ネズミ3種のフンの大きさと形を比べる

東京都のねずみ防除指針は、日本の住環境で問題になる家ネズミ3種のフンの大きさを、窓口対応用のチェック表で示しています。体が大きいドブネズミはフンも大きく、体が小さいハツカネズミはフンも小さい、という対応です。形については、東京都ペストコントロール協会が、種類や食べた物で変わり、雑食なので中から植物や昆虫が見つかると説明しており、形を一つの決め手にするのは慎重にしてください。

表の数字は個体差や餌で幅があります。大きさは、定規や硬貨を並べた写真で確認し、手で触って測らないようにします。東京都は、種類の推測は姿の大きさだけに頼らず、行動やフンなどから総合的に判断する方が実際的だとしています。

大小が混ざっているとき

東京都のチェック表は、大小のフンが同じ場所で見つかれば、繁殖している可能性があると注記しています。小さなフンはハツカネズミだけでなく、別の種類の幼獣のものかもしれません。大きさだけで種類を決めず、場所や他の痕跡と合わせて見てください。

ネズミ3種のフンの大きさと形を比べる:確認項目
種類体長(東京都)フンの大きさ(東京都)主な居場所(東京都・大阪府)
ドブネズミ22〜26センチ1〜1.5センチ植込みや公園の地面、下水管、下水溝、ビルの低層階、床下
クマネズミ15〜20センチ1センチ前後ビル内部の高い所、壁の中、天井裏
ハツカネズミ6〜9センチ0.5センチ畑(農村型)、押入れや納戸など

参考:東京都保健医療局|東京都ねずみ防除指針 第三部 2) 窓口対応の実践例(PDF)

読者の疑問

ネズミのフンは、何センチくらいですか?

比較ガイド

東京都のねずみ防除指針の整理では、ドブネズミが1〜1.5センチ、クマネズミが1センチ前後、ハツカネズミが0.5センチです。個体差や餌で幅があり、大きさだけで種類は決められません。落ちている場所と合わせて見ます。

落ちている場所と散らばり方から分かること

日本ペストコントロール協会は、ネズミの糞尿の被害として、エサ場の近くの決まった場所にたくさん糞をすることを挙げています。東京都のねずみ読本は、ラットサインから侵入経路、家の中の通路、餌場や営巣場所が分かるとし、餌場になりやすい場所として台所、食品保管庫、生ごみの保管場所、ペットの餌の置き場所を、営巣場所になりやすい場所として天井裏、物置、家具の裏、押入れやたんすの中、壁の中を挙げています。

大阪府は、ネズミが壁際や物陰を通路にして動くとしています。壁際に細かく散らばっているのか、一か所に集まっているのかで、通り道か、餌を食べる場所かの見当をつけられます。壁際の黒い汚れとあわせた見方は、壁際の黒い汚れはラットサインかの確認にあります。

落ちている場所と散らばり方から分かること:確認項目
落ちている状況考えられること次に確認すること
壁際に沿って少数ずつ通り道(壁際や物陰を移動する習性)壁際の黒光りするこすり跡、すき間の位置
食品棚やペットの餌の近くに複数餌場食品の保管方法、袋のかじり跡、生ごみの置き場所
物置・押入れ・家具の裏にまとまって営巣場所に近い可能性細かく裂けた紙や布の巣材、荷物を動かす前の記録
天井から落ちてくる、天井裏の音とセット天井裏の利用音の日時の記録と、天井のしみの有無

参考:公益社団法人日本ペストコントロール協会|有害生物情報 ネズミ駆除

コウモリ・ヤモリ・ゴキブリのフンとの違い

東京都ペストコントロール協会は、コウモリのフンを大きさ5〜10ミリとし、昆虫しか食べないためネズミのフンよりもろいこと、夏に軒先や屋根の下に落ちていることが多いことを説明しています。川越市は、黒くて5ミリ程度の細長いフンがたくさん落ちている場合などに、コウモリがすみついていると考えられるとしています。大きさがネズミのフンと近い場合があるため、落ちている場所と時期で分けます。詳しい比較は、コウモリとネズミのフンの見分けにあります。

ゴキブリについて、日本ペストコントロール協会は、食器棚の中などに集まって糞をすることを害として挙げています。ヤモリについては、今回確認した公的資料に、フンの大きさや形を示した記述はありませんでした。見た目で断定せず、「どこに、どの時期に、どれだけ落ちているか」と、周囲の痕跡(かじり跡、虫の姿、出入りするすき間)で判断します。

コウモリ・ヤモリ・ゴキブリのフンとの違い:確認項目
候補公的資料で確認できる手がかり落ちている場所の傾向
ネズミ類1〜1.5センチ、1センチ前後、0.5センチの3段階(東京都)エサ場の近くの決まった場所、壁際(日本ペストコントロール協会、大阪府)
コウモリ5〜10ミリでもろい(東京都ペストコントロール協会)。黒く細長い約5ミリ(川越市)夏の軒先、屋根の下、出入り口の下
ゴキブリ大きさや形の記述は確認できず食器棚の中などに集まる(日本ペストコントロール協会)
ヤモリ大きさや形の記述は確認できず確認できず。場所と周囲の痕跡で判断する

