蜂の巣駆除は市役所の仕事?私有地は所有者・管理者が対応する原則

「蜂の巣 駆除 市役所」と検索する人の多くは、無料で来てもらえることを期待しています。ところが広島市は、市ではハチの駆除等は行っておらず、原則としてハチの巣ができた場所の所有者または管理者の対応としています。松戸市も、土地や建物は所有者や居住者が管理する財産であり、ハチの巣も自己責任で駆除するのが原則と書いています。

松戸市のように、この原則を示したうえで、危険回避業務として市の職員が駆除する自治体もあります。つまり「原則は自己対応、例外として自治体が動く」という構造で、例外の範囲は市ごとに違います。窓口が市役所でも、区役所でも、町村の役場でも、調べる手順は同じです。次の5つの型のどれに近いかで、住んでいる自治体の案内を読んでください。

参考:広島市|ハチの駆除について(見積もり・除去後の飛来)

読者の疑問

蜂の巣駆除は市役所に頼めば無料ですか?

比較ガイド

無料とは限りません。広島市のように市では駆除を行わない自治体もあれば、松戸市のように職員が無料で駆除する、船橋市のように委託業者が要件を満たす巣を無料で駆除する自治体もあります。お住まいの自治体の公式ページで確認してください。

自治体対応の5つの型と実例(2026年10月3日確認)

自治体のハチの巣対応は、実際の公式ページに合わせると、市が職員で駆除する「直接駆除型」、市が委託した業者が駆除する「委託駆除型」、費用の一部を補助する「補助金型」、防護服などを貸し出す「用具の貸出型」、業者や協会を案内する「紹介のみ型」に分けられます。複数の型を併用する自治体もあります。

自治体対応の5つの型と実例(2026年10月3日確認):確認項目
型自治体の動き実例(2026年10月3日に確認した公式ページ)費用の見方
直接駆除型市の職員が巣を駆除する松戸市(すぐやる課):活動期のスズメバチ・アシナガバチの巣を、市内の住居等とその敷地で駆除。法人事業所とマンション・アパート等の共用部分は除く。立会いが必要職員が行う駆除は無料。職員が駆除できない場所は、業者を探して全額自己負担
委託駆除型市が委託した業者が駆除する船橋市:スズメバチで、露出した巣、地面から7m以内、現に生息、立会い可などの5要件に合えば委託事業者が無料で駆除。さいたま市:住宅やその敷地のスズメバチの巣を委託業者が駆除要件に合えば無料や市の負担。合わない場合は有料。船橋市は、調査後のキャンセルなどで出張調査費(目安5,000〜10,000円)がかかる場合を案内
補助金型自分で業者に頼み、費用の一部を補助水戸市:スズメバチの駆除費の2分の1(上限10,000円)。前橋市:市の指定業者に依頼し、個人負担6,000円業者への支払いが前提。補助率と上限は自治体ごとに違う
用具の貸出型防護服などを貸し出す。駆除は自分か業者広島市:保健所で防護服を無料で貸出。八千代市:防護服一式(ヘルメット・防護服・手袋・靴)を無料で貸出貸出は無料でも、薬剤は借りる人の負担(八千代市)。作業の責任も借りた人
紹介のみ型駆除は行わず、相談や協会を案内する神戸市:個人宅等の駆除や費用負担は行わず、兵庫県ペストコントロール協会を案内。名古屋市:駆除は行わず、駆除方法などの相談に応じる業者との契約になり、全額自己負担が基本

参考:船橋市|ハチの巣の駆除はどうすればよいですか?

直接駆除・委託駆除の型|無料になる条件の読み方

無料と書かれていても、無料になる範囲は条件つきで、狭いのが普通です。見る点は、対象の蜂、巣の場所と高さ、申請できる人、立会いの有無、対象外の例の五つです。下の表は、2026年10月3日に確認した公式ページから、市が駆除する、または費用を負担する自治体を並べたものです。

市の職員が行う型では、できない場所も決まっている

松戸市は、初期のハチの巣は自分でも駆除できるとしつつ、方法が分からないとき、難しいと思ったとき、ハチの子が生まれて複数匹になったときは、無理をせず相談するよう案内しています。すぐやる課の職員が行った駆除は無料ですが、巣の場所によっては職員でも駆除できず、その場合は自分で業者を探して全額自己負担になります。詳しい対象は松戸市のハチの巣駆除でも整理しています。

委託業者が行う型では、調査と駆除の流れを確認する

さいたま市は、区職員が現地調査を行い、駆除の対象かどうかを判断したうえで、委託の防除業者と調整して原則同日に駆除する流れです。現地調査は調査のみで、調査と駆除のどちらにも立会いが必要です。船橋市は、要件に合っていても個々の巣の状況で有料になったり、周囲にはしごが置けないなどで駆除できなかったりする場合があると、誓約事項として示しています。船橋市の5要件は船橋市のハチの巣駆除で詳しく確認できます。

