蜂の巣の作り始めはいつ?女王蜂が1匹で動く春から初夏

蜂の巣は、前の年に生まれて冬を越した女王蜂が、春にたった1匹で作り始めます。神戸市は、4月中旬ごろに女王蜂が越冬から覚めて巣作りの準備を始め、6月ごろには1匹で巣を作って産卵や幼虫の世話をすると説明しています。働き蜂が生まれるのは7月上旬から8月上旬とされ、それまでは巣が小さく、ハチの数も少ない時期が続きます。

始まりの時期は、地域や種類で少しずれます。川口市は、アシナガバチの女王蜂が1匹で活動する期間を4月中旬から6月上旬ごろ、コガタスズメバチの徳利形の巣が見つかる時期を5月中旬から6月ごろとしています。小樽市は5月末ごろから女王蜂が1匹で巣作りを始め、卵から働き蜂になるまで40〜50日かかると案内しています。横浜市旭区は、巣作りを始める4月下旬から6月は巣にいるハチの数が少なく、この時期に見つければ比較的安全に、安価に対応できるとしています。

『何日でできるのか』という疑問に、日数で答える公的資料は確認できませんでした。目安になるのは、小樽市が示す卵から働き蜂になるまでの40〜50日です。巣を見つけた日がその期間のどこにあたるかは分からないため、小さく見えても、すでに働き蜂が出ている可能性は残ります。巣にハチが複数匹出入りしているかどうかが、初期かどうかを分ける手がかりになります。

蜂の巣の作り始めはいつ?女王蜂が1匹で動く春から初夏:確認項目
発行元女王蜂が1匹の時期・初期についての記載読み取れること
神戸市4月中旬ごろ女王蜂が越冬から覚め、6月ごろ1匹で巣を作る。働き蜂の誕生は7月上旬から8月上旬6月までが女王蜂1匹の時期で、7月に入ると働き蜂が加わる
川口市アシナガバチは4月中旬から6月上旬ごろ女王蜂1匹。コガタスズメバチの徳利形の巣は5月中旬から6月ごろ種類で始まりが少し違い、初期の形も種類ごとに違う
小樽市5月末ごろから女王蜂が1匹で巣作り。卵から働き蜂になるまで40〜50日地域によって始まりに差がある。働き蜂が出るまでに1か月以上かかる
横浜市旭区4月下旬から6月は巣にいるハチの数が少ないこの時期に見つければ、比較的安全に安価に対応できるとされる

参考:神戸市|スズメバチと上手につき合おう

読者の疑問

蜂の巣の作り始めは何月ごろですか?

比較ガイド

自治体の資料では、女王蜂が巣作りを始めるのは4月ごろから5月ごろで、1匹で巣を作る時期は6月ごろまでとされています。川口市はアシナガバチを4月中旬から6月上旬ごろ、コガタスズメバチの徳利形の巣を5月中旬から6月ごろとしています。地域差があるため、お住まいの自治体の案内も確認してください。

初期の巣の形で見分ける|スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチ

初期の巣は小さく、後期の巣とは形が違います。スズメバチは成長すると外側を殻で包んだ球形になりますが、始まりは徳利のような形です。アシナガバチは成長しても巣穴がむき出しのままです。この違いを、初期のうちから見分ける手がかりにします。

巣の形は、巣ができた場所でも多少変わります。1つの特徴だけで決めず、形、巣穴の見え方、場所を合わせて見てください。種類が決められないときは、決めないまま相談に進んで構いません。

スズメバチの初期の巣|徳利や一輪挿しのような形

川越市は、スズメバチの初期の巣を、球形に長い筒状の出入口が付いた一輪挿しのような形と説明しています。川口市はコガタスズメバチの初期の巣を、徳利を逆さにしたような形と紹介し、7月以降は筒状の部分が取れてほぼ球形になるとしています。小さいうちは丸くないため、球形でないからスズメバチではない、とは言えません。

アシナガバチの初期の巣|シャワーヘッドのような形

川越市は、アシナガバチの巣をジョウロの先のシャワーのような形で、下から見上げると巣穴がたくさん見えると表現しています。神戸市のアシナガバチの案内は、レンコンを切ってお椀型にしたような形でぶら下がっていると説明します。初期は巣穴の数が少なく小さいものの、外側を覆う殻がなく、六角形の穴が見える点は変わりません。

ミツバチの巣は初期の形では見分けにくい

ミツバチは、屋根裏や床下などの外から見えない空間に巣を作るのが主です。川口市は、人家では床下や屋根裏の通気孔などから多数の小さなハチが出入りして気付くことが多いと説明しています。春に木の枝などにできるハチの塊は、巣ではなく分蜂のことがあります。違いは ミツバチの塊は分蜂か巣か で整理しています。

初期の巣の形で見分ける|スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチ:確認項目
見分ける点スズメバチ(初期)アシナガバチ(初期)
巣の形徳利を逆さにした形。球形に筒状の出入口が付いた一輪挿しの形シャワーヘッドのような形。お椀型や、茶碗をひっくり返したような形
巣穴(六角形の部屋)出入口以外は外から見えにくい下から見上げると六角形の穴が見える
時期の目安(川口市の記載)コガタスズメバチの徳利形の巣は5月中旬から6月ごろ女王蜂1匹の期間は4月中旬から6月上旬ごろ
巣を作りやすい場所軒下や庭木のほか、屋根裏や壁の間などの閉じた空間(種類による)軒下、庭木、窓枠、換気口、室外機など

