ハエが大量発生する主な種類と、湧く場所(発生源)の表
ひと口に「家でハエが湧いた」といっても、ハエの種類によって発生源が違います。東京都ペストコントロール協会は、イエバエ、ヒメイエバエ、ニクバエ類、クロバエ類、キンバエ類などを紹介し、体の大きさや色、発生源の違いを示しています。まず種類の見当をつけると、探す場所を絞りやすくなります。
協会の資料では、イエバエの成虫の寿命は約1か月で、産卵から成虫になるまでおよそ12日とされています。短い期間で次の世代が出てくるため、数日のうちに急に増えたように感じる場合があります。
| ハエの種類 | 大きさ・見た目 | 主な発生源 | 家での出方・時期 |
|---|---|---|---|
| イエバエ | 体長6〜8mm。灰黒色で、胸に4本の黒い縞がある | 生ごみ、畜舎や鶏舎の敷き藁や糞、堆肥、ごみ | 成虫で越冬し、春から晩秋まで発生を繰り返す。盛夏にやや減る2山型 |
| ヒメイエバエ | 体長5〜7mm。黒褐色で、腹部に黄色の紋がある | 生ごみ、漬物おけ、鳥の巣など | 室内や軒下を、数匹で輪を描くように飛ぶ |
| ニクバエ類(センチニクバエなど) | センチニクバエは体長8〜14mm。灰色で、胸に3本の黒い縞、腹部は市松模様 | 人や動物の糞、動物の死体、肉 | 卵ではなく幼虫を産む。盛夏に活動のピーク |
| クロバエ類(オオクロバエなど) | オオクロバエは体長10〜15mmと大型で、青黒色 | 動物の死体や糞(草食動物の糞は好まない) | 比較的低温を好み、本州では春と秋に発生。気温の高い時期には見られなくなる |
| キンバエ類(ヒロズキンバエなど) | ヒロズキンバエは体長7〜10mmで、金緑色 | 本来は動物の死体。畜舎やごみ処理場で集中発生し、家庭の台所の生ごみからも多く出る | 台所の生ごみが発生源になることも多い |
| ウヅキイエバエモドキ | 足が黄色い。成虫はごみには集まらない | 公的資料では示されていない(成虫はごみには集まらないとされる) | 春先か晩秋に大発生することがある。晩秋は越冬のため大量に室内へ侵入する |
| ノミバエ類(コバエの一種) | 体長1.1〜2.2mm。褐色で、素早く動く | わずかなごみ、排水系、ごみ箱の底の残渣。家屋内に侵入した動物の巣や糞、動物の死体からも発生する | 夏の気温の高い時期に多い。家屋に侵入する力が非常に強い |
ハエが家で大量発生する原因は何ですか?
生ごみ、排水、ペットのフン、傷んだ食品などの室内の発生源が多い一方、天井裏の動物の死骸、鳥の巣、コンポストが発生源になることもあります。東京都ペストコントロール協会は、一般家屋の発生場所の例に、小動物の死体や鳥の巣を挙げています。
ハエが湧いたとき、室内で探す順番:ごみ・排水・ペット・食品
ハエが急に増えたときは、成虫の姿より、幼虫(ウジ)がいる場所を探します。札幌市は、イエバエ類の対策として、生ごみはふた付きの容器に保管する、成虫は生ごみのにおいに寄ってくるので網戸をつける、ペットのフンはすぐ片づける、といった内容を案内しています。次の順番で、手が届く範囲から確認してください。
排水口やシンク周りに小さなハエが多いときは、チョウバエやノミバエなど別の種類かもしれません。チョウバエは、飲食店・厨房のチョウバエ対策でも、幼虫が育つ汚れの清掃を中心にまとめています。
| 順番 | 探す場所 | 見るポイント | 見つかったら |
|---|---|---|---|
| 1 | 生ごみ・ごみ箱 | ふたの有無、底の汁や残渣、回収日までの放置 | ふた付き容器に替え、容器の内側と底を洗う。ごみ置き場も確認する |
| 2 | 排水口・水まわり | 排水口や目地のぬめり、小さなハエの出入り | ぬめりと汚れを洗い流す。小さなハエが中心なら、チョウバエなど排水まわりから出る種類も考える |
| 3 | ペットのフン・ペットフード | 室内外のフンの放置、餌の食べ残し | すぐに片づけ、容器と周辺を洗う |
