ムクドリの追い払いに使われる手法一覧:資料で確認できたもの

東京都環境局の資料は、他の府県で行われているムクドリの被害対策として、特殊波動装置、タカによる追い払い、ライトを使った追い払い、木の剪定、磁気を使った忌避器具、猛禽類のはく製の設置と鳴き声の発信、木を揺らす、爆竹や花火の使用を挙げています。そのうえで、これらを講じても、ムクドリが次に移動する先で被害が生じることがあると記しています。

次の表は、手法ごとの資料の記載を要約したものです。確認日は2026年10月3日で、更新日はページ上の表示です。「効く」「効かない」の評価は当サイトのものではなく、資料に書かれた内容をそのまま要約しています。

ムクドリの追い払いに使われる手法一覧:資料で確認できたもの:確認項目
手法資料に書かれた内容慣れ・再飛来・課題の記載出典(更新日)
録音した鳴き声(ディストレスコールなど)千葉市は、ムクドリが嫌がる音声をスピーカーで群れやねぐらに流す方法を紹介。農研機構は、ねぐらからの追い払いには有効とする千葉市は、長期に及ぶと慣れて効果がなくなることがあるとする。農研機構は、農地ではすぐに慣れが生じることが多いとする千葉市(2026年6月26日)、農研機構の鳥害対策資料(2026年6月25日)
手を叩く・笛長野市は、数が少ないうちに大きな音を出し、ねぐらを作らせないよう案内一度大群で定着すると追い払いが難しくなる長野市(2026年8月19日)
超音波農研機構は、鳥に超音波は聞こえず、人に聞こえず鳥にだけ聞こえる音で追い払うことはできないと説明(鳥類一般の解説)ムクドリで超音波機器を検証した記載は読めなかった農研機構の鳥害対策資料
特殊波動装置東京都の資料が、都内でも用いられている装置として記載江戸川区の西葛西駅前広場では、平成27年から設置したが再び戻ってくる状況で、約3,000羽が目測で確認された東京都環境局の資料2-4
光(懐中電灯・ライト)長野市は、懐中電灯などの光を頻繁に当てることも効果的と案内。農研機構は、プロジェクションマッピングなど光を利用した追い払いが近年用いられるとする音と交ぜて複数日連続で行うと効果があるとする(長野市)長野市、農研機構のムクドリの資料(2021年2月版)
猛禽類(鷹など)我孫子市は、平成27年の試行で両駅前でムクドリの姿が確認できないほどの効果があったとして、継続実施飛来を完全になくすのは難しい。飛来を確認次第追い払い、数週間は飛来がなくなる我孫子市(2023年4月1日)
猛禽類の模型・はく製と鳴き声東京都の資料が、他府県で実施されている手法として記載農研機構は、タカへの忌避反応は本能的とみられるが、偽物はやがて見破るとする(鳥類一般)東京都環境局の資料2-4、農研機構の鳥害対策資料
剪定・ネット千葉市は、ねぐらの樹木の剪定、またはネットで覆う方法を紹介。我孫子市は、6月下旬から12月上旬に街路樹の網掛けと剪定千葉市は、近くの樹木や人工物へ群れが分散して移ることがあるとする千葉市(2026年6月26日)、我孫子市(2023年4月1日)
CD・反射テープ・目玉風船・磁石農研機構は、一時的な効果はあるが日数の経過で慣れると説明。磁力は効果が疑問で、ムクドリの巣箱に磁石を付けても影響がなかった海外試験があるとする慣れが生じる農研機構の鳥害対策資料
爆竹・花火東京都の資料が、他府県で行われている手法として記載効果や課題は資料に書かれていない東京都環境局の資料2-4

参考:東京都環境局|資料2-4 ムクドリの被害状況及び対策について(PDF)

読者の疑問

ムクドリに超音波は効きますか?

比較ガイド

農研機構の資料は、鳥に超音波は聞こえず、人に聞こえず鳥にだけ聞こえる音で追い払うことはできないと説明しています。ムクドリで超音波機器を検証した資料は読めておらず、購入前に製品表示で根拠を確かめてください。

ムクドリ対策の音は効く?録音・手を叩く音・超音波・CD

音を使う追い払いは、千葉市と長野市の公式ページが紹介している手法です。ただし、資料はそろって、慣れが起こることを注意しています。農研機構の資料は、鳥が装置を数日のうちに「こけおどし」と学習してしまうことが、鳥害防除が難しい理由の一つだと説明しています。

録音した鳴き声(ディストレスコール)

