床下・基礎まわりでアリを見つけたときの観察|行列・羽アリ・蟻道・木くず
最初にやることは、薬剤を探すことではなく、見つけたアリの様子を観察して記録することです。日本しろあり対策協会は、誰でも確かめられるシロアリの発見法として、基礎や束石、土台の蟻道、木材の割れ目に詰まった蟻土、食痕、空洞音、建物の異常、羽アリの群飛を挙げています。床下に潜って確かめる必要はなく、外周と点検口から見える範囲、室内の床や窓枠で見つかるものを記録します。
木くずのような粒が落ちているときは、乾燥した砂粒状の糞が、乾材シロアリの被害の手がかりとされています。ヒラタキクイムシなど別の虫の可能性もあるため、粒の写真と落ちている位置を残し、種類を決めつけません。
| 観察する場所 | 見るもの | 記録の仕方 |
|---|---|---|
| 基礎の外側・束石・土台 | 土のトンネル(蟻道)、盛り上がった土 | 遠景と近景の写真を撮り、位置(北側、玄関脇など)を書く |
| 点検口・床下通風口の周り | アリが出入りする方向、行列の太さ、時間帯 | 同じ時間帯に数日見て、日時と場所をメモする |
| 木材・床・柱の下部 | 食痕、木くず、粒状の糞、たたいたときの音の違い | 木材を壊して確かめず、見える部分を写真に撮る |
| 室内の窓枠・床・照明の周り | 羽の付いた虫、落ちた羽 | 見つけた日時と場所を書き、虫や羽は容器に残す |
| 台所・食品棚 | 行列が向かう先(甘い物や食品) | 食品の保管状況と、行列の通り道を記録する |
参考:日本しろあり対策協会|誰でも簡単に確かめられるシロアリ発見法を教えて下さい
床下にアリがいたら、シロアリですか?
アリがいるだけでシロアリとは限りません。触角が数珠状、腰がくびれない、翅が4枚ほぼ同じならシロアリです。蟻道、蟻土、木材の傷み、羽アリの群飛があるときも、シロアリを疑って調査を受けます。
クロアリとシロアリの見分け表|体の形・行動・羽アリの時期
シロアリは「白いアリ」と呼ばれることがありますが、アリとは別の昆虫です。日本しろあり対策協会の見分け方は、触角、翅、腰の3点で、色は挙げられていません。羽アリの時期は重なることもあるため、時期だけで決めず、形で見分けます。見分けに自信がないときは、虫を無理につぶさず、容器に入れて残し、写真を撮ってください。
協会は、種類の判別については、被害箇所から兵アリを捕らえて頭部の形で判定する方法が確実としています。床下で兵アリを探すのは現実的ではないため、種類の判別は調査に任せます。
| 見分けるところ | アリ(クロアリなど) | シロアリ |
|---|---|---|
| 触角 | 「く」の字に曲がっている | 真珠のネックレスのような数珠状 |
| 翅 | 前翅が後翅より大きい | 4枚ともほぼ同じ大きさ、同じ形 |
| 腰 | 細くくびれている | くびれがなく寸胴 |
| 見つかり方 | 雑食性のアリは餌を持って巣へ運び、屋内に侵入して砂糖やお菓子に集まることがある(アース製薬の説明) | 地中から蟻道を作って建物へ侵入することが多い(協会の説明) |
| 羽アリの時期 | アリの結婚飛行は6月以降(アース製薬の説明) | ヤマトシロアリは4月から5月の昼間、イエシロアリは6月から7月の夜に電灯へ飛来する(協会の説明) |
| 被害の出方 | 食品や甘い物に集まる | 土台、床束、柱の下部から食害され、壁の内部や天井裏に及ぶこともある |
床下に巣を作りやすいアリと、家の中に入る経路
堺市の案内によると、国内で確認されているアリは約270種で、ほとんどは屋外で生息しています。種類によっては屋内で巣を作るものもあり、屋外で見かけた場合はそっとしておくよう案内されています。ルリアリは草地、石の下、朽木などに、キイロシリアゲアリは石の下や土中に営巣すると紹介されています。床下の土面、束石まわり、湿った木材は、こうした巣作りの場所に近い環境といえますが、どの種類が床下に巣を作っているかは、写真や標本がないと判断できません。
アース製薬の解説では、巣の外に出ているアリはごく一部で、大部分(約97%)は巣の中で活動しているとされています。外で行列を見かけても巣は見えず、目に入る数だけで規模は決められません。近年被害報告が多い外来種のイエヒメアリは、土がないところでも巣を作り、家のちょっとしたすき間や壁紙の裏などで大繁殖するため、駆除が難しいと説明されています。
床下から室内に入る経路
行列がどこから出入りしているか(基礎、通風口、配管の周り、床のすき間)を観察して、外から床下、室内へと、どの段階でアリが入っているかを記録します。外周の通風口や基礎のすき間は、害獣の侵入経路を部位別に点検するチェック表で見る場所と重なります。
見慣れないアリは特定外来生物の可能性もある
環境省は、ヒアリかもしれないと思ったときの相談先として、環境省ヒアリ相談ダイヤルや、最寄りの市区町村と都道府県の環境部局を案内しています。アリの集団や巣を見つけた場合は、刺激せず、つついたり踏んだり、殺虫剤や熱湯をかけたりしないこと、ヒアリと同定されるまでむやみに毒餌を置かないことを求めています。長い行列が続くときは、行列の長さと出入り口の数も記録します。