| 4 | 食品・果物・野菜・漬物 | 傷んだ果物や野菜、漬物、流しの食べ残し | 取り除き、保管場所を拭く。長く置かない |
| 5 | 観葉植物・コンポスト | 鉢土の表面、コンポストのふた | コンポストはふた付き容器を使う。鉢の置き場所を見直す |
| 6 | 窓・換気扇・給排気口 | 網戸の破れ、すき間、開けっ放しの時間 | すき間をふさぎ、網戸や防虫ネットを取り付ける |
窓にハエが集まる・特定の部屋だけ多いときの見方
窓際や照明の近くにハエが集まっていても、その場所が発生源とは限りません。種類や季節、光や暖かさで集まっている場合があるためです。窓際の数と、特定の部屋に偏る日数を分けて記録します。
窓や照明に集まるとき
日本ペストコントロール協会は、夜間の不要な灯火は消し、窓の開放を控えるか、網戸をつけるよう案内しています。東京都ペストコントロール協会は、成虫は食品や発酵、腐敗のにおいに誘われて飛来し、低温期には暖かい場所に集まると説明し、夜は天井面に止まって休む習性があるとしています。札幌市は、晩秋に越冬のため、ウヅキイエバエモドキが大量に室内へ入って不快に感じることがあると説明しています。
特定の部屋だけ多いとき
同じ部屋の天井や壁際、窓際に、同じ種類のハエが毎日のように続くときは、その部屋の近くに発生源があるかもしれません。見つけた日時、場所、数、大きさと色をメモします。青黒い大型のハエや金緑色のハエは、クロバエ類・キンバエ類の可能性があります。協会は、クロバエ類の幼虫は動物の死体や糞から発生し、キンバエ類は家庭の台所の生ごみからも多く出ると説明しているため、死骸と決めつけず、ほかの発生源も同時に確認します。
ハエが天井裏や壁の中の死骸から湧くことがある:疑うサインと判断表
東京都ペストコントロール協会の大型バエの発生場所の図は、一般家屋の例として、屋根裏や庭の小動物の死体、鳥の巣、コンポスト、ドア・窓・換気扇などからの侵入を挙げています。小動物の死体のページには、屋根裏に侵入したハクビシンと、ハクビシンのため糞の写真が載っています。ニクバエ類やクロバエ類は動物の死体や糞から発生するとされ、小さなノミバエも、家屋内に侵入したハクビシン、アライグマ、ネズミなどの巣や糞、動物の死体から発生すると説明されています。
大阪市旭区のネズミ対策のページは、殺そ剤(毒エサ)を使うときは、死亡したネズミの回収を徹底するよう求めています。夏期は死んだネズミが腐敗してハエが発生するため、殺そ剤の使用は冬季に限定するとも書かれています。殺鼠剤を使ったあとのハエは、見えない場所で死んだネズミが発生源になっていないかを疑う手がかりになります。
死骸や汚れに触れる作業は、衛生面でも作業の危険の面でも、無理をしないほうがよい場面です。天井裏や壁の中に上がったり、天井板を外したりせず、次のサインと記録を持って相談してください。
| 見たもの | 疑うこと | 次にすること |
|---|---|---|
| ごみ箱、排水口、食品にウジや小さな幼虫がいる | 室内の通常の発生源 | 発生源を取り除き、容器とその周りを洗う。ふた付き容器に替える |
| 発生源が見つからず、特定の部屋の天井や壁際に大型のハエが続く。腐敗臭がある | 天井裏・壁の中・床下の動物の死骸、巣、糞 | 自分で開けず、場所・日時・におい・ハエの種類を記録して、調査と回収を相談する |
| 数週間前に天井から音がして、最近止まった。殺鼠剤を置いた | 殺鼠剤を食べたネズミが、見えない場所で死んで残っている | 置いた場所・日付・製品名を伝える。回収は専門の調査に相談する |
| 天井にシミが出て、ハエも続く | 漏水と、動物由来の汚れの両方の可能性 | 写真と日付を残し、漏水の有無と動物の可能性を分けて相談する |
- 天井・壁際・特定の部屋に、大型のハエが日をまたいで続く
- 腐ったような、生臭いにおいが、部屋の一部で強い。においの確認は、天井裏のにおいが気になるときの整理でも扱っている
- 天井や壁に、シミが広がっている。漏水との見分けは、天井のシミを動物被害と漏水に分けて伝える方法にまとめている