参考:東京都ペストコントロール協会|コウモリとネズミの糞の違い

新しいフンと古いフンを見分けるには

東京都のチェック表は、フンの新しさを「新しい(生息の可能性)」と「古い(迷入の可能性)」に分けています。古いフンだけなら、今はいない、あるいは通り抜けただけの可能性がある、という考え方です。ただし、公的資料は、色や湿り気など見た目で新旧を見分ける具体的な基準までは示していません。そこで、見た目より、時間の経過で見ます。

実践的には、日付入りの写真を撮り、フンの位置を間取り図に番号で記録し、数日後に同じ場所を同じ角度で撮って、数や位置が変わっているかを比べます。拭き取ったあとの同じ場所に新しいフンが出れば、今も通っている手がかりになります。記録をとるあいだは、子どもやペットが近づかないようにしてください。

  • 日付を書いた紙とともに、フンと定規を一枚に写す
  • フンの位置を、間取り図に番号で書き込む
  • 掃除の前と後の状態を、分けて撮る
  • 数日後に、同じ場所に新しいフンがあるかを、同じ角度で撮る

参考:東京都保健医療局|東京都ねずみ防除指針 第三部 2) 窓口対応の実践例(PDF)

フンを見つけたら最初にすること

厚生労働省の動物由来感染症ハンドブックは、野生動物がどんな病原体を持っているか分からないため安易に触らないこと、動物の糞尿は乾燥すると病原体が空気中を漂うことがあるため、直接触れたり吸い込んだりしないこと、触ったあとは流水で手を洗うことを案内しています。ネズミが関わる感染症として、レプトスピラ症や鼠咬症などが挙げられています。

まず、素手で触らず、掃除機やほうきで乾いたまま集めず、子どもやペットが近づかないようにします。次に、写真と位置を記録します。発熱や体調の変化があるときは、診断を自分で決めず、医療機関や保健所へ相談し、動物との接触状況を医師に伝えてください。掃除の前の準備は、ネズミのフンを掃除機で吸う前の確認も参考になります。

  • 素手で触らない。顔を近づけて確認しない
  • 掃除機やほうきで、乾いたまま集めない
  • 子どもやペットを近づけない
  • 日付入りの写真と位置を記録する
  • 体調に不安があるときは、医療機関や保健所に相談する

参考:厚生労働省|動物由来感染症ハンドブック2026(PDF)

掃除と消毒で気をつけること

東京都のよくある質問集は、ネズミのフンが落ちていた場所や、ネズミが歩いた場所の消毒について、あまり神経質になる必要はなく、消毒するなら消毒用アルコールでの拭き取り程度でよいと答えています。ただし、調理台、食器、調理器具のように、間接的に食品が汚染される場所や器具は、よく洗浄・消毒します。さいたま市も、消毒用エタノールでの拭き取りで十分とし、食器や調理器具などの洗浄消毒を中心に行うとしています。

米国のCDCは、ネズミの糞尿や巣材を、乾いたまま掃いたり掃除機で吸ったりしないこと、作業前に換気すること、手袋を使うことを案内しています。日本の自治体の説明とあわせると、「舞い上げない、素手で触らない、食品に関わる場所を優先する、終わったら手を洗う」が共通する考え方です。薬剤を使う場合は、製品の表示に従い、自己流の濃度調整や混合は行いません。

量が多い、天井裏や壁の中など手が届かない、においが残るといった場合は、無理に自分で行わず、清掃と消毒を含めて業者に相談します。範囲と見積もりの確認は、清掃の見積書を比べる確認票が役立ちます。

参考:東京都保健医療局|行政担当者のためのねずみについてよくある質問&回答集(PDF)

調査を相談するときに伝える情報

東京都のねずみ読本は、防除を、種類を見分ける、侵入経路と生息要因を明らかにする、対策の措置を講じる、の順に進めると示しています。フンの情報は、最初の「種類の見分け」と「生息要因」の材料になります。

見積もりを依頼するときは、種類の確認、侵入口の調査、封鎖、清掃・消毒、再発の確認を項目ごとに分けてもらい、害獣の現地調査を頼む前に伝えることと照らし合わせます。天井裏の音もあるときは、ネズミの鳴き声と天井裏の音の見分けの記録も添えます。さいたま市は、保健所ではネズミの防除作業や駆除は行わず、専門業者の費用は自己負担と案内しています。神戸市も、個人宅のネズミは自分で駆除するか専門業者に依頼し、費用は自己負担としています。お住まいの自治体の窓口を確認してください。

調査を相談するときに伝える情報:確認項目
伝える情報書く内容どう使われるか
場所部屋名、床・棚・家具の位置、壁からの距離通り道、餌場、営巣場所の見当
大きさと数定規入りの写真、粒の数、大小の混在種類の見当と、繁殖の手がかり
新しさ初めて見つけた日、数日後の増減今も通っているかの判断
同時に見つけた痕跡かじり跡、こすり跡、足跡、巣材、音侵入経路と生息場所の推定
食品・ごみ・ペットフードの置き場保管の方法、夜間に出していないか餌場をなくす対策の検討

参考:東京都保健医療局|都民のためのねずみ防除読本(令和7年12月)