クロアリだった場合の対策|餌・すき間・ベイト剤の表示
クロアリと確認できたら、餌を断つ、入る道を見つける、巣に効く方法を選ぶ、の順で考えます。アース製薬は、アリを雑食性のアリと吸蜜性のアリに分けて説明しています。雑食性のアリは民家周辺に多く、虫の死骸などを好み、餌を持って運ぶとされます。屋内に侵入して砂糖やお菓子に集まる被害があるため、食品や甘い物の保管と、こぼれた物の掃除が基本です。
ベイト剤(毒餌)は、アリが巣に持ち帰って仲間に分け与える仕組みを使う製品です。アース製薬のスーパーアリの巣コロリの製品ページには、置き場所として台所、部屋、縁側、巣の近く、玄関、ベランダ、庭先、通気口の近くが挙がっています。アリの種類や状態によっては誘引しにくいため、時間や場所を変えて置き直すこと、子どもやペットが薬剤を口にしないよう注意することも書かれています。置く数や量は製品の表示に従ってください。
巣の場所が分からないときは、行列の出入り口と、床下の湿気の有無を確認します。湿気が強い場所は虫が集まりやすく、シロアリの被害にも関わるため、床下の湿気と害虫対策の記事や、屋内のクロアリが繰り返し出るときの確認も参考にしてください。
| 剤型 | 公式ページから分かること | 注意 |
|---|---|---|
| ベイト剤(毒餌) | アリが巣に持ち帰り、仲間に分け与える。置き場所に通気口の近くなどが挙がる(スーパーアリの巣コロリ) | シロアリや羽アリは誘引されない。子どもやペットの誤食に注意する |
| 粉剤 | 「アースガーデン アリ撃滅 粉タイプ」は、家のまわりに使う製品で、効果の持続は環境や温度条件で変わると表示されている | 室内では使用しない。雨や水がかかったら散布し直す。魚毒性がある |
| くん煙剤 | バルサンの雑貨品くん煙剤は、適用害虫にアリが含まれる | 医薬品くん煙剤は天井裏や床下では使用できないと案内されている。床下での使用の可否は、説明文書で確認する |
シロアリの疑いがあるときに市販薬を使わない方がよい理由と相談先
日本しろあり対策協会は、シロアリは地中から建物に侵入することが多く、土台や床束、柱の下部から食害が進み、被害が壁や柱の内部、天井裏まで及ぶことがあるとしています。見えない所で進むため、見える範囲に薬剤をかけても、被害の範囲は分かりません。市販のクロアリ用ベイト剤は、アース製薬の製品ページに、シロアリや羽アリは誘引されないと書かれています。バルサンのFAQも、シロアリへの効果は確認していないと説明しています。
シロアリ防除は、協会に登録された者が認定薬剤を使い、防除施工標準仕様書に基づいて、土壌処理と木部処理の両方を行うとされています。市販のシロアリ用スプレーには床下処理を表示する製品もありますが、被害の範囲と建物の状態を調べたうえで施工する流れとは異なります。先に調査で被害の有無と範囲を確認し、その結果に応じて工法や費用を比べる順番です。調査の写真の読み方はシロアリ調査の写真をどう読むかが参考になります。
相談先の例
相談先は複数あります。日本しろあり対策協会は、地区ごとの連携団体で消費者相談を受け付けています。日本ペストコントロール協会は、全国47都道府県の地区協会に害虫相談所を設け、電話などによる相談を無料で受け付け、現場調査や防除施工が必要な場合は原則有料で、適切な事業者を紹介できるとしています。
- 日本しろあり対策協会:関西・北陸、関東、中部など、地区の連携団体が消費者相談を受け付けている
- 日本ペストコントロール協会の都道府県協会:害虫相談所で電話などの相談は無料、現場調査や施工は原則有料
- 市区町村の保健所などの害虫相談窓口:堺市は生活衛生課にくらしの虫相談係を置いている
床下のアリにバルサンは使える?くん煙剤を使う前の注意
「床下 蟻 バルサン」で調べている方に、先に結論をお伝えします。バルサンの販売元のレック株式会社は、公式FAQで、医薬品くん煙剤は天井裏や床下では使用できないと案内しています。くん煙剤の対象害虫の範囲や、床下での使い方の詳細は、床下にバルサンは使える?くん煙剤・粉剤・薬剤散布の適用を表示で確かめるにまとめています。
同じFAQには、くん煙剤の適用にアリが含まれる場合でも、シロアリはアリではなく、効果は確認していないと書かれています。床下にいるアリがクロアリかシロアリか分からないうちは、くん煙剤を床下に使うことは避け、確認と相談を先に進めてください。
調査を頼むときに渡す記録|写真・場所・時期
調査では、見つけたアリの様子と場所の記録が役立ちます。種類を断定した書き方より、見えたままを書く方が、調査の担当者は判断しやすくなります。調査を頼む前の準備は害獣の現地調査を頼む前の確認一覧にもまとめています。
- 見つけた日時と場所(建物のどの面か、床下通風口の近くか)
- アリの数と動き(行列か、羽アリか、1匹だけか)
- 蟻道、蟻土、木くず、粒状の糞の有無と写真
- 試した対策(使った製品名、置いた場所、日付)
- 建物の築年数、過去のシロアリ施工の記録や保証書の有無