鳥が捕まったときの悲鳴を録音した音声を、ディストレスコールといいます。農研機構の資料は、市販の音声防鳥機器にもっともよく使われ、ねぐらからの追い払いには有効だが、農地ではすぐに慣れが生じることが多いとしています。ムクドリの資料も、ねぐらを作らせないためには作り始めの時期にしつこく追い払うのが効果的で、音声や発砲音、光などが使われているとしています。

人の出す音(手を叩く・笛)

長野市は、市民に向けて、ムクドリの数が少ないうちに、手を叩いたり、笛を吹いたりして大きな音を出し、ねぐらを作らせないようにするよう案内しています。一度大群で定着すると追い払いが難しくなるため、集団が大きくなる前の早期対策が重要だと説明しています。機器を買う前に、まず取り組める手法として示されています。

超音波

農研機構の資料は、2万ヘルツ以上のヒトに聞こえない音を超音波といい、鳥に超音波は聞こえないため、ヒトには聞こえず鳥にだけ聞こえる音で鳥を追い払うことはできないと説明しています。この説明は、カラスとヒヨドリを中心にした鳥類一般の解説で、ムクドリ専用の検証ではありません。「超音波で鳥を追い払う」とうたう機器を検討するときは、製品表示が、対象の鳥と使用場所、効果を確かめた条件を示しているかを見ます。効果の見方は害獣の忌避剤だけで解決するかでも整理しています。

CD・反射テープなど

農研機構の資料は、吹き流しやCD、防鳥テープ、市販の防鳥機器は、一時的には効果があるが、鳥にとって実害がないため日数の経過とともに慣れて効果がなくなると説明しています。使う場合は、必要な期間だけ設置して、終わったらすぐ片づけ、種類や位置を頻繁に変えることを勧めています。

参考:農研機構|鳥類の生態と被害対策 ―カラスとヒヨドリを中心に―(PDF、2026年6月25日更新の表示)

ムクドリ対策に光・ライトは効く?資料で確認できる範囲

光については、長野市が、懐中電灯などの光を頻繁に当てることも効果的だと案内しています。音と光など、いろいろな方法を交ぜて複数日連続で行うと効果があると説明しています。農研機構のムクドリの資料も、ねぐらの追い払いに、近年はプロジェクションマッピングなど光を利用したものが用いられると記しています。東京都の資料も、ライトを使った追い払いが他の府県で行われているとしています。

一方で、LEDライトなどの機器を設置した結果を数値で示した資料は、今回読んだ範囲にありませんでした。農研機構の鳥害対策資料は、鳥の感覚は人に近く、光やフェロモンのように昆虫で有効な手段は使えず、鳥は数日で慣れると説明しています。機器の効果を判断するには、設置前後の飛来の変化を、自分の場所で記録して確かめることになります。

参考:長野市|ムクドリの被害対策にご協力をお願いします(2026年8月19日更新の表示)

鷹匠・猛禽類によるムクドリの追い払い:我孫子市の事例

我孫子市は、駅周辺のムクドリに、街路樹を叩く、鳴子を付ける、スポーツ競技用のスターターを使うなど、いろいろな対策を試しても決め手が見つからなかったと説明しています。平成27年に試行的に猛禽類による追い払いを我孫子駅と天王台駅で実施したところ、両駅前でムクドリの姿が確認できないほどの効果があり、継続して実施しています。

同じページは、飛来を完全になくすのは難しいものの、飛来を確認次第、猛禽類による追い払いを行い、数週間は飛来がなくなるなど、一定の効果を得ていると書いています。あわせて、ムクドリが駅周辺に数多く留まる6月下旬から12月上旬は、街路樹の網掛けと剪定も行っています。ページの表記は「猛禽類による追払い」で、実施する人や委託先、費用は書かれていません。

続ける必要があるか

我孫子市の運用は、一度実施して終わりではなく、飛来のたびに繰り返すものです。数週間という効果の期間は、網掛けや剪定を併用した運用の中での結果です。つまり、鷹による追い払いを導入しても、ムクドリの飛来が止まったままになるとは書かれていません。ハトでも同じような効果があるかは、今回読んだ資料に記載がなく、ハトの扱いは鳩の駆除と法律を先に確認してください。

模型やはく製とは別の手法

東京都の資料は、他の府県で猛禽類のはく製の設置と鳴き声の発信が行われていると記しています。農研機構の資料は、タカやヘビに対する忌避反応は遺伝的ないし本能的と考えられるが、偽物はやがて見破られるとしています。生きた猛禽類を使う追い払いと、模型やはく製を置く方法は、鳥にとって意味が違うため、分けて考えます。

