、建物の中に閉じ込めて死なせてしまうことは、依頼する側も業者も避けたい状況です。浜松市は、封鎖のときに家の中へコウモリが取り残されると、死体がにおいや害虫の発生源になると注意しています。「全部捕まえて処分します」と説明されたときは、許可の有無と範囲を確認しましょう。
| 作業 | 業者に頼めるか | 契約前に確認すること |
|---|---|---|
| 侵入口の調査 | 頼める | 外周だけか、天井裏まで入るか。写真で示してもらえるか |
| 追い出し | 頼める(方法は会社で異なる) | 道具や薬剤を使うか。使うなら名称と使う場所 |
| 侵入口の封鎖 | 頼める | 箇所数、位置、材料、換気を残すか |
| フンの清掃・消毒 | 会社や見積もりにより別項目 | 天井裏か屋外か。範囲と数量 |
| 許可のない捕獲・殺処分 | 頼めない | 許可を得た捕獲と言われたら、申請者と範囲を確認 |
コウモリ駆除はどこに頼めばよいですか?
借りている家やマンションなら、先に管理会社へ連絡します。自分の家なら、横浜市や浜松市のように捕獲や駆除を行わない自治体があるため、追い出しと封鎖に対応する専門業者へ依頼します。都道府県のペストコントロール協会には無料の電話相談があります。
コウモリ駆除業者を比べる6つの基準(調査・時期・封鎖・高所作業・清掃・保証)
ランキングで上位の会社が、自分の家に合うとは限りません。建物の高さ、侵入口の数、フンの量が違えば、必要な作業が変わるからです。そこで、会社名ではなく「説明の中身」で比べます。次の表のように同じ項目を各社に聞いて並べると、料金の差が作業の差なのか、説明の差なのかが見えてきます。
コウモリ駆除の高い場所は、足場と高所作業を別に聞く
「コウモリ駆除 高い場所」という検索があるように、2階の軒や屋根まわりが出入り口になる場合は、足場や高所作業車の要否で作業の組み立てが変わります。プログラントは高所作業と足場設置を、現地調査後に正式な見積もりを出す項目に挙げ、日東防疫も、状況によって足場代が別に必要な場合があると表示しています。足場が必要な箇所、設置する期間、費用が総額に含まれるかを聞いておきましょう。出張費や高所作業費の聞き方は出張費・高所作業費の確認メモが参考になります。
清掃・消毒の範囲は、見積書の数量で確認する
フンの清掃と消毒は、会社によって「含む」「別途」「対象外」が分かれます。日東防疫は侵入調査・封鎖・糞清掃・消毒殺菌処理をひとつの表示にまとめ、プログラントは糞尿清掃と殺菌消毒を別途見積もりの項目として挙げています。どちらが良いかではなく、自分の見積書でどう書かれているかが大切です。範囲と数量は清掃の見積書を比べる確認票で整理できます。
| 比べる基準 | 確認すること | 説明・書面で見る場所 |
|---|---|---|
| 調査の方法 | 外周と天井裏のどこまで調べるか。入れない場所をどう扱うか | 調査報告、写真、調査範囲の記載 |
| 時期の説明 | 作業日を決めた理由。幼獣や冬眠の時期をどう考えるか | 作業日を提案されたときの説明 |
| 封鎖箇所の示し方 | 箇所数と位置を図や写真で示すか。換気を残すか | 見積書の封鎖の行、施工前後の写真 |
| 高所作業 | 足場や高所作業車の要否と費用。2階以上の軒の扱い | 見積書の別項目、現地での説明 |
| 清掃・消毒 | どこまで清掃するか。断熱材をどう扱うか | 見積書の清掃・消毒の行、数量 |
| 保証・再訪 | 対象範囲、期間、除外条件、連絡窓口 | 保証書の案、契約書 |
繁殖期や冬眠の時期をどう説明してくれるか
まだ飛べない幼獣がいる時期に出入り口を塞ぐと、幼獣が建物の中に取り残されるおそれがあります。浜松市は、侵入口の封鎖を幼獣のいる6〜8月や冬眠の前後を避けて行うこと、コウモリがいない時間帯に塞ぐこと、中に取り残さないことを案内しています。これは一つの自治体の案内であり、地域や種類で事情が違う可能性があるため、業者に「なぜその日に作業するのか」を聞くことが大切です。
今回確認したアサンテ、プログラント、日東防疫のコウモリ関連ページには、繁殖期や冬眠の時期について触れた記載は見当たりませんでした。ページに書かれていなくても現地の説明で補われる場合はあるため、記載の有無で良し悪しを決める必要はありません。見積もりの場で次の点を聞き、答えをメモしておくと、会社どうしを同じ条件で比べられます。時期の考え方はコウモリ対策の時期と封鎖日の相談も参考になります。
- 作業日はいつで、その日にした理由は何か
- 幼獣がいる可能性や冬眠の状況を、どう確認するか
- 封鎖の前に、コウモリが建物の中に残っていないことをどう確かめるか
- 作業のあとに、出入りがなくなったかを確認する日はいつか
各社公式ページの料金表示と保証を、確認日つきで読む
ここでは、公式ページに掲載された表示を2026年10月3日時点で読んだ内容を、順位を付けずに並べます。金額や条件は地域・建物・時期で変わり、掲載は更新されることがあるため、実際の契約では見積書と保証書の記載が優先されます。表示の違いは会社の優劣ではなく、「何をひとつの金額に含めているか」の違いとして読んでください。