直接駆除・委託駆除の型|無料になる条件の読み方:確認項目
自治体対象の蜂対象の場所・高さ申請できる人対象外・注意
松戸市活動期のスズメバチ・アシナガバチの巣。古巣や、巣が見当たらない場合は対象外市内の住居等とその敷地。屋根に上る必要がある場所、脚立が置けない足場の悪い場所は作業不可所有者または居住者等の関係者(作業時に立会いが必要)法人事業所とマンション・アパート等の共用部分は除く。時間指定はできず、午前か午後のみ
船橋市スズメバチ(種類不明でも受付。スズメバチ以外は有料)建屋の壁、塀、敷地内の樹木表面などに露出した巣で、地面から7m以内所有者、管理者、居住者(原則として立会いが可能であること)屋根裏、床下、壁の中、室外機、換気扇、木の洞、地中の巣と、隣家など他人が管理する巣は対象外
さいたま市スズメバチの巣戸建て住宅とその敷地、集合住宅の専有部分やベランダなどの専用使用部分、住居兼事業所の住居部分住民登録があり居住実態のある人。高齢などの場合は代理も可。周辺住民などからの依頼は不可集合住宅の共用部分、空き家、空き地、道路、場所不明の巣、空巣、高所など駆除困難な巣は対象外
前橋市スズメバチの巣市内の巣。山林・原野・河川など日常生活に支障のない範囲は対象外。賃貸住宅は自分の住戸とベランダ・バルコニーに限る個人、市の自治会、私立保育園・学校等の管理者法人所有の建物、店舗、賃貸住宅の階段・エントランスなどの共有部分は対象外。個人負担6,000円

参考:さいたま市|スズメバチの巣について

補助金・用具の貸出・紹介のみ型の実例と注意点

直接駆除や委託駆除に当てはまらない自治体も、補助、貸出、紹介のいずれかで支援していることがあります。ここでは、それぞれの型で見落としやすい点を、公式ページの内容に沿って確認します。

補助金型:業者に頼んだあとで費用の一部が戻る

水戸市は、スズメバチの駆除費の2分の1(上限10,000円)を補助し、申請は同一年度1回限り、申請者と領収書の氏名と振込先の名義は同じ人にするよう求めています。同じページに、市役所や消防署ではハチの駆除は行っていないとも書かれています。補助があることと、市が駆除することは別です。前橋市は、指定業者へ電話で依頼し、個人負担6,000円を支払う仕組みです。対象の蜂、補助率、申請の順番は蜂の巣駆除の補助金で自治体別に整理しています。

用具の貸出型:借りても作業は自分で行うことになる

広島市は、保健所で防護服を市民に無料で貸し出し、事前の電話連絡と物品貸出申込書を求めています。同時に、防護服はハチの針が貫通しないことを保障するものではなく、事故が起きても市は責任を負わないと明記しています。八千代市は、貸出期間を原則2日間とし、薬剤は借りる人の負担、駆除作業者は借受人または借受人から依頼された健康な成人に限ると定めています。無料の貸出でも、作業の危険は借りた人が負います。水戸市も、市内の巣を駆除する人に消防署で防護服を無料で貸し出しています。橋本市のページにも無料貸出の記載がありますが、更新は2017年です。

紹介のみ型:窓口は案内まで、駆除は事業者との契約になる

神戸市は、特定の業者は紹介せず、事業者団体の兵庫県ペストコントロール協会に問い合わせると、作業内容に応じたおおよその価格を教えてもらえると案内しています。名古屋市は駆除を行いませんが、相談に応じ、生活保護の世帯などには昆虫等駆除費の補助が可能な場合があるとしています。紹介のみの自治体でも、世帯の事情で費用の支援がある例があるため、窓口で確認しましょう。和歌山市の例は和歌山市のハチの巣相談にまとめています。

参考:水戸市消防局|スズメバチ駆除費補助制度について

自治体の制度は変わる|更新日と確認日の見方

制度は年度の途中や春に見直されることがあります。川口市は、令和7年度で民間の土地・建物のスズメバチの巣の無償駆除を終え、令和8年4月1日からは原則として行わず、駆除の助成もないと公表しています。一方で、住民税非課税世帯で自力での駆除が困難と判断される人には、無償駆除を実施するとしています。防護服の貸与、有料の駆除業者の紹介、駆除についての相談は行うと案内されています。

ページの更新日も手がかりになります。2026年10月3日に開いた公式ページでは、松戸市と船橋市が2026年7月22日、名古屋市が2025年10月16日、八千代市の防護服貸出が2025年10月1日の更新と表示されていました。一方で、和歌山市の駆除の案内は平成29年8月22日、橋本市は2017年8月2日の更新のままです。更新日が古いときは、記載の制度が今も続いているかを電話で確認してください。