参考:我孫子市|駅前のムクドリについて

街路樹の剪定・ネットなど環境側の対策と、再飛来の記載

ムクドリのねぐらになる木そのものを変える対策も、自治体で行われています。千葉市は、ねぐらの樹木の剪定やネットを紹介しつつ、近くの樹木や人工物へ群れが分散することがあると注意しています。農研機構も、街路樹や駅前のねぐらで追い払いを行った結果、ねぐらが分散して被害が拡大することがあるため、ムクドリがねぐらをとってもよい場所を残すなど共存の方法を考える必要があるとしています。

次の表は、資料に書かれた実施内容と結果の記載です。東京都の資料に載る自治体の記載は、東京都が自治体から聞き取った内容の要約で、各自治体の公式ページを直接読んだものではありません。

街路樹の剪定・ネットなど環境側の対策と、再飛来の記載:確認項目
自治体・資料実施した対策資料に書かれた結果
千葉市音声、樹木の剪定、ネット、清掃音は慣れる。剪定やネットは近くへ分散する。抜本的な解決策は全国的にも見つかっていない
我孫子市猛禽類による追い払い、街路樹の網掛けと剪定試行時は両駅前で姿が確認できないほどの効果。完全になくすのは難しいが、数週間は飛来がなくなる
江戸川区(東京都の資料)西葛西駅前広場に平成27年から特殊波動装置を設置再び戻ってくる状況で、約3,000羽が目測で確認された
八王子市(東京都の資料)街路樹の剪定と植え替え、電力会社への依頼で電線にテグスを張る効果的な対策がないため、捕獲をできれば行いたいという記載
東大和市(東京都の資料)平成25年から樹木の強剪定とネット、職員がムクドリの嫌う音源を流す抜本的な解決方法とはならず、対策に苦慮している

参考:千葉市|野生動物による生活上の被害対策(ムクドリ)

個人・店舗が追い払うときの注意:騒音・近隣・鳥を傷つけない

個人や店舗が追い払いを行う場合は、鳥を傷つけないことと、近隣への影響を先に確認します。長野市は、ムクドリは鳥獣保護管理法で保護されている野鳥で、許可なく捕獲したり傷つけたりすることは法律で禁止されているとしています。物をぶつける、水や薬剤を浴びせる、火薬を使うといった方法は、鳥を傷つけたり、周囲に危険を及ぼしたりするおそれがあるため、自分で試す前に自治体へ確認してください。

ムクドリを対象にしたスプレー類について、効果を示した公的資料は今回読んだ範囲にありませんでした。市販品を使う場合は、製品の表示に従い、対象の鳥や使用場所を確認します。

個人・店舗が追い払うときの注意:騒音・近隣・鳥を傷つけない:確認項目
確認すること理由・資料の記載避けたいこと
木や電線の管理者への連絡街路樹や公園の樹木は、道路や公園の管理者が担当する(千葉市の連絡先一覧)。追い払いで群れが近くへ分散することがある他人の木の枝を切る、電線に物をかける
近隣への騒音農研機構は、爆音器などは騒音の苦情が来ることがあると説明している夜間や早朝の大きな音を、近隣に知らせず出す
鳥を傷つけない許可なく捕獲したり傷つけたりすることは禁止(長野市)物をぶつける、水や薬剤を浴びせる、花火や爆竹を使う
光の向け方長野市は、懐中電灯などの光を頻繁に当てる方法を案内している道路や住宅の窓へ光が入る向きで照らす
実施期間と変化農研機構は、追い払い道具は必要な期間だけ設置し、種類や位置を頻繁に変えるよう勧めている同じ機器を置いたままにする

参考:長野市|ムクドリの被害対策にご協力をお願いします(2026年8月19日更新の表示)

追い払いの効果を確かめる記録のしかた

農研機構の資料は、どんな防鳥対策でも、鳥にとっては「怪しい」ため、一時的には他の場所へ行くが、時間がたてば戻ってくることを考慮して評価するよう述べています。数日だけ減ったことを成功と判断せず、数週間単位で見ます。ムクドリの夕方の群れの記録のしかたは、ムクドリが夕方に集まるときの記録と相談方法に、自治体の窓口の考え方はムクドリの駆除は市役所に頼めるかにあります。

  • 実施した日と時間、手法(音、光、ネットなど)を書く
  • 夕方に集まった時刻、羽数の見え方(木の上部を広く覆う程度、など)を書く
  • 近くの別の木や電線へ移っていないかを、見える範囲で記録する
  • 数週間たったあとの飛来を、もう一度確認する

参考:農研機構|鳥類の生態と被害対策 ―カラスとヒヨドリを中心に―(PDF、2026年6月25日更新の表示)