蜂駆除の防護服を借りられる自治体|貸出条件を比べる

防護服の貸出は、市区町村の保健所や環境担当課が行っています。ここでは、2026年10月時点で公式ページに載っていた8つの例を、対象・期間・手続き・貸出内容に分けて並べました。条件は年度や在庫で変わるため、実際に借りる前に、お住まいの自治体の担当課へ電話で確認してください。

8例とも、貸出の前に担当課への電話や問い合わせが案内されています。営利目的の使用は、川口市・八千代市・鈴鹿市が認めておらず、福島市は害虫駆除業者を対象外としています。対象者の線引きは、市内で駆除を行う人(八千代市)、市内に住所がある人(福島市)、巣のある建物や土地の所有者・占有者・管理者(川口市)と、自治体ごとに違います。

表に載せなかった例もあります。旭川市の案内(2022年3月更新)では防護服を無料で貸し出し、殺虫剤と長靴は自分で用意します。橋本市は、ハチ防護服の無料貸出制度があると案内していますが(2017年8月更新)、期間や手続きの詳細はページに載っていないため、窓口での確認が必要です。橋本市の案内は橋本市のハチ防護服貸出でも整理しています。

蜂駆除の防護服を借りられる自治体|貸出条件を比べる:確認項目
自治体(ページの更新日)対象と条件期間と手続き貸出内容・注意
川口市(2026年4月1日更新)ハチに営巣された市内の建物・土地の所有者、占有者、管理者。営利目的でない個人・法人・団体貸出日を含め3日間(閉庁日を除く)。事前に生活衛生課へ連絡し、申請書と本人確認書類を出すヘルメット、頭部プロテクター、上衣、ズボン、防護手袋の5点。高枝切バサミ、はしごも借りられる。殺虫剤と長靴は自分で用意
八千代市(2025年10月1日更新)市内で駆除を行う人(在住・在勤でなくても可)原則2日間。土日祝の貸出・返却は不可。事前連絡が必須で、当日に窓口で申請書兼借用書と本人確認書類を出すヘルメット、防護服、手袋、靴(26cmまたは27cm)。薬剤は借りる人の負担。損傷は借りる人が修繕
福島市(2025年7月1日更新)市内に住所のある人(事業者含む)。害虫駆除業者は対象外。緊急性がある場合が対象最長7日間。事前に電話予約し、身分証を持参。月曜から金曜(祝祭日を除く)の8時30分から17時殺虫剤の貸出はなし。破損・紛失は弁償の場合あり
鈴鹿市(2025年1月7日更新)市内に住所のある個人・団体、市内で事業を営む人。営利目的は対象外3日間。電話で在庫を確認し、申込書と本人確認書類を出すつなぎ服、フード、手袋、ブーツ。破損・紛失は賠償
町田市(2026年8月3日更新)アシナガバチの巣の駆除用受付日を含め7日以内。事前に電話で在庫を確認返却できなくなった場合は同種・同等機能の物を返す。事故の対処は借りた人の責任
久御山町(2022年8月公開)自分で蜂の巣を駆除する人最長1週間程度。事前に産業・環境政策課へ問い合わせ、借用申込書を出す防護服のほか、殺虫スプレーと取付用の竿も無料で貸出(在庫による)
堺市(2025年4月1日更新)市民が自主的に害虫駆除を行う場合使い方と貸出期間は、生活衛生課くらしの虫相談係へ問い合わせハチ駆除衣服等一式(アシナガバチ用)。衣服等一式と皮手袋のセット
広島市(2026年7月24日更新)市民。使用場所は原則市内保健所へ事前に電話し、物品貸出申込書を出す。貸出中や予約済みの場合あり針が貫通しない保証はなく、事故があっても市は責任を負わないと明記

参考:川口市|ハチの駆除用防護服等の貸出し

読者の疑問

蜂駆除の防護服は誰でも借りられますか?