参考:川口市|令和7年度をもちまして市によるスズメバチの巣の無償駆除は終了いたしました。

市役所へ電話する前に用意する情報

聞かれる項目は自治体ごとに少しずつ違いますが、公式ページから共通して読み取れる準備は、巣の位置、高さ、大きさ、住まいの種類、立会いの日程です。前橋市は、指定業者へ電話で依頼するときに、住所・氏名・電話番号のほか、巣の場所(地面からの高さ)と巣の大きさを伝えるよう案内しています。船橋市は、所有者・管理者・居住者が巣のある場所と形状を確認したうえで申請するよう求めています。

松戸市は、駆除の作業時に所有者または居住者等の立会いが必要で、時間指定はできず午前か午後のみと案内し、夏は電話がつながりにくいため、メールや公式LINEでも受け付けるとしています。さいたま市は、現地調査と駆除のどちらにも立会いを求めています。写真が撮れる場合は離れた位置から撮り、不安があれば撮らずに、見えたままを伝えてください。

  • 住所と、巣のある建物(戸建て、アパートの専用ベランダ、共用部分など)
  • 巣の位置(軒下、壁、庭木など)と、地面からのおおよその高さ
  • 巣の大きさと形(握り拳より大きいか、丸いか、穴が見えるか)。近づいて確かめない
  • ハチの種類の見当。分からなければ「不明」と伝える
  • 立会いできる日時と、所有者・管理者に連絡がつくか

参考:前橋市|スズメバチの巣の駆除費用を一部補助します

道路・公園・空き家・隣家・マンション共用部の巣の連絡先

巣が自宅の敷地の外にあるときは、連絡先が変わります。船橋市は、市管理の公園・緑地は公園緑地課、市管理の公道・街路樹は道路維持課、市営住宅は市営住宅管理センターなど、巣のある場所ごとに担当窓口を一覧にしています。自分が所有・管理する土地は衛生指導課、空き家はその所有者または管理者が連絡先です。

隣の家の軒に巣があるときは、勝手に敷地へ入ったり自分で業者を手配したりせず、巣のある建物の所有者または管理者から連絡してもらいます。船橋市は、隣など他人が所有・管理する建物の巣を無料駆除の対象外としています。賃貸住宅や分譲マンションの共用部分の巣は、費用負担の考え方も含めて蜂の巣を賃貸で見つけたら管理会社へで整理しています。

道路・公園・空き家・隣家・マンション共用部の巣の連絡先:確認項目
巣のある場所連絡先の考え方実例(公式ページ)
公園・街路樹・公道管理する自治体の担当課。代表窓口や衛生担当に聞くと案内される船橋市:公園緑地課(公園・緑地)、道路維持課(公道・街路樹)。川口市:公園内の樹木や街路樹は公園課
空き家・隣家建物の所有者または管理者。自治体が駆除する制度でも対象外のことが多い船橋市:空き家は所有者または管理者、他人が所有・管理する建物の巣は無料駆除の対象外。川口市:所有者不明の近隣の空き家は住宅政策課
市営住宅・学校など市の施設施設の管理課船橋市:市営住宅は市営住宅管理センター、市立学校は教育委員会施設課など
賃貸・分譲の共用部分貸主、管理会社、管理組合さいたま市:集合住宅の共用部分の巣は、貸主や管理者に相談するよう案内

参考:船橋市|ハチの巣の駆除はどうすればよいですか?

自治体が対応しない場合の業者の探し方|協会・複数見積もり

市が駆除せず、補助も貸出も使えないときは、業者への依頼になります。日本ペストコントロール協会は、全国47都道府県に地区協会があり、害虫相談所で電話などによる相談を無料で受け付け、現場調査や防除施工が必要な場合は原則有料、相談内容に応じた事業者の紹介も可能と説明しています。神戸市は、兵庫県のこの協会に問い合わせるよう案内しています。

広島市は、2、3社に電話して巣の位置などを説明し、見積もりをもらって内容や料金を確認してから依頼するよう案内しています。国民生活センターは、ネットで「500円〜」と表示した業者に頼み、見積もりが示されないまま作業後に約15万円の請求を受けた蜂の巣の相談を紹介しました。表示の最低料金で済むとは限らないため、複数社から見積もりを取り、不安をあおって比較させない業者とは契約しないよう助言しています。見積もりの読み方はハチの巣駆除の費用を比べるで確認できます。請求に納得できないときは、消費者ホットライン188が最寄りの消費生活センターを案内します。

参考:公益社団法人日本ペストコントロール協会|都道府県協会