ヤンバルトサカヤスデとは?鹿児島市内の発生範囲と10月の動き
ヤンバルトサカヤスデは、市の案内で不快害虫とされているヤスデです。農作物に被害を与えたり、人を咬んだり刺したりはしませんが、時に異常発生し、おびただしい数で集団移動して壁や塀をよじ登り、家屋の中へ入り込むことがあります。市のまとめでは、令和7年12月末時点で市内79の小学校区のうち63校区で発生が確認されています。県内では奄美大島や徳之島をはじめ、33市町村で確認されています。
活動の時期は、霧島市と鹿屋市の公式案内が参考になります。どちらも、4月から6月ごろに幼虫、10月から11月ごろに成虫の集団移動が起こり、湿度の高い雨上がりの夜に動きやすいと説明しています。2026年10月は成虫の移動期にあたるため、雨の翌朝に外壁や玄関まわりの様子を見ておくと、相談するときに状況を説明しやすくなります。
ムカデと見間違えることがあるため、まず種類を確かめましょう。足の付き方や体の形の比べ方は、ヤスデとムカデの違いで確認できます。
ヤンバルトサカヤスデは人を刺しますか?
市の案内では、農作物に被害を与えたり、人を咬んだり刺したりはしないとされています。ただし集団で壁を登り、家屋の中へ入ることがあるため、不快害虫として侵入防止や一斉駆除が勧められています。
ヤスデの駆除剤の受け取り方|窓口・時間・持ち物
市の環境衛生課は、ヤンバルトサカヤスデが住宅内に入るのを防ぐ目的で、薬剤を配布しています。希望する人は、薬剤を入れる袋(エコバッグなど)を持って窓口へ行く案内です。配布は一世帯あたりひと月に1袋で、受け取った日からひと月が目安です。受け取る窓口が違っても、二度目以降はこの配布方法に従うとされています。
集合住宅は、建物の管理者や代表者に渡す扱いです。賃貸の入居者は、まず管理会社や管理者に、薬剤の受け取りを頼めるかを確認しましょう。外壁や共用部への散布を入居者が勝手に進めると、管理上の問題になることがあります。連絡の流れは賃貸で害獣被害が起きたらも参考になります。
| 項目 | 市の案内(2026年10月時点で確認) |
|---|---|
| 配布される薬剤 | コイレット(粒剤)、クリーンショットB(微粒剤)。配布する薬剤の種類は在庫状況で変わります |
| 配布数 | 一世帯あたりひと月に1袋(受け取った日からひと月) |
| 配布場所 | 本庁みなと大通り別館4階(環境衛生課)、谷山支所4階(谷山分室)、各支所の総務市民課窓口 |
| 受付時間 | 8時45分から16時30分まで(12時から13時を除く) |
| 持ち物 | 薬剤を入れる袋(エコバッグなど) |
| 対象外 | 法人等への配布は行っていません。ホームセンター等で購入する案内です |
| 集合住宅 | 建物の管理者や代表者に渡します |
駆除剤を使う前に守ること|保護具・散布中の行動・火の使用
市が配る薬剤は、接触することで効果を発揮する殺虫剤で、建物の周りに帯状に広く薄く散布する使い方が案内されています。散布量は薬剤ごとに異なり、市の案内ページの資料と製品の表示に載っているため、この記事では数字を書きません。手元の袋の表示を読み、定められた使い方を守ってください。
ヤスデをガスバーナーなどの火で焼く行為は危険なため、市は行わないよう呼びかけています。配布される薬剤に誘引効果はないとも説明されています。薬剤の使用の結果生じた事故について市は責任を負えないと書かれているので、表示にある使用方法と注意を最優先にします。
- 散布するときは、マスクや手袋などの保護具を着けて体の露出を減らし、薬剤を浴びたり吸い込んだりしないようにします。
- 散布中は喫煙や飲食をしません。作業時の衣類は、他の衣類と分けて洗濯します。
- 使用後は、手や指を石けんと水でよく洗い、水でうがいをします。
- 使い終わった空容器は、子どもが触れないようにし、他の用途に使い回しません。
町内会で一斉駆除をするとき|市の支援と申請の期限
ヤスデは地域の広い範囲で発生するため、町内会など地域ぐるみの一斉駆除を定期的に行う方が効果的だと、市は案内しています。環境衛生課は、町内会等の一斉駆除に衛生指導員を派遣して方法を指導し、電動噴霧機や肩掛け噴霧機器などの機器を貸し出します。ヤンバルトサカヤスデについては、薬剤の提供も支援に含まれています。