比較ガイド

自治体によって条件が違います。2026年10月時点の公式ページでは、福島市は市内に住所のある人で害虫駆除業者は対象外、川口市は巣のある建物や土地の所有者・占有者・管理者で営利目的でない人、八千代市は市内で駆除を行う人としています。借りる前に担当課へ確認してください。

防護服を借りる前に確認すること|サイズ・期間・破損・殺虫剤

借りる日に困らないよう、予約の時点で確認しておきたい項目があります。次の表は、各自治体のページに書かれていた注意点を、窓口で聞く質問の形に直したものです。貸出ページに書かれていない項目は、分からないままにせず電話で確認します。

期間は、八千代市が土日祝の貸出と返却を受け付けず、福島市も月曜から金曜の日中に限るなど、受け取れる曜日が限られます。駆除は日没後から夜間に行うよう案内する自治体が多いため、返却日までに夜の作業日を確保できるかも考えます。サイズは、八千代市の一式に靴(26cmまたは27cm)が含まれるように、靴やヘルメットが入るかが自治体で違うため、受け取りの場で体格に合うかを確認します。

破損と事故の責任は、福島市と鈴鹿市が弁償や賠償を求め、八千代市が修繕と事故の責任を借りた人に求めています。広島市は針が貫通しない保証はないとして、事故への責任を負わないと明記しています。殺虫剤は、福島市が貸出を行わず、川口市は殺虫剤と長靴を自分で用意するよう案内する一方、久御山町は殺虫スプレーと竿も貸し出しています。横浜市港北区は、軒下などの高所で殺虫剤が使いにくい場合のために、竿状の噴射器具の貸出を案内しています。

防護服を借りる前に確認すること|サイズ・期間・破損・殺虫剤:確認項目
確認項目自治体ページの記載例窓口で聞くこと
受け取り・返却八千代市は土日祝の貸出・返却なし。福島市は月曜から金曜の日中のみ受け取り日、返却日、時間帯。業者へ切り替えるときの取り消し方法
サイズ・内容八千代市は靴26cmまたは27cm。川口市は5点一式身長・足のサイズに合うか。手袋・靴・保護メガネは含まれるか
破損・紛失福島市と鈴鹿市は弁償や賠償。八千代市は借りる人が修繕破れたとき、汚れたときの扱い。事故の責任の範囲
返却時の手入れ川口市は使用後に汚れや汗を拭いて乾かし、ヘルメットや手袋の内側をアルコールで消毒洗ってから返すか、そのまま返すか。点検にかかる時間
殺虫剤・竿福島市は貸出なし。久御山町はスプレーと竿を貸出殺虫剤、竿、ごみ袋が必要か。貸出の在庫
使える場所八千代市は原則自分で所有・管理する土地や建物。他人の土地は所有者の許可借家や共用部の巣でも借りられるか。管理者の許可は必要か

参考:八千代市|スズメバチ等駆除用防護服の貸出し

アシナガバチの駆除で自治体が案内する服装|長袖・手袋・帽子と白っぽい色

自分で小さな巣を駆除する場合の服装を、自治体は共通して「肌を出さない」「白っぽい色」と案内しています。神戸市はアシナガバチの巣について、厚手の長袖・長ズボンと厚手の手袋、首のタオル、フルフェイスのヘルメットか顔全体を守れるネット付きの帽子を挙げ、白を基調にして化粧や香水も使わないとしています。横浜市港北区と前橋市も、長袖・長ズボン・帽子・手袋・首のタオルを挙げ、黒い色を避けるよう案内しています。

これらは、攻撃性が比較的弱いアシナガバチの小さな巣についての案内で、スズメバチの巣の駆除と同じ基準ではありません。部位ごとの案内は、次の表のとおりです。

巣を駆除しない日の服装(庭仕事・草刈り・剪定)

巣を探していない日でも、庭木の剪定や草刈りで、巣に気づかず刺されることがあります。フマキラーは、長袖・長ズボンなど肌を覆う服装を勧め、スカートは丈が長くても脚の周りに空間ができるため向かないと説明しています。蜂は頭髪や瞳を狙って攻撃することがあるため、帽子で髪を覆い、目のまわりを隠すとより安全です。

夜間の作業で気をつけること

神戸市は、夜間に周囲に明かりがないことを確認して作業するよう案内しています。横浜市港北区は、懐中電灯を使う場合は巣に光をあてないよう注意しています。服装だけでなく、作業の時間帯、明かり、においまで含めて準備する必要があります。