参考:川越市|ハチの巣を見つけたら

蜂の巣は何日でできる?大きくなる速さと、働き蜂が増える時期

女王蜂が1匹の期間が終わると、最初の働き蜂が生まれ、巣は大きくなっていきます。川口市によると、コガタスズメバチは7月以降に働き蜂が徐々に増えて巣がほぼ球形になり、最大で直径25〜30センチほどになります。セグロアシナガバチは7月から8月に最盛期を迎えて働き蜂が数十匹以上になり、巣の直径は最大で15センチ前後です。フタモンアシナガバチの巣は最大で10センチ前後とされています。

小さい巣と大きい巣の差は、大きさだけではありません。働き蜂は巣を守る役目を持つため、近づいたときの反応が変わります。小樽市は、スズメバチの巣に何匹も出入りしているなら、近づくだけで襲ってくるので、不慣れな人は手出しをせず専門業者に任せるよう案内しています。

巣の規模は、見えている部分だけでは分かりません。軒裏の奥や屋根の下に巣があると、外から見える大きさは一部にすぎないこともあります。小さいから大丈夫と考える前に、ハチの出入りと巣の周りを飛ぶ数を、離れた位置から数分間見ておくと、相談のときに状況を伝えられます。

  • 巣の大きさ: 手のひらより小さいか、握りこぶしより大きいか
  • ハチの数: 巣にいるのは1匹か、複数匹か
  • 出入りの頻度: 数分間で何回出入りしたか

参考:川口市|ハチの巣の形・特徴及び巣の駆除について

初期の巣を見つけたときに確認すること|種類・場所・高さ

初期の巣を見つけても、近づいて確かめる必要はありません。横浜市旭区は、巣の写真をハチを刺激しない距離から撮影するよう求め、撮影に不安があるときは無理に撮らず電話で相談するよう案内しています。電話では、場所、大きさ、形、ハチの出入りの状況を伝えるよう案内しています。

確認する順番は、場所、高さ、形、ハチの動きの4つです。場所と高さで、自分や家族が近づく機会があるかを考え、形で種類の見当をつけ、ハチの動きで初期かどうかを推定します。種類の見分け方は 蜂の巣の種類を形で見分ける でも整理しています。

ハチの出入りがない巣について、横浜市旭区は、使われなくなった巣の場合があると案内しています。ただし、出入りが見えないことと巣が空であることは同じではありません。近づいて確かめず、時間を変えて何度か離れた位置から様子を見て、それでも出入りがなければ、相談のときに『出入りがない』と伝えてください。

初期の巣を見つけたときに確認すること|種類・場所・高さ:確認項目
確認すること見る点分かったとき・分からないとき
場所軒下、庭木、戸袋、換気口、室外機、屋根裏の通気口など、どこにあるか閉じた空間や設備の中なら、奥の様子が見えないので専門業者への相談を考える
高さ地面からどのくらいか、はしごや脚立が必要か手が届かない高さや、屋根に上る必要がある場所には自分で近づかない
形徳利形か、巣穴が見えるシャワーヘッド形か決められなければ『種類は未確認』と伝える
ハチの動き1匹だけか、複数匹が出入りしているか、巣に付いているか複数匹が出入りしていれば、初期を過ぎている可能性がある
生活との重なり玄関、洗濯物を干す場所、子どもやペットの通り道に近いか重なるなら、使う場所を変え、早めに相談する

参考:横浜市旭区|ハチの相談

自治体が示す自力対処の目安と、手を出さない条件

2026年10月3日に確認した自治体の案内は、初期の巣への対応で一致していません。川口市は、働き蜂が数匹程度の初期なら比較的容易に駆除できる一方、働き蜂が多数いる巣や不安がある場合は専門業者に頼むのがよいとしています。松戸市は、初期の巣は小さいため自分で駆除が可能としつつ、方法がよく分からないときや難しいと思ったときは無理をせず相談するよう案内しています。一方、川越市は、スズメバチは初期でも毒性が強いので業者に依頼することを勧めています。

この記事は、自力で駆除する手順や薬剤の使い方を案内するものではありません。神戸市も、巣が小さい場合でも処置を誤ると危険な場合があると注意し、危険を感じたら無理をせず専門業者に頼むよう求めています。市販の殺虫剤を使うかどうかを考える場合は、製品の表示にある対象、使い方、注意事項に従ってください。ここでは、自治体の目安を読み取り、手を出さない側に判断を倒す条件を整理します。

手を出さない条件に当てはまるか迷うときは、当てはまる側として考えるのが安全です。小さな巣のうちに相談すれば、ハチの数が少ない時期の対応として説明を受けられる場合があります。見積もりの見方は ハチの巣駆除の費用を比べる見積もりの読み方 が参考になります。