- 数日から数週間前に天井から物音がしていて、最近止まった
- 殺鼠剤を置いた場所と日付がある
- ごみ・排水・ペット・食品に、発生源が見つからない
ハエの卵・ウジ・サナギを見つけたときの扱い
卵やウジ、サナギを見つけたときは、見つけたものだけを処理して終わらず、どこから来たかを探して、その場所ごと片づけます。育つ速さを知っておくと、確認の間隔を決めやすくなります。
卵・ウジ・サナギが育つ速さ
東京都ペストコントロール協会の資料では、イエバエの卵の期間は0.5〜1日、幼虫(ウジ)の期間は約7日、さなぎの期間は約4日とされています。成虫は、約1か月の寿命の間に、50〜150個の卵塊を4、5回産卵するとされています。産卵から成虫までがおよそ12日なので、片づけを1〜2週間後回しにすると、次の成虫が出てくるおそれがあります。
見つけたときの扱い
日本ペストコントロール協会は、ハエの場合は、屋内外の清掃を徹底し、エサや産卵場所となる生ごみや汚物を取り除くよう案内しています。次の手順で、見つけた場所と周りをまとめて片づけてください。
- 卵、ウジ、サナギを見つけたら、写真と日時、場所を残す。相談のときに役立つ
- 手袋をして、見つけたものと汚れを袋に入れ、口を閉じてごみに出す。素手で触らない
- 容器、床、壁際など、周りを洗い、乾かす
- 動物の死骸の近くで見つけたときは、自分で触らず、場所を記録して相談する
ハエの殺虫剤が効かないとき:製品表示と発生源対策の順番
日本ペストコントロール協会は、ハエの場合は、エアゾールを用法・用量に従って虫体に向けて直接噴霧すると案内し、一般に飛んでいる昆虫の駆除は、発生源への処理が効果的だと説明しています。発生源が残ったまま成虫だけを処理していると、次々に新しい成虫が出てくるため、殺虫剤が効かないように感じることがあります。
殺虫剤は、製品の表示にある適用害虫(ハエが含まれるか)、使用場所(室内か屋外か、食品のある場所か)、使用上の注意(子ども・ペット・換気)を読んでから使います。量や回数を自己流に変えないでください。東京都ペストコントロール協会は、家庭内ではハエ叩き、エアゾール、粘着リボンなどで対処でき、においで誘う仕組みのトラップも、屋内を飛ぶイエバエの捕獲に使えるとしています。
- 発生源を特定して取り除く。ごみ、排水、ペットのフン、食品、死骸の疑いの順に確認する
- 窓、換気扇、給排気口のすき間をふさぎ、網戸や防虫ネットを取り付ける
- 飛んでいる成虫は、製品の表示に従って処理するか、粘着リボンやトラップで捕獲する
- 数日たっても減らないときは、発生源が見えない場所にある可能性を考える
動物の死骸の回収・清掃を業者に頼むときの確認点
天井裏や壁の中、床下に死骸が疑われるときは、ハエの駆除だけでなく、死骸の位置の特定、回収、汚れの清掃、においへの対応、侵入口の封鎖が、別々の作業になります。見積もりでは、どこまでが含まれるのかを作業ごとに分けて確認します。位置の特定では、点検口やカメラで確認できるか、天井や壁を開けるときの復旧が含まれるかを聞きます。確認できる範囲と死角の読み方は、壁や床下のカメラ調査で何が分かるかにまとめています。
清掃の範囲は、害獣駆除のあとの清掃で回収・清掃・補修を確認する方法で整理しています。死骸の扱いは、自治体によって窓口が違います。大阪の例ですが、動物の死骸を見つけたときの連絡先が参考になります。
日本ペストコントロール協会によると、各都道府県協会の害虫相談所で、電話などによる相談を無料で受け付けています。現場調査や防除施工が必要な場合は原則有料で、相談内容に応じた事業者を紹介してもらえる場合もあります。
- 位置の特定:どの方法で調べるか。天井や壁を開ける場合の復旧は含まれるか
- 回収と処分:誰が回収し、処分はどう扱うか。別料金になる条件は何か
- 清掃・消毒・消臭:範囲と数量、対象外の作業は何か
- 原因の封鎖:侵入口を塞ぐ作業は今回の見積もりに含まれるか、別の見積もりか
- 再発時の対応:ハエやにおいが続く場合の再訪の条件と費用