アシナガバチの駆除で自治体が案内する服装|長袖・手袋・帽子と白っぽい色:確認項目
部位・項目自治体の案内の例補足
上半身・下半身神戸市は厚手の長袖・長ズボン。前橋市も同様色は白を基調にし、黒や濃い色を避ける
頭・顔神戸市はフルフェイスのヘルメット、または顔全体を守れるネット付きの帽子フマキラーは、頭髪や目が狙われやすいと説明
手・足・首手袋、長靴、首のタオル(神戸市、横浜市港北区、前橋市)肌の露出をなくすことが目的
雨合羽寝屋川市は、長袖・長ズボン・軍手・帽子の上に、できれば雨カッパなどを着る。那覇市も雨合羽・ゴム手袋・ヘルメットなどでの防護を案内いずれのページにも、針が通らないとは書かれていない
においの強いもの神戸市は化粧や香水を使わない。橋本市は香料やジュースのにおいにも反応するとして注意整髪料、ヘアスプレー、甘い飲み物にも注意

参考:神戸市|アシナガバチと上手につき合おう

スズメバチの巣は基準が違う|雨合羽や作業着で代用できない場面

スズメバチの巣を駆除する場合、メーカーの製品表示が求める防護の水準は、アシナガバチの小さな巣とは異なります。アース製薬のスズメバチ用殺虫剤の製品ページには、皮膚の露出がない防護服、手袋、長靴、保護メガネ(いずれもスズメバチの針が皮膚まで届かないもの)を着用し、日没後に作業するよう書かれています。雨合羽や普通の作業着が、この条件を満たすとは読み取れません。

同じ製品ページは、処理後の巣を処分するときも、外に出ていたスズメバチが戻ってくることがあるため、防護服などを着けたまま行うよう求めています。自治体も、福島市は駆除専門業者への依頼を勧め、やむを得ず自分で駆除する人のために防護服を貸し出していると説明し、神戸市はボール型に大きくなった巣は専門の駆除業者に依頼するよう案内しています。防護服の貸出は、自力駆除を勧める制度ではないことが分かります。

那覇市は、自分で駆除する場合の防護として雨合羽・ゴム手袋・ヘルメットなどを挙げる一方、スズメバチは毒性が強いため専門業者に任せたほうがよいと案内しています。ワークウェアなどを使う場合も、どのハチの、どの大きさの巣についての案内なのかを確認してください。

参考:アース製薬|スズメバチマグナムジェットプロ 550mL 製品情報・使用上の注意

防護服を着ても行わない作業|高所・閉鎖空間・大きな巣

防護服があっても、作業の前提が成り立たない場面があります。広島市は、巣が人の握り拳より大きい、ハチの数が多い、屋根裏など駆除しにくい場所にある場合は、無理をせず専門業者に依頼するよう案内しています。アース製薬の製品ページも、巣の直径が25cmを超える場合、生け垣の中・木の穴・屋根裏・地面の中で巣穴に噴射しにくい場合、巣全体が見えない場合、高所などで噴射しにくい場合は、駆除エサ剤の使用か専門家への依頼を求めています。

高所作業には、防護服とは別の危険があります。製品評価技術基盤機構(NITE)は、はしご・脚立の事故が2010年度から2019年度の10年間に398件通知され、そのうち365件が人的被害を伴い、死亡事故が3件、重傷事故が154件あったと発表しています。ハチに向けて薬剤を噴射しながら、不安定な足場で姿勢を保つ作業は、防護服の厚みで安全になるものではありません。

屋根裏や換気口の中の巣は、蜂の巣が屋根裏にあるときで出入り口の確認と駆除・封鎖の順序を整理しています。自力でできる範囲の線引きは、蜂の巣駆除を自分でする前にも参考になります。

