最初に、写真を家の地図へ戻す

「床下に被害があります」という説明には、どの部屋の下なのかを尋ねます。写真番号、部材の名前、撮影位置を平面図に入れてもらい、土台や柱などの名称が分からなければ、家を支えるどの部分か言い換えてもらいましょう。接写だけでは、狭い範囲の変化が家全体に及ぶように見えることがあります。

例えば浴室付近の写真が3枚あっても、3か所の被害なのか、一つの場所を違う向きから撮ったものなのかで受け取り方が変わります。「写真1と写真2は同じ部材ですか」と確認すると、必要な作業の数量を考える土台になります。撮影日もそろえ、以前の写真を比較用に使っている場合は区別します。

読者の疑問

土の筋が写っていたら、今もシロアリがいるのですか?

比較ガイド

写真の筋だけでは現在の活動まで読み取れない場合があります。生体を確認したか、過去の施工跡と比較したかを、撮影場所と一緒に説明してもらいましょう。

蟻道、活動、木材の傷みを別の欄にする

土の筋らしいものを示されたら、蟻道と判断した理由に加えて、生きたシロアリや新しい変化を確認したのかを尋ねます。古い工事の記録がある家では、そのときの被害箇所も照合します。日本しろあり対策協会の検査規程も、現況に過去の被害や処理歴、建物の環境を加えて診断する考え方を示しています。

「木が傷んでいる」という説明は、虫への対策と部材の補修を分けて聞くと理解しやすくなります。写真だけを見て住人が強度を判定する必要はありません。防除担当者が確認できた範囲と、建築側の調査が必要な範囲を説明してもらい、薬剤処理でどこまで対応する見積もりなのかを確かめます。

蟻道、活動、木材の傷みを別の欄にする:確認項目
報告の項目確認する質問
蟻道らしい筋どの位置で、何を根拠に蟻道と判断しましたか
現在の活動生体や今回の変化は、どこで確認しましたか
木材の被害防除以外に補修の調査が必要な部材はありますか
過去の被害前回の施工写真と同じ場所ですか

参考:日本しろあり対策協会|蟻害・腐朽検査制度 規程集(既存住宅の検査・診断・報告)

「見ていない場所」を空白のままにしない

床下の区画がつながっていない、点検口から奥へ進めないなど、調査には範囲の限界があります。「今回確認した場所では被害を認めなかった」と「家のすべてに被害がない」は同じ意味ではありません。写真がない区画について、撮り忘れなのか、調べられなかったのかを確かめてください。

未確認の場所は図面に印を付け、理由と次の方法を記載してもらいます。協会の検査規程では、構造上検査できない範囲などの明記が定められています。追加の点検口や開口を提案されたら、明らかにしたい部位、開ける場所、復旧の方法と費用を一緒に聞き、単に写真を増やすための作業にしないことが大切です。

報告の指摘と見積書の作業を一対一で照らす

説明を受けたら、写真の場所ごとに「防除」「補修の調査」「経過確認」のどれを提案されているか並べます。床下全体への予防処理と、被害部の駆除が一つの金額に入る場合も、各作業の目的は聞けます。被害が確認された範囲だけが予防の対象になると決めつけず、施工範囲を選んだ理由を尋ねます。

説明に納得できない箇所は、写真番号を使って再説明を頼むと話が具体的になります。「写真4は活動中という判断ですか。補修の必要性は誰が調べますか」という形です。別の担当者に意見を聞く場合にも、画像だけでなく図面、調査範囲、前回の施工内容を渡すと、判断が違う理由を比較できます。