表を読むと、同じ「コウモリ駆除」でも、料金の単位が「初期対応の目安」「調査から消毒までの最低額」「掲載なし」に分かれ、保証も「年数を表示」「再施工の条件を表示」「保証制度はなく期間内に無償対応」と形が違います。年数だけで比べず、対象となる被害の範囲と除外条件を保証の年数より先に見る5項目で確かめてください。
| 会社(確認したページ) | 料金の表示 | 含まれる作業・別途の表示 | 保証・アフターの表示 |
|---|---|---|---|
| アサンテ(コウモリ防除、害虫・害獣・鳥類対策) | コウモリの料金目安は掲載なし。調査・見積もりは無料、施工は有料と表示 | 侵入経路の確認、追い出し、侵入経路の遮断、天井裏の糞清掃。初回の10〜14日後と、さらに2週間後に点検 | 保証制度は設けず、1〜6か月の契約期間内は無償で対応と表示 |
| プログラント(害獣駆除料金表) | コウモリ11,000円〜(税込、初期対応料金の目安) | 封鎖、糞尿清掃、殺菌消毒、消臭、高所作業、足場設置などは現地調査後に別途見積もり | 通常5年・条件により最大10年と表示。同じページにコウモリ・ハトは2年保証との記載もある |
| 日東防疫(コウモリ駆除と費用) | 侵入調査・封鎖・糞清掃・消毒殺菌処理で33,000円〜(広さや状況による)。同じページに税込と税別の表記が混在 | 足場代が別に必要な場合あり。大分・広島以外は調査見積もり費用3,300円(成約時に相殺) | 再被害時は侵入経路の再特定、追い出し、消毒、封鎖を無料で再施工。施工を依頼していない倉庫など別の家屋と、施工後に増改築した部分は対象外。年数はページ内で確認できず |
賃貸・マンション・戸建てで変わる最初の相談先
国民生活センターは、賃貸住宅で害虫が出たときは、事業者へ依頼する前に管理会社や大家へ相談することも一つの方法だと案内しています。コウモリの出入り口は、外壁や屋根まわりなど自分の部屋の外にある場合があり、居室の中だけでは判断できません。賃貸やマンションでは、費用を誰が負担するか、業者を誰が選ぶかを、管理会社と先に決めます。伝え方は賃貸で害獣被害が起きたとき管理会社へ伝えることにまとめています。
自治体への相談は、できることが限られます。横浜市は捕獲や駆除を行っておらず、業者の例として神奈川県ペストコントロール協会を有料・個人負担で案内し、捕獲許可の相談は県の窓口としています。日本ペストコントロール協会の都道府県協会には、無料で電話相談できる害虫相談所があり、現場調査や施工は原則有料です。
| 住まい | 最初に連絡する先 | 業者へ頼む前に決めること |
|---|---|---|
| 戸建て(持ち家) | 自分で調査を頼める業者。許可や窓口は自治体 | 調査の範囲、足場の要否、近隣への説明 |
| 賃貸(アパート・貸家) | 管理会社・大家 | 費用の負担者、業者を選ぶ人、立ち会いの日 |
| 分譲マンション | 管理組合・管理会社 | 共用部分か専有部分か、外壁や屋上の作業の承諾 |
| 店舗・事務所 | 建物の管理者・オーナー | 営業時間との調整、衛生管理の記録 |
ランキングや広告の格安表示を見るときの注意
国民生活センターが公表した相談事例には、コウモリ駆除の例が含まれています。ホームページに「8,000円から」とあった業者へ、相見積もりのつもりで連絡したところ、来訪した業者に「今やらなければひどいことになる」と言われ、近所に足場があると案内されて約130万円で契約した、という内容です。契約者は後で近所に確認して話が違うと分かり、契約から5日目にクーリング・オフ通知を出したと説明しています。
広告やランキングの上位にあることと、現場で適切な作業をすることは別の話です。順位の根拠(料金か、広告か、成約数か)が書かれていないときは参考にとどめ、公式ページの表示と見積書で確かめます。国民生活センターは、3けたの極端に安い料金が表示されている場合、その最低料金で依頼できることはまずないと注意しています。この記事は業者の順位を付けず、確認項目で比べる形にしています。契約を急かされたときは、その場で決めず、持ち帰って比べます。
参考:国民生活センター|報道発表資料 ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意(2024年4月24日、PDF)
見積もりで聞く質問例(コウモリ駆除)
電話や現地調査で、次の質問をそのまま使えます。答えを書き留めて複数社で並べると、料金の違いの理由が見えやすくなります。2社以上で見積もりを取り、答えを同じ表に並べて比べてください。
- コウモリが出入りしている場所を、写真や図で見せてもらえますか
- 追い出しはどんな方法ですか。薬剤を使う場合、名称と使う場所を教えてください
- 作業日はいつで、その理由は何ですか。幼獣や冬眠の時期をどう考えていますか
- 封鎖は何か所で、場所と材料は見積書のどの行に書かれますか。換気は残りますか
- 足場や高所作業車は必要ですか。必要なら費用は総額に含まれますか
- フンの清掃と消毒は、どの範囲と数量で、いくらですか。断熱材はどう扱いますか
- 追い出したあと、コウモリが残っていないことをどう確認しますか。再訪の日と回数は
- 保証の対象、期間、除外条件は何ですか。保証書はいつ、誰が出しますか
- 調査や見積もりが無料になる条件はありますか。キャンセル料はいつから発生しますか
- 施工する会社はどこですか。契約相手と施工会社が違うとき、保証の窓口はどこですか