防護服を着ても行わない作業|高所・閉鎖空間・大きな巣:確認項目
場面防護服を着ても避ける理由相談の入口
巣が握り拳より大きい・ハチが多い広島市は無理をせず専門業者を勧める。ボール型に大きくなったスズメバチの巣は大変危険と神戸市も案内保健所や自治体窓口の相談、複数の業者の見積もり
高所・脚立・はしごが必要アース製薬の製品ページは、高所などで噴射しにくい場合を、駆除エサ剤の使用か専門家への依頼の対象に挙げる。はしご・脚立の事故は重傷にもなる(NITE)業者に高所作業の可否と追加費用を確認
屋根裏・壁の中・木の穴・地面巣穴に噴射しにくく、巣全体が見えない(アース製薬、広島市)出入り口の位置を、離れた場所から確認して伝える
巣の場所や大きさが分からない巣全体が見えない場合は専門家の対象(アース製薬)。巣を探しに近づかない離れた位置から撮った写真で相談

参考:広島市|ハチの駆除について(見積もり・除去後の飛来)

防護服を購入する場合に表示で確認する点

貸出の日程が合わない、何度も使うといった理由で、購入を考える人もいます。検索では「ワークマン」などの店名を付ける人もいますが、この記事では特定の店舗や商品の性能は確認していません。商品を選ぶときは、販売ページや製品ラベルの表示を、次の点から読み比べてください。

購入しても、着る場面は小さな巣の自力駆除や、作業の補助に限られます。大きな巣や高所は、防護服があっても避ける範囲に変わりはありません。

  • 何のハチを想定した製品か。堺市と町田市の貸出品はアシナガバチ用と明記されており、スズメバチの巣を想定した水準とは限りません
  • 針に対する性能の書き方。福島市は針が刺さりにくい構造でも絶対に刺されないとは言い切れないとし、広島市も針が貫通しない保証はないと注意しています。刺されないと言い切る表示は、根拠の説明があるかを見ます
  • 一式の内容。ヘルメットやフード、手袋、靴やブーツが含まれるか、別売りか。川口市の貸出は頭部プロテクターと防護手袋を含む5点、鈴鹿市はつなぎ服・フード・手袋・ブーツと、自治体ごとに内容が分かれています
  • サイズと動きやすさ。八千代市の一式に靴の26cm・27cmの指定があるように、サイズが合わないと動きにくく、隙間もできます
  • 洗い方と手入れ。川口市は返却時に汚れや汗を拭いて乾かし、ヘルメットや手袋の内側をアルコールで消毒するよう求めています。購入品も、洗えるか、内側を消毒できるかを確認します
  • 一緒に必要な物。アース製薬の製品ページは、防護服のほか手袋、長靴、保護メガネの着用を求めています

参考:福島市|ハチの巣駆除用の防護服の貸出を行っています

貸出制度がない自治体で取れる選択肢

防護服の貸出がない自治体もあります。神戸市のスズメバチとアシナガバチの案内ページには防護服の貸出の記載がなく、個人宅のハチの巣の駆除や費用負担は行っていないとして、自分で駆除するか、専門業者に自費で依頼するよう案内しています。貸出の有無だけで判断せず、次の順番で確認すると手戻りが少なくなります。

自治体の窓口で、貸出以外の支援を聞く

貸出がなくても、用具の貸出(堺市はアシナガバチ用の衣服一式)、業者の紹介、費用の補助といった別の形の支援がある場合があります。窓口の型は蜂の巣駆除は市役所で無料?、補助金は蜂の巣駆除の補助金で整理しています。賃貸住宅の巣は、札幌市のように所有者や管理者に相談するよう案内する自治体があります。

業者に頼むなら、2〜3社の見積もりと相談窓口を使う

広島市は、専門業者2、3社に電話して巣の位置などを説明し、見積もりをもらって内容と料金を確認してから依頼するよう勧めています。神戸市は、兵庫県のペストコントロール協会に問い合わせると作業内容に応じたおおよその価格を示してもらえると案内しています。広告では安価でも実際は高額を請求される消費トラブルがあるため、作業内容と金額に納得してから契約するよう注意しています。選び方は蜂の巣駆除業者の選び方も確認してください。

納得できない請求を受けたとき

神戸市は、消費トラブルにあった場合の相談先として、消費者ホットライン188を案内しています。見積もりと作業内容を書面で残し、その場で判断できない場合は、持ち帰って確認します。

参考:神戸市|アシナガバチと上手につき合おう