市は、ヤスデの発生地区を随時調査し、道路などの公共部分には薬剤散布などの駆除を行っています。町内会が自主的に駆除する場合は、公共部分の駆除と合わせると効果が高まるとされ、事前に市へ相談するよう案内されています。市が散布している場所を散歩するときは、ペットが薬剤を口にしないよう注意が必要です。ペットがいる家での施工前の伝え方は、ペットがいる家の害虫駆除にまとめています。
地域で取り組むときは、薬剤だけに頼らず、環境づくりも進めるよう案内されています。土手の草払いや下草刈りで日当たりを良くして、暗く湿った場所を減らします。側溝は周辺も含めて清掃し、ヤスデが入り込んだり、雨水で流されて移動したりするのを抑えます。
| 支援の種類 | 内容 | 申請・条件 |
|---|---|---|
| 指導 | 衛生指導員を派遣し、効果的な駆除方法を指導(そ族衛生害虫の支援ページでは駆除業者の派遣も記載) | 町内会等が計画書を提出する |
| 機器の貸出 | 電動噴霧機、肩掛け噴霧機器、噴霧ミスト機など駆除に必要な機器 | 同上 |
| 薬剤 | ヤスデの駆除ページでは、薬剤の提供も支援に含まれる。そ族衛生害虫(ネズミ・ゴキブリ・ヤスデ等)の支援ページでは、薬剤費など一部が町内会の負担になる場合があるとされる | 費用の負担は申請時に確認 |
| 申請 | 「町内会等そ族・衛生害虫駆除計画書」を環境衛生課へ提出 | 実施予定日の2週間前まで |
外壁のヤスデ返しとは?市の実証実験で分かったこと
ヤスデは、つるつるした壁面を登れない性質があります。この性質を利用して、家屋の外壁の下部にステンレス板などを取り付ける方法がヤスデ返しです。市は令和5年度に実証実験を行い、犬走りから10〜20cmほど上の外壁に施工する方法を紹介しています。県も平成27年度に、農業用アゼシートを使った平易な柵による侵入防止対策のマニュアルをまとめています。
市の資料は、使った材料と有効だったことを並べて示していますが、どれが長持ちするか、費用がいくらかまでは書かれていません。工事を業者に頼む場合は、素材、幅、継ぎ目の処理、汚れた後の手入れ方法を見積書の段階で確認しましょう。確認項目は見積書の内訳の頼み方も役立ちます。
賃貸住宅の外壁や共用の塀に施工したい場合は、入居者の判断で進めず、管理会社や貸主の承諾を取ります。県は、一般向けと事業者向けのリーフレット、侵入防止対策マニュアルも公開しています。
| 項目 | 市の実証実験の内容 |
|---|---|
| 材料 | 10〜15cm幅のステンレス材、アルミ材(ハンガー式アルミ水切)、養生テープ、アルミテープを使用 |
| 効果 | いずれも侵入防止対策としては有効と報告 |
| 幅 | 15cm以上あるとヤスデが登りにくいようだと説明 |
| つなぎ目 | ステンレス板やアルミ材は、結合部のすき間や段差が侵入経路になるおそれがあり、コーキング材によるパテ処理が必要 |
| 手入れ | 表面が汚れるとヤスデが歩けるようになるため、定期的に付着物を拭き取る |
市の支援で確認できた範囲と、民間業者に頼む場面
市の案内で確認できたのは、住宅への侵入防止用の薬剤配布、町内会向けの指導・機器の貸出・薬剤の提供、道路など公共部分の駆除、外壁対策の実証実験の紹介です。個人の住宅内でヤスデを駆除する作業や、ヤスデ返しの工事費用を市が負担するという案内は、確認した範囲では見つかりませんでした。
民間業者への依頼を考えるのは、室内に大量に入ってくる、建物の周囲が広く自分で散布しきれない、外壁の施工が必要といった場面です。県内には一般社団法人鹿児島県ペストコントロール協会があり、日本ペストコントロール協会の案内では、害虫相談所が電話などの無料相談を受け、現場調査や施工は原則有料です。契約前の確認には業者選びの7つの質問を使えます。
相談する前に用意しておくこと
市の窓口や業者へ連絡する前に、見つけた町名と周辺の様子(草むら、側溝、落ち葉のたまり、石垣)、見つけた日と時間帯、前日の雨の有無、入り込んだ場所(玄関、サッシ、換気口)、数の目安をメモします。写真は、足の付き方が分かるように、安全な距離から撮影できる範囲で十分です。薬剤を使った場合は、製品名と散布した場所・日を控えておくと、その後の変化を説明しやすくなります。
同じ町内で見かけるなら、近所にも声をかけて発生状況を共有すると、一斉駆除の計画が立てやすくなります。共有の方法は近所でも被害があるときの情報共有を参考にしてください。