自治体が示す自力対処の目安と、手を出さない条件:確認項目
自治体初期の巣についての記載専門業者を勧める場面の記載
川口市働き蜂が数匹程度の初期なら、比較的容易に駆除できるとする働き蜂が多数いる巣、駆除に不安がある場合は専門業者
松戸市初期の巣は小さいため、自分で駆除が可能とする方法が分からない、難しいと思ったときは無理をせず相談
神戸市自分で駆除する場合は、女王蜂だけの6月くらいまでの小さな巣(スズメバチ)のうちに行うとする球形に大きくなった巣は大変危険。小さくても処置を誤ると危険な場合がある
川越市スズメバチの初期の巣も、毒性が強いので業者への依頼を勧めるアシナガバチは、注意事項を守れば個人でも安全に駆除できるとする
  • スズメバチか、種類が分からない巣
  • はしごや屋根が必要な高さ、足場の悪い場所にある巣
  • 屋根裏、壁の中、戸袋、室外機、換気扇の中など、巣の全体が見えない閉じた空間
  • ハチが複数匹出入りしている、巣に複数匹が付いている巣
  • 過去にハチに刺されたことがある人が、確認や作業に関わる場合
  • 隣家、共用部、賃貸の外壁など、自分で処置してよいか分からない場所

参考:神戸市|スズメバチと上手につき合おう

毎年作られやすい場所の春の点検|4月から見ておきたい所

松戸市は、春先に玄関や外壁の軒下を注意して見ると、初期の巣を見つけやすいと案内しています。小樽市は、蜂の巣が作られやすい玄関まわり、軒先、換気口などを、1週間に1回程度確認するよう勧めています。点検のために特別な時間を作るより、洗濯物を干すとき、ごみを出すときのついでに、決まった順で目を向ける方が続きます。

所沢市は、一度巣ができた場所はハチにとって巣を作りやすい場所なので、翌年度以降も注意が必要だと説明しています。前の年に巣があった場所は、点検の最初に加えてください。松戸市のページには、営巣場所の内訳として庭木が24%、軒下が22%、ベランダ・テラスなどが12%といった数字が載っていますが、調査の母数や年度は同じページに示されていないため、参考にとどめます。

松戸市は、そのほかの対策として、庭木を春先に剪定する、戸袋の戸を日ごろ開け閉めする、通気口やすき間を金網などで塞ぐ、外周に物やごみを置かない、といった方法を挙げています。これらは完全に巣を作らせない方法ではなく、巣を作られる可能性を低くし、小さいうちに見つけやすくするための工夫と位置づけられています。年間の点検の組み立て方は 建物の害獣・害虫点検を年間計画にする にまとめています。

毎年作られやすい場所の春の点検|4月から見ておきたい所:確認項目
場所春に見る点見るときの注意
軒下・玄関まわり軒の裏、ひさしの下、玄関の照明まわりに小さな巣がないか脚立に乗って確かめず、地面から見上げて確認する
戸袋・窓枠・雨戸すき間にハチが出入りしていないか開け閉めの前に、ハチが飛んでいないか見る
換気口・室外機・通気口出入りするハチ、巣のかけらがないかふたや覆いを外して中をのぞかない
庭木・生垣枝が茂った中に巣がないか剪定の前に、枝の中を離れて見る
物置・車庫・ベランダの天井人があまり出入りしない場所の天井や隅いつも使わない場所に入る前に、入口から見る

参考:松戸市|蜂を知ろう

初期の巣が見つかったあとの動き方|相談先と見積もりの確認

自治体の対応は地域で違います。神戸市は個人宅のハチの巣の駆除や費用負担を行っておらず、助成制度は2022年3月31日で終了したと案内しています。小樽市は、保健所で電話による駆除相談を受け、方法を説明して業者を紹介するものの、現場対応はできないとしています。まず、お住まいの自治体が何をしてくれるのかを確認してください。

地域の協会に相談する方法もあります。日本ペストコントロール協会は、全国47都道府県に地区協会があり、害虫相談所で電話などによる相談を無料で受け付けていると案内しています。現場調査や防除施工は原則有料で、相談内容に応じて適切な事業者を紹介できる場合もあるとしています。

民間業者に頼むときの確認

民間業者に頼むときは、種類、巣の大きさ、巣ができた場所で料金が大きく変わります。川口市は、複数の業者から概算の見積もりを取って比較するよう勧めています。初期の巣でも高所や屋根裏なら作業が増えるため、巣の位置と高さを写真や言葉で伝えると、見積もりの前提がそろいます。種類ごとの考え方は スズメバチらしいハチが出入りするときの相談 にあります。

契約を急がない。賃貸や共用部の場合

神戸市は、広告では安価な費用を示しながら、実際には高額を請求されたという相談が消費生活センターに寄せられていると紹介し、作業内容と金額に納得してから契約するよう注意を促しています。困ったときは消費者ホットライン188が案内されています。小さな巣だからといって、その場で契約を急ぐ必要はありません。賃貸住宅の外壁や共用部の巣は、所有者や管理者に連絡して、誰が手配するかを確認します。

参考:日本ペストコントロール協会|都道府県協会(害虫相